プラハ・ウィーン旅行4日目(8/20) その2

さて、列車はついにオーストリアへと入りました。国境を超えるというのでちょっとものものしい雰囲気を期待していたのですが、国境がどこなのかわからないうちにいつのまにか通過してしまったので、なんだか拍子抜け。チェコが共産主義国だった頃はまた違ったのかもしれませんが…。というわけでオーストリアに入ったことに気づいたのは、 通過駅の駅標の形が?D(チェコ鉄道)のそれと変わっていたからです。

B?eclavを出て約10分でオーストリア側の国境の駅、Hohenauに到着。先にも書いたようにこの手前にも駅はいくつかあったのですが、無人駅っぽかったのでここが一応国境の駅と言うことになるのでしょう。私はてっきりこの駅に到着するまでに入国審査官が来るものだと思っていたのですが、結局来ませんでした。これじゃあもしこの駅で降りたら無許可入国になってしまうんじゃないかとちょっと思ったのですが、おそらく降りる乗客はちゃんとチェックしてるんでしょう。

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↑Hohenauに停車していた列車。オーストリア国内路線の列車のようですが、ダブルデッカーでやたらかっこよかったです。

Hohenauを出てしばらくすると、ようやく入国審査官がやってきました。まず一緒にいたフランス人家族がパスポートを渡し(フランスのパスポートは青い色でした)、続いて私もパスポートを渡してスタンプを押してもらいました。この時私だけ「何日間滞在するのか」と聞かれたのでちょっとびっくり。チェコ入国の時はそんなこと聞かれなかったのになぁ。最初滞在日数を聞かれてるのか滞在目的を聞かれているのか、とっさに判断がつかず”How many?”と聞き返すと同じ言葉が返ってきたので、”Three days.”と答えました。まあわりと友好的な雰囲気だったのでほっと一息。これで終わりかと思ってパスポートをしまったのですが、すぐ後にまた別の入国審査官がやってきたので、え、まだあるの?と思ってしまいました。よく考えたらチェコ出国とオーストリア入国は別なわけで、まあ当然といえば当然です。ただ後から思い返すと、先にオーストリア入国のスタンプが押されていたので、順番が逆なような…。出国といっても税関検査みたいな事は特になく、スタンプだけ押して去っていきました。ちなみにチェコ入国の時は飛行機のイラストが描いてあったのですが、オーストリア入国のスタンプには汽車の絵が描かれていました。このあたり、なかなか細かいですね。

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↑これはチェコ入国時のスタンプです。飛行機の絵なのがわかると思います。

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↑そしてこれがオーストリア入国時のスタンプ。汽車の絵になっています。

しばらくすると列車は大きな橋を渡りました。一緒にいたフランス人家族が話していたのですが、どうやらこれがドナウ川のようです。そうか、これがあのドナウ川かーとちょっと感慨深かったです。ほどなく列車はWien Simmeringに到着。ここから終点までは目と鼻の先だったので、列車を降りる準備にかかりました。

そして定刻から約5分遅れの14:33、終点のWien Sudbahnhof(ウィーン南駅)に到着。フランス人家族に別れを告げて、列車を降りました。食堂車にも行ってみたかったなぁ、とちょっと名残惜しかったのですが仕方ありません。ここから今日泊まるホテルまでは路面電車一本で行けそうだったので、駅前の電停から乗ることにします。…とその前に切符を買わなければなりません。プラハでは案内所で買ったのですが、ここではどこで買えばいいのかわからずにちょっと悩んでしまいました。そして駅構内に並んでいる券売機を見て、そういえば券売機の使い方をネットで見たなぁと思い出し、意を決して券売機の前へ。まずは言語を英語に変えて、72時間券を選択。最後にお金を入れて、無事にゲットすることができました。ちなみに12ユーロ(約1800円)と、プラハに比べると割高です。後から思えば、ウィーンカード(16.90ユーロで72時間券+市内の観光施設などの割引が受けられる)を購入しておけば良かったのかもしれませんが、券売機では買えないみたいでしたし、どこで割引を受けられるのかわかってないと使うのが難しいらしいのであきらめました。

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↑ウィーン南駅前の様子。いきなりドイツ語圏に入ったので、ちょっととまどいました。

そして駅前から18番の路面電車に乗ります。電停には何番の路面電車の到着まであと何分、という電光表示板があったので助かりました。しばらくして路面電車がやってきたので荷物とともに乗り込み、まずは切符に刻印。それから席に座りました。路面電車なので景色を楽しみながら行こうと思っていたのですが、発車後いきなり地下へもぐってしまいました。トンネルでも通るのかなあと思いきや、なんとそのまま地下駅に停車するではありませんか。それもここだけではなく、この先しばらくはこんな光景が続きました。路面電車と言えば地上を走るイメージしかなかっただけに、これはかなりの衝撃です。地下の電停なんて想像すらしなかった…。ちなみにウィーンではほかにも地下鉄なのに路面電車っぽい車両が走っていたりと、もうやりたい放題です(笑)。

そんな路面電車ですが、ここでもアクシデント発生!なんとまた車両のドアが故障してしまったのです。思わずプラハでの光景を思い出してしまいました。結局ここでも運行中止になることはなく、ドアが開かないようにしてから再び走り出しました。

やがて路面電車は地上に出て、ほどなくWien Westbahnhof(ウィーン西駅)に到着。この駅からは空港行きのバスが出ています。さらにここから2駅先が終点のBurggasse-Stadthalleで、私はここで下車しました。

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↑私が乗ってきた18番の路面電車です。なかなか年季の入った車両でした。Burggasse-Stadthalleにて。

ここからホテルまでは歩いてすぐのようだったので、スーツケースをごろごろさせながら移動開始。ホテルの正確な位置はわからなかったのですが、すぐに見つけることができました。まずフロントに行くと、迎えてくれたホテルマンは東洋系の人だったのでなんだか意外でしたね。ただ日本語は話せないようだったので、日本人ではなさそうです。とりあえずチェックインを済ませ、いざ部屋へ。荷物をおいてほっと一息ついたのもつかの間、ここで早速の悲劇発生!トイレに入ろうと思ったのですが、なぜか電気が付かないのです。おかしいなと思って部屋中の電気をON/OFFしたのですが、付かないどころか、今まで付いていた部屋の電気まで消えてしまいました。これはなにかがおかしいと思い、すぐにフロントへ電話。こんな時英語力のなさを思い知らされるわけですが(苦笑)、とりあえずなんとか事情を説明すると、最初は日本の電化製品をつないでないか?と聞かれました。日本とオーストリアじゃ電圧が違うよ、と言われたのですが、それは当然承知していますし、まだ部屋に入ったばかりでもちろんなにも使ってませんから、使ってないと答えると、部屋に行くので待ってくれ、と言われました。しばらくするとさっきフロントにいたホテルマンがやってきて、なにやらケータイで話をしながら電気をON/OFFさせていきます。するとどうやら復旧したようで、再び電気が付きました。はぁ、これで一安心、と外出の準備を始めたのですが、部屋を出る間際にもう一度電気をON/OFFさせてみると、なんとまた電気が消えてしまいました。そういえばさっきのホテルマンが、また電気が消えるようなことがあったら部屋を変えるからフロントまで来てくれ、と言っていたなあと思い出し、意を決して荷物をすべてまとめて再びフロントへ。事情を説明すると約束通り別の部屋の鍵を渡してくれました。念のため追加料金はないか聞きましたが、笑って否定していたので、安心してその部屋へ。今度は電気が消えることもなく、しかもさっきの部屋よりもちょっと広くて、バスタブもあったのでラッキーでした。今から思うとさっきの部屋の電気はON/OFFすると消えていたので、漏電でもしていたのかもしれません。そもそもこのホテル自体が昨日まで泊まっていたプラハのホテルよりもグレードが落ちる感じだったので、仕方ありません。値段はむしろこっちのホテルの方が高かったんだけどなぁ。

今度こそ大丈夫、ということで外出しようと鍵を持ってフロントに行くと、運悪くフロントはちょうど到着したお客さんでごった返しています。仕方ないのでしばらくロビーにあるPCで時間をつぶすことにしました。ここのPCにはUnix系のOSが入っていて、ブラウザはMozillaでした。日本のサイトもちゃんと表示できましたが、フォントが若干怪しかったです。あと接続速度が遅いのか、やたら重かった…。

しばらくするとフロントも空いたようなので、鍵を渡すついでにおすすめのレストランを聞いてみました。最初はステーキ屋を勧められたのですが、ウィンナーシュニッツェルが食べたい、というと別の店を勧めてくれました。そしてこの日は日曜だったので、わざわざお店に電話して今日空いてるかどうか調べてくれることに。

ところで私がこのやりとりをしている間、私の横には20代前半とおぼしき東洋系の女性がいて、フロントが空くのを待っている様子。もともと私にはそんなつもりはなかったのですが、結果的にフロントで長話をするはめになってしまったせいか、その女性に「鍵をもらいたいのですが、まだ空きませんか?」とふいに話しかけられました。私がとっさに「すいません」と謝ると、「いやいや、あなたは悪くないですよ」との返事。そして「出身はどちらですか?」と聞かれたので私も相手の出身を聞くと、韓国とのこと。なので私は「私はプラハから列車で来たんですが、プラハには韓国人旅行者が多かったですよ」と言うと、その人も「私もプラハから列車で来たんですよ」と言うので、意外な偶然にちょっと驚きました。なんと日程も私と同じく、プラハとウィーンで3日ずつとのことで、なんだか妙なところで意気投合。ちなみに学生さんのようで、お父さんと旅行に来ていたみたいです。そうこうしているうちにフロントの人が戻ってきたので鍵を渡し、その女性にも別れを告げてホテルを出ました。

そしてホテルの外は見事な……大雨でした(泣)。さっきまで晴れてたのになんだよーと悲しくなりながら、とりあえず歩いてウィーン西駅まで行ってみることに。10分少々歩いてようやく着いた頃には、靴の中までびしょびしょになっていました。でもまあ、こんなことでくじけるわけにはいきません。とりあえず駅の中にあるコンビニっぽいお店に行き、ミネラルウォーターを買うことにしました。そろそろ日本から持ってきた水がなくなりかけていたからです。こっちは炭酸入りのミネラルウォーターが多いので、炭酸じゃないのを選ばなければ、と思いあれこれ悩んだ末に「MILD」と書いてあったものを選んだのですが、これが見事に炭酸入りでした(笑)。MILDっていうのは炭酸がマイルドってことなのかー、とやられた気分です。

雨とミネラルウォーターの一件でさらにテンションが下がりましたが、気を取り直して地下鉄に乗ることにします。プラハでは路面電車にばかり乗っていましたが、ウィーンでは路面電車の経路が複雑すぎてわからなかったこともあり、主に地下鉄をメインに使っていました。まずU3に乗り(Uなんとか、というのは地下鉄の路線名です)、StephansplatzでU1に乗り換えて、Pratersternで下車。ところでウィーンの地下鉄はドアが手動式です。といっても手でがらがら、と開けるわけではなく、北急ポールスターの貫通路のドアのような感じといえば、わかる人にはわかるでしょうか(笑)。ドアの取っ手を開けたい方向にがちゃっと倒すとドアが自動で開く、という感じです。最初はびっくりしましたが、慣れるとなんてことありませんでした。

Pratersternで下車したのは、プラーター公園に行きたかったからです。ここは映画「第三の男」で有名な大観覧車がある遊園地です。遊園地と言っても、日本のように入場料がいるわけではなく、中に入るだけならただでした。ただ料金が結構高かったのと、雨がひどかったこともあり、結局観覧車には乗りませんでした。まあ1897年建築という歴史ある観覧車を見られただけでも満足です(ただ建築当時のままの姿というわけではなく、一度建て直してはいるようですけども)。

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↑プラーター公園の大観覧車。規模で言えば日本の、たとえば天保山の観覧車なんかのほうが大きいと思いますが、やはりこの観覧車には歴史を感じました。雨模様なのが悔やまれるところです。

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↑別の角度から。ゴンドラが独特の形をしています。なんでも乗り降りの時には観覧車全体が一時停止するらしいです。

観覧車を見た後は近くを流れているドナウ川を見に行くことにしました。地下鉄1駅分ぐらいの距離を歩いていったのですが、思ったより距離があったのでちょっと後悔しました…。雨もひどかったですしねぇ。

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↑ドナウ川近くの公園にぽつんと置かれていた屋外卓球台。なんでこんなところにこんなものが…。

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↑美しく青き…と言いたいところですが、大雨のせいで濁流と化しているドナウ川です(苦笑)。川幅はかなり広くて、晴れてたらゆったりと水が流れていて綺麗なんだろうなぁ。

ここまできたらせっかくなので、ドナウ川を渡ってみることにしました。上の写真にも写っている橋には歩行者と自転車専用の道があるので、歩いて渡ることができるようになっています。途中川の真ん中あたりでも写真を撮ったのですが、悲しくなるぐらい濁流なので載せません(泣)。実はドナウ川の隣には新ドナウ川があり、橋はさらに先まで続いているのですが、ちょうどこのあたりにDonauinsel駅があるようなので、ここから戻ることにしました。駅は一体どこにあるんだろうと思って構内に入ると、なんと今まで歩いてきた橋の真ん中を地下鉄が通っているではありませんか。てっきり地下を走ってるものとばかり思っていたので、ちょっとびっくりしました。そして地下鉄に乗り、再びStephansplatzへ。このあたりはウィーン市街でも中心地にあたるようで、広い道路に人がたくさんいました。ここからちょっと歩いたところに、ホテルで紹介されたレストラン、Figlmuller(フィグルミュラー)があります。

Figlmullerはちょっとわかりにくいところにあるのですが、あたりを2往復ぐらいしてやっと発見。壁にワインの瓶がいっぱい並べてある、雰囲気のあるレストランです。若干Tシャツにジーンズの私には不釣り合いかなぁという気がしなくもありませんでしたが、意を決して中へ。最初ドイツ語のメニューを出されて四苦八苦していたら、英語のメニューいる?と聞かれたので、欲しいというと持ってきてくれました。ところがこれも実はドイツ語のメニューで、改めて同じ質問をされるはめに。これは軽い嫌がらせなのだろうか…とちょっと気に入らなかったのですが、とりあえずここの名物である特製ウィンナーシュニッツェルと、ハウスワイン(赤)を注文しました。噂には聞いていたのですが、とにかくこのウィンナーシュニッツェルがでかくてびっくりします。直径30cmはあろうかという大きさで、皿から所々はみ出しているほど。ただまあ、豚肉を叩いてのばしていることもあって厚みはあまりないので、なんとか完食することができました。これ自体に絶妙な味付けがされているので、ソースなんかをかけたりする必要はありません。
そして一緒に飲んだワインのまぁおいしかったこと!1/8と書いてあったのでたぶん90mlだと思うのですが、これで2.2ユーロ(約330円)とは思えないほどです。熟成味あふれた、という感じではなくて若々しい味だったのですが、とにかく嫌な雑味が一切なく、いくらでも飲めてしまいそうでした。なので思わず同じワインをもう1杯おかわりしてしまいましたよ。ただウィンナーシュニッツェル自体は11.9ユーロ(約1800円)と高めで、結局チップ込みで20ユーロ払ったのですが、ワインのことを考えると十分おつりが来るぐらいでした。

そんなほろ酔い気分で店を出たあとは、もうホテルに帰るだけです。再びU3→U6と乗り継いで自分の部屋へと戻りました。しかしここでさらにアクシデント発生!そろそろ寝ようと思い、何気なく部屋のクローゼットを開けると、なんとそこにはハンガーにかかった女物の服が大量にあるではありませんか。さらにその横にはご丁寧にスーツケースまで置いてある始末。おまけにおみやげものまで置いてあります。一瞬部屋を間違えたかと本気で悩みましたよ。でもどうみても私の部屋ですし、もしかして電気のトラブルの一件で部屋を交換してもらったとき、先客のいる部屋に案内されたのだろうか…とも思ったのですが、それだったらすぐ気づきそうなものです。とりあえずお酒が入っていて、この状況を英語でうまく説明する自信がなかったので、もう明日の朝フロントに言えばいいやと開き直り、就寝。今日は大変な一日だった…。

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