2007年10月1日

    ドイツ・バッハの旅2日目(7/20) その2

    バッハの家を出ると、時刻はすでに13:30を回っていました。この時点で当初の予定より1時間以上も遅れていたので、ちょっと早歩きで世界遺産のヴァルトブルク城を目指します。城へ行くにはアイゼナハ駅前から出ているバスに乗ればいいのですが、本数が1時間に1本しかありません。しかし城のふもとにある駐車場からのバスは20分に1本だったので、そこまで歩くことにしました。

    城のふもとのWartburgalleeバス停を13:44に発車するバスに乗ろうとがんばって歩いたのですが、バス停にはなぜか乗る予定のバスの時刻が書かれていません。周りを見渡してもそれらしいバス停はなく、うわー、どうしようと思っている間に発車予定時刻を過ぎてしまいました。次のバスは14:04発だったのですが、バス停を見つけられる自信がなかったので、仕方なくヴァルトブルク城まで歩いて上ることに。しかし城は小高い山の上にあるために歩いて上るのはなかなか大変で、道中はさながらハイキングのようでした。ほんとにこんな道で合ってるのか不安になってきたので、下りてくる人に山の上を指さし、”Wartburg?”と聞くと”Ja.”と返ってきたので、道はあっている様子。結局20分ほど山道を歩いて、ようやくヴァルトブルク城に到着しました。それにしても城の直前の坂道はめちゃめちゃ急できつかった…。

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    ↑ヴァルトブルク城へ向かう道。ハイキングコースとしか思えません。

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    ↑坂道をずっと歩いたこともあり、さすがに城からの眺めは最高でした。

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    ↑そしてこれが世界遺産のヴァルトブルク城です。お城というより砦と言った方が近い感じがします。

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    ↑お城の門をくぐったところ。観光客は結構たくさんいました。

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    ↑ここは中庭、といったら良いんでしょうか。このときは良い天気だったんですけどねぇ…。

    ヴァルトブルク城は、ワーグナーの「タンホイザー」というオペラの元となっている、ヴァルトブルクの歌合戦が行われたことで有名です。またルターが隠れ住んで聖書を翻訳したところとしても知られています。ガイドツアーではこれらの場所を回るのですが、最初チケット売り場がどこだかわからなくて、ちょっと困ってしまいました。どうやらチケット売り場は入り口を入ってすぐ右手の建物内にあったらしく、引き返してチケットを買い、英語のオーディオガイドを受け取ることはできたものの、今度はどこからヴァルトブルク城に入って良いのかわかりません。とりあえず観光客がたくさんいるところで待っていると、なにやらチケットの改札がはじまりました。チケットは「ELISABETH CARD」とかいう結構分厚いプラスチックカードだったのですが、それに穴を開けていくというなかなか荒っぽいやり方でした。しかし後で気づいたのですが、入場料が8ユーロって高いよなぁと思っていたら、なんとこの「ELISABETH CARD」を使うとバッハの家や、アイゼナハの他の施設にも入れたようなのです。うわー、損したっ!と気づいたときはすごいショックでした(笑)。先にヴァルトブルク城を見に来るんだった…。

    城内では「テューリンゲンのエリザベート」という特別展示をしていました。エリザベートって誰やねんと思いながら展示を見ていたのですが、どうやらハンガリーから4歳でアイゼナハに嫁いできたものの、若くして夫を亡くした後に修道会に入り、死後に聖人とされた人のようです。聖人を描いてある絵には、ほぼ例外なく後光が差しているのがおもしろいなぁと思いながら見ていました。

    そしてガラスモザイクが美しいエリザベートの居間を通り、歌合戦の間やルターの部屋を見ながら先に進みました。残念ながら撮影禁止だったので写真はありませんが、歴史を感じる建物でしたね。ルターの部屋には、ルターが悪魔にインク瓶を投げつけたときにできたというインクの染みがあるらしいのですが、よくわかりませんでした。けれども内装は城の他の場所と比べても質素で、こんなとこで暮らすのはきっと大変だったことでしょう。

    そして城を後にしたのですが、外に出るとなにやら雲行きが怪しくなっていました。実はアイゼナハ駅前でバスの券を買っていたので、帰りぐらいバスに乗りたかったのですが、時間が合わなかったので仕方なく歩いて下りることに。しかし途中からとうとう雨が降り出してしまい、風も吹き荒れていたため大変な目にあいました…。それでもなんとか駅にたどり着き、のどが渇いていたのでなんだか怪しげなコーラを購入。しかし表に書いてある値段より25セント高かったので、なんでだろうと思っていると店の人はなにやらマークを指さしています。あとで「地球の歩き方」を読んでみると、ドイツではペットボトルにもデポジットがあり、買った店に返すと返金されるとのこと。でもこのコーラをその場で飲み干すことはできなかったので、結局返金を受けることはできませんでした。

    さて、私はアイゼナハ15:02発のICEを予約していたのですが、この時点で時刻は17時前。この区間の切符は最後まで座席指定取るかどうか悩んだのですが、案の定間に合いませんでした。しかし座席指定を受けた列車に乗れなった場合でも、後に来る同等以下の列車の自由席ならば乗れるので、16:56発のICに乗ることにしました。この列車はICEと違って座席がコンパートメントだったのですが、とにかくがらがらだったので一人でコンパートメントを独占でき、かなり快適に移動することができました。

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    ↑アイゼナハの駅標。J.S.バッハ生誕の地と書いてあります。

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    ↑コンパートメントはこんな感じ。このタイプの座席は日本ではほとんどありませんが、こちらではメジャーなようです。

    そして17:27、テューリンゲン州の州都であるエアフルトに到着。まだ外は大雨でした。とりあえず路面電車に乗って今日泊まるホテルに行こうと思い、電停へ。まずは切符を買わなければ、と思い券売機の前に立ったのですが、最初使い方がわからなくてちょっと難儀してしまいました。それでもなんとか一日券を買うことができたので、明日のためにもう一枚買っておこうと思って買ってはみたものの、よく見るとすでに有効期限が印字されているではありませんか!他の都市では一日券を車内の改札機で改札すると日付が刻印され、その日一日が有効期限になるのが普通なのに、エアフルトではどうやら違うようです。くそー、俺の4ユーロを返せ~!と叫びたくなりました(汗)。しかも悪いことは重なるもので、買った切符をしまおうとカバンをごそごそしていると、カメラが滑り落ちてしまい、水たまりへ…。幸いカメラは無事でしたが、傷だらけ&びちゃびちゃになってしまいました。さすがにこのときばかりは泣きそうでしたよ…。

    それでもなんとか気を取り直し、4番のトラムに乗ってホテルへ向かいます。この旅初のトラムはなかなか快適でした。約15分でホテル最寄りのNibelungenweg電停に到着。電停の周りは郊外の住宅地、という感じでとても静かなところでした。目指すHotel Erfurtblickは電停から徒歩2分ぐらいのところだったのですぐに見つかったのですが、なぜか扉に鍵がかかっていたのでどうしようかと思っていると、向かいの家から女の人が歩いてきて、中に案内してくれました。なんとかドイツ語でチェックインを済ませ、部屋に入るとまずはびしょびしょになった靴を乾かすことに。そうこうしているうちに雨もあがったようだったので、夕食を食べるため外出することにしました。フロントでさっきの女の人におすすめのレストランを教えてもらい、再びトラムでエアフルト中心部へと向かいます。

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    ↑ホテルの部屋から中庭を撮影。客室数も少なくて、家族経営しているようなこぢんまりしたホテルでしたが、とても快適なところでした。

    もうこの時点で時刻は20時前だったのですが、外は夕日が差してずいぶん明るかったです。トラムをDomplatz Sud電停で降り、Domplatzから大聖堂とセヴェリ教会を眺めることにしました。大聖堂はとにかくでかい!ただもう建物自体は閉まっていたので、翌日また訪れることにします。

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    ↑大聖堂(左)とセヴェリ教会(右)。セヴェリ教会はどうやら改築中のようでした。

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    ↑人と比べてみると大聖堂の大きさがよくわかると思います。

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    ↑Domplatzはさすがにこの時間には人影もまばらでした。よく見ると自分の影が写っていますね。

    それから歩いてクレーマー橋へと向かいました。クレーマー橋は建物自体が橋になっているという珍しい構造で、橋を渡っているという感じが全くしません。このあたりはおみやげ物屋も多くて、観光客も集まっている感じでした。

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    ↑普通に歩いていると橋を渡っているという感覚は全くないのですが…。

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    ↑裏手に回るとほらこの通り、橋になっています。このクレーマー橋、1117年にはできていたらしいので、結構歴史があるようです。

    そしてクレーマー橋近くのHaus Zum Naumburgischen Kellerで夕食を取ることにしました。結構有名なお店らしく、メニューには英語も併記されています。まずはなんといってもビール!ということで黒ビールを注文。メインディッシュにはやはりソーセージだろう、ということでソーセージを注文しました。去年プラハに行った時に、食事はメインディッシュだけでおなかいっぱいになると学習していたのですが、今回もメインディッシュだけにして正解でした。とにかくメインのソーセージ以外のザワークラウトとジャーマンポテトの量が多くて、もうおなかいっぱい。そしてソーセージはやっぱりうまい!そしてビールもうまい!ということで普通のビールをもう一杯お代わりしたのですが、これ以上飲むと帰れなくなりそうだったので、これでお会計してもらうことにしました。結局9.4ユーロ(約1,500円)だったのですが、あとから考えるとこの店がこの旅で一番安いお店だったように思います。支払いはカードで済ませ、チップとして1ユーロ置いて店を後にしました。

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    ↑まさにドイツ!という感じの組み合わせですね。とにかくうまかったです。

    店を出たのは21:30だったので、さすがに外は暗くなり始めていました。この時間になるとトラムは30分に1本しかないので、気をつけないといけません。無事にトラムに乗り、心地よく酔った体でぼーっとしているとなにやらおばちゃんが乗り込んできて、いきなり切符の提示を求められました。うわ、これが噂に聞く検札か、とあわててカバンから一日券を取り出して渡したのですが、チェックするなり押しつけるように返してきたのでちょっとむっとしてしまいました。まあ向こうの人はこういうときに無駄な愛想は振りまかないのが普通なので仕方ないのでしょうが…。というかこっちは一日券2枚も買ったっちゅうねん~!と言いたかったですよ(笑)。

    そしてホテルにたどり着き、ばたんきゅ~しました。翌日は若きバッハが過ごしたアルンシュタットへ向かいます。