南ドイツ・オーストリアの旅7日目(8/23) その1

目覚ましをセットしていた7時より前に目が覚めていましたが、身支度やら何やらしているうちにいつの間にか9時前に。今日のホテルは朝食が別料金だったのですが、5.9ユーロとそれほど高くなかったので朝食付きのプランにしていました。食堂に行くと日本人夫婦とその娘さんが先に朝食を食べていましたが、娘さんが音楽留学をしているような雰囲気で、そのにじみ出るハイソなオーラにやられそうになります。


↑今日の朝食。なかなか充実していておいしかったです。奥に見えるゴマの乗ったパンはカイザーゼンメルという名前で、上下半分に切って中に何かを挟んで食べるのが定番のようです。

今日は天気があまり良くないので一日博物館巡りをすることにします。日差しがないせいか、外に出るととにかく寒い!あわてて上着を引っ張り出してきて着ることにしました。博物館に行く前に、まずはホテル近くのスーパーでおみやげを少し物色し、有名なハリボーの大袋を購入。それからニュルンベルク交通博物館に行くことにします。


↑交通博物館の外観。入口はこの反対側にあります。

交通博物館についてはWikipediaが詳しいですが、DB博物館と通信博物館からなる施設で、まずはDB博物館の方から見ていくことにします。ドイツの鉄道は1835年にここニュルンベルクと隣町のフュルトを結ぶバイエルン・ルートヴィヒ鉄道から歴史が始まったので、DB博物館もそれを記念してニュルンベルクに置かれているわけです。平日の午前中ということもあり、入館者も少なかったのでゆったりと見ることができました。


↑蒸気機関車の模型など。


↑ルートヴィヒ2世のお召し列車。まさに走る貴賓室。


↑プロイセン邦有鉄道の蒸気機関車G3号。黒と緑のコントラストが美しい。


↑ドイツ初の蒸気機関車であるアドラー号のレプリカ。ちょっとかわいらしいデザインに思えます。


↑そのすぐ隣に対比するように置かれているのが、最新鋭のICE3のモックアップ。運転台が近未来的でかっこいい。


↑ミュンヘンの南にあるオーバーアマガウへの旅行を宣伝するポスター。時刻表が付いています。


↑第一次大戦後にドイツがハイパーインフレに陥った頃の紙幣。10億マルク札や5兆マルク札などという超高額紙幣が見えます。


↑プロペラ付きの試作車両、シーネンツェッペリン。航空機用エンジンを搭載し、230km/hを記録するなど画期的な車両でしたが、混雑する駅構内にプロペラをぶん回して進入することの危険性等のため、量産には至りませんでした。今見るとほんとにトンデモ車両ですね。走行時の映像がYouTubeにあがっています。


↑この時代はまた、世界的に流線型車両がはやった時期でもありました。日本でも関西急電用の52系電車などがありましたが、ドイツのこの車両は今見ても鏡面仕上げの外観が斬新で、少しも古さを感じさせないのがすごい。しかもこれ、電車ではなく蒸気機関車だというのも驚きです。

第二次大戦後からの展示は2階に続いているので、階段を上がって2階へ。するとここには鉄道模型の展示室があり、ちょうど係員が模型の運転をしていたので、見ていくことにしました。模型といっても操作しているのはどう見ても本物の制御盤で、おそらく実際に使われていたものではないでしょうか。あまりにかっこよかったので、しばらく釘付けになりました。


↑鉄道模型運転の様子。ちょうど終了間際だったので、電車が次々と所定位置に停車していく様が見られます。


↑細部まで作り込まれたジオラマ。


↑運転指令所にありそうな制御盤がかっこいい!

さて、メインの展示は戦後に入りますが、ドイツが東西に分裂した影響で、鉄道会社も西ドイツのドイツ連邦鉄道(DB)と東ドイツのドイツ国営鉄道(DR)に分裂してしまいます。2つの会社がそれぞれ独自の発展を遂げていく様子が展示内容からも伺えました。


↑東西ドイツの各鉄道会社の概況。


↑ドイツ連邦鉄道のICE試作車が1988年5月1日に達成した世界記録406km/hの証明書。


↑ニュルンベルク-フュルト間で使われていた自動券売機。


↑かつて存在した女性子供専用車の様子。

展示を見ていると、ドイツのハンブルクからデンマークのコペンハーゲンを結ぶ渡り鳥コースというルートがあり、途中列車ごとフェリーに乗せてそのまま対岸まで渡ってしまうようです。これは今でも運行しているようなので、乗ってみたいなあと思いました。

そして東西ドイツ統一で展示は終わり、続いて3階に上がるとそこは通信博物館でした。通信博物館はその名の通り通信の仕組みを学べる博物館になっていて、まずは音の伝わる仕組みや目の見える仕組みなどの解説から始まって、電話機の展示へと続きます。


↑昔の電話ですが、このデザインはなかなかかっこいい。


↑電話の体験装置。手前の電話機にはそれぞれ4桁の電話番号が振られていて、ダイヤルすると実際に奥の電話交換機(おそらくステップ・バイ・ステップ交換機)が作動して目的の電話機を呼び出すことができます。


↑電話交換機が動作している様子。メカニカルでとてもおもしろいので、つい電話をかけまくってしまいました。


↑ロシア語タイプライター。ロシアらしい無骨なデザインです。

それから郵便関係の展示が続きます。ここではカプセルに入った郵便物が建物内に張り巡らされたチューブの中を通って高速に移動する体験ができたのがおもしろかったです。これはおそらく郵便局内での郵便物移動に使われていたのだと思います。


↑切手とはがきの自動販売機。郵便関係の色は日本だと赤ですが、ドイツでは黄色が使われています。

そのあと子供向けの施設があり、トレインシミュレータなんかもあったのですが、さすがに子供に交ざってやる勇気はなかったので、おとなしく後にします。最後に入口横のおみやげ物屋で何を買おうかさんざん悩んだ末に、マグカップとネックストラップを購入。本当は掛け時計も買いたかったのですが、大きすぎて持ち帰るのに難儀しそうだったので泣く泣くあきらめました。

しかしDB博物館の展示はこれで終わりではなく、まだ場外にも展示場があります。こちらは入場料なしで誰でも見られるようになっているのですが、なかなかの規模でした。


↑先ほどパネルで見た流線型の蒸気機関車、05 001号の本物。一部外装は外されているものの、やはりこうして見てもかっこいいと思います。


↑こちらも赤を主体とした流線型の目立つデザインの電気機関車。


↑ここから先は屋外展示場です。左側に見える信号所にもいろいろな展示物があります。


↑かつて使われていた反転フラップ式案内表示機。今でも使われてるところはあるのでしょうか。


↑手動転轍(てつ)器。これは信号所にも実物があったので実際に動かしてみましたが、めちゃくちゃ重いです。


↑駅舎と信号機の展示。信号機も実際に操作できるようになっていました。

これでDB博物館の展示はすべて終了です。しかしあんまりおもしろかったので気付いたら4時間以上経っており、博物館を出たときにはもう14時を回っていました。そのあと朝も立ち寄ったスーパーにもう一度行き、チョコの詰め合わせやビール、そしてたまたま見つけて思わず買い物かごに入れてしまった、TI製の電卓を購入し、一旦ホテルの自室に戻ることにします。

このあとゲルマン国立博物館を見学に行くのですが、それはまた次回。

南ドイツ・オーストリアの旅6日目(8/22) その2

到着したニュルンベルク駅の駅舎は、とても重厚で歴史がありそうな雰囲気でした。今日泊まるホテルまでは徒歩圏内だったので、ぼちぼち歩いて向かうことに。途中の横断歩道には二人組の警官がいて、歩行者用信号がすでに点滅していたのでおとなしく待とうとすると、警官が早く渡れというジェスチャーをしてさっさと渡っていくので、あわてて後を着いて行かざるを得ませんでした。


↑ニュルンベルク中央駅の駅標と構内の様子。構内は近代的ですが、外観は重厚でした。

無事ホテルに到着し、まずはチェックイン。ホテルマンがやや早口で言葉を聞き取るのに難儀しましたが、何とか受付を済ませて部屋に入り、洗濯をしたりネットを見たりしているうちに、気付いたら2時間近く経っていました。もう17時近かったのですが、まだまだ外は明るいので旧市街を散策しに行くことに。

ニュルンベルクの旧市街は全長5kmの城壁で囲まれており、まずは南側から城壁の内側へと入ります。それからいくつかの教会を見て回ることにしました。


↑こんな感じの城壁がずっと続いています。


↑聖エリザベス教会。


↑聖エリザベス教会のすぐ隣にある、聖ヤコブ教会。特にオルガンが赤と青を基調としたデザインで、斬新でした。


↑聖ローレンツ教会。こちらは人通りの多い賑やかな広場前に建っており、規模も大きいものでした。


↑聖ローレンツ教会の内部。天井が高く、ゴシック様式の重厚感を感じます。このオルガンは後でまた聴きに来ることに。


↑聖ローレンツ教会の目の前に広がるローレンツ広場。


↑別の角度からもう一枚。2本の尖塔がとても目立ちます。

聖ローレンツ教会では、20時からオルガンコンサートが開催されるようだったので、後で改めて来ることにします。ニュルンベルクの旧市街は、中央部を東西に流れるペグニッツ川で二分されているので、川を渡って北半分の方へと向かうことに。


↑ムゼウム橋の下を流れるペグニッツ川。ここの眺めはとても素敵でした。


↑ムゼウム橋を渡ってすぐのところにある、ニュルンベルク名物のレープクーヘン・シュミットのお店。シナモンのきいたでかいクッキーのような感じです。


↑レープクーヘン・シュミットのすぐ横にある、フラウエン教会。しかしこのときは入れなかったので、あとでまた来ることにします。


↑フラウエン教会前の中央広場にある、美しの泉という塔。ここの柵にはめられている金色の輪を回すと願いがかなうという言い伝えがあるらしく、人だかりが出来ていました。


↑聖セバルドゥス教会。その手前で煙が出ているのが、このあと行くニュルンベルクソーセージの名店、ブラートヴルスト・ホイスレです。

まだ18時を回ったところで外は明るかったのですが、20時からのオルガンコンサートのこともあったので、少し早めに晩ご飯を頂くことにします。店先のテラス席はもう一杯だったのですが、店内にはまだ空席があったので、そちらで頂くことに。ニュルンベルクソーセージとは細めのハーブのきいたソーセージを炭火でカリッと焼き上げたところに特徴があり、あまりのうまさにニュルンベルク滞在最終日にも別のお店で頂いたほどでした。


↑これがそのニュルンベルクソーセージ。ジューシーであっという間に平らげてしまいました。付け合わせは3種類から選べますが、ポテトサラダにしました。これで8.6ユーロです。


↑当然ながらこんなうまいソーセージがあるのにビールを飲まないわけにはいかない!ということで1杯目はTucherという醸造所のドゥンケル。黒ビールほど濃くはないですが、しっかりした味でした。


↑2杯目はLedererのピルス。やや苦みが強い味でした。


↑店内は山小屋のような内装。

付け合わせのパンもちゃんと温めてあったりして、大満足の味でした。店員の女性も民族衣装を着て素敵でしたが、焼き場担当のおじさんがどう見ても東洋人で、このお店の人気はあのおじさんの焼きのテクニックがすごいせいもあるんじゃないかと思ったり。このお店はクレジットカードが使えないので、15ユーロのお会計を現金で済ませて店を後にします。

ほろ酔いで店を出て、まずは先ほど入れなかったフラウエン教会に入ってみることに。


↑ちょうど夕日が差し込んで、素敵でした。

コンサート前にちょっとトイレに行きたかったので、ガレリアという百貨店に寄っていきます。ついでにステッドラーのシャーペンをお土産に買いましたが、文房具売り場ではパイロットの消せるボールペン、フリクションが大々的に販売されていることに驚きました。

その後、良い時間になったので聖ローレンツ教会のオルガンコンサートへ。入場料の10ユーロを入口で支払い、中に入ると日本人の男性二人連れの姿も見えました。最初司会の人が長々としゃべっているなーと思ったら、その人がそのままコンソールに座って演奏を始めたので、この人が奏者だったのか!とちょっとびっくり。リモートコンソールだったので、客席のすぐそばで演奏する姿が見られました。この日の曲目は現代音楽とクラシック音楽両方だったのですが、特に現代音楽は前衛的で、録音された環境音をバックにオルガンを演奏したりしていて、ちょっとどきっとしました。するとお客さんの何人かが急に立ち上がったので、もしかして演奏に抗議して出て行ってしまうんだろうかとはらはらしましたが、ただ教会の内部をうろうろ見て歩いているだけでした。しかしバッハの曲になるとちゃんと自分の席に戻っておとなしく聴いている様子が、おもしろくて仕方なかったです。

コンサートが終わり、演奏者はお客さんの質問攻めにあっていたのでやはりみなさん興味津々だったようです。私もコンソールがどうなっているのか、見ていくことにしました。


↑コンサート中の光景。夜の教会もなかなか神秘的です。


↑そしてこれがコンソール。リモート制御で後方のオルガンを鳴らしています。かっこいい!

もう21時をとっくに回っていたので、外に出ると真っ暗でした。しかしニュルンベルクは治安は悪くないみたいで、こんな時間でも平和な空気が漂っています。ホテルに戻り、少しネットを見て床につくことに。

明日はドイツ鉄道の博物館を見学しに行きますが、それはまた次回。

南ドイツ・オーストリアの旅6日目(8/22) その1

6時の目覚ましで目が覚めてから、しばらくネットをしつつごろごろ過ごした後シャワーを浴びることに。今回泊まった部屋はシャワールームと洗面所が分かれていたので、いつもはシャワー浴びながらひげを剃るのに、鏡のないシャワールームではそれができずに難儀しました。さらにドライヤーも借りられなかったので、半乾きの髪のまま朝食を食べるはめに。しかし朝食はハム類が充実していておいしかったです。


↑ホテルの朝食。ヨーグルトやブルーチーズなんかもおいしかったですが、パウンドケーキは死ぬほど甘かった。

その後チェックアウトを済ませ、スーツケースを預かってもらって再び市内観光に出発。まずは世界遺産にも登録されているレジデンツへと向かいます。ここは18世紀にマリエンベルク要塞に代わり、司教領主の宮殿として建てられた場所です。



↑レジデンツの外観。そのでかさに圧倒されます。

中に入り、まずは荷物をロッカーに預けます。残念ながら内部は写真撮影禁止だったので写真はありませんが、とにかく豪華な印象でした。一部の部屋はガイドツアー(追加料金なし)でしか入れなかったのですが、英語のツアーは11時からしかなく、どうしようかと思っているとイタリア人の団体客がたまたまツアーで回っていたので、ちゃっかり便乗させてもらうことに。途中で私が団体のメンバーじゃないのがばれましたが(当たり前です)、ガイドさんが黙認してくれたので、そのままついていくことにしました。解説も英語で聞けたので、ラッキー。
ガイドツアーでは鏡の間という元VIPルームとして使われていた部屋も見たのですが、この部屋は全面鏡張りな上、鏡自体にも絵が描かれていて、まさに豪華絢爛です。ガイドツアー中には日本人団体客とも遭遇しましたが、どちらかというと退職後に夫婦で旅行しているような年齢層が多い印象でした。まあヴュルツブルク自体がどちらかというとマイナーで、落ち着いた観光地だからでしょうね。ガイドツアーが終わってから他の部屋も見学しましたが、特に緑の間という部屋がとても高級感があり素敵でした。壁はどうも銀色の下地の上に緑色を塗装してあるようで、光沢のある美しい緑色に仕上がっています。
建物内の見学が終わり、今度は庭園へと向かいます。庭園は一旦建物を出て外から裏側に回り込んだところにありました。ここは入場無料なので、散歩中の地元の人もちらほらいました。


↑レジデンツの側面。この向かいにも規模は小さいですが庭園があります。


↑きれいな三角錐型に切りそろえられた木が印象的。


↑レジデンツの裏側。この右側に見事な庭園がありました。


↑庭園からレジデンツを見たところ。きれいな左右対称形で、手前には噴水やバラが咲き誇る花壇が広がっています。


↑庭園はのんびりした空気がただよっていて、一日ここでぼーっと過ごすのも良いなあと感じました。

レジデンツを出て、市内をしばらくぶらぶらしてみることにします。


↑CityTrainと名が付いていますが、どうやら市内の観光名所を巡るバスのようです。


↑シーボルトの像。シーボルトは鎖国時代の日本に医師として赴任し、後年は西洋における日本学の発展に寄与した人物です。


↑台座部分には「日本探検家」という肩書きが記されています。


↑ノイバウ教会の塔。はるか向こうには昨日訪れたマリエンベルク要塞のブドウ畑が見えています。


↑ノイミュンスター教会の中庭。ここには12世紀頃の回廊の一部が残っています。


↑中庭に咲く可憐な花。名前は・・・わかりません。


↑街中で見かけた日本食レストラン。相撲寿司バーとは一体・・・。


↑昨日も訪れたマリエンカペレを別の角度から。


↑マリエンカペレ前にある、ソーセージスタンド「Bratwurststand Knüpfing」。行列ができるほどの人気店です。


↑早速購入。焼きたてのソーセージがジューシーでとにかくうまい!これで1.9ユーロは買う価値大ありです。行列ができるのもうなずけます。


↑マイン川沿いに残る、かつて船の積み荷の上げ下ろしをしていた古いクレーン。今はレストランとして使われています。川には遊覧船の姿も。

それから、フランケンワインをおみやげに買おうと思い、レジデンツのすぐ横にある州立ワイン醸造所(Staatlicher Hofkeller)へ。先客がいたのでしばらくワインを眺めつつ待っていたのですが、途中で販売員さんに「日本の方ですか?」と日本語で話しかけられてびっくり。なんとこちらでは日本人の女性が働いてらっしゃるようです。おかげでワインのテイスティングも日本語で解説が聞けて、とてもよく理解できました。アウスレーゼの甘さも魅力でしたが、やはりフランケンワインは辛口の白が持ち味なようなので、2011年物のジルヴァーナー グローセス・ゲヴェックス(格上のランク)を22.9ユーロで購入。販売員さんとは他にもいろいろお話したのですが、もうここでは5年ほど働いているとのことです。ただワインを買う人は大体ユリウスシュピタールかビュルガーシュピタールで購入されるので、ここまで買いに来る日本人はよほどのワイン好き以外いないとのことでした。
販売員さんにお礼を言って醸造所を出て、今度はユリウスシュピタールの販売所へ。ここでは同じく2011年物のヴァイサー・ブルグンダー(ピノ・ブラン)のアウスレーゼを購入。500mlで14ユーロと、アウスレーゼの中では安い物をチョイスしましたが、それでもなかなかのお値段です。

販売所のすぐ隣が宿泊先のホテルだったので、フロントに預けていた荷物を受け取ってワインをしまい、中央駅へ。


↑中央駅前の電停。駅のすぐ向こう側にはブドウ畑が見えています。


↑駅前広場の噴水の周りには、このようにトラムのループ線が走っています。


↑中央駅の駅舎。なぜか時計盤に針がないのが気になりました。

まだ発車時刻までは余裕があったので、駅構内の本屋で日本のアニメやマンガを扱った情報誌「Koneko」を購入。以前ドイツに来たときにもあったので、有名な雑誌のようです。


↑ホームに停車中のローカル列車。側面には西フランケン鉄道と書かれています。

14:04発のICEでヴュルツブルクを出発。今回乗車時間が短いのであえて座席指定をしなかったのですが、車内は空いていたのでしなくて正解でした。進行方向向きの座席にも座れますしね。目的地のニュルンベルクまでは1時間弱でしたが、結局検札が来ないままニュルンベルク近郊へ。しかし駅手前でしばらく停車したせいで、10分ほど遅れての到着になりました。

このあとニュルンベルク市内を観光し、名物のソーセージをいただくのですが、それはまた次回。

南ドイツ・オーストリアの旅5日目(8/21) その2

ホテルを出て、まずは市の中心部マルクト広場へ。人は多いですが、どことなくのんびりした雰囲気が漂っているのが良い感じです。ここにはマリエンカペレという教会が建っているので、立ち寄ってみることに。


↑マリエンカペレは赤と白が目立つ外観でした。手前にはマイバウムも見えます。


↑外観に比して内部は比較的シンプルですが落ち着いた空間。


↑オルガンも飾り気のないモダンなものでした。


↑しかしこのステンドグラスはなかなか素敵。


↑市庁舎は小さいですがレトロな雰囲気でした。地下にはラーツケラーもあります。

ここからマイン川を渡り、世界遺産のマリエンベルク要塞を見学しにいきます。橋のたもとにはテラス席のあるレストランが建っており、素敵な雰囲気でした。


↑マイン川の右上にマリエンベルク要塞が見えています。その下の斜面はブドウ畑です。


↑今度は北側を向いたところ。こちらの斜面にもブドウ畑が広がっています。もちろんフランケンワインのブドウ畑です。

橋を渡り要塞に向かいますが、要塞というだけあって行きはひたすら上りなので、すっかり汗だくに。本数は少ないですが中央駅からバスも出ているので、そちらを使うのも手かもしれませんね。


↑ひたすら階段を上っていきます。


↑要塞の入口、ノイトーア門。しかしここから建物までがまた遠い。


↑2つめの門、シェーンボルン門をくぐったところ。ここに博物館があります。


↑ベルクフリート(主塔)。1200年頃に築かれたようです。

建物内部のガイドツアーが16時からだったので、それまで写真を撮って回る事にします。そろそろいい時間になったのでチケットカウンターに行くと、ガイドツアーはドイツ語だけだから、わからないならやめといた方がいいと言われ、仕方なく博物館のチケットだけ買って中に入ることに。

博物館は2つあるので、まずは領主館博物館へ。ここでは要塞の成り立ちについての展示があったりしました。建物内部も見ることができたのですが、要塞なだけあって、なかなか無骨な造りです。しかし案内表示が少ないせいか途中で順路がわからなくなり、全部見る前に外に出てしまいました。今から戻るのもなんなので、あきらめてもう一つのマインフランケン博物館の方へ行ってみることに。こちらは絵画などの展示が中心でしたが、住居の復元展示などもあって興味深かったです。

博物館を出てから、そういえばここには領主の庭園という眺めの良い場所があるのに行ってないことに気づき、行ってみようと思いましたがどうやっても行き方がわからず断念。要塞の外から見ると人がいるのが見えたので、行けないことはないはずなのに・・・おそらく博物館の順路を外れてなければたどり着けてたのでしょう。まあ今さらどうしようもないので、要塞の外側にあるブドウ畑を通って帰ることに。しかしここでも久々に迷子スキルを発動していまい、東側に出ないといけないところを西側に出てしまって、民家の中を5分ぐらい進んでようやく気づいて引き返すというていたらくでした。ほんとスマホのGPS機能があって良かった・・・。再び要塞に戻ってきたので、外側をぐるっと回って東側に出ます。


↑外側から眺めたところ。


↑遠くにヴュルツブルクカペレが見えます。


↑要塞の外壁は敵の侵入を防ぐような造りになっています。


↑マイン川とヴュルツブルク市街。美しい街並みです。


↑要塞の南側と東側斜面はブドウ畑になっています。このとおりかなりの急斜面なので、ブドウの収穫とか大変そうだなぁ。


↑フランケンワインは基本白なので、ここのブドウも白ブドウです。


↑要塞のすぐ間近までブドウ畑が広がっています。


↑斜面が急なので一直線に降りることはできず、つづら折りの道を降りていきます。


↑ブドウ畑を降りたところにあった聖ブルカルト教会。祭壇の直下が歩道になっているのがおもしろい。

川沿いに北上し、アルテ・マイン橋まで戻ります。橋のたもとでは楽しそうにワインを立ち飲みしている人たちの姿があり、ちょっと誘惑に駆られましたが日が暮れるまではまだ時間があるのでやめておきました。橋を渡り、そのまままっすぐ直進すると、聖キリアン大聖堂にたどり着きます。


↑とにかく白さが印象的な大聖堂内部。


↑オルガンは時計が付いたユニークな形状でした。


↑祭壇も白さが際立つ印象。


↑祭壇の近くにもオルガンがありました。


↑クリプト(地下聖堂)のオルガン。クリプトは入場料を取る教会も多い中、この地方の教会は普通に入れるところが多い気がしました。

それからすぐ横にあるノイミュンスター教会へ。


↑こちらのオルガンはややモダンですが立派なものです。


↑祭壇は大聖堂に比べてこちらの方が装飾の多いイメージ。身廊上部の絵画も印象的です。


↑市内中心部を走るトラム。

教会を出て、中央駅近くにあるヴュルツブルク大学へ。ここはあのレントゲン博士が教鞭を執っていたことで有名で、構内には記念館があるので立ち寄ってみることにします。


↑レントゲン記念館。ここでは普通に講義も行われているようです。

記念館の中にはレントゲンが実験で使用した、タンスほどの大きさもある高電圧発生装置や論文などが展示されていました。まさにここでX線が発見されたわけですね。記念館にはX線発見についてレントゲンが発表をした講義室も残されています。またロビーにはレントゲンのX線発見のエピソードに関するビデオがあり、日本語でも見ることができました。

記念館を出るとそろそろ19時になろうとしていたので、まだ外は明るいですがそろそろ晩ご飯を食べることに。もともと今夜はユリウスシュピタールでワインを飲もうと決めていたので、悩むことなく向かいます。レントゲン記念館からは数百メートルしか離れていないので、あっという間に到着。しかしこちらは事務所のようで、レストランの入口はもっとトラム通り沿いにありました。


↑ユリウスシュピタールの入口。このボックスボイテルと呼ばれる独特の瓶の形状が、フランケンワインの特徴です。

中庭ではすでにたくさんの人が楽しそうにしていたのですが、その中に一人で飛び込む勇気はさすがになかったので、静かな店内に座ることに。ヴュルツブルクの醸造所としては、1316年設立のビュルガーシュピタール(市民所有)、そして1576年設立のユリウスシュピタール(教会所有)の2つが特に有名で、どちらにするか悩んだのですが、ホテルからも近いユリウスシュピタールにしました。まずは2012年物のリースリング トロッケンをいただくことにします。ここは100ml単位でワインを選べるので、いろいろ試せるのがよかったです。


↑ドイツワインではおなじみのリースリングですが、フランケンのリースリングは少し違う感じがしました。


↑メインディッシュにはザウアーブラーテンをいただくことに。牛肉をマリネしたものを焼いて、ソースをかけた料理ですが、思ったよりも酸っぱさはなく、おいしかったです。しかしこれと付け合わせだけでもうお腹いっぱいに。

ワインはその後、ユリウスという名の付いたハウスワインをいただくことに。1.9ユーロと安価でしたが、さっぱりとしておいしかったです。それから赤も飲んでみようと思い、ドミナ トロッケン 2012をいただくことに。


↑ドミナとはブドウの品種のようですね。ドイツで赤というと軽いイメージですが、これはそこそこしっかりした味で、肉にもよく合いました。


↑最後はリースラナー アウスレーゼ 2011。リースラナーとはリースリングとジルヴァーナーとの交配品種のようです。フランケンワインというと辛口白が有名ですが、これはデザートワインにぴったりの甘さがたまりません。さすがに8ユーロするだけのことはあります。

結局料理をほとんど食べなかったので、お会計は30.3ユーロで済みました。ここはやはり名の知れたお店なので、店員さんの給仕のレベルも高くて満足です。まだ21時ぐらいだったので外はほのかに明るかったですが、ワイン4杯飲んで眠くなってきたので、まっすぐホテルへと帰ることにします。といってもホテルはすぐ裏手だったので、あっという間に到着。

明日は引き続きヴュルツブルク市内を観光した後ニュルンベルクへと向かいますが、それはまた次回。

南ドイツ・オーストリアの旅5日目(8/21) その1

目覚ましは6時にセットしていましたがすんなりとは起きられず、結局8時頃に荷物はそのままにして一旦外出することに。今日も良い天気でしたが、日が昇りきるまでは長袖を着ないと肌寒いぐらいの気温でした。今日の朝ご飯にはミュンヘン名物の白ソーセージをいただこうと思っていたので、目星を付けていたヴァイセス・ブロイハウスというお店に向かいます。


↑朝のヴィクトアーリエンマルクトは、昨日の喧噪が嘘のように静かでした。茶色い建物はペーター教会。

ヴァイセス・ブロイハウスはシュナイダー・ヴァイセというヴァイツェン(白ビール)が有名なので、まだ朝8時過ぎですがいただくことにします。しかし量を伝え忘れてしまい、300mlにするつもりだったのに500mlが出てきたので、すっかりほろ酔い状態に・・・。


↑シュナイダー・ヴァイセ。これは今まで飲んだヴァイツェンの中でもかなり上位に入るうまさでした。ここはヴァイツェンだけで10種類近くあるので、飲み比べとかしてみたかったですね。


↑そしてこれが白ソーセージ。このように湯につかった状態で出てきます。メニューには1本2.3ユーロとありましたが、注文は2本から。


↑白ソーセージは皮が固いので、このように縦に切って中身を皮から少しずつはがして、付け合わせの甘いマスタードを付けて食べていきます。プレッツェルもさくさくでうまい。

白ソーセージは傷みやすいため、冷蔵技術が発達していなかった頃は昼までしか提供できなかったようです。ヴァイセス・ブロイハウスは今でも白ソーセージは正午までの限定メニューになっています。味は確かに新鮮で、なんというかすり身を食べているような感覚。日本でも食べられるところがあれば是非また食べてみたいと思える味でした。

ここは少額だとカードが使えないので、現金でお会計を済ませて店の外へ。この後は少し歩いてドイツ博物館を見学していくことにします。


↑イーザル川の中州に建つドイツ博物館。


↑入口からしてなかなかの威容を誇っています。

受付でチケットを買い、中に入ろうとすると入口に立っていた年配の係員の男性に「おはようございます」と流ちょうな日本語で言われ、思わずびっくり。ついオウム返しに「おはようございます」と返してしまいましたが、一目で私を中国人でなく日本人だと見抜いたこのおじいさん、ただ者ではないなと感じました。博物館に勤めているぐらいですから、元研究者なのかもしれませんね。

さて、ドイツ博物館とは世界最大級の技術・科学に関する博物館です。中はとにかく広くて、展示内容も動力機関や電子技術、そして船や鉄道、飛行機などの乗り物、さらに印刷技術や楽器など多岐に及んでいるので、ゆっくり見ていると丸一日あっても足りないぐらい。さらに実際に自分で動かして体験できる実験装置が多いので、大人から子供まで楽しめること請け合いです。さすがに数が多すぎてメンテに手が回らないせいか、壊れている装置が多かったのは残念ですが、もっと小さい頃に出会っておきたかった、と心底思わせるすばらしい博物館でした。


↑動力機関のコーナー。とにかくでかい装置がいっぱいありました。実際に動作している水車なんかもあります。


↑航空機の断面模型。こうやってみると客室と貨物室の位置関係がよくわかりますね。


↑展示されている航空機の数々。私は詳しくないのですが、きっと好きな方にはたまらないのでしょう。風立ちぬで出てきたユンカース社の戦闘機などは必見。


↑カメラコーナーに展示されていたミノルタα-7000。オートフォーカス一眼レフカメラの歴史を変えた一台です。


↑ここは音響技術に関する装置を集めたコーナーです。なんの装置かはわかりませんが見ているだけでわくわくします。


↑これはピアノと自動演奏のバイオリンが一緒になった楽器だと思います。こんな実験的な楽器も存在したんですね。

写真は撮ってないですが、他にも電磁誘導やトランジスタの増幅原理を実際に操作する事で体験できる装置や、凸レンズを油の中に沈めると凸レンズとしての機能を失ってしまうような体験が手軽にできるので、楽しくて仕方ありませんでした。開館時間の9時に入館したのですが、結局2時間以上滞在してもまだまだ見足りず、後ろ髪を引かれる思いで博物館を後にしてホテルに戻ります。


↑ドイツ博物館の塔の部分はバロメーターになっています。


↑自転車用タイヤチューブの自動販売機。シュワルベという日本でも有名なメーカーのものですが、急にパンクした時にこんな自販機があると便利ですね。

ミュンヘン11:50発の列車に乗らないといけなかったので、ホテルに戻ってあわててチェックアウトし、ミュンヘン中央駅へと急ぎます。その甲斐あってなんとか5分前には駅のホームに到着しましたが、よりにもよって自分の乗る車両は一番先頭車両だったので、さらにホームをひたすら歩いて、何とか車両に乗り込む事ができました。


↑これから乗るドイツ鉄道の高速列車ICE。乗るのは久しぶりです。

座席はまたしても進行方向とは逆向きで、げんなりしながら着席。隣の席も予約は入っているようだったのですが、結局誰も乗ってきませんでした。朝からビール飲んで博物館うろうろしたせいか眠気がピークだったので、車窓からの景色を楽しむ余裕もなくうとうとしていると、何だか膝が冷たい事に気づきます。膝の上にはカバンを乗せていたのですが、カバンの中に入れていたペットボトルのふたがちゃんと閉まっていなかったようで、中身が漏れてしまっていました。さらに途中、車窓からの景色を動画で撮影していたのですが、画像に黒い影のようなものが写っていることに気づきます。レンズを拭いても影が消えないので、どうやらレンズ内部にホコリが入ってしまったようです・・・。もう踏んだり蹴ったりで泣きそうになりましたが、幸いホコリはこの後どこかに吸着されて見えなくなったようなので、本当に助かりました。そしてミュンヘンから約2時間で、今日の滞在地ヴュルツブルクに到着。


↑ヴュルツブルク中央駅の駅名標。ちょっと古いタイプのような気がします。

ヴュルツブルクの街にはトラムが走っており、中央駅の駅前広場にはループ線がありました。しかしホテルまではトラムに乗るほどの距離ではなかったので、歩いて向かうことに。途中の道はトラムと歩行者の専用道路になっていました。


↑ヴュルツブルクはフランケンワインの産地として有名で、特にこのユリウスシュピタールはビュルガーシュピタールと並び有名な醸造所です。ここにはあとで晩ご飯を食べにきます。

無事ホテルにたどり着き、中に入るとフロントの女性からいきなり名前を呼ばれてびっくり。まあ小さなホテルだったので今日泊まる東洋人が私だけだったからだとは思うのですが、他にもいろいろと気を遣ってもらい、良いホテルだなあと実感。やはり小さな街の方が親切な人が多いような気がします。

部屋に入り、少し休憩してから市内観光に向かう事にしますが、それはまた次回。

南ドイツ・オーストリアの旅4日目(8/20) その2

アザム教会を出てゼンドリンガー通りをさらに先に進むと、ミュンヘンの中心地であるマリエン広場へとたどり着きます。広場前には新市庁舎がそびえ立っており、多くの人でにぎわっていました。もう14時になろうとしていたので、まずはお昼ご飯を食べようと思い、新市庁舎地下にあるラーツケラーに入ってみることにします。


↑壮麗な新市庁舎。一部改装中だったのが残念です。

ラーツケラーの中は思っていたよりずっと広くて、高級感がありました。とりあえずテーブルに座って店員さんを呼び、13.5ユーロの定食とビールを注文。ビールはバイエルン地方独自のヘレス(ピルスナーに近い)を頼んだのですが、出てきたのはおなじみのレーベンブロイで、ああそうか、レーベンブロイってミュンヘンのビールだったっけと再認識。


↑前菜は子牛のゼリー寄せにホースラディッシュソースがかかったものでした。さっぱりした味でおいしかった。あと左はスモークサーモンなど。


↑メインディッシュはローストビーフ。付け合わせにシュペッツレと砂糖漬けのトマト、アスパラガスが添えられていて、なかなか豪華な一皿でした。


↑アペリティフとデザートは選択制だったのでデザートを注文。焼きプラムにホワイトチョコアイスが添えられていました。

ローストビーフまで食べてビール込みで13.5ユーロっていくらなんでも安すぎやしないかと思っていたのですが、やはり実際はビールは別料金で税金とか含めると20.7ユーロでした。しかし後から考えるとメインディッシュが一つ上のランクのものだったりしたので、なんだかよくわかりません・・・。まあでもおいしかったのでよしとします。


↑店内は落ち着いた素敵な雰囲気でした。

ラーツケラーを出て、ほろ酔いのまますぐ近くにあるレジデンツ(バイエルン王家の宮殿)へ。チケットを買おうとするとまずは荷物を預けるように言われたので、預けてからチケットを買い、オーディオガイドを受け取ります。しかしオーディオガイドを全部聞いていると時間がいくらあっても足りないので、途中からは駆け足で見ていくことにしましたが、それでも全部見終わるのに2時間近くかかりました。


↑ルネサンス様式の丸天井が印象的なアンティクヴァリウム。


↑カイザー・ザール(皇帝の間)。まさに豪華絢爛。


↑扉ひとつとってみても高そうな石細工の装飾が施されていて、ため息がでます。


↑ラピスラズリの青が美しいテーブル。


↑レジデンツにはこのような居室が無数にありました。一部は第二次大戦で破壊されてしまったようですが、可能な限り復元されているようです。


↑こんな茶器でアフタヌーンティーとかしてみたいものですね。


↑こちらはReiche Zimmer(華やかな部屋)と呼ばれる、さらに金細工が華やかな部屋の数々。2枚目の写真はミニチュアのキャビネットと呼ばれる小部屋ですが、小さな肖像画が多数埋め込まれていました。

レジデンツには博物館と宝物館があり、コンビチケットを購入していたので今度は宝物館の方へ。


↑宝石がまばゆい王冠。宝物館には他にもこのような装飾品が多数展示されていました。

宝物館は展示品はそこそこありますが、そんなに広くはないのであっという間に見終わりました。時間がない場合は博物館だけの見学でも良いような気がします。レジデンツを出た後はすぐ隣にあるテアティーナー教会へ。


↑テアティーナー教会の外観。このように黄色い建物なのですが・・・。


↑内部はこの通り、白を基調とした清潔なイメージ。

テアティーナー教会を出てフラウエン教会にも足を伸ばしてみましたが、ちょうどミサ中だったので写真は撮れませんでした。それから野外市場で有名なヴィクトアーリエンマルクトへ。


↑ヴィクトアーリエンマルクトにある聖霊教会。ここもミサ中でした。


↑ここにはビアガーデンもあり、大勢の人でにぎわっていました。


↑ヴィクトアーリエンマルクトの八百屋さん。アーティーチョークなど、日本ではほとんど見かけない野菜もたくさんありました。


↑マルクトの象徴、マイバウム。

ヴィクトアーリエンマルクトには他にもジューススタンドやチーズ屋さんなど、たくさんのお店がありました。ただもう18時になろうとしていたので、店じまいを始めているところも多かったです。

その後ミュンヘンを代表するビアホール、ホーフブロイハウスに行ってみることに。


↑ホーフブロイハウスは400年以上の歴史を持つ、醸造会社直営のビアホールです。


↑中はこの通り、バンドの生演奏もあり大勢の人でにぎわっていました。日本人がドイツ・ビールというキーワードで連想する、まさにそのままの世界がここにはあります。

ホーフブロイハウスでも食事してみたかったのですが、大箱でツアー客も多そうだったので、あえて外すことにしました。私と同じように、店の中だけ見て帰る観光客も多かったです。


↑観光地でよく見かけるTシャツですが、ハートマークがプレッツェルになっているのがミュンヘンらしい。

ここで再びマリエン広場に戻り、市庁舎の塔に上ってみることにします。しかし入口がよくわからなくて、見つけるのにずいぶん難儀してしまいました。


↑再びマリエン広場に戻ってきました。もう18時を回っていますがまだまだ明るい。左側のひときわ高い時計塔にこれから上ります。


↑塔は高さ85mもあるので、良い眺めでした。2枚目はさっきミサ中だったフラウエン教会。

日が暮れるにつれて少し肌寒くなってきたので、一旦ホテルに戻って上着を羽織り、再び外出。近くにたまたまお茶屋さんがあったので店先から眺めてみましたが、やはりドイツは緑茶が人気なようで、緑茶のフレーバーティーがたくさん置いてありました。そして今日はゼンドリンガー通り沿いにある、アルテス・ハッカーハウスというビアホールで晩ご飯を食べることに。ここはハッカー・プショールという醸造会社の直営店で、いろんなビールを楽しめます。


↑ヘーフェヴァイス(ヴァイツェン)を飲みながら、シュヴァインスハクセをいただきます!シュヴァインスハクセとは豚の足をローストした、バイエルン地方の名物料理です。とにかく量が多い!


↑2杯目はケラービアというのを頼んでみたら、瓶で出てきました。これも濃くておいしかった。


↑3杯目はドゥンクレス ヴァイスビア。ドゥンクレスというと黒ビールを連想しますが、これは濃いヴァイツェンといった雰囲気でした。

このお店は民族衣装を身につけた店員のお姉さんも素敵でしたが、よく見るとタトゥーが多いのがちょっと・・・。もっといろんなビールを飲んでみたかったのですが、さすがにふらふらになってしまうので、3杯でやめておきました。結局料理はシュヴァインスハクセだけでお腹いっぱいになってしまい、他にはなにも食べられませんでした。これで25.6ユーロだったので、値段的にはこんなもんかな、という感じです。

そしてほろ酔いのままホテルに帰還。ミュンヘンはほんとビール天国で、もっと長く滞在したいところですが、明日にはもう出発しなければなりません。明日はドイツ博物館を見た後フランケンワインで有名なヴュルツブルクに向かうのですが、それはまた次回。

南ドイツ・オーストリアの旅4日目(8/20) その1

昨夜いったん止んでいた雨が明け方頃にまた降り出し、その音で目が覚めてしまいます。雨のせいか気温も下がっていて、布団をかぶっていないと肌寒いぐらいでした。昨日悪かった体調は少しましになっていたので、シャワーを浴びて荷造りを済ませ、チェックアウト前に少し外出することに。


↑ホテル近くで見つけた日本食レストランのポスター。どこからツッコんでいいのか・・・。


↑マカルト広場にあるパン屋で朝食。見た目通り甘々なクロワッサンは、中にも甘いペーストが入っていました。

ここのパン屋さんは場所柄なのか店員のおばさんも英語が上手で、とても感じの良い応対でした。テラス席は少々寒かったですが、旅行のメモを取りながらのんびりといただきます。それから少し歩いてザンクト・セバスティアン教会へ。


↑ザンクト・セバスティアン教会の祭壇と回廊。ここはリンツァー通りという商店が建ち並ぶ通りにあるのですが、一歩教会の敷地内に入るとそこは別世界でした。


↑この教会が有名なのは、モーツァルトの父と妻のお墓があるからです。回廊に囲まれた墓地の中央にありました。

その後別の教会を見たりしてホテルに戻り、荷物をまとめてチェックアウト。このあと列車に乗る予定だったのですが、フロントでちょっと待たされたりして、間に合うかどうか少し心配になりました。帰りはホテル近くからトロリーバスに乗って中央駅へ向かいましたが、さすがに徒歩と違ってあっという間に到着。


↑ザルツブルク中央駅のコンコースは改装中でしたが、天井が高くて素敵。


↑改装中だけあって、列車案内盤や乗車位置案内盤は最新鋭のものが使われていました。日本でもここまでハイテクな駅はなかなかなさそう。


↑オーストリア連邦鉄道のローカル列車。

列車を待っていると、昨日祝祭劇場のガイドツアーで注意されていたあの日本人のおっちゃんがいて、しかも同じ列車を待っているようだったので、気まずくなり少し離れたところで待機。しばらくすると目当てのrailjetがやってきたので乗車し、終点のミュンヘンへ向かいます。いつも誰か別の人に座られている私の座席ですが、今回は珍しく誰も座っていませんでした。


↑RJ262ミュンヘン行き。11:02発でしたが今回は定刻通りにやってきました。

ミュンヘンまではおよそ1時間半弱の列車旅です。しかし今回も座席が進行方向と逆向きだったので、またしても酔いそうに・・・。隣の席の人はずっとiPadでゲームをしていたのですが、音漏れがひどくてちょっと気になりました。結局ミュンヘン中央駅には定刻から数分遅れて到着。


↑railjet車内の様子。比較的シンプルな内装ですが、座席の向きが固定なことを除けば快適でした。

ミュンヘン中央駅はターミナル式の巨大な駅で、たくさんの人が行き交っている様はまさにヨーロッパの駅!という雰囲気でした。


↑ミュンヘン中央駅停車中のrailjet。


↑ミュンヘン中央駅の様子。外光が差し込み開放感がありました。

駅からは地下街が続いていたのでとりあえず地下に降りてみると、持ち前の旅先で道を聞かれるスキルが発動し、さっそく駅への道のりを聞かれました。駅っていっても地下鉄の駅もあるでしょうし、なんでよりによって俺に聞くんや!と思いながら丁重に「知らない」と答えます。しかし地下街に降りてしまうと方角がさっぱりわからないので、再び地上へと戻ることに。地上も人が多いのでスリに警戒しながら歩いて行くと、広い道路にぶつかりました。横断歩道がなかったので仕方なく地下に降りると、そこには新しくてきれいな地下街が広がっていて、たくさんの人でにぎわっている感じがなんとなく梅田に似てる気がしました。どうやらここは先ほど降りた中央駅そばの地下街まで続いているような雰囲気です。地下街の端まで歩き、地上に出ると今日泊まる予定のホテルまではあと少しでした。

ホテルに入ってさっそくフロントに向かいましたが、あいにく別のお客さんの応対中だったので、後ろでしばらく待つことに。10分近く待ってようやくチェックインできると思ったら、横から別のお兄さんがやってきてホテルの人に話しかけようとします。しかしホテルの人は私が待っていたことをちゃんと見ていたようで、先に私の用件を聞いてくれました。よく教育された人だなあーと感激しながらチェックインを済ませ、部屋に向かいます。このホテルはリーズナブルな割にかなりモダンな造りで、部屋もエアコンが備え付けられていて快適でした。少し休憩してから荷物を整理し、市中心部へと向かいます。

ホテルはゼンドリンガー門という市中心部への入口にあたるところにあったので、市内の見所はだいたい徒歩で行ける距離でした。まずはゼンドリンガー通り沿いにあるアザム教会へ。ここは見落としてしまいそうになるぐらい小さな教会なのですが、中に一歩足を踏み入れるとその豪華絢爛な装飾の数々に目を奪われてしまいます。


↑アザム教会があるゼンドリンガー通り。左端にすこし教会の装飾が見えています。


↑アザム教会の内部。ここは芸術家であったアザム兄弟が自分たちのために建てた教会なので、趣味全開というか、とにかく装飾の限りを尽くしたというような印象です。

このあとお昼からビールを飲んで市中心部を散策しますが、それはまた次回。

南ドイツ・オーストリアの旅3日目(8/19) その2

旧市街に戻り、ザルツブルク音楽祭の会場となっているフェルゼンライトシューレへ。フェルゼンライトシューレとは「岩壁の馬術学校」という意味で、かつてここにあった馬術学校を改築して造られた劇場は、岩肌が露出した珍しい構造になっています。この日は15:30からガイドツアーがあったので、15分前に横のチケットショップでチケットを買い、入口前でしばらく待機。周りを見渡すと日本人の姿もちらほら見えました。

女性のガイドさんの案内で劇場の中に入り、ガイドツアースタート。ドイツ語と英語で解説があったので、英語の方を聞きながら進んでいきます。ここは3つの劇場が一カ所に集まっているのですが、まずは一番小さい「モーツァルトのための劇場」へ。音楽祭シーズン真っ最中なので、大道具さんのトンカチの音が聞こえてきました。どうやら舞台上では幕の向こうに役者さんがいるらしく、幕が開いたら写真を撮らないようにとガイドさんが注意していたのですが、日本人のおっちゃんが知ってか知らずか写真を撮ってしまったため、あとから劇場の人が飛んできてすごい剣幕でデータを消すよう注意していました。ガイドさんもガイドツアーのお客さんがそういうことすると私がクビになっちゃうからやめてねと言ってたので、かなり厳しいようですね。

続いてホワイエとフェルゼンライトシューレの間にある、カール・ベーム・ザールへ。ここは幕間にシャンパンなどが饗される華やかな空間です。


↑カール・ベーム・ザールの入口。カール・ベームはオーストリアを代表する指揮者であり、その功績をたたえてこの大広間に名前が付けられています。


↑内部もこの通り、天井が高くて豪華な造りです。


↑そしてここがフェルゼンライトシューレ。舞台のすぐ後ろが岩山というのがとても印象的です。

フェルゼンライトシューレへは今日この後コンサートを見に来る予定だったので、今から俄然楽しみになってきました。続いてスタッフ通用口を通り、隣にある祝祭大劇場へ。ここは大劇場と言うだけあって舞台の広さが左右に100mもあるらしく、その規模に圧倒されました。また客席にはビデオカメラも設置されていたので、音楽祭の模様を収録するのでしょうね。ここでは質問タイムとなりみんな盛んに質問していたのですが、ドイツ語の質問が多くてさっぱりわかりませんでした・・・。


↑祝祭大劇場。普段はオーケストラピットになっているところがステージなのですが、オペラなど大規模な催し物の時はこのように背後の広大な空間を用いるようです。

最後にホワイエに戻り、ガイドツアーは解散です。ここはコンサートを聴く機会がなくても、ザルツブルクに来たならばぜひ見学するべきスポットだと思いました。


↑ホワイエも壁画がすごく、入った瞬間から非日常的なわくわく感を感じます。

フェルゼンライトシューレを出て、ザルツブルクカードの有効期限も切れていたので、近くのバス停にある券売機で一日乗車券を買うことに。しかしお札が使えなかったりして買い方に少々戸惑ってしまいました。値段も地球の歩き方では4.2ユーロとなっているのに実際は3.3ユーロだったりして、さらに混乱。それでもなんとか購入でき、時間に余裕があったので一旦歩いてホテルに戻ることにします。


↑ホテルに戻る途中にあったパン屋さんのショーウィンドウ。楽器を模したパンが飾ってあるあたり、さすが音楽の街です。

途中SPARで翌朝食べる用のサンドイッチとカフェラテを買い、自室に戻ってしばらくUST放送。そしていよいよコンサートに向かうのですが、ザルツブルク音楽祭はある程度フォーマルな場なのでジーンズにTシャツというわけにはいかず、このためだけに持ってきたネクタイを締め、ジャケットを羽織って再びフェルゼンライトシューレへ向かいます。自室にいたときから外は大雨だったのですが、ホテルを出たときも雨はひどいままでした。とりあえず近くのバス停からトロリーバスに乗ると、同じくコンサートに向かうとおぼしき着飾った日本人のグループと鉢合わせ。そして最寄りのバス停で下車・・・したかと思いきや、一個前のバス停で降りてしまい、大雨の中バス停一つ分歩く羽目に。しかし道が渋滞していたせいで、結局バスに追いついてしまいました。

あいにくの天気でしたが、フェルゼンライトシューレの前は正装した華やかな人々が行き交う非日常な空間となっていました。そして「チケットください」の紙を持った人が何人もいて、それほどメジャーな演目じゃないはずなのに、すごいなぁと感嘆。会場内に入るとさらに別世界で、あまりにも場違いな気がして挙動不審になりそうでした(笑)。とりあえずクロークに折り畳み傘を預け、別売だったパンフレットを5.2ユーロで購入。まだ開演までには時間があったので、ガイドツアーでは回れなかった会場内を歩き回ってみることにしました。トイレも海外にしてはきれいですし、ビュッフェも華やかでしたが、やはりカール・ベーム・ザールはシャンパンを飲んでいる人がいたりして、完全に社交界の雰囲気。なんだか落ち着かないので、早々に自分の席に座ることにします。会場内には日本のコンサート会場よりはるかに多くの係員がいて、チケットを見せると座席を素早く案内してくれます。チケットを購入したのが遅かったのでそんなに前の方ではなかったのですが、十分よく見える席でした。しばらくすると私の周りの席も埋まり始めましたが、すぐ近くには日本人の姿はありません。開演5分前になると、外で係員がハンドベルを鳴らす音が聞こえてきました。そして19時になり、いよいよコンサートがスタート。

今日の演目はニコラウス・アーノンクール指揮で、ハイドンのオラトリオ「トビアの帰還」です。オラトリオというとハレルヤコーラスでおなじみのヘンデルの「メサイア」が有名ですが、声楽が入る点がオペラに似ているとはいえ、大道具や衣装などを用いない点が異なります。ハイドンのオラトリオというと「天地創造」などが有名ですが「トビアの帰還」はタイトルすら聞いたことがなく、どんな曲なのか全く知りませんでした。しかし指揮のアーノンクールは、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートで何度か指揮をしていることもあり、私でも知ってるほどの巨匠です。今日のコンサートには「ボスニア・ヘルツェゴビナのための夜」という題が付けられていて、演奏前にアーノンクールがあいさつをしていたのですが、ドイツ語なのでその内容がさっぱりわからなかったのが残念でした。

そしていよいよコンサート開始。最初の出音から圧倒され、合唱が入るともう鳥肌が立つほどのすばらしさでした。後ろが岩山なので音響的にどうなんだろうと思ったのですが、とても良い響きです。ソロパートは正直ちょっと退屈な部分もあったのですが、ソプラノを歌っているSEN GUOという東洋系の女性の歌声がすばらしかったのが印象的でした。トビアの帰還は3時間近くある大作なので、途中で一旦休憩を挟みます。せっかくなので休憩中にステージの前まで行ってみましたが、アーノンクールがここで指揮をしているのかと思うとちょっと胸が熱くなりました。今回はチェンバロも編成に含まれていたので、休憩中に調律師の方が調律をしています。その様子を横目に見ながら、隣のカール・ベーム・ザールに向かうと、開演前と同じようにシャンパンを飲む人々で華やいだ空間になっていました。私も飲もうかと思ったのですが、1杯13ユーロもするのと、体調があまり良くなくてお酒を入れたくなかったのでやめておきました。


↑幕間のカール・ベーム・ザールはこのように華やいだ雰囲気でした。シャンパンをボトルごと買って数人で飲む姿もあり、すごいなーの一言。


↑客席の様子。岩山は青くライトアップされ、上部には字幕が表示されていました。

長丁場なので、後半が始まったときにはすでに21時を回っていました。後半もとにかく合唱がすばらしく、フィナーレの盛り上がりがもうたまりません。当然客席もスタンディングオベーションで、アーノンクールは何度もステージに呼び戻されていましたが、その様子を見ていると強面ですがなかなかお茶目な人だなぁと感じました。興奮冷めやらぬまま席を立って出口に向かいましたが、ロビーを歩いていると急にスタッフ通用口が開き、なんと向こうからアーノンクールが歩いてくるではありませんか!目の前数メートルですれ違い、一瞬のことに何もできませんでしたがとにかく感動しました。アーノンクールももう80歳を超えているのでさすがに少々疲れているようでしたが、やはりただ者ではないオーラが出ています。

興奮を抑えつつクロークで傘を受け取り、フェルゼンライトシューレを後に。近くのバス停に移動しましたが、もう夜遅いせいか10分ほど待って4系統のトロリーバスに乗り、一旦ホテルに戻ります。ホテルでネクタイを外してカメラを持ち、遅い晩ご飯を食べるために再び出発。しかし行こうと思っていたレストランは食事が22:45ラストオーダーだったようで、間に合いませんでした・・・。ほかにレストランがないか探してみたのですが、開いているのはバーばかりで食事にはありつけそうにありません。屋台のホットドッグ屋があったので買おうかとも思ったのですが、少し高かったので結局何も買わずにホテルに帰還。明日の朝ご飯用に買っていたサンドイッチを食べ、床につきました。

明日はザルツブルクを出発してミュンヘンに向かうのですが、それはまた次回。

南ドイツ・オーストリアの旅3日目(8/19) その1

頭痛が治まらないので薬を飲んでさらに横になり、6時半頃起床。たまってきた洗濯物を片付け、9時前にホテルを出発します。外の雨は上がっていましたが、午後からまた天気が崩れる予報だったので、できるだけ午前中に観光を済ませておかなければなりません。まずは朝食を食べられるお店を探していると、たまたまイートインできるパン屋を発見したので、ここで食べていくことにします。


↑甘かったですが、なかなかおいしかった。

パン屋を出て、今日もマカルト橋へ。昨日見落としていた、ザルツブルク生まれの巨匠カラヤンの生家を見ていくことにします。


↑生家に立つカラヤンの像。中には入れないので外から眺めてきました。


↑マカルト橋の欄干はこの通り、南京錠が鈴なりになっています。


↑マカルト橋から西側を眺めたところ。


↑マカルト橋を渡って西に少し行ったところにある、メンヒスベルクの岩山に作られたエレベーターの入り口。この上には近代美術館(MdM)があります。

エレベーターは有料なのですが、ザルツブルクカードが使えるので上ってみることにします。


↑メンヒスベルクからは城塞や川沿いの景色が一望でき、街の構造がよくわかります。

この展望台には5セント硬貨を機械で伸ばして記念メダルを作る装置があったので、試しにやってみました。人力でハンドルを回すのでちょっと力が入りますが、なかなかおもしろいものですね。美術館にはあまり興味がなかったので早々にエレベータを下り、昨日中に入れなかった大聖堂へと向かいます。


↑トロリーバス通り。道をふさぐように建っている建物が印象的です。


↑大聖堂の外観。音楽祭の会場となっているので仮設の階段が設置されています。


↑大聖堂の内部。メインのオルガンの他に、祭壇周りに4つの小さなオルガンが設置されています。


↑祭壇の天井部分。細かい装飾が施されています。

大聖堂には博物館が併設されているので、そちらにも行ってみることに。ここは別途入場料が必要ですが、ザルツブルクカードを使うことができました。ここでは日本語オーディオガイドを借りることができたのですが、展示物にはそこまで興味を引く物がなかったので、はしょりつつ見ていきます。しかし博物館からはオルガンの真横に出ることができたので、感動しました。


↑オルガン横からは大聖堂内を見下ろすことができます。


↑オルガンのコンソールと、横から見上げたところ。近くで見ると本当にでかい。

少し疲れたのでここでしばらく座って休憩した後、すぐ近くにあるザンクト・ペーター教会へ。ここは墓地が有名で、色とりどりの花で彩られていました。


↑墓地に観光客がいっぱいいるというのも不思議な光景ですが、確かに一見の価値はあると思います。


↑そしてザンクト・ペーター教会の外観がこちら。


↑内部は非常に装飾が多いのが印象的です。オルガンに時計が付いているのがおもしろい。

ザンクト・ペーター教会を出て、今度は大司教がかつて住んでいたレジデンツへ。しかしここも音楽祭の会場になっていて、居室の見学はどうやらできないようでした。レジデンツギャラリーという美術館は開いていたので入ってみましたが、それほど興味を引く絵はなく、早々に後にします。

そろそろ正午近かったので、ゲトライデガッセのノルトゼーでお昼ご飯を食べることに。ノルトゼーとはドイツ発祥の魚介類専門ファストフード店で、お総菜屋さんも兼ねているような雰囲気です。言葉がわからなくても、とりあえず指差せば目的の物が買えるので、気軽に食べたいときにはぴったりかもしれません。私はニシンのサンドイッチ(3.29ユーロ)を頼みましたが、意外とおいしかったです。しかしここのノルトゼーはゲトライデガッセのど真ん中という人通りの多い場所にあるので、店内は観光客でいっぱいでした。


↑ノルトゼーのニシンサンド。ニシンの塩気が全体をうまくまとめています。

ノルトゼーを出て、すぐ近くのSPARでレッドブルコーラを購入。初めて飲みましたが、ものすごく薬品っぽい味のコーラで、体に良いんだか悪いんだかよくわからない雰囲気です。しかし朝から頭痛で風邪薬を飲んでいたせいか、コーラとの相乗効果でものすごく眠くなってきてしまいました。

そしてSPARの上にある、モーツァルトの生家へ。とても狭い家なのですが中は観光客でいっぱいで、ほんとに身動きを取るのも一苦労です。写真撮影は禁止でしたが、展示物は髪の毛が残っているのがすごいなあと思った以外、特にめぼしい物はありませんでした。出口にモーツァルトチョコの看板が置かれているのはさすがですね。

モーツァルトつながりで、今度は再びマカルト橋を渡って対岸にあるモーツァルトの住居へ。ここは生家が手狭になった後に移り住んだところですが、第二次大戦で破壊された後別の建物が建っていたところを、20年ほど前に復元したとのことです。特に日本生命が多額の寄付をしたそうで、石版が飾られていました。


↑石版には第一生命の文字が見えます。

地球の歩き方には、日本語のオーディオガイドがあると書かれていたのですが、受付で聞いてみるとなぜか無いとのこと。案内板にもあるって書かれているのにおかしいなあと思いながらも、英語のガイドを借りて中に入ります。ザルツブルクカードが使えるとはいえ、ここは10ユーロ払って見るほど価値のある物はないように思えました。

住居を出て少し東に歩き、今度はモーツァルト小橋へ。ここも映画「サウンド・オブ・ミュージック」に登場しています。


↑モーツァルト小橋は歩行者専用の小さな橋でした。

少し時間に余裕があったので、足をのばしてカラヤンの墓に行ってみることに。カラヤンはかつてザルツブルク郊外のアニフ村に住んでおり、彼の墓もその村の教会にあります。25系統のバスに乗ると外がだんだん郊外の風景に変わって行き、15分ほどで最寄りのAnif Friesacherに到着。ここはザルツブルク市外のためザルツブルクカードが使えないので、別途運賃を支払って下車した後、すぐ近くにある教会を目指します。バスを降りると教会は進行方向右手側に見えていましたが、行き方がわからずちょっと遠回りをしていましました。

そしてようやくたどり着いたカラヤンの墓は想像以上に質素でびっくりしてしまいました。ちょうどこのころから雨がぱらついてきたので、巨匠の生涯に思いを馳せつつ、墓を後にします。


↑カラヤンが眠る教会と墓。質素ですがきちんと手入れされているようでした。


↑教会を出てすぐの交差点にある像。なぜカラヤンの横に日本人の像が?と思ったのですが、ソニーの社長だった大賀典雄氏はCDの開発等でカラヤンと親交が深く、カラヤンの死を見届けたのも彼だったそうです。そしてこのアニフ村にソニーのCD生産工場を誘致した功績で、ここに像が置かれているようですね。

雨はさらにひどくなってきたので、早々に引き上げて再びバスに乗ってザルツブルク市内に戻ります。

このあとザルツブルク音楽祭を堪能するのですが、それはまた次回。

dynabook SS 1610 11L/2にLinuxを入れる

8年前に買ったノートPC、dynabook SS 1610 11L/2は以前HDDをSSDに換装したこともあり、今でも割と快適に使用できていました。しかしOSがWindows XPなので、この4月でサポートが切れてしまうため、OSの変更を考えざるを得ない状況に。CPUがIntel Pentium M 733(1.1GHz)、メモリが512MBなのでさすがにWindows 7を入れるには非力ですし、そこまでお金をかけるほど頻繁に使用しているわけでもないので、Linuxの導入を検討することにしました。

以前リビングで使用しているデスクトップPCにUbuntuを入れたことがあり、Ubuntuの派生ディストリビューションで軽量なものを選べば良いかなと思い、最初にlubuntu 13.10をインストールしようと思ったのですが、Pentium MはPAE(物理アドレス拡張)機能に対応していないようで、途中で止まってしまいました。仕方がないのでもう少し古いバージョンを入れることにしたのですが、その途中でwattOS R6というディストリビューションがあることを知り、こちらを入れてみることに。wattOS R6はUbuntu 12.04LTSをベースにしており、2017年4月まではサポートを受けられるようです。

ISOイメージはライブCDの部屋さんから入手し、まずはCDドライブから起動させます。するとデスクトップにインストールアイコンがあるので、それをダブルクリックするとインストールがスタート。特に何も問題なくインストールが完了し、wattOSが起動しました。バッテリーの残量表示機能がはじめから付いていたりと、一昔前からは考えられないような至れり尽くせりぶりで、とても楽です。しかし無線LANだけは初期状態で認識してくれないので、ここだけは一手間必要でした。

搭載している無線LANのチップはAtherosのAR5004X(AR5213とAR5112のセット)なのですが、まずこれを認識させるために、設定-Synapticパッケージマネージャからlinux-backports-modules-cw-3.12-precise-generic-pae(バージョンは新しくなってるかもしれません)をインストール。その後LXTerminalを起動して、sudo modprobe ath5kと入力して無線LANを認識すればOKです。設定-ネットワーク接続から無線LANの設定をするか、右下のトレイからネットワークのアイコンをクリックし、SSIDを選んで設定できます。しかしこのままでは次回起動時に自動接続してくれないので、sudo Leafpad /etc/modulesと入力して、最終行にath5kと書き込んで上書き保存すると、次からは自動的に接続されるはずです。ただし802.11aは使えないようです。

wattOSはWindows XPと比べても動作が軽快なので、まだまだ使えそうですね。