2004年8月3日

    まさに技術革新

    三洋、外付け部品不要なFMチューナIC「Easy Radio IC」

    これはすごい技術だと思います。発明といえるほど革新的な技術が使われているとまでは言いませんが、これまでの技術力の蓄積がなせる技でしょうね。ラジオの検波回路といえばまさにアナログ技術の固まりで、IC化するのが大変困難な部分でした。ICは基本的にトランジスタの集まりなので、抵抗を作り込むことはそれほど難しくありませんが、大容量のコンデンサやコイルを作るのは難しいのです。バリキャップ(可変容量ダイオード)も同じくIC内に作り込むのが困難なようで、今回の回路はキャパシタ・バンクという回路を使ってその問題をうまくクリアしたなあという印象を受けます。これならデジタルで制御することも非常に簡単ですしね。あと面積を非常に食うコイルをパッケージ裏側に作ってしまったというのも、なかなかすごいです。発想としては浮かびますが、実際に作るとなると、いろいろ技術的な問題があるでしょうから、すごいの一言です。このICの登場で、ラジオの聴けるケータイはじわじわと増えていくんじゃないでしょうか。今回はFM・AMチューナもリリースされているので、AMの聴けるケータイも近いうちに登場しそうです。なかなか楽しみですね。