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    南ドイツ・オーストリアの旅6日目(8/22) その1

    6時の目覚ましで目が覚めてから、しばらくネットをしつつごろごろ過ごした後シャワーを浴びることに。今回泊まった部屋はシャワールームと洗面所が分かれていたので、いつもはシャワー浴びながらひげを剃るのに、鏡のないシャワールームではそれができずに難儀しました。さらにドライヤーも借りられなかったので、半乾きの髪のまま朝食を食べるはめに。しかし朝食はハム類が充実していておいしかったです。


    ↑ホテルの朝食。ヨーグルトやブルーチーズなんかもおいしかったですが、パウンドケーキは死ぬほど甘かった。

    その後チェックアウトを済ませ、スーツケースを預かってもらって再び市内観光に出発。まずは世界遺産にも登録されているレジデンツへと向かいます。ここは18世紀にマリエンベルク要塞に代わり、司教領主の宮殿として建てられた場所です。



    ↑レジデンツの外観。そのでかさに圧倒されます。

    中に入り、まずは荷物をロッカーに預けます。残念ながら内部は写真撮影禁止だったので写真はありませんが、とにかく豪華な印象でした。一部の部屋はガイドツアー(追加料金なし)でしか入れなかったのですが、英語のツアーは11時からしかなく、どうしようかと思っているとイタリア人の団体客がたまたまツアーで回っていたので、ちゃっかり便乗させてもらうことに。途中で私が団体のメンバーじゃないのがばれましたが(当たり前です)、ガイドさんが黙認してくれたので、そのままついていくことにしました。解説も英語で聞けたので、ラッキー。
    ガイドツアーでは鏡の間という元VIPルームとして使われていた部屋も見たのですが、この部屋は全面鏡張りな上、鏡自体にも絵が描かれていて、まさに豪華絢爛です。ガイドツアー中には日本人団体客とも遭遇しましたが、どちらかというと退職後に夫婦で旅行しているような年齢層が多い印象でした。まあヴュルツブルク自体がどちらかというとマイナーで、落ち着いた観光地だからでしょうね。ガイドツアーが終わってから他の部屋も見学しましたが、特に緑の間という部屋がとても高級感があり素敵でした。壁はどうも銀色の下地の上に緑色を塗装してあるようで、光沢のある美しい緑色に仕上がっています。
    建物内の見学が終わり、今度は庭園へと向かいます。庭園は一旦建物を出て外から裏側に回り込んだところにありました。ここは入場無料なので、散歩中の地元の人もちらほらいました。


    ↑レジデンツの側面。この向かいにも規模は小さいですが庭園があります。


    ↑きれいな三角錐型に切りそろえられた木が印象的。


    ↑レジデンツの裏側。この右側に見事な庭園がありました。


    ↑庭園からレジデンツを見たところ。きれいな左右対称形で、手前には噴水やバラが咲き誇る花壇が広がっています。


    ↑庭園はのんびりした空気がただよっていて、一日ここでぼーっと過ごすのも良いなあと感じました。

    レジデンツを出て、市内をしばらくぶらぶらしてみることにします。


    ↑CityTrainと名が付いていますが、どうやら市内の観光名所を巡るバスのようです。


    ↑シーボルトの像。シーボルトは鎖国時代の日本に医師として赴任し、後年は西洋における日本学の発展に寄与した人物です。


    ↑台座部分には「日本探検家」という肩書きが記されています。


    ↑ノイバウ教会の塔。はるか向こうには昨日訪れたマリエンベルク要塞のブドウ畑が見えています。


    ↑ノイミュンスター教会の中庭。ここには12世紀頃の回廊の一部が残っています。


    ↑中庭に咲く可憐な花。名前は・・・わかりません。


    ↑街中で見かけた日本食レストラン。相撲寿司バーとは一体・・・。


    ↑昨日も訪れたマリエンカペレを別の角度から。


    ↑マリエンカペレ前にある、ソーセージスタンド「Bratwurststand Knüpfing」。行列ができるほどの人気店です。


    ↑早速購入。焼きたてのソーセージがジューシーでとにかくうまい!これで1.9ユーロは買う価値大ありです。行列ができるのもうなずけます。


    ↑マイン川沿いに残る、かつて船の積み荷の上げ下ろしをしていた古いクレーン。今はレストランとして使われています。川には遊覧船の姿も。

    それから、フランケンワインをおみやげに買おうと思い、レジデンツのすぐ横にある州立ワイン醸造所(Staatlicher Hofkeller)へ。先客がいたのでしばらくワインを眺めつつ待っていたのですが、途中で販売員さんに「日本の方ですか?」と日本語で話しかけられてびっくり。なんとこちらでは日本人の女性が働いてらっしゃるようです。おかげでワインのテイスティングも日本語で解説が聞けて、とてもよく理解できました。アウスレーゼの甘さも魅力でしたが、やはりフランケンワインは辛口の白が持ち味なようなので、2011年物のジルヴァーナー グローセス・ゲヴェックス(格上のランク)を22.9ユーロで購入。販売員さんとは他にもいろいろお話したのですが、もうここでは5年ほど働いているとのことです。ただワインを買う人は大体ユリウスシュピタールかビュルガーシュピタールで購入されるので、ここまで買いに来る日本人はよほどのワイン好き以外いないとのことでした。
    販売員さんにお礼を言って醸造所を出て、今度はユリウスシュピタールの販売所へ。ここでは同じく2011年物のヴァイサー・ブルグンダー(ピノ・ブラン)のアウスレーゼを購入。500mlで14ユーロと、アウスレーゼの中では安い物をチョイスしましたが、それでもなかなかのお値段です。

    販売所のすぐ隣が宿泊先のホテルだったので、フロントに預けていた荷物を受け取ってワインをしまい、中央駅へ。


    ↑中央駅前の電停。駅のすぐ向こう側にはブドウ畑が見えています。


    ↑駅前広場の噴水の周りには、このようにトラムのループ線が走っています。


    ↑中央駅の駅舎。なぜか時計盤に針がないのが気になりました。

    まだ発車時刻までは余裕があったので、駅構内の本屋で日本のアニメやマンガを扱った情報誌「Koneko」を購入。以前ドイツに来たときにもあったので、有名な雑誌のようです。


    ↑ホームに停車中のローカル列車。側面には西フランケン鉄道と書かれています。

    14:04発のICEでヴュルツブルクを出発。今回乗車時間が短いのであえて座席指定をしなかったのですが、車内は空いていたのでしなくて正解でした。進行方向向きの座席にも座れますしね。目的地のニュルンベルクまでは1時間弱でしたが、結局検札が来ないままニュルンベルク近郊へ。しかし駅手前でしばらく停車したせいで、10分ほど遅れての到着になりました。

    このあとニュルンベルク市内を観光し、名物のソーセージをいただくのですが、それはまた次回。

    南ドイツ・オーストリアの旅5日目(8/21) その2

    ホテルを出て、まずは市の中心部マルクト広場へ。人は多いですが、どことなくのんびりした雰囲気が漂っているのが良い感じです。ここにはマリエンカペレという教会が建っているので、立ち寄ってみることに。


    ↑マリエンカペレは赤と白が目立つ外観でした。手前にはマイバウムも見えます。


    ↑外観に比して内部は比較的シンプルですが落ち着いた空間。


    ↑オルガンも飾り気のないモダンなものでした。


    ↑しかしこのステンドグラスはなかなか素敵。


    ↑市庁舎は小さいですがレトロな雰囲気でした。地下にはラーツケラーもあります。

    ここからマイン川を渡り、世界遺産のマリエンベルク要塞を見学しにいきます。橋のたもとにはテラス席のあるレストランが建っており、素敵な雰囲気でした。


    ↑マイン川の右上にマリエンベルク要塞が見えています。その下の斜面はブドウ畑です。


    ↑今度は北側を向いたところ。こちらの斜面にもブドウ畑が広がっています。もちろんフランケンワインのブドウ畑です。

    橋を渡り要塞に向かいますが、要塞というだけあって行きはひたすら上りなので、すっかり汗だくに。本数は少ないですが中央駅からバスも出ているので、そちらを使うのも手かもしれませんね。


    ↑ひたすら階段を上っていきます。


    ↑要塞の入口、ノイトーア門。しかしここから建物までがまた遠い。


    ↑2つめの門、シェーンボルン門をくぐったところ。ここに博物館があります。


    ↑ベルクフリート(主塔)。1200年頃に築かれたようです。

    建物内部のガイドツアーが16時からだったので、それまで写真を撮って回る事にします。そろそろいい時間になったのでチケットカウンターに行くと、ガイドツアーはドイツ語だけだから、わからないならやめといた方がいいと言われ、仕方なく博物館のチケットだけ買って中に入ることに。

    博物館は2つあるので、まずは領主館博物館へ。ここでは要塞の成り立ちについての展示があったりしました。建物内部も見ることができたのですが、要塞なだけあって、なかなか無骨な造りです。しかし案内表示が少ないせいか途中で順路がわからなくなり、全部見る前に外に出てしまいました。今から戻るのもなんなので、あきらめてもう一つのマインフランケン博物館の方へ行ってみることに。こちらは絵画などの展示が中心でしたが、住居の復元展示などもあって興味深かったです。

    博物館を出てから、そういえばここには領主の庭園という眺めの良い場所があるのに行ってないことに気づき、行ってみようと思いましたがどうやっても行き方がわからず断念。要塞の外から見ると人がいるのが見えたので、行けないことはないはずなのに・・・おそらく博物館の順路を外れてなければたどり着けてたのでしょう。まあ今さらどうしようもないので、要塞の外側にあるブドウ畑を通って帰ることに。しかしここでも久々に迷子スキルを発動していまい、東側に出ないといけないところを西側に出てしまって、民家の中を5分ぐらい進んでようやく気づいて引き返すというていたらくでした。ほんとスマホのGPS機能があって良かった・・・。再び要塞に戻ってきたので、外側をぐるっと回って東側に出ます。


    ↑外側から眺めたところ。


    ↑遠くにヴュルツブルクカペレが見えます。


    ↑要塞の外壁は敵の侵入を防ぐような造りになっています。


    ↑マイン川とヴュルツブルク市街。美しい街並みです。


    ↑要塞の南側と東側斜面はブドウ畑になっています。このとおりかなりの急斜面なので、ブドウの収穫とか大変そうだなぁ。


    ↑フランケンワインは基本白なので、ここのブドウも白ブドウです。


    ↑要塞のすぐ間近までブドウ畑が広がっています。


    ↑斜面が急なので一直線に降りることはできず、つづら折りの道を降りていきます。


    ↑ブドウ畑を降りたところにあった聖ブルカルト教会。祭壇の直下が歩道になっているのがおもしろい。

    川沿いに北上し、アルテ・マイン橋まで戻ります。橋のたもとでは楽しそうにワインを立ち飲みしている人たちの姿があり、ちょっと誘惑に駆られましたが日が暮れるまではまだ時間があるのでやめておきました。橋を渡り、そのまままっすぐ直進すると、聖キリアン大聖堂にたどり着きます。


    ↑とにかく白さが印象的な大聖堂内部。


    ↑オルガンは時計が付いたユニークな形状でした。


    ↑祭壇も白さが際立つ印象。


    ↑祭壇の近くにもオルガンがありました。


    ↑クリプト(地下聖堂)のオルガン。クリプトは入場料を取る教会も多い中、この地方の教会は普通に入れるところが多い気がしました。

    それからすぐ横にあるノイミュンスター教会へ。


    ↑こちらのオルガンはややモダンですが立派なものです。


    ↑祭壇は大聖堂に比べてこちらの方が装飾の多いイメージ。身廊上部の絵画も印象的です。


    ↑市内中心部を走るトラム。

    教会を出て、中央駅近くにあるヴュルツブルク大学へ。ここはあのレントゲン博士が教鞭を執っていたことで有名で、構内には記念館があるので立ち寄ってみることにします。


    ↑レントゲン記念館。ここでは普通に講義も行われているようです。

    記念館の中にはレントゲンが実験で使用した、タンスほどの大きさもある高電圧発生装置や論文などが展示されていました。まさにここでX線が発見されたわけですね。記念館にはX線発見についてレントゲンが発表をした講義室も残されています。またロビーにはレントゲンのX線発見のエピソードに関するビデオがあり、日本語でも見ることができました。

    記念館を出るとそろそろ19時になろうとしていたので、まだ外は明るいですがそろそろ晩ご飯を食べることに。もともと今夜はユリウスシュピタールでワインを飲もうと決めていたので、悩むことなく向かいます。レントゲン記念館からは数百メートルしか離れていないので、あっという間に到着。しかしこちらは事務所のようで、レストランの入口はもっとトラム通り沿いにありました。


    ↑ユリウスシュピタールの入口。このボックスボイテルと呼ばれる独特の瓶の形状が、フランケンワインの特徴です。

    中庭ではすでにたくさんの人が楽しそうにしていたのですが、その中に一人で飛び込む勇気はさすがになかったので、静かな店内に座ることに。ヴュルツブルクの醸造所としては、1316年設立のビュルガーシュピタール(市民所有)、そして1576年設立のユリウスシュピタール(教会所有)の2つが特に有名で、どちらにするか悩んだのですが、ホテルからも近いユリウスシュピタールにしました。まずは2012年物のリースリング トロッケンをいただくことにします。ここは100ml単位でワインを選べるので、いろいろ試せるのがよかったです。


    ↑ドイツワインではおなじみのリースリングですが、フランケンのリースリングは少し違う感じがしました。


    ↑メインディッシュにはザウアーブラーテンをいただくことに。牛肉をマリネしたものを焼いて、ソースをかけた料理ですが、思ったよりも酸っぱさはなく、おいしかったです。しかしこれと付け合わせだけでもうお腹いっぱいに。

    ワインはその後、ユリウスという名の付いたハウスワインをいただくことに。1.9ユーロと安価でしたが、さっぱりとしておいしかったです。それから赤も飲んでみようと思い、ドミナ トロッケン 2012をいただくことに。


    ↑ドミナとはブドウの品種のようですね。ドイツで赤というと軽いイメージですが、これはそこそこしっかりした味で、肉にもよく合いました。


    ↑最後はリースラナー アウスレーゼ 2011。リースラナーとはリースリングとジルヴァーナーとの交配品種のようです。フランケンワインというと辛口白が有名ですが、これはデザートワインにぴったりの甘さがたまりません。さすがに8ユーロするだけのことはあります。

    結局料理をほとんど食べなかったので、お会計は30.3ユーロで済みました。ここはやはり名の知れたお店なので、店員さんの給仕のレベルも高くて満足です。まだ21時ぐらいだったので外はほのかに明るかったですが、ワイン4杯飲んで眠くなってきたので、まっすぐホテルへと帰ることにします。といってもホテルはすぐ裏手だったので、あっという間に到着。

    明日は引き続きヴュルツブルク市内を観光した後ニュルンベルクへと向かいますが、それはまた次回。

    南ドイツ・オーストリアの旅5日目(8/21) その1

    目覚ましは6時にセットしていましたがすんなりとは起きられず、結局8時頃に荷物はそのままにして一旦外出することに。今日も良い天気でしたが、日が昇りきるまでは長袖を着ないと肌寒いぐらいの気温でした。今日の朝ご飯にはミュンヘン名物の白ソーセージをいただこうと思っていたので、目星を付けていたヴァイセス・ブロイハウスというお店に向かいます。


    ↑朝のヴィクトアーリエンマルクトは、昨日の喧噪が嘘のように静かでした。茶色い建物はペーター教会。

    ヴァイセス・ブロイハウスはシュナイダー・ヴァイセというヴァイツェン(白ビール)が有名なので、まだ朝8時過ぎですがいただくことにします。しかし量を伝え忘れてしまい、300mlにするつもりだったのに500mlが出てきたので、すっかりほろ酔い状態に・・・。


    ↑シュナイダー・ヴァイセ。これは今まで飲んだヴァイツェンの中でもかなり上位に入るうまさでした。ここはヴァイツェンだけで10種類近くあるので、飲み比べとかしてみたかったですね。


    ↑そしてこれが白ソーセージ。このように湯につかった状態で出てきます。メニューには1本2.3ユーロとありましたが、注文は2本から。


    ↑白ソーセージは皮が固いので、このように縦に切って中身を皮から少しずつはがして、付け合わせの甘いマスタードを付けて食べていきます。プレッツェルもさくさくでうまい。

    白ソーセージは傷みやすいため、冷蔵技術が発達していなかった頃は昼までしか提供できなかったようです。ヴァイセス・ブロイハウスは今でも白ソーセージは正午までの限定メニューになっています。味は確かに新鮮で、なんというかすり身を食べているような感覚。日本でも食べられるところがあれば是非また食べてみたいと思える味でした。

    ここは少額だとカードが使えないので、現金でお会計を済ませて店の外へ。この後は少し歩いてドイツ博物館を見学していくことにします。


    ↑イーザル川の中州に建つドイツ博物館。


    ↑入口からしてなかなかの威容を誇っています。

    受付でチケットを買い、中に入ろうとすると入口に立っていた年配の係員の男性に「おはようございます」と流ちょうな日本語で言われ、思わずびっくり。ついオウム返しに「おはようございます」と返してしまいましたが、一目で私を中国人でなく日本人だと見抜いたこのおじいさん、ただ者ではないなと感じました。博物館に勤めているぐらいですから、元研究者なのかもしれませんね。

    さて、ドイツ博物館とは世界最大級の技術・科学に関する博物館です。中はとにかく広くて、展示内容も動力機関や電子技術、そして船や鉄道、飛行機などの乗り物、さらに印刷技術や楽器など多岐に及んでいるので、ゆっくり見ていると丸一日あっても足りないぐらい。さらに実際に自分で動かして体験できる実験装置が多いので、大人から子供まで楽しめること請け合いです。さすがに数が多すぎてメンテに手が回らないせいか、壊れている装置が多かったのは残念ですが、もっと小さい頃に出会っておきたかった、と心底思わせるすばらしい博物館でした。


    ↑動力機関のコーナー。とにかくでかい装置がいっぱいありました。実際に動作している水車なんかもあります。


    ↑航空機の断面模型。こうやってみると客室と貨物室の位置関係がよくわかりますね。


    ↑展示されている航空機の数々。私は詳しくないのですが、きっと好きな方にはたまらないのでしょう。風立ちぬで出てきたユンカース社の戦闘機などは必見。


    ↑カメラコーナーに展示されていたミノルタα-7000。オートフォーカス一眼レフカメラの歴史を変えた一台です。


    ↑ここは音響技術に関する装置を集めたコーナーです。なんの装置かはわかりませんが見ているだけでわくわくします。


    ↑これはピアノと自動演奏のバイオリンが一緒になった楽器だと思います。こんな実験的な楽器も存在したんですね。

    写真は撮ってないですが、他にも電磁誘導やトランジスタの増幅原理を実際に操作する事で体験できる装置や、凸レンズを油の中に沈めると凸レンズとしての機能を失ってしまうような体験が手軽にできるので、楽しくて仕方ありませんでした。開館時間の9時に入館したのですが、結局2時間以上滞在してもまだまだ見足りず、後ろ髪を引かれる思いで博物館を後にしてホテルに戻ります。


    ↑ドイツ博物館の塔の部分はバロメーターになっています。


    ↑自転車用タイヤチューブの自動販売機。シュワルベという日本でも有名なメーカーのものですが、急にパンクした時にこんな自販機があると便利ですね。

    ミュンヘン11:50発の列車に乗らないといけなかったので、ホテルに戻ってあわててチェックアウトし、ミュンヘン中央駅へと急ぎます。その甲斐あってなんとか5分前には駅のホームに到着しましたが、よりにもよって自分の乗る車両は一番先頭車両だったので、さらにホームをひたすら歩いて、何とか車両に乗り込む事ができました。


    ↑これから乗るドイツ鉄道の高速列車ICE。乗るのは久しぶりです。

    座席はまたしても進行方向とは逆向きで、げんなりしながら着席。隣の席も予約は入っているようだったのですが、結局誰も乗ってきませんでした。朝からビール飲んで博物館うろうろしたせいか眠気がピークだったので、車窓からの景色を楽しむ余裕もなくうとうとしていると、何だか膝が冷たい事に気づきます。膝の上にはカバンを乗せていたのですが、カバンの中に入れていたペットボトルのふたがちゃんと閉まっていなかったようで、中身が漏れてしまっていました。さらに途中、車窓からの景色を動画で撮影していたのですが、画像に黒い影のようなものが写っていることに気づきます。レンズを拭いても影が消えないので、どうやらレンズ内部にホコリが入ってしまったようです・・・。もう踏んだり蹴ったりで泣きそうになりましたが、幸いホコリはこの後どこかに吸着されて見えなくなったようなので、本当に助かりました。そしてミュンヘンから約2時間で、今日の滞在地ヴュルツブルクに到着。


    ↑ヴュルツブルク中央駅の駅名標。ちょっと古いタイプのような気がします。

    ヴュルツブルクの街にはトラムが走っており、中央駅の駅前広場にはループ線がありました。しかしホテルまではトラムに乗るほどの距離ではなかったので、歩いて向かうことに。途中の道はトラムと歩行者の専用道路になっていました。


    ↑ヴュルツブルクはフランケンワインの産地として有名で、特にこのユリウスシュピタールはビュルガーシュピタールと並び有名な醸造所です。ここにはあとで晩ご飯を食べにきます。

    無事ホテルにたどり着き、中に入るとフロントの女性からいきなり名前を呼ばれてびっくり。まあ小さなホテルだったので今日泊まる東洋人が私だけだったからだとは思うのですが、他にもいろいろと気を遣ってもらい、良いホテルだなあと実感。やはり小さな街の方が親切な人が多いような気がします。

    部屋に入り、少し休憩してから市内観光に向かう事にしますが、それはまた次回。

    南ドイツ・オーストリアの旅4日目(8/20) その2

    アザム教会を出てゼンドリンガー通りをさらに先に進むと、ミュンヘンの中心地であるマリエン広場へとたどり着きます。広場前には新市庁舎がそびえ立っており、多くの人でにぎわっていました。もう14時になろうとしていたので、まずはお昼ご飯を食べようと思い、新市庁舎地下にあるラーツケラーに入ってみることにします。


    ↑壮麗な新市庁舎。一部改装中だったのが残念です。

    ラーツケラーの中は思っていたよりずっと広くて、高級感がありました。とりあえずテーブルに座って店員さんを呼び、13.5ユーロの定食とビールを注文。ビールはバイエルン地方独自のヘレス(ピルスナーに近い)を頼んだのですが、出てきたのはおなじみのレーベンブロイで、ああそうか、レーベンブロイってミュンヘンのビールだったっけと再認識。


    ↑前菜は子牛のゼリー寄せにホースラディッシュソースがかかったものでした。さっぱりした味でおいしかった。あと左はスモークサーモンなど。


    ↑メインディッシュはローストビーフ。付け合わせにシュペッツレと砂糖漬けのトマト、アスパラガスが添えられていて、なかなか豪華な一皿でした。


    ↑アペリティフとデザートは選択制だったのでデザートを注文。焼きプラムにホワイトチョコアイスが添えられていました。

    ローストビーフまで食べてビール込みで13.5ユーロっていくらなんでも安すぎやしないかと思っていたのですが、やはり実際はビールは別料金で税金とか含めると20.7ユーロでした。しかし後から考えるとメインディッシュが一つ上のランクのものだったりしたので、なんだかよくわかりません・・・。まあでもおいしかったのでよしとします。


    ↑店内は落ち着いた素敵な雰囲気でした。

    ラーツケラーを出て、ほろ酔いのまますぐ近くにあるレジデンツ(バイエルン王家の宮殿)へ。チケットを買おうとするとまずは荷物を預けるように言われたので、預けてからチケットを買い、オーディオガイドを受け取ります。しかしオーディオガイドを全部聞いていると時間がいくらあっても足りないので、途中からは駆け足で見ていくことにしましたが、それでも全部見終わるのに2時間近くかかりました。


    ↑ルネサンス様式の丸天井が印象的なアンティクヴァリウム。


    ↑カイザー・ザール(皇帝の間)。まさに豪華絢爛。


    ↑扉ひとつとってみても高そうな石細工の装飾が施されていて、ため息がでます。


    ↑ラピスラズリの青が美しいテーブル。


    ↑レジデンツにはこのような居室が無数にありました。一部は第二次大戦で破壊されてしまったようですが、可能な限り復元されているようです。


    ↑こんな茶器でアフタヌーンティーとかしてみたいものですね。


    ↑こちらはReiche Zimmer(華やかな部屋)と呼ばれる、さらに金細工が華やかな部屋の数々。2枚目の写真はミニチュアのキャビネットと呼ばれる小部屋ですが、小さな肖像画が多数埋め込まれていました。

    レジデンツには博物館と宝物館があり、コンビチケットを購入していたので今度は宝物館の方へ。


    ↑宝石がまばゆい王冠。宝物館には他にもこのような装飾品が多数展示されていました。

    宝物館は展示品はそこそこありますが、そんなに広くはないのであっという間に見終わりました。時間がない場合は博物館だけの見学でも良いような気がします。レジデンツを出た後はすぐ隣にあるテアティーナー教会へ。


    ↑テアティーナー教会の外観。このように黄色い建物なのですが・・・。


    ↑内部はこの通り、白を基調とした清潔なイメージ。

    テアティーナー教会を出てフラウエン教会にも足を伸ばしてみましたが、ちょうどミサ中だったので写真は撮れませんでした。それから野外市場で有名なヴィクトアーリエンマルクトへ。


    ↑ヴィクトアーリエンマルクトにある聖霊教会。ここもミサ中でした。


    ↑ここにはビアガーデンもあり、大勢の人でにぎわっていました。


    ↑ヴィクトアーリエンマルクトの八百屋さん。アーティーチョークなど、日本ではほとんど見かけない野菜もたくさんありました。


    ↑マルクトの象徴、マイバウム。

    ヴィクトアーリエンマルクトには他にもジューススタンドやチーズ屋さんなど、たくさんのお店がありました。ただもう18時になろうとしていたので、店じまいを始めているところも多かったです。

    その後ミュンヘンを代表するビアホール、ホーフブロイハウスに行ってみることに。


    ↑ホーフブロイハウスは400年以上の歴史を持つ、醸造会社直営のビアホールです。


    ↑中はこの通り、バンドの生演奏もあり大勢の人でにぎわっていました。日本人がドイツ・ビールというキーワードで連想する、まさにそのままの世界がここにはあります。

    ホーフブロイハウスでも食事してみたかったのですが、大箱でツアー客も多そうだったので、あえて外すことにしました。私と同じように、店の中だけ見て帰る観光客も多かったです。


    ↑観光地でよく見かけるTシャツですが、ハートマークがプレッツェルになっているのがミュンヘンらしい。

    ここで再びマリエン広場に戻り、市庁舎の塔に上ってみることにします。しかし入口がよくわからなくて、見つけるのにずいぶん難儀してしまいました。


    ↑再びマリエン広場に戻ってきました。もう18時を回っていますがまだまだ明るい。左側のひときわ高い時計塔にこれから上ります。


    ↑塔は高さ85mもあるので、良い眺めでした。2枚目はさっきミサ中だったフラウエン教会。

    日が暮れるにつれて少し肌寒くなってきたので、一旦ホテルに戻って上着を羽織り、再び外出。近くにたまたまお茶屋さんがあったので店先から眺めてみましたが、やはりドイツは緑茶が人気なようで、緑茶のフレーバーティーがたくさん置いてありました。そして今日はゼンドリンガー通り沿いにある、アルテス・ハッカーハウスというビアホールで晩ご飯を食べることに。ここはハッカー・プショールという醸造会社の直営店で、いろんなビールを楽しめます。


    ↑ヘーフェヴァイス(ヴァイツェン)を飲みながら、シュヴァインスハクセをいただきます!シュヴァインスハクセとは豚の足をローストした、バイエルン地方の名物料理です。とにかく量が多い!


    ↑2杯目はケラービアというのを頼んでみたら、瓶で出てきました。これも濃くておいしかった。


    ↑3杯目はドゥンクレス ヴァイスビア。ドゥンクレスというと黒ビールを連想しますが、これは濃いヴァイツェンといった雰囲気でした。

    このお店は民族衣装を身につけた店員のお姉さんも素敵でしたが、よく見るとタトゥーが多いのがちょっと・・・。もっといろんなビールを飲んでみたかったのですが、さすがにふらふらになってしまうので、3杯でやめておきました。結局料理はシュヴァインスハクセだけでお腹いっぱいになってしまい、他にはなにも食べられませんでした。これで25.6ユーロだったので、値段的にはこんなもんかな、という感じです。

    そしてほろ酔いのままホテルに帰還。ミュンヘンはほんとビール天国で、もっと長く滞在したいところですが、明日にはもう出発しなければなりません。明日はドイツ博物館を見た後フランケンワインで有名なヴュルツブルクに向かうのですが、それはまた次回。

    南ドイツ・オーストリアの旅4日目(8/20) その1

    昨夜いったん止んでいた雨が明け方頃にまた降り出し、その音で目が覚めてしまいます。雨のせいか気温も下がっていて、布団をかぶっていないと肌寒いぐらいでした。昨日悪かった体調は少しましになっていたので、シャワーを浴びて荷造りを済ませ、チェックアウト前に少し外出することに。


    ↑ホテル近くで見つけた日本食レストランのポスター。どこからツッコんでいいのか・・・。


    ↑マカルト広場にあるパン屋で朝食。見た目通り甘々なクロワッサンは、中にも甘いペーストが入っていました。

    ここのパン屋さんは場所柄なのか店員のおばさんも英語が上手で、とても感じの良い応対でした。テラス席は少々寒かったですが、旅行のメモを取りながらのんびりといただきます。それから少し歩いてザンクト・セバスティアン教会へ。


    ↑ザンクト・セバスティアン教会の祭壇と回廊。ここはリンツァー通りという商店が建ち並ぶ通りにあるのですが、一歩教会の敷地内に入るとそこは別世界でした。


    ↑この教会が有名なのは、モーツァルトの父と妻のお墓があるからです。回廊に囲まれた墓地の中央にありました。

    その後別の教会を見たりしてホテルに戻り、荷物をまとめてチェックアウト。このあと列車に乗る予定だったのですが、フロントでちょっと待たされたりして、間に合うかどうか少し心配になりました。帰りはホテル近くからトロリーバスに乗って中央駅へ向かいましたが、さすがに徒歩と違ってあっという間に到着。


    ↑ザルツブルク中央駅のコンコースは改装中でしたが、天井が高くて素敵。


    ↑改装中だけあって、列車案内盤や乗車位置案内盤は最新鋭のものが使われていました。日本でもここまでハイテクな駅はなかなかなさそう。


    ↑オーストリア連邦鉄道のローカル列車。

    列車を待っていると、昨日祝祭劇場のガイドツアーで注意されていたあの日本人のおっちゃんがいて、しかも同じ列車を待っているようだったので、気まずくなり少し離れたところで待機。しばらくすると目当てのrailjetがやってきたので乗車し、終点のミュンヘンへ向かいます。いつも誰か別の人に座られている私の座席ですが、今回は珍しく誰も座っていませんでした。


    ↑RJ262ミュンヘン行き。11:02発でしたが今回は定刻通りにやってきました。

    ミュンヘンまではおよそ1時間半弱の列車旅です。しかし今回も座席が進行方向と逆向きだったので、またしても酔いそうに・・・。隣の席の人はずっとiPadでゲームをしていたのですが、音漏れがひどくてちょっと気になりました。結局ミュンヘン中央駅には定刻から数分遅れて到着。


    ↑railjet車内の様子。比較的シンプルな内装ですが、座席の向きが固定なことを除けば快適でした。

    ミュンヘン中央駅はターミナル式の巨大な駅で、たくさんの人が行き交っている様はまさにヨーロッパの駅!という雰囲気でした。


    ↑ミュンヘン中央駅停車中のrailjet。


    ↑ミュンヘン中央駅の様子。外光が差し込み開放感がありました。

    駅からは地下街が続いていたのでとりあえず地下に降りてみると、持ち前の旅先で道を聞かれるスキルが発動し、さっそく駅への道のりを聞かれました。駅っていっても地下鉄の駅もあるでしょうし、なんでよりによって俺に聞くんや!と思いながら丁重に「知らない」と答えます。しかし地下街に降りてしまうと方角がさっぱりわからないので、再び地上へと戻ることに。地上も人が多いのでスリに警戒しながら歩いて行くと、広い道路にぶつかりました。横断歩道がなかったので仕方なく地下に降りると、そこには新しくてきれいな地下街が広がっていて、たくさんの人でにぎわっている感じがなんとなく梅田に似てる気がしました。どうやらここは先ほど降りた中央駅そばの地下街まで続いているような雰囲気です。地下街の端まで歩き、地上に出ると今日泊まる予定のホテルまではあと少しでした。

    ホテルに入ってさっそくフロントに向かいましたが、あいにく別のお客さんの応対中だったので、後ろでしばらく待つことに。10分近く待ってようやくチェックインできると思ったら、横から別のお兄さんがやってきてホテルの人に話しかけようとします。しかしホテルの人は私が待っていたことをちゃんと見ていたようで、先に私の用件を聞いてくれました。よく教育された人だなあーと感激しながらチェックインを済ませ、部屋に向かいます。このホテルはリーズナブルな割にかなりモダンな造りで、部屋もエアコンが備え付けられていて快適でした。少し休憩してから荷物を整理し、市中心部へと向かいます。

    ホテルはゼンドリンガー門という市中心部への入口にあたるところにあったので、市内の見所はだいたい徒歩で行ける距離でした。まずはゼンドリンガー通り沿いにあるアザム教会へ。ここは見落としてしまいそうになるぐらい小さな教会なのですが、中に一歩足を踏み入れるとその豪華絢爛な装飾の数々に目を奪われてしまいます。


    ↑アザム教会があるゼンドリンガー通り。左端にすこし教会の装飾が見えています。


    ↑アザム教会の内部。ここは芸術家であったアザム兄弟が自分たちのために建てた教会なので、趣味全開というか、とにかく装飾の限りを尽くしたというような印象です。

    このあとお昼からビールを飲んで市中心部を散策しますが、それはまた次回。

    南ドイツ・オーストリアの旅3日目(8/19) その2

    旧市街に戻り、ザルツブルク音楽祭の会場となっているフェルゼンライトシューレへ。フェルゼンライトシューレとは「岩壁の馬術学校」という意味で、かつてここにあった馬術学校を改築して造られた劇場は、岩肌が露出した珍しい構造になっています。この日は15:30からガイドツアーがあったので、15分前に横のチケットショップでチケットを買い、入口前でしばらく待機。周りを見渡すと日本人の姿もちらほら見えました。

    女性のガイドさんの案内で劇場の中に入り、ガイドツアースタート。ドイツ語と英語で解説があったので、英語の方を聞きながら進んでいきます。ここは3つの劇場が一カ所に集まっているのですが、まずは一番小さい「モーツァルトのための劇場」へ。音楽祭シーズン真っ最中なので、大道具さんのトンカチの音が聞こえてきました。どうやら舞台上では幕の向こうに役者さんがいるらしく、幕が開いたら写真を撮らないようにとガイドさんが注意していたのですが、日本人のおっちゃんが知ってか知らずか写真を撮ってしまったため、あとから劇場の人が飛んできてすごい剣幕でデータを消すよう注意していました。ガイドさんもガイドツアーのお客さんがそういうことすると私がクビになっちゃうからやめてねと言ってたので、かなり厳しいようですね。

    続いてホワイエとフェルゼンライトシューレの間にある、カール・ベーム・ザールへ。ここは幕間にシャンパンなどが饗される華やかな空間です。


    ↑カール・ベーム・ザールの入口。カール・ベームはオーストリアを代表する指揮者であり、その功績をたたえてこの大広間に名前が付けられています。


    ↑内部もこの通り、天井が高くて豪華な造りです。


    ↑そしてここがフェルゼンライトシューレ。舞台のすぐ後ろが岩山というのがとても印象的です。

    フェルゼンライトシューレへは今日この後コンサートを見に来る予定だったので、今から俄然楽しみになってきました。続いてスタッフ通用口を通り、隣にある祝祭大劇場へ。ここは大劇場と言うだけあって舞台の広さが左右に100mもあるらしく、その規模に圧倒されました。また客席にはビデオカメラも設置されていたので、音楽祭の模様を収録するのでしょうね。ここでは質問タイムとなりみんな盛んに質問していたのですが、ドイツ語の質問が多くてさっぱりわかりませんでした・・・。


    ↑祝祭大劇場。普段はオーケストラピットになっているところがステージなのですが、オペラなど大規模な催し物の時はこのように背後の広大な空間を用いるようです。

    最後にホワイエに戻り、ガイドツアーは解散です。ここはコンサートを聴く機会がなくても、ザルツブルクに来たならばぜひ見学するべきスポットだと思いました。


    ↑ホワイエも壁画がすごく、入った瞬間から非日常的なわくわく感を感じます。

    フェルゼンライトシューレを出て、ザルツブルクカードの有効期限も切れていたので、近くのバス停にある券売機で一日乗車券を買うことに。しかしお札が使えなかったりして買い方に少々戸惑ってしまいました。値段も地球の歩き方では4.2ユーロとなっているのに実際は3.3ユーロだったりして、さらに混乱。それでもなんとか購入でき、時間に余裕があったので一旦歩いてホテルに戻ることにします。


    ↑ホテルに戻る途中にあったパン屋さんのショーウィンドウ。楽器を模したパンが飾ってあるあたり、さすが音楽の街です。

    途中SPARで翌朝食べる用のサンドイッチとカフェラテを買い、自室に戻ってしばらくUST放送。そしていよいよコンサートに向かうのですが、ザルツブルク音楽祭はある程度フォーマルな場なのでジーンズにTシャツというわけにはいかず、このためだけに持ってきたネクタイを締め、ジャケットを羽織って再びフェルゼンライトシューレへ向かいます。自室にいたときから外は大雨だったのですが、ホテルを出たときも雨はひどいままでした。とりあえず近くのバス停からトロリーバスに乗ると、同じくコンサートに向かうとおぼしき着飾った日本人のグループと鉢合わせ。そして最寄りのバス停で下車・・・したかと思いきや、一個前のバス停で降りてしまい、大雨の中バス停一つ分歩く羽目に。しかし道が渋滞していたせいで、結局バスに追いついてしまいました。

    あいにくの天気でしたが、フェルゼンライトシューレの前は正装した華やかな人々が行き交う非日常な空間となっていました。そして「チケットください」の紙を持った人が何人もいて、それほどメジャーな演目じゃないはずなのに、すごいなぁと感嘆。会場内に入るとさらに別世界で、あまりにも場違いな気がして挙動不審になりそうでした(笑)。とりあえずクロークに折り畳み傘を預け、別売だったパンフレットを5.2ユーロで購入。まだ開演までには時間があったので、ガイドツアーでは回れなかった会場内を歩き回ってみることにしました。トイレも海外にしてはきれいですし、ビュッフェも華やかでしたが、やはりカール・ベーム・ザールはシャンパンを飲んでいる人がいたりして、完全に社交界の雰囲気。なんだか落ち着かないので、早々に自分の席に座ることにします。会場内には日本のコンサート会場よりはるかに多くの係員がいて、チケットを見せると座席を素早く案内してくれます。チケットを購入したのが遅かったのでそんなに前の方ではなかったのですが、十分よく見える席でした。しばらくすると私の周りの席も埋まり始めましたが、すぐ近くには日本人の姿はありません。開演5分前になると、外で係員がハンドベルを鳴らす音が聞こえてきました。そして19時になり、いよいよコンサートがスタート。

    今日の演目はニコラウス・アーノンクール指揮で、ハイドンのオラトリオ「トビアの帰還」です。オラトリオというとハレルヤコーラスでおなじみのヘンデルの「メサイア」が有名ですが、声楽が入る点がオペラに似ているとはいえ、大道具や衣装などを用いない点が異なります。ハイドンのオラトリオというと「天地創造」などが有名ですが「トビアの帰還」はタイトルすら聞いたことがなく、どんな曲なのか全く知りませんでした。しかし指揮のアーノンクールは、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートで何度か指揮をしていることもあり、私でも知ってるほどの巨匠です。今日のコンサートには「ボスニア・ヘルツェゴビナのための夜」という題が付けられていて、演奏前にアーノンクールがあいさつをしていたのですが、ドイツ語なのでその内容がさっぱりわからなかったのが残念でした。

    そしていよいよコンサート開始。最初の出音から圧倒され、合唱が入るともう鳥肌が立つほどのすばらしさでした。後ろが岩山なので音響的にどうなんだろうと思ったのですが、とても良い響きです。ソロパートは正直ちょっと退屈な部分もあったのですが、ソプラノを歌っているSEN GUOという東洋系の女性の歌声がすばらしかったのが印象的でした。トビアの帰還は3時間近くある大作なので、途中で一旦休憩を挟みます。せっかくなので休憩中にステージの前まで行ってみましたが、アーノンクールがここで指揮をしているのかと思うとちょっと胸が熱くなりました。今回はチェンバロも編成に含まれていたので、休憩中に調律師の方が調律をしています。その様子を横目に見ながら、隣のカール・ベーム・ザールに向かうと、開演前と同じようにシャンパンを飲む人々で華やいだ空間になっていました。私も飲もうかと思ったのですが、1杯13ユーロもするのと、体調があまり良くなくてお酒を入れたくなかったのでやめておきました。


    ↑幕間のカール・ベーム・ザールはこのように華やいだ雰囲気でした。シャンパンをボトルごと買って数人で飲む姿もあり、すごいなーの一言。


    ↑客席の様子。岩山は青くライトアップされ、上部には字幕が表示されていました。

    長丁場なので、後半が始まったときにはすでに21時を回っていました。後半もとにかく合唱がすばらしく、フィナーレの盛り上がりがもうたまりません。当然客席もスタンディングオベーションで、アーノンクールは何度もステージに呼び戻されていましたが、その様子を見ていると強面ですがなかなかお茶目な人だなぁと感じました。興奮冷めやらぬまま席を立って出口に向かいましたが、ロビーを歩いていると急にスタッフ通用口が開き、なんと向こうからアーノンクールが歩いてくるではありませんか!目の前数メートルですれ違い、一瞬のことに何もできませんでしたがとにかく感動しました。アーノンクールももう80歳を超えているのでさすがに少々疲れているようでしたが、やはりただ者ではないオーラが出ています。

    興奮を抑えつつクロークで傘を受け取り、フェルゼンライトシューレを後に。近くのバス停に移動しましたが、もう夜遅いせいか10分ほど待って4系統のトロリーバスに乗り、一旦ホテルに戻ります。ホテルでネクタイを外してカメラを持ち、遅い晩ご飯を食べるために再び出発。しかし行こうと思っていたレストランは食事が22:45ラストオーダーだったようで、間に合いませんでした・・・。ほかにレストランがないか探してみたのですが、開いているのはバーばかりで食事にはありつけそうにありません。屋台のホットドッグ屋があったので買おうかとも思ったのですが、少し高かったので結局何も買わずにホテルに帰還。明日の朝ご飯用に買っていたサンドイッチを食べ、床につきました。

    明日はザルツブルクを出発してミュンヘンに向かうのですが、それはまた次回。

    南ドイツ・オーストリアの旅3日目(8/19) その1

    頭痛が治まらないので薬を飲んでさらに横になり、6時半頃起床。たまってきた洗濯物を片付け、9時前にホテルを出発します。外の雨は上がっていましたが、午後からまた天気が崩れる予報だったので、できるだけ午前中に観光を済ませておかなければなりません。まずは朝食を食べられるお店を探していると、たまたまイートインできるパン屋を発見したので、ここで食べていくことにします。


    ↑甘かったですが、なかなかおいしかった。

    パン屋を出て、今日もマカルト橋へ。昨日見落としていた、ザルツブルク生まれの巨匠カラヤンの生家を見ていくことにします。


    ↑生家に立つカラヤンの像。中には入れないので外から眺めてきました。


    ↑マカルト橋の欄干はこの通り、南京錠が鈴なりになっています。


    ↑マカルト橋から西側を眺めたところ。


    ↑マカルト橋を渡って西に少し行ったところにある、メンヒスベルクの岩山に作られたエレベーターの入り口。この上には近代美術館(MdM)があります。

    エレベーターは有料なのですが、ザルツブルクカードが使えるので上ってみることにします。


    ↑メンヒスベルクからは城塞や川沿いの景色が一望でき、街の構造がよくわかります。

    この展望台には5セント硬貨を機械で伸ばして記念メダルを作る装置があったので、試しにやってみました。人力でハンドルを回すのでちょっと力が入りますが、なかなかおもしろいものですね。美術館にはあまり興味がなかったので早々にエレベータを下り、昨日中に入れなかった大聖堂へと向かいます。


    ↑トロリーバス通り。道をふさぐように建っている建物が印象的です。


    ↑大聖堂の外観。音楽祭の会場となっているので仮設の階段が設置されています。


    ↑大聖堂の内部。メインのオルガンの他に、祭壇周りに4つの小さなオルガンが設置されています。


    ↑祭壇の天井部分。細かい装飾が施されています。

    大聖堂には博物館が併設されているので、そちらにも行ってみることに。ここは別途入場料が必要ですが、ザルツブルクカードを使うことができました。ここでは日本語オーディオガイドを借りることができたのですが、展示物にはそこまで興味を引く物がなかったので、はしょりつつ見ていきます。しかし博物館からはオルガンの真横に出ることができたので、感動しました。


    ↑オルガン横からは大聖堂内を見下ろすことができます。


    ↑オルガンのコンソールと、横から見上げたところ。近くで見ると本当にでかい。

    少し疲れたのでここでしばらく座って休憩した後、すぐ近くにあるザンクト・ペーター教会へ。ここは墓地が有名で、色とりどりの花で彩られていました。


    ↑墓地に観光客がいっぱいいるというのも不思議な光景ですが、確かに一見の価値はあると思います。


    ↑そしてザンクト・ペーター教会の外観がこちら。


    ↑内部は非常に装飾が多いのが印象的です。オルガンに時計が付いているのがおもしろい。

    ザンクト・ペーター教会を出て、今度は大司教がかつて住んでいたレジデンツへ。しかしここも音楽祭の会場になっていて、居室の見学はどうやらできないようでした。レジデンツギャラリーという美術館は開いていたので入ってみましたが、それほど興味を引く絵はなく、早々に後にします。

    そろそろ正午近かったので、ゲトライデガッセのノルトゼーでお昼ご飯を食べることに。ノルトゼーとはドイツ発祥の魚介類専門ファストフード店で、お総菜屋さんも兼ねているような雰囲気です。言葉がわからなくても、とりあえず指差せば目的の物が買えるので、気軽に食べたいときにはぴったりかもしれません。私はニシンのサンドイッチ(3.29ユーロ)を頼みましたが、意外とおいしかったです。しかしここのノルトゼーはゲトライデガッセのど真ん中という人通りの多い場所にあるので、店内は観光客でいっぱいでした。


    ↑ノルトゼーのニシンサンド。ニシンの塩気が全体をうまくまとめています。

    ノルトゼーを出て、すぐ近くのSPARでレッドブルコーラを購入。初めて飲みましたが、ものすごく薬品っぽい味のコーラで、体に良いんだか悪いんだかよくわからない雰囲気です。しかし朝から頭痛で風邪薬を飲んでいたせいか、コーラとの相乗効果でものすごく眠くなってきてしまいました。

    そしてSPARの上にある、モーツァルトの生家へ。とても狭い家なのですが中は観光客でいっぱいで、ほんとに身動きを取るのも一苦労です。写真撮影は禁止でしたが、展示物は髪の毛が残っているのがすごいなあと思った以外、特にめぼしい物はありませんでした。出口にモーツァルトチョコの看板が置かれているのはさすがですね。

    モーツァルトつながりで、今度は再びマカルト橋を渡って対岸にあるモーツァルトの住居へ。ここは生家が手狭になった後に移り住んだところですが、第二次大戦で破壊された後別の建物が建っていたところを、20年ほど前に復元したとのことです。特に日本生命が多額の寄付をしたそうで、石版が飾られていました。


    ↑石版には第一生命の文字が見えます。

    地球の歩き方には、日本語のオーディオガイドがあると書かれていたのですが、受付で聞いてみるとなぜか無いとのこと。案内板にもあるって書かれているのにおかしいなあと思いながらも、英語のガイドを借りて中に入ります。ザルツブルクカードが使えるとはいえ、ここは10ユーロ払って見るほど価値のある物はないように思えました。

    住居を出て少し東に歩き、今度はモーツァルト小橋へ。ここも映画「サウンド・オブ・ミュージック」に登場しています。


    ↑モーツァルト小橋は歩行者専用の小さな橋でした。

    少し時間に余裕があったので、足をのばしてカラヤンの墓に行ってみることに。カラヤンはかつてザルツブルク郊外のアニフ村に住んでおり、彼の墓もその村の教会にあります。25系統のバスに乗ると外がだんだん郊外の風景に変わって行き、15分ほどで最寄りのAnif Friesacherに到着。ここはザルツブルク市外のためザルツブルクカードが使えないので、別途運賃を支払って下車した後、すぐ近くにある教会を目指します。バスを降りると教会は進行方向右手側に見えていましたが、行き方がわからずちょっと遠回りをしていましました。

    そしてようやくたどり着いたカラヤンの墓は想像以上に質素でびっくりしてしまいました。ちょうどこのころから雨がぱらついてきたので、巨匠の生涯に思いを馳せつつ、墓を後にします。


    ↑カラヤンが眠る教会と墓。質素ですがきちんと手入れされているようでした。


    ↑教会を出てすぐの交差点にある像。なぜカラヤンの横に日本人の像が?と思ったのですが、ソニーの社長だった大賀典雄氏はCDの開発等でカラヤンと親交が深く、カラヤンの死を見届けたのも彼だったそうです。そしてこのアニフ村にソニーのCD生産工場を誘致した功績で、ここに像が置かれているようですね。

    雨はさらにひどくなってきたので、早々に引き上げて再びバスに乗ってザルツブルク市内に戻ります。

    このあとザルツブルク音楽祭を堪能するのですが、それはまた次回。

    南ドイツ・オーストリアの旅2日目(8/18) その2

    インスブルック中央駅のホームに上がり、オーストリア連邦鉄道の誇る特急列車、railjet(レイルジェット)に乗り込みます。ほぼ定刻にやってきましたが、間違えて一等車に乗ってしまったので、車内を移動して食堂車を通り抜け、座席のある二等車へ。やはり私の座席には見知らぬ女性が座っていたので、文法の怪しい英語で話しかけて空けてもらい、なんとか座ることができました。railjetは2008年に運転を開始したばかりのまだ新しい特急で、内装は割とシンプルですが快適でした。ただ進行方向が座席の向きと反対だったので、後半はやや気持ち悪かったです。途中車内販売でエスプレッソマシンごとワゴンに乗せて運んでくるのに驚いたりしつつ過ごしていると、車内検札が。今回は切符を買うとき決済に使ったカードを見せたせいかはわかりませんが、パスポートまでは要求されませんでした。列車はノンストップでザルツブルクへと向かいますが、路線の関係で一旦ドイツ国内に入ります。このあたりまでは昨日も通った路線だったので少し見覚えがありましたが、ローゼンハイムのあたりで進路を東に変え、ここから大きな湖の横を通りぬけると、程なくしてオーストリアとの国境にさしかかります。ザルツブルクは国境を越えて本当にすぐの所にありました。



    ↑ザルツブルク中央駅停車中のrailjetの食堂車と機関車。外装は赤と黒で統一されており、おしゃれでとても目立ちます。


    ↑ザルツブルク中央駅の駅標。音楽祭シーズンのせいか降りる人がとても多く、駅もところどころ改装中でしたがきれいでした。

    ザルツブルクもなかなか日差しが強くて暑かったのですが、雨の多い街だと聞いていたので、晴れてるだけラッキーと思いながら駅を出ると、駅前にはトロリーバスが止まっていました。


    ↑ザルツブルクには地下鉄やトラムが無い代わりに、一部路線にはこのトロリーバスが走っています。排ガスを出さないエコな乗り物です。

    ホテルまでは歩いても10分少々の距離だったので、歩いて向かうことに。ホテルはすぐに見つかったので、チェックイン後天気が良いうちに観光しないとと思い、荷物を整理してすぐにホテルを出て、まずはミラベル庭園へ向かいます。ザルツブルクの街は、映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台となったことで有名なのですが、このミラベル庭園も映画の一場面に出てきます。


    ↑なんとなく映画に出てきそうな光景です。


    ↑このペガサスの泉もサウンド・オブ・ミュージックに出てくるスポットです。



    ↑ミラベル宮殿前に広がるミラベル庭園。入場無料ですがとても綺麗に整備されていて、観光客や地元の人の憩いの場となっています。


    ↑ミラベル宮殿前のバラ園より。はるか丘の上に見えるのはホーエンザルツブルク城塞です。


    ↑噴水の向こうに見えるのがミラベル宮殿です。

    ミラベル庭園を南に抜け、ザルツァッハ川を渡って旧市街に向かうことにします。


    ↑ザルツァッハ川にかかるマカルト橋。歩行者専用で、欄干には願い事を込めたらしい南京錠が鈴なりになっていました。



    ↑マカルト橋から東側。車やバスはこちら側の橋を通ります。

    旧市街に入り、ゲトライデガッセという通りへ。ここは狭い道の両側にいろんなお店が建ち並び、さらに細い路地が迷路のように入り組んだところです。


    ↑人通りの多いゲトライデガッセ。店の軒先にかかる鉄細工の看板がここの名物です。

    ゲトライデガッセから垂直に伸びる細い路地(パッサージュ)は、建物の中を通り抜けるような抜け道の雰囲気たっぷりです。そしてここにもお店があったりして、業態は違いますがなんとなく北新地の抜け道を思い出しました。



    ↑路地をあてもなくさまよっていると、偶然コレーギエン教会の前に出ました。ここから道を挟んで南側に、祝祭大劇場などのコンサートホールがあります。


    ↑音楽祭の会場ともなる、フェルゼンライトシューレの入口。ここには明日再び来ることになります。


    ↑フェルゼンライトシューレに隣接する、祝祭大劇場。まさにザルツブルク音楽祭開催中の今、コンサート開演前にはタキシードやドレス、チロルの民族衣装を着た観客がたくさんこの前を行き交っていました。


    ↑祝祭大劇場の西隣にある、馬洗い池。ここもサウンド・オブ・ミュージックに出てくるポイントです。


    ↑馬洗い池から南側を向くと岩山のトンネルがあり、トンネルとの間にザルツブルク音楽祭のチケット売り場があります。

    今回、音楽祭シーズンのザルツブルクに行くことを決めたとき、せっかくなので何か一つぐらいコンサートを見ておきたいなと思い、演目やチケット代などいろいろ考えた末、明日夜のコンサートのチケットを日本からインターネットで予約していました(旅行の日程もそれに合わせて組んであります)。チケットは日本へ郵送することも出来たのですが、別途送料がかかるので現地受け取りを選択しており、時間に余裕がある今日のうちに受け取っておくため、チケット売り場の中に入ります。うまく受け取れるか不安でしたが、予約の際に受け取ったメールを印刷したものと、決済に使ったクレジットカードがあれば特に問題なく受け取ることができました。

    懸案事項が片付いたので一安心し、このあとどうしようかと思いつつ再びゲトライデガッセに戻ります。



    ↑ゲトライデガッセから伸びるパッサージュ。とても良い雰囲気です。

    ゲトライデガッセを東に抜け、モーツァルト広場へ。ここに観光案内所があるので、バスや観光スポットで使えるザルツブルクカードを購入しておきます。24時間あればあらかた回れるだろうと思い、24時間のカードを購入して使用開始日時を記入しますが、ここでもまた年月日の順番で少し悩んでしまいました。
    しかし動画を撮りすぎたせいか、ここでカメラのバッテリーが無いことに気付き、しかも予備のバッテリーもホテルに置いてきてしまっていたので、仕方なく一度ホテルに戻ることに。適当に来たバスに乗ったのですが、ザルツァッハ川沿いはそれぞれ道が一方通行になっているので、全然違う所に連れて行かれそうになり、あわてて2つ先のバス停で下車し、ホテル近くに向かうバスが止まるバス停に向かって歩き出します。幸いバス停は少し歩いた先にありました。


    ↑バス待ちをしているとやってきたレトロバス。これも乗ってみたかったですね。

    そしてやってきたトロリーバスに乗りましたが、この車両は旧型のせいかエアコンがなく、とても暑かったです。道も少し渋滞していて、思ったより時間をロスしてしまいました。ミラベル広場で下車し、ホテルに戻ってカメラの電池を入れ替え、再びモーツァルト広場へ。ここから街のシンボルであるホーエンザルツブルク城塞に向かいます。城塞は丘の上にあるので、ケーブルカーに乗って上に上がることに。


    ↑ホーエンザルツブルク城塞のふもと。近づくとかなり高い所にあることがわかります。ケーブルカーの乗り場はわかりにくくて、少し探してしまいました。



    ↑ケーブルカーを降りてすぐのところにあるレストラン。上からの眺めは最高ですが、その分お値段も高めのようです。


    ↑レストランを通り過ぎ、さらに上った所が城塞の入口です。

    城塞は見学コースが2つあり、まずはオーディオガイドを借りてAコースへ。しかし借りたオーディオガイドがなぜかドイツ語でさっぱり理解できないので、再び案内所に戻って日本語に設定してもらいます。日本語ガイドはあまり説明がくどくなくて簡潔で、わかりやすかったです。それによると、ホーエンザルツブルク城塞は約1000年前に最初のものが築かれた後に増改築が繰り返され、現在の姿になったのは17世紀半ばとのこと。難攻不落でも有名で、築城以来一度も攻め落とされたことはないそうです。また拷問器具が並ぶ部屋が有名なのですが、実際に使われたことはなかったのがなにより。そしていよいよてっぺんの見張り台へ向かいます。ここからは街が一望でき、最高の風景でしたが、ちょっと曇り始めてきたのだけが残念でした。



    ↑見張り台から東側と南側の風景。南側の×印状に小径のある庭園が気になりましたが、詳細は不明です。


    ↑見張り台から北側。ザルツァッハ川が左右にのび、手前が旧市街、奥が新市街と分かれています。

    見張り台を下り、更に先に進むとザルツブルクの雄牛と呼ばれるオルガンの部屋があります。ここでは昔、時報の目的でオクターブと5度の音程を鳴らしていたようですが、今ではパイプオルガンのように音楽を奏でることが出来るようになっています。ただしコンソール(鍵盤)はなく、オルゴールのように回転する譜面の通りに音が鳴るようになっているようです。


    ↑城塞内部の廊下はかなり狭いところもあります。


    ↑ザルツブルクの雄牛。でかいオルゴールにパイプオルガンが付いたような構造です。

    いったん外に出て、今度はBコースへ。こちらは大司教の居室や博物館が中心です。歴史的経緯から、軍事関係の展示品が多い印象でしたが、大広間はなかなか見事なものでした。ここでも音楽祭の一部プログラムが演奏されるようです。


    ↑建物内部にある電話交換室。なかなかレトロで興味深い。


    ↑大司教の居室は装飾豊かな部屋でした。

    見学を終え、再びケーブルカーに乗ってふもとへ。下りた所にある池がなにやらぽつぽつしているのが気になったのですが、外に出るとなんと雨が降り出しているではありませんか。昼間はあんなに良い天気だったのにー!傘を差し、大聖堂へと向かいましたが、音楽祭の会場として使われているようで、中には入れませんでした。
    そろそろ19時前になっていたので、再びゲトライデガッセに入り、夕食を食べようとシュテルンブロイというビアレストランに向かったところ、なかなか目的の建物が見つかりません。あたりを一周してみても見つからないので、よくよく見るとどうやら改装中のようで建物自体が取り壊されていました。仕方がないので今夜は第二候補だったアウグスティーナー・ブロイというビアホールに行くことにして、トロリーバスの乗り場まで移動したのですが、目的のトロリーバスは日曜運休の路線もあったりして、なかなかやってきません。すると目的地に向かう別系統のバスがやってきたのですが、バス停が違うらしく少し先に停車していたので、あわててそちらに向かって走り、なんとか乗り込みます。Landeskrankenhausというバス停でバスを降りると、目的のビアホールはすぐそばでした。


    ↑オーストリア最大規模のビアホールである、アウグスティーナー・ブロイ。私が向かう間にも次々と人が吸い込まれていきます。

    ここは400年ほど前にアウグスティーナー派の修道士たちが創設した歴史ある醸造所なのですが、最初そのシステムがわからずしばらく周りを観察します。どうやらまずはレジで飲みたいものと量を指定してお会計を済ませないといけないようなのですが、最初あせってユーロ札ではなくてポケットの中に残っていたトルコリラを出してしまい、突き返されてしまいました(汗。再びユーロ札を取り出し、500mlのビールを注文(3ユーロ)。レシートを受け取り、その奥で注文したサイズのビアマグを自分で取って、ビールサーバーの所にいる人に渡すと、ビールを注いでくれます。そしてその横に何軒か並んだ屋台のようなお店でソーセージとパンを4.45ユーロで購入し、ビアガーデンの空いている席に座ります。グループ連れが多い中一人でビアガーデンというのはなかなか寂しいシチュエーションではありますが、背に腹は代えられません。


    ↑これがアウグスティーナー・ブロイのビールです。ビールは1種類しかなく、少し濁りのある色で、甘くてうまい!しかし500mlは結構多いので、一杯でかなり酔います。

    ビールを飲み干したのでもう一度レジに行き、メニューにLimoって書いてあるのが見えたのでこれはラドラーの事かと思い注文すると、ただのレモネードでした。しかし酔った体にレモネードはなかなか爽快で、良い酔い覚ましになりました。味はスプライトをもう少し甘くした感じで、たぶんこれをビールで半々に割るとラドラーになるのでしょうね。レモネードを飲みながら旅行のメモをひたすら書いているうちに日はすっかり暮れていき、外はだいぶ暗くなってきましたがビアガーデンはこれからが本番という感じでした。


    ↑ビアガーデンはこんな感じで賑わっていました。屋内にも大人数を収容できるホールがあるようです。

    少し酔いも覚めたので、最後にもう一杯ビールを頂くことに。つまみがないのは少々つらいですが、食べ物はビールに比べて高いので、買うのはやめておきました。再びおいしいビールを堪能していると、空が時折光るのが気にかかります。程なくして風も急に冷たくなってきて、ついにぽつぽつと雨が降り出しました。あわててビールを飲み干し、外に出てバス停に到着すると同時にものすごい勢いで雨が降り出したので、危なかった・・・ちなみにホーフブロイの入口には、ザルツブルク中央駅から発車する列車の運行表示盤があったりして、至れり尽くせりでした。

    雨がとにかくひどかったので、最初にやってきた21系統のバスに乗り込みます。このバスは一体どこに行くんだと必死に地図を見ながら乗っていると、途中のバス停で大雨にうたれた人が次々にバスに飛び乗ってきて、たちまち超満員に。ザルツブルクは雨の多い街と聞いていましたが、ここまでとは・・・。大雨のせいで外があんまり見えず、どこを走っているのかは車内放送のバス停名だけが頼りでした。最初進行方向すら合っているか不安だったのですが、どうやら合っていたようで、しかも運良くホテル最寄りのバス停に止まってくれることがわかり、ほっと一息つきます。バス停で下車し、ホテルまで約200mの道のりを傘を差して歩きましたが、雨が止む気配はなく、ホテルにたどり着いた時にはびしょびしょになっていました。まだ21時でしたが、雨に濡れて疲れたのでもう寝ることにします。しかし濡れたまま寝たのがいけなかったのか、夜中に頭痛で目が覚めてしまいました。

    翌日はいよいよザルツブルク音楽祭を見に行くのですが、それはまた次回。

    南ドイツ・オーストリアの旅2日目(8/18) その1

    時差ボケのせいで熟睡はできず、5時前には目が覚めていました。今日は早朝から行きたい場所があったのでシャワーを浴びて身支度を済ませ、昨日も立ち寄ったシュトゥバイタール駅へ。6:31発のSTB系統のトラムに乗って、終点のフルプメスに向かうつもりだったのですが、電停で待っていると向かいのホームに行き先表示のないトラムがやってきて、そのまま出発していきました。最初は回送電車かと思っていたのですが、よくよく考えるとあれが乗りたかったトラムだったんじゃないかと発車後に気付き、やってしまった・・・と頭を抱える羽目に。次のトラムは30分後でしたが、それに乗ると後の予定が崩れてしまうので、仕方なくほぼ同じ経路を走るST系統のバスに乗ることにします。あらかじめバスの時刻も調べておいて助かりました。


    ↑シュトゥバイタール駅の駅舎。といってもトラムなのでこの中に入るわけではなく、すぐ前の電停から乗車することになります。


    ↑前日も立ち寄ったヴィルテン巡礼教会の墓地。遠くにベルクイーゼルジャンプ台も見えます。

    ヴィルテン巡礼教会前のバス停から6:52発のバスに乗車し、運転手にインスブルックカードを見せましたが、どうやら目的地はインスブルックカードの適用範囲外だったようで、運賃5.1ユーロを支払いました。車両は観光バスのような大型の車体で、発車後アウトバーンのような道に入るととにかく飛ばす飛ばす。しかも走行中すぐ近くに座っていた顔なじみらしい乗客のおばちゃんとずっとしゃべっているので、なんだか不安になります。しかしアウトバーンから見下ろすインスブルックの街は、朝焼けを受けてきらきらしていて、とても綺麗でした。そろそろ降りるバス停が近づいてきているようだったので、念のため運転手さんに降りるバス停を伝えて、バス停に着いたら教えてもらうことにします。そして無事にバス停に到着し、運転手さんにお礼を言って下車。


    ↑下車したFulpmes/Jagerhäuslバス停。周りに何もない、寂しい場所にありました。

    ここから西の方角にトラムの終点、フルプメス電停があるはずなので、歩いて向かうことにします。


    ↑バス停のすぐそばを流れていた小川。


    ↑川を渡るとほどなくしてフルプメスの街並みが見えてきました。


    ↑花を飾ったりして、おしゃれな住宅が多かったです。

    あまり時間に余裕がなかったので、スマホのGPS機能を駆使しつつ、フルプメス駅へと足早に向かいます。若干道に悩みつつもなんとか発車5分前に電停に到着し、券売機で慌ただしく切符を購入してトラムに乗車。



    ↑フルプメス電停の駅舎と、停車中のトラム。昔はシュトゥバイタールからフルプメスまではシュトゥバイタール鉄道という登山列車が運行されていたようですが、今はインスブルック中央駅からトラムが直通しています。


    ↑フルプメス駅発車後の風景。1:20過ぎから車体をきしませながら急カーブを上っていくのが印象的です。(HD画質でお楽しみ下さい)


    ↑走行中の車内の様子。真新しいトラムが山中を走るのがとてもおもしろい。



    ↑トラムの車内。新しくてとても快適です。

    乗客はしばらく私一人きりだったのですが、30分ほど過ぎたところでようやくおじいさんが乗ってきて、あいさつをされました。知らない人同士でもあいさつを交わすこの雰囲気が良いなぁと思いながらさらに20分近く乗車し、今朝トラムに乗り損ねたシュトゥバイタール電停に到着。ホテルへはこの次の電停の方が近いので、そこで下車して一旦ホテルに戻り朝食を頂くことにします。


    ↑ホテルの朝食。オーソドックスなバイキングメニューでしたが、やはりハムや乳製品がうますぎる・・・。

    ハムは結局全種類制覇し、お腹いっぱいになったところで荷物を取りに一旦部屋に戻り、チェックアウト。スーツケースは昼前まで預かってもらうことにして、再び1系統のトラムで市内中心部に向かいます。昨日と同じくマリア・テレジア通りで下車し、ここから街の北側にそびえ立つノルトケッテ連峰に上るのですが、もちろん歩いて上るわけではありません。まずはフンガーブルクバーンという乗り物に乗ってフンガーブルクへ。切符売り場には人が並んでいましたが、インスブルックカードを持っているとカード自体が切符代わりになっているので、改札に直接通して乗ることができました。


    ↑フンガーブルクバーン乗り場。なんだか近未来的な雰囲気です。

    フンガーブルクバーンはケーブルカーなのですが、通常のケーブルカーと違って上りや下り、カーブがあるなど変化に富んだ路線で、それに対応するために車体はケーブルカーに良くある平行四辺形型ではなく、枠組みに客車が観覧車のように吊された独特の形状をしていました。


    ↑始発駅は地下だったので気付かなかったのですが、天井はガラス張りで空が見えました。


    ↑ケーブルカーなので、線路の間にケーブルが通っています。でもカーブとか高低差あるのにこれでちゃんと運行できるのがすごい。


    ↑ふもとからここまで、すでに300mほど上ってきています。



    ↑フンガーブルクバーンの車体。枠組みに吊される構造のおかげで、どんな勾配でも客車は水平を保てるようになっています。


    ↑フンガーブルク駅も近未来的な駅舎でした。


    ↑フンガーブルク展望台近くのレストラン。ここからまだまだ山を上っていきます。


    ↑これから乗るゼーグルーベバーンという名のケーブルカー乗り場。

    10分ほど待って、ようやくケーブルカーがやってきたので乗車。人がいっぱいでとても写真を撮るどころではなかったのですが、ここは結構運行区間が長く、6分以上かけて一気に標高1905mまで上ります。途中眼下に登山客や、自転車で上る人の姿が見えたのですが、徒歩はともかく自転車で上るのはすごいなぁと思いました。終点近くには座席を外されたリフトがあったので、冬はスキー場として営業しているようです。

    ここで最後のケーブルカーであるハーフェレカーバーンに乗り換えです。先ほどと違って同じ建物内で乗り換えられるようになっていました。標高が一気に高くなったせいで外気温が下がり、肌寒さを感じます。


    ↑ここまで乗り継いできたフンガーブルクバーン、ゼーグルーベバーン、そしてこのハーフェレカーバーンを総称してノルトケッテバーンという名前が付いています。車内には案内図が貼ってありました。


    ↑出発前のハーフェレカーバーンから山頂方面を見たところ。標高が高いので木が生えておらず、荒涼としています。ところどころ雪も残っていました。


    ↑ハーフェレカーバーンの車窓からの景色。ずいぶんと高いところまで上ってきました。ふもとにはかすかにインスブルック空港が見えています。

    ハーフェレカーバーンは距離が短く、あっというまにハーフェレカー展望台に到着。標高は2256mと高く、日差しはあるものの風が強くて寒いので、持ってきたジャケットを羽織りました。


    ↑頂上の景色。左下に雪が残っているのが見えます。植物が少なくて真っ白な石だらけの光景が印象的でした。


    ↑おそらくこの上が頂上なのだと思いますが、時間がなかったのでそこまでは行けませんでした。ふもとから歩いてきたとおぼしき登山客もいて、すごいなあと感嘆。


    ↑さらにこの先も岩山をたどるルートがあるようです。


    ↑下から上ってくるハーフェレカーバーンが見えます。


    ↑ふもとに広がるインスブルックの街が一望できて、感動!

    私は立山黒部アルペンルートにも行ったことがあるのですが、標高的には大体ここと同じぐらいな感じなので、見える景色も何となく近いものを感じました。しかしこちらはバスに長時間乗らずとも、ケーブルカーだけで上れてしまうのがすごいところです。人もそこまで多くないので、ゆっくりと大自然を満喫することができました。

    あまり時間が無かったので、今やってきたケーブルカーで下山することにします。


    ↑ハーフェレカーバーンの車体。結構中は広いです。

    そしてまたゼーグルーベバーンに乗り換えです。


    ↑ゼーグルーベバーンからふもとを眺めたところ。右側の曲がりくねった道を歩いている人が多かったです。


    ↑ゼーグルーベバーン下りの様子。6分ほどかけてゆっくりと降りていきます。

    ここでまたフンガーブルクバーンに乗り換えます。持っていったスマホのGPSアプリを見ると、標高が普段見慣れない数値になっていて、高いところに来てるんだなあとあらためて実感。


    ↑フンガーブルクバーンの乗車風景。ケーブルカーとは思えないカーブやアップダウンの連続がおもしろい。でもケーブルカーらしくちゃんと途中で行き違い施設があります。

    あっという間に山登りは終了し、ふもとまで帰ってきました。ここからトラムに乗ってホテルに戻ろうと思ったのですが、目的のトラムが来るまで時間があったので、別のトラムを途中で乗り継いで帰ろうと思い、一旦別の電停へ。しかしここであろうことか道に迷ってしまい、必死で電停を探すはめに。時間ないのにー!!こんなときに限ってGPSは衛星を捕まえられずに現在地不明なままで、とにかく地図と現在地を照らし合わせてなんとか電停がある方向を把握し、ダッシュで向かいます。電停に着くとちょうどトラムがやってきたところだったので、ギリギリセーフでした。あぶねえ・・・。

    ホテルに戻り、預けていたスーツケースを受け取って、インスブルック中央駅に向かいます。トラムやバスを乗り継ぐより歩いて行った方が速いと思い、行きと同じように歩いていくことにしました。


    ↑中央駅駅前の風景。何度見てもこのビルの背後に高い山がそびえる風景は絵になるなぁと思ってしまいます。

    中央駅では地下の売店でコーラを買い、ホームへと向かいました。
    このあと列車でモーツァルトが生まれた音楽の街・ザルツブルクへ向かいますが、それはまた次回。

    南ドイツ・オーストリアの旅1日目(8/17) その2

    インスブルック中央駅に到着後、まずは駅を出る前に観光案内所でインスブルックカードを購入することにします。これは市内交通が乗り放題になる他、ロープウェイや博物館等にも利用できるフリーパスです。特にインスブルックではハーフェレカーという山の上の展望台に向かうロープウェイが往復で27ユーロするので、24時間限定ながら31ユーロで買えるインスブルックカードを利用しない手はありません。購入後さっそく使用開始日時を記入するように言われたのですが、ヨーロッパでは年月日の順番が日本と違って日/月/年だったことを思いだし、とまどいながら記入。

    駅を出て、まずは今日泊まるホテルへ。バスかトラムに乗ろうかとも思ったのですが、路線がややこしそうだったので歩いて行くことにします。インスブルックは高い山に囲まれた地形なので寒いと思っていたのですが、意外とそうでもなくむしろ日なたは汗ばむ陽気でした。10分少々歩いてホテルに到着後チェックインを済ませ、まずは荷物を置いて小休止。エアコンはないですが部屋の鍵も電子式で、値段の割には快適なホテルでした。しかし公共エリアで使えると書いてあったWi-Fiが使えず、そこだけがマイナスポイントです。とりあえずWi-Fiはあきらめて、市内観光に出かけることに。


    ↑ホテルの目の前を走る1系統のトラム。まだ新しい真っ赤なボディがかっこいい。

    まずはホテル近くの電停から1系統のトラムに乗り、市内中心部のマリア・テレジア通りへ。車内ではいきなり日本人のおばさまたち(関西弁)と乗り合わせてしまい、なんでここまで来て・・・と思わずにはいられませんでした(笑)。マリア・テレジア通りは歩行者天国になっていって、インスブルック随一の目抜き通りのようです。ここには大道芸をする人たちも集まっていて、とてもにぎやかでした。


    ↑アルペンホルンを吹く人たち。吹くのが難しそうで時々音程が怪しかったですが、迫力のある音色です。


    ↑マリア・テレジア通りから北側。ここからも山がすぐそばに見えます。


    ↑つきあたりに見えるのが旧市街の象徴・黄金の小屋根。観光名所としてはややがっかりな感じかも・・・。


    ↑黄金の小屋根から東へ出たところ。市内ではあちこちで観光用の馬車をみかけました。左側に見える建物は王宮です。

    というわけで、王宮に入ってみることにします。残念ながら内部は撮影禁止だったのですが、天井画がすばらしい大広間には、鑑賞するための鏡が置いてあったりしました。また、部屋の壁紙や調度品がピンク色や水色で統一された部屋も、おしゃれな雰囲気です。しかし部屋毎の解説はドイツ語のみで、オーディオガイドも借りなかったので詳細はわからず、雰囲気だけ楽しんで外へ。

    それからすぐそばにあるチロル民族博物館へ。こちらはチロル地方の庶民の生活に関連する展示物が中心で、これまた数が多いので飛ばして見ていくことにします。農家の一室を移築した部屋もあり、ここが一番おもしろいと感じました。



    ↑移築された部屋。まるで映画か何かに出てきそうな雰囲気です。

    博物館の中を歩いていると途中にドアがあり、そこを開けるといきなり隣にある宮廷教会の上部に出ました。いきなり目の前に広がった光景にびっくりしましたが、上からの眺めもなかなか良いものです。その後あらためて回廊を通って宮廷教会に入ってみることに。


    ↑宮廷教会の回廊。もともと博物館自体が付属の修道院だった建物を利用しているので、隣接しています。



    ↑宮廷教会は規模は小さいですが、さすがに装飾やブロンズ像が見事です。

    宮廷教会を出て、今度は大聖堂へと向かいます。実は王宮に行く前にも一度来てみたのですが、ツアー客がたくさんいたので、後回しにしていたのです。


    ↑大聖堂の正面入口。ここは噴水のある広場になっており、多くの人でにぎわっていました。



    ↑祭壇付近の様子。色とりどりの大理石が柱や床などにふんだんに使われていて、規模はそこまで大きくはないものの、その豪華さに圧倒されます。



    ↑なによりオルガンが本当にすばらしい!こんなかっこいいオルガンを見たのは初めてでとても興奮しました。パイプの配置といい、青を基調とした色合いといい、素敵。

    このオルガンはぜひ音を聴いてみたかったところですが、残念ながらそれは叶いませんでした。大聖堂を出てから、旧市庁舎の塔に上ってみることにします。残念ながらエレベーターは無かったので、覚悟を決めてらせん階段を上ることに。しかし上から眺めると街の構造が手に取るようにわかりました。


    ↑塔から南側を見たところ。遠く山の中腹に見えるのが、冬季オリンピックなどでスキージャンプ競技の舞台となったベルクイーゼル・ジャンプ台です。今でも世界選手権などで使用されています。


    ↑こちらは西側。川沿いにカラフルな住宅が見えています。


    ↑そしてこれが今上ってきた旧市庁舎の塔です。

    塔を降り、イン川にかかるイン橋の方に行ってみることに。そもそもインスブルックという地名は、「イン川にかかる橋」というところから付いていて、この街の源流はこのあたりになります。


    ↑イン川の様子。前日に雨が降ったせいか、思ったより濁流でした。

    再び橋を戻り、マルクトプラッツへ。近くには出店が立ち並ぶエリアがあり、ビールを飲みたい衝動にかられましたが、もう今日は飛行機の乗り継ぎもあって疲れていて一発で寝そうだったので、やめておきました。それから1系統のトラムに乗り、ホテルの前を通り過ぎて終点のベルクイーゼル電停まで行ってみることに。しかしトラムはなぜか1つ前のシュトゥバイタール電停で車庫のループ線に入り、しばらく車内で缶詰状態に。これは何かおかしい・・・と思っているとループ線を一周して再びシュトゥバイタール電停に停車したのですが、どうやらこの駅で折り返すような雰囲気だったのであわてて下車しました。軌道を見ると工事中だったので、これはどうやら部分運休しているらしいとようやく気づき、仕方なく歩いてベルクイーゼル電停に向かいます。ベルクイーゼル電停からは6系統のトラムがイグルスまで運行しているのですが、1時間に1本しかないのでさっきのごたごたで乗り遅れてしまいました。仕方がないので近くのヴィルテン巡礼教会を見学することに。ここは教会付属の墓地も綺麗に手入れされているのが印象的でした。


    ↑ヴィルテン巡礼教会の外観。市中心部からは少し離れていて、時間も遅いせいか観光客は誰もいませんでした。



    ↑しかしこちらも天井のフレスコ画が見事です。


    ↑オルガンも凝った形で出音が気になります。


    ↑先ほど車内に閉じ込められた、シュトゥバイタール電停のループ線。左奥から先がシュトゥバイタール鉄道です。


    ↑ヴィルテン修道院付属教会。時間が遅かったせいか、中には入れませんでした。


    ↑ベルクイーゼル・ジャンプ台。最初Bergiselの綴りとベルクイーゼルが頭の中で結びつかなくて、どう読むのか悩んでいました。

    まだしばらく時間があったのでホテルの周辺を歩いていると、ちょっと良さげなレストランを発見。夕食を食べにまた市中心部まで出るのもめんどくさかったので、後でここに夕食を食べに来ることにします。

    そろそろ6系統のトラムが来る時間だったので、ベルクイーゼル電停へ。しかしなぜか電停にはバスがやってきて、トラムが来る気配はありません。バスの側面には6系統と表示されていて、これってもしかしてトラムの代替バスなんじゃ・・・と思い至り、乗車することに。どうやらそれが正解だったようで、バスは6系統のトラムの途中駅をいくつか経由しながら山を上っていきます。バスはトラムの終点であるイグルスを過ぎ、パッチャーコーフェルバーンというロープウェイの乗り場が終点のようだったので、ここで下車することに。といってもロープウェイはすでに運行時間が終了しているので、そのまま坂を下りてイグルスの中心部に戻ります。


    ↑パッチャーコーフェルバーンの乗り場。ここを上ることも検討していたのですが、どうしても時間が合いませんでした。

    イグルスの中心部からトラムのイグルス駅は少し離れているので、歩いてそちらに向かうことに。途中の道沿いには高級そうな住宅が建ち並んでいて、なかなかおしゃれなところでした。



    ↑イグルス駅の駅舎とホーム。駅の案内板を見るとどうやらトラムは6~10月の間運休とのことで、登山列車のようなトラムの旅を期待していた私はがっかりです・・・。


    ↑イグルス駅に残るループ線跡。かつて運転台が車両の片側にしか付いていなかった時代に、運行方向を変えるために使われていましたが、今では両運転台が普通なので使われていません。

    帰りはイグルスの中心部からJ系統のバスに乗って帰ることにします。バス停そばの教会では鐘がずっと鳴り響いていて、人が集まってきていたので、どうやらこれからミサがあるようです。バス停でバスを待つ人も意外と多く、この時間から下山する人がこれだけいることに少し驚きました。


    ↑イグルスの中心部。レストランやおみやげ屋などが立ち並んでいます。

    J系統のバスはトラムのように蛇行した経路ではないので、あっという間に下山し、ふもとに到着。このまま乗っていると中央駅まで連れて行かれるので、途中Landessportcenterで下車します。するとすぐ目の前にあるスタジアムから何やら大歓声が聞こえてくるではありませんか。インスブルックにはFCヴァッカー・インスブルックというサッカーチームがあるので、おそらくその試合なんだろうと思いますが、スタジアムの外からでもその熱気を感じ取ることができました。

    少し歩いてオリンピアワールドに移動します。ここはかつて冬季オリンピックでスピードスケートなどの競技が行われた場所です。ここからバスを乗り継いでホテル最寄りまで移動することに。


    ↑オリンピアワールドの建物。中には入ってませんが、スポーツ複合施設になっているようです。

    バスを降り、先ほど目を付けていたレストラン、Riese Haymonへ。テラス席はたくさんの人で賑わっていましたが、入口近くの席がたまたま空いたのでそこに案内されました。まずは食べ物を選ぶ間に飲み物を頂こうと、ラドラーを注文。ラドラーとはビールをレモネードで割ったもので、南ドイツやオーストリアではポピュラーな飲み物です。割っている分アルコール度数も低めで、夏場の一杯目には最高だと感じました。もっと日本ではやってもいい味だと思うんだけどなぁ。


    ↑これがラドラー。300mlを頼んだはずなのに500mlが出てきたので多かった・・・。この味を日本でも再現しようと帰国後試したのですが、今のところスプライトで割るとそれっぽい味になる気がします。

    ラドラーを飲みながら食べ物メニューとにらめっこをしたのですがよくわからないので、店員さんにチロル名物の食べ物はどれか聞いたところ、二つおすすめされました。そのうち一つはウィンナーシュニッツェルというウィーン名物の薄いカツで、これはウィーンに行ったときに食べたことがあったので、もう一つの方を注文。Innsbrucker Herrngröstlという名前だったと思うのですが、仔牛の肉とジャガイモとベーコンの上に目玉焼きが乗った、非常にシンプルな料理でした。それとともにパンも注文しようとしたのですが、店員さんがそれはやめといた方が良いと言われ、勧められたキャベツのサラダを注文することにします。


    ↑これがメインディッシュ。肉料理の方は本当に素朴な味で、おいしいのですがとにかく量が多くてつらかった・・・。キャベツのサラダはカリカリのベーコンがアクセントになっていて、ビネガードレッシングも絶妙で箸休めにぴったり。


    ↑2杯目はカイザービールを注文。オーストリアのリンツという街に醸造所のあるビールです。味もしっかりしていてなかなかうまかった。

    そろそろお腹が限界になってきたので、ジャガイモは少し残してしまいました。あのときパンではなくてサラダを勧めてくれた店員さんには本当に感謝です。そしてお会計24.2ユーロと1ユーロのチップを置いて店を後に。もう金曜朝から通算して丸二日近く動き回っている計算になるのでくたくたでしたが、幸いホテルはここから徒歩2分ぐらいだったので、部屋に戻って即就寝。しかしなぜか0時過ぎにふと目が覚め、なんでだろうと考えたら日本時間の朝7時というと平日いつも起きている時間だと気づき、体内時計すごいなと思ったのでした。

    明日はインスブルック観光の続きをして、音楽の街ザルツブルクへ向かうのですが、それはまた次回。