ドイツ・バッハの旅4日目(7/22) その2

土産物屋から大聖堂までは目と鼻の先でした。ヴェンツェル教会に行く前にもこの大聖堂の前を通っていったのですが、行きは道がわからなくてちょっと遠回りをしていたようです。大聖堂の周りには結構観光客とおぼしき人影が見えましたが、ほとんどが国内旅行のような雰囲気で、私のようなアジア人の姿は皆無でした。

20070722_15.jpg
↑部分的に工事中だったのが残念でしたが、晴れてきたこともあって良い感じに撮れました。

とりあえず入り口で4ユーロ支払って中へ入ります。現在の大聖堂は13世紀頃に建てられたもののようですが、大聖堂自体はそれ以前からあり、現在でも地下祭室部分は12世紀頃の面影をとどめているようです。歴史ある建物なので、外見もそうでしたが、内部もそれ以上に重厚な印象を受けました。ステンドグラスもきれいで、この大聖堂がいかに町の人に愛されてるかということが伝わってきます。

20070722_16.jpg
↑ステンドグラスはとても精巧で美しかったです。

20070722_17.jpg
↑観光客は結構たくさん来ていました。右側の部分が工事中だったのが悔やまれます。

この大聖堂にもオルガンはありましたが、それほど大きなものではありませんでした。けれども他にいろいろと歴史のありそうな彫刻などを見られたので、楽しかったです。内部を見学した後は、回廊のようなところから何枚か写真を撮りました。

20070722_18.jpg

20070722_19.jpg

20070722_20.jpg

こうやってみるとやはりヨーロッパって石の文化なんだなぁと実感しました。この大聖堂はほんとに一見の価値があると思います。

そんなこんなで1時間弱ほど大聖堂を見学したので、再び駅に戻ることにしました。少し時間があったので駅の本屋に入ったのですが、ここの本屋にもマンガが置いてありました。せっかくなのでなにか買っていこうと思い、ドイツ版アニメージュみたいな「Koneko」と「AnimaniA」という2冊の雑誌を購入。後で中を読んでみたのですが、日本とほとんど時間差なく最新のアニメやマンガが網羅されているのにはほんとにびっくりしました。あとアニメ、マンガ、コスプレの他にビジュアル系バンドの情報も一緒にされているのにも驚きました。ドイツのサブカル好きな人はこういうのひっくるめてクールだと感じているのでしょうね、なんだか不思議な感じがします。イラスト投稿コーナーも結構レベルが高くて、すごいなぁと思いました。
あ、あと本屋ではベルリン動物園の人気者、Knut(クヌート)のカレンダーも買いました。Knutはほんまかわいいですねぇ…。

本屋を出てからコインロッカーに預けていたスーツケースを取り出し、さてそろそろホームに向かおうかと思ったとき、ふと異変に気づきました。なにやらホームが人でごった返しているのです。混み合う時間帯なのかなあと思いながら駅の表示板を見ると、なんと前の列車に60分以上の遅れと表示されているではありませんか。この駅に止まるライプチヒ方面のICEはちょうど2時間ごとに来るのですが、私が乗ろうと思っていた15:07発の前のICEというと、13:07発のはずです。それが14:30になっても来ていないというのは、事故かなにかあったんじゃないかと不安がよぎりました。ホームのアナウンスもドイツ語だけなのでさっぱりわかりませんし、どうしたものかと考えた末に、とりあえず次に来たICEに乗れないかどうか、聞きに行くことに。駅の案内所も人でごった返していましたがとりあえず順番を待ち、この切符で次のICEに乗って良いかとたどたどしいドイツ語で聞くと、乗っても良いとのことでした。これで少し安心して列車の到着を待っていると、14:50頃にやってきました。結局予定より早く列車に乗ることができたので、結果として良かったのですが、さすがにあのときはどうなることかと思いましたよ。DBはヨーロッパでは正確な運行をしている方みたいですが、日本とはやはり違うんだなぁということを実感させられました。

そして列車に乗り込むと、いきなり他の乗客に英語でなにやら尋ねられました。なんか「バーリン」がどうしたこうした、って言っているのですが、なんのことやらさっぱりわからず、それって何?って聞いたのですが、要領を得ません。しばらくしてあきらめたのか、他の乗客に質問して解決したみたいですが、それではじめて「ああ、そうか、バーリンってBerlinのことか!」と気づきました。Berlin=ベルリンと頭の中にインプットされている私には、英語風に発音されるとさっぱりわからないのでした。しかしあの人も周りに英語話せそうな人一杯いるのに、なんでわざわざ私に質問してきたんでしょうねぇ。日本にいるとよく道を聞かれる私ですが、海外でもその本領を発揮するとは夢も思いませんでしたよ(苦笑)。

列車内は列車が遅れていることもあって当然乗客でごった返していたのですが、運良く空席があったので座ることができました。といっても目指すライプチヒまではたかだか30分少々なので、あっという間でした。結局15:30頃にライプチヒ到着。

20070722_21.jpg
↑ライプチヒ駅もフランクフルト駅と同様に行き止まり式のホームを持つターミナル駅でした。

ライプチヒ駅はとにかくでかい駅でした。そして最近改装されたらしく、近代的なショッピングセンターもあります。しかしここまでずっと比較的人の少ない街を観光してきただけに、ライプチヒの人の多さにはちょっと恐怖すら感じました。こういう都会も悪くはないですが、やっぱり田舎町の方が楽しいですねぇ。

駅を出て、まずは例のごとく観光案内所へ行ってみたのですが、なんともう閉まっているではありませんか。ガイドブックには、日曜日の営業時間は16時までと書いてあったのに…。どうやら15時までが正解だったようで、買おうと思っていたLEIPZIG CARDという、市内交通が乗り放題で主要施設の入場料金も割引になるカードを買いそびれてしまいました。おまけに途中から雨は降り出すし、もうさんざんです。まあそれでも気を取り直して、まずはホテルへと向かうことにしました。

ライプチヒは都会なだけあって中心部のホテルは宿泊料が高いので、仕方なく中心部から少し離れたところにあるホテルを予約していました。ライプチヒ駅前から7番のトラムに乗り、7つ先のSellerhausen電停で下車して、ホテルを目指します。ホテルはこの電停のすぐそばにあるということだったのですが、Sellerhausenはトラムの他にDBの駅もあるので、降りた場所と地図の位置関係がいまいちよくわからず、意外と難儀してしまいました。それでもなんとかホテルを発見し、中に入ろうとすると鍵がかかっているではありませんか。うーん、どうしたものかなあと思っているとインターホンを発見。ボタンを押してしばらく待っていると、扉が自動で開きました。目の前の階段を上がるとフロントがあり、そこでチェックインを済ませて部屋へ。部屋はツインベッドのある部屋でそこそこ広く、風呂場にはちゃんとバスタブもありました。その代わり冷蔵庫がなかったのはちょっとマイナスでしたね。まあ1泊41.16ユーロ(約6,600円)という値段を考えれば、十分すぎる部屋でしたけどね。

ホテルに荷物を置き、再び外出…の前に、フロントでおすすめのお店を教えてもらうことに。おすすめのお店を紙に書いてくれたのは良かったのですが、できれば地図も添えて欲しかったなぁ…。でもあとでガイドブックを見たら、教えてもらったお店は有名店だったようで、ちゃんと載っていました。まあまだ晩ご飯には早いので、市内観光をすることに。8番のトラムに乗り、Neues Rathaus(新市庁舎)電停で下車します。

新市庁舎はえらくモダンな建物で、特に見るべきものはありませんでした。その後J.S.バッハがカントル(音楽監督)をつとめていたトーマス教会に行こうと思ったのですが、どうやら道を間違えていたようで、えらく遠回りをしてしまいました。それでもトーマス教会はこのドイツ・バッハの旅で一番のハイライトだったので、たどり着いたときには感慨がありました。

20070722_22.jpg
↑トーマス教会の西側から撮影したもの。ちょうど夕暮れ時だったので、西日が映えてきれいでした。

20070722_23.jpg
↑上の写真を撮影した場所のすぐそばで、バッハの顔を模した像がひっそりとたたずんでいました。

トーマス教会の南側には有名なバッハ像があるのですが、観光で来ている子供たちがバッハ像の前で遊んでいたので、写真を撮るどころではありませんでした。それでも何枚かは撮ったのですが、翌日に撮り直したものの方がきれいなので、次回載せることにします。

この日は20時からトーマス教会で、Sirenian Singersというイギリスの合唱団のコンサートがあるということだったので、後で聴きに来ることにして、まずは少し早い晩ご飯を食べることにしました。まずはホテルの人に教えてもらった「Auerbachs Keller(アウアーバッハス・ケラー)」というお店に行ったのですが、残念ながら貸切営業ということで、入ることができませんでした。そこでパウラーナーというお店に行くことにしたのですが、こちらも改装のためか休業中…。仕方がないのでカフェ・バウムというお店に行くことにしました。ここもリストやワーグナーが常連だったという歴史あるカフェです。

20070722_24.jpg
↑アウアーバッハス・ケラーのあるMadlerpassage(メードラーパッサージュ)というショッピングアーケードです。アーケードといっても石造りなので重厚感があります。

20070722_25.jpg
↑アウアーバッハス・ケラーはこの階段を下りたところにあります。この店は1525年創業で、ゲーテのファウストにも登場することから、世界的に有名なようです。この像もファウストの一場面を模したものです。

カフェ・バウムは店の外にテラス席があるので、そこで食事することにしました。ローストポークと黒ビールを注文したのですが、待っている間に雨と強風が襲ってきて、なかなか大変でした…。しばらくして料理がやってきましたが、ローストポークはなかなか美味でした。しかしこれとビール2杯で17.8ユーロ(約2,900円)というのは結構高かったですね。有名店だからかなぁ。

20070722_26.jpg
↑なんかずいぶん変わった盛りつけ方ですよね。両側にあるクネーデル(マッシュポテト入りのパンのようなもの)の上にはなんだかさくさくとした食感の茶色い物体が乗っていたのですが、あれがなんだったのかいまだによくわかりません。奥にあるのは赤キャベツのザワークラウトですが、これもあったかくておいしかったです。

19時過ぎに食べ終わったので、もう少しあたりを散策してから再びトーマス教会へ。Sirenian Singersの演奏を聴くのはもちろん初めてでしたが、知らない曲ばかりながら、コーラスの美しさにうっとりでした。うっとりしすぎて途中何度か意識が飛んでましたが…(汗)。どちらかというと古典的な合唱ではなく、前衛的な印象を持ちましたが、是非また聴いてみたいと思わせるものでした。

20070722_27.jpg
↑やはりこういうところで歌うと音の響きも違うんでしょうねぇ。

コンサートは1時間半ほどで終わり、帰りは8番のトラムで帰ろうとNeues Rathaus電停に向かったのですが、なんと8番の路線は20時で営業終了していました。もうさすがに外は真っ暗だったので、あんまりうろうろ歩きたくないなぁと思いながらも10分ほど歩き、Johannisplatz電停から7番のトラムに乗って、無事にホテルへ帰りました。翌日は一日ライプチヒ観光でしたが、それはまた次回。

20070722_28.jpg
↑おまけ。ホテルに備え付けられていたドライヤーなのですが、ドライヤーのくせにALASKAってどんなネーミングやねん!しかしこちらは電圧が高いせいか、小型なのにずいぶんパワフルでした。

この日記へのコメントをどうぞ!

コメント:

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)