2005年6月22日

    キルビー逝く

    集積回路の発明者、ジャック・キルビー氏が死去

    あのキルビー氏がお亡くなりになってしまったそうです。キルビーといえば集積回路の発明者として有名ですが、記事中にもあるように日本の半導体産業にとってはキルビー特許という忌まわしい思い出がよみがえるかもしれません。そしてキルビー特許自体、現在主流のモノリシック型(1枚の半導体基板上にすべての素子を作り込む方式)ではなく、素子間を空中配線するハイブリッド型であるため、実際にはキルビー特許の半年後にフェアチャイルド社のロバート・ノイス氏によって出された、モノリシック型のプレーナ特許のほうが有効なのではないかという論争もなされてきました。しかしICの基本概念を最初に考えついたのはおそらくキルビーの方でしょうから、その功績は賞賛されてしかるべきでしょう。こうして半導体業界の黎明期を知る人がまた一人いなくなってしまうのは寂しいものがあります。