NetBurstアーキテクチャの秘密

Intel Pentium4プロセッサで採用されているNetBurstアーキテクチャですが、今まで秘密のベールに包まれていたものがようやく少しずつ明らかにされてきたようです。詳しくはここここを参照していただくとして、今まで高クロック化のためのアーキテクチャだと思われていたNetBurstに、実は強力な柔軟性というもっと大きな目的があったということに、私も目から鱗が落ちました。発売当初、Pentium4はクロック当たりの性能が低いとさんざん揶揄されていたものですが、その後Hyper-Threadingの存在が明らかにされ、やはりIntelはただものではないなと私も2002/02/04の日記に書いています。そして今回さらに、Hyper-ThreadingだけではないNetBurstアーキテクチャの真の目的が明るみに出たわけで、その思いをさらに強くしました。

しかしここまでくるとほんとにTransmetaのCPUと思想は似てるなあと感じます。かつてTransmetaのCPUアーキテクチャは革新的だと言われていましたが、実はIntelも似たようなことをやっていたということになるわけで、おもしろいものですね。そういえばマイクロソフトは一昨年ごろ、ハードウェア的にセキュリティを確保するPalladiumと呼ばれる機能(現在ではNGSCBと名称が変わっています)が次期Windowsに採用される予定だと発表しましたが、それに対応してIntelのCPUにはLaGrande Technologyという機能が実装される予定だと言われていました。一方Intelと比較してTransmetaはアーキテクチャ上、いったんx86命令をCPU内部で実行可能な命令に変換してから実行するスタイルなので、このNGSCBを実装するには命令変換ソフトウェア(CMS)を変更するだけでよく、実装は非常に容易であるという記事を読んだ記憶があります(このあたりとか)。その当時はTransmetaが有利なのかなあとも思いましたが、実はIntelだってこのLaGrande Technologyの実装は、NetBurstのおかげでTransmeta並みの労力で済んでるんじゃないか、ということに今改めて気づきました。全然違うものだと思っていたのに、おかしなものですねぇ。

でも冒頭でリンクをはったコラムの最後に書いてあるように、このNetBurstの弱点はやはり実行効率ですね。とにかく発熱がすごいというのが問題です。なのでせっかくたくさんの利点があるNetBurstですが、短命に終わっちゃうのでしょうか?Intelのことですからきっとうまい回避方法を考えてくるとは思うんですけどね。

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