プラハ・ウィーン旅行3日目(8/19) その2

気を取り直し、再びホテルを出発です。まず路面電車に乗りプラハ本駅へ。ここからこの旅初めての地下鉄に乗ることにしました。

ちなみに地下鉄には改札がなく、普通に階段を下りるとそこがプラットホームになっているのでびっくりします。ただ改札の代わりとして階段の手前に機械が置いてあって、そこに切符を差し込むと時間が印字される仕組みになっていました(ちなみにバスや路面電車の場合は車内にこの機械があります)。私は3日間有効の切符を持っていたので、最初に空港からバスに乗った時に印字してからはまさにフリーパス状態だったのですが、私服検札員が抜き打ちで検札に来るらしいので、無賃乗車はやめたほうがいいと思います(笑)。まあ私は結局一度も検札されませんでしたが…。日本人の感覚からすると、こんなおおらかで良いのかなあと思ってしまうのですが、このおかげで路面電車に乗ってもわざわざ運転手のいる一番前の扉から降りる必要もなく、好きな扉から乗り降りできるのは良いと思いました。日本だとどうしても精算に手間取って発車が遅れたりしますからねぇ。

というわけで地下鉄C線に乗りました。やはり路面電車と比べて地下鉄は緊張します。思ったより車両は綺麗で、それほど暗い感じでもなかったのですが、やはり周りが暗いとスリにねらわれやすいんじゃないかと思うので、若干緊張しながらの乗車でした。まあ乗ったのは2駅だけなのですけどね。というわけで2駅先のI.P.Pavlova駅で下車。ここから数分歩いて、目指すはドヴォルザーク博物館です。

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↑ドヴォルザーク博物館。こぢんまりした建物で、危うく見落とすところでした。

交響曲第9番『新世界より』で有名なドヴォルザークも、チェコを代表する作曲家の一人です。この博物館にはドヴォルザークゆかりの品々が展示されていたのですが、思ったより規模が小さくてちょっと拍子抜けしてしまいました。あと解説がチェコ語のみで、英語がほとんどなかったのもつらかった…。ですがまあ、楽譜とかはなかなか興味深かったです。ちなみにドヴォルザークはDvořákとつづるので、正しくはドヴォルジャーク(もしくはドヴォジャーク)のような発音になるようです(wikipediaの発音)。?がチェコ語独特の音で、巻き舌のルとジュを同時に発音するそうですが、ちゃんと発音するのはなかなか難しそうです。

博物館を出た後は、新市街を散策してヴルタヴァ川に出ました。

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↑新市街にあるカレル大学のキャンパス(たぶん)。

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↑賛否両論の現代建築「踊るビル」らしいです。確かに周りからはかなり浮いていました。

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↑川沿いを散歩するのもなかなか気持ちよさそうです。

そして、Karlovo náměstí電停から路面電車に乗り、2つ先のAnděl電停へ。ここには大きなショッピングセンターがあり、旧市街から景色が一変します。ショッピングセンターは日本のダイヤモンドシティーとかとあんまり変わらない印象で、映画館やスーパー、本屋、マクドナルドなんかがありました。まず本屋に入って本をチェックしましたが、割と大きな本屋だったにもかかわらず、やはりここにもマンガはありませんでした(だからなにチェックしてるねん、俺)。

それからちょっと歩き疲れたので、たまたま見つけたネスカフェがやっているっぽいカフェに入ることにしたのですが、ここで第二の悲劇がっ!私はホットのカフェラテを一つ、と注文したはずなのに、なぜか値段が高いのです。税金のせいか、イートインだからかなあと思っていたら、店員がおもむろにカップを2つ、トレーに置くではありませんか。おいおいっ!私1つしか注文してないんですけどっ!?と内心思ったのですが、それをチェコ語で説明するすべをもたない私は、すごすごと引き下がらざるを得ませんでした。ちゅうか、一人で来てるのに普通2つ頼むかー?指一本立てて注文したはずだし、常識で考えたらわかるやろーと思ったのですが、まあ海外ではなにがあってもおかしくないですしねぇ。仕方なく、一人でカフェラテを2杯飲み干しました。ほかの人に見られるのが恥ずかしかった…(笑)。まあ2杯飲んでも300円ぐらいだったのでそれほど深刻な問題ではなかったのですけどね。

その後ショッピングセンターを出て、近くのもっと大きな本屋へ。ここにもマンガはありませんでしたが、日本語の漢字辞典を発見しました。私でも知らないような漢字もいっぱい載っている、ずいぶん本格的な辞典だったのでびっくりしました。カレル大学の日本語学科はレベルが高いという話を聞いていましたが、それもちょっとわかるような気がします。

そして帰りはAnděl駅から地下鉄B線に乗り、Můstek駅へ。ここから国立博物館までの間は大通り(Vaclavske náměstí)になっていて、たくさんの人でにぎわっていました。できれば国立博物館にも入りたかったのですが、もう時間が6時前だったので断念。

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↑国立博物館前には大勢の観光客とおぼしき人がいました。

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↑国立博物館から大通りを写した写真。

で、これからどうしようかと思ったのですが、前日歩きすぎたせいでしんどかったのと、もう大体行きたいところは行きつくしたと思ったので、少々早いですが晩ご飯を食べることにしました。店は昨日ホテルの人に聞いたU Flekůです。1499年創業のプラハでもっとも古いビアホールらしく、私が持って行ったガイドブックにも載っていたのでかなり有名なお店のようです。

入る前から何を注文しようかと悩んでいたのですが、席に着くやいなや、いきなり黒ビールを持ってこられたのでびっくり。どうやらこれがここのお店の名物らしいのですが、とにかくうまかった!そして今日は昨日の教訓を生かしてメインディッシュのみ注文。今回は豚肉のロースト(といっても煮たような感じでしたが)とknedlikyというジャガイモで出来たパンのようなもの、ザワークラウトがセットになったvepřoknedlozeloという、チェコではポピュラーらしいメインディッシュを注文しました。そうこうしているうちにアコーディオンを持ったおじさんがやってきて、演奏を開始。R.シュトラウスの曲なんかを演奏していたのですが、私の隣もたまたま日本人夫婦だったからか、いきなり「上を向いて歩こう」を演奏し始めたのにはびっくりしました。それだけ多くの観光客が来る店なのでしょうね。

そしてメインディッシュがやってきました。豚肉はやわらかくて非常においしかったです。knedlikyもどんな味かと思いましたが、ジャガイモなのにパンっぽい不思議な感触。これ自体に味がないので豚肉を食べながらちょっとずつ食べたのですが、結構これだけでおなか一杯になりました。

で、食べている途中でなにやら黄色いリキュールを勧められたので飲んだのですが、これはどうやらチェコ特産のリキュールBecherovka(ベヘロフカ)のようです。ここに来る前、たまたまおみやげに100mlの小瓶を買っていたのですが、家で飲んだら同じ味がしたので確かだと思います。ただこのベヘロフカがくせもので、どうやらU Flekůの中でこれはちょっと高いメニューらしく、勝手に持ってくるので嫌ならはっきり断ったほうがいいようです。私はこの薬っぽい味は嫌いではありませんが、さすがにこれを飲んだせいで2杯目のビールは断念しました。結局ビール1杯とメインディッシュ、ベヘロフカで355Kčと、明らかに昨日の店より高い感じでしたが、まあ観光客料金ということなのでしょうね。そしてさらにここで悲劇その3がっ!お勘定をしようと店員を呼び、所持金があまりなかったのでカード払いにしてもらったのですが、チップの払い方がよくわからず、最初はチップを合計した金額をレシートに記入したのですが、店員さんが違う違う、みたいに言うのでよくよく聞いてみると、チップは現金でね、ということでした。そして私は署名欄に金額を書いてしまっていたようで、あわててサインし直すはめに。まあそんなでポケットからチップを渡して店を後にしたのですが、あとでポケットを見るとさっきまであったはずの200Kč札がありません。おかしいおかしいと思ってカバンの中まであちこち探したのですが結局発見できませんでした。たぶんチップを渡そうとしたときに足もとに落としてしまったんだろうなあと思い店の前でどうしようかとうろうろしたのですが、酔っていることもあってまた店に戻る気にもなれず、結局あきらめることにしました。うぅ…チェコで200Kčといったら結構大金なのになぁ…くやしい~。さらにまずいことに、この200Kčを落としたせいで、私の所持金はわずか8Kč(約40円)になっていました。これじゃジュースも買えやしません。まあいざとなればクレジットカードでお金を引き出せばいいのですが、さすがに心細かったですね。

そんなテンションだだ下がりな気分で帰りの路面電車を待っていると、一台の車が私の前に止まりました。車には東洋系の若い男性が4人ほど乗っていたのですが、窓を開けて私になにやら話しかけてきます。ただどうやらそれが韓国語のようで、私にはさっぱりわからないのでI can’t speak Korean.と言うと、今度は英語でどこどこに行くにはどうしたらいいのか、と聞いてくるのです。そんなこと言われたって私も路面電車で行く行き方しか知りませんから、Sorry, I don’t know. I’m a stranger.と言うと、あきらめて立ち去って行きました。というか、私のこと韓国人だと思ったのでしょうかねぇ。確かに見た目で区別するのは難しいのかもしれませんが、服装とかでわかりそうなものなのになぁ。そうそう、韓国で「プラハの恋人」というドラマがヒットした影響なのか、プラハには韓国人旅行者が非常に多かったです。

そして路面電車でホテルに戻り、いよいよプラハも今日で最後かーとちょっと寂しい気分になりながら、床につきました。

コメント 3

Oscar2006年9月19日 10:05

いつも楽しく読ませてもらっております。

まず、”?”の発音ですが、何年か前の「ギネスブック」では、「世界で最も難しい発音」と紹介されていました。なんでも、チェコの子どもが一番最後に覚える発音なのだとか。
ドヴォルジャークも幼少期、自分の名前がなかなかうまく発音できなかったのでしょうかね?
(それにしても、”?”のようなチェコ語の文字は、どうやって入力されているのですか?w)

続いて、「踊るビル」ですが、芸術の都とされるフランスのパリでも、古い外観の建物が並ぶ街の中で、例えばポンピドゥー・センター(機械のような外観のカラフルな建築)や、ルーヴル美術館中庭のエントランスホール(四角錐型のガラス張りの建築)など、賛否両論のモダン建築があります。
昔の共産主義政権の時代だったら、こんなものはまず建てられなかったでしょうから、こんな自由な発想で建築をデザインできる環境が整ってきたということでしょう。私はその意味では、良い時代が来たと歓迎しても良いと思っています。
ただしこの建物、柱の形等からして、日本の耐震基準を満たせないような気がしますので、日本ではちょっとお目にかかれないでしょうねw

あと、日本ではまだ「韓流」ブームがまだ続いていますが、韓国では「チェコ流」がブームなんでしょうかね?w

へび2006年9月19日 12:19

お人柄が感じられるとても正確なレポートぶり、とても素晴らしい旅行記です。
プラハは行ってみたい街のひとつです。
アールヌーボー建築とガーゴイルを見に行きたいなと思っています。いつか仕事からみでタダで行ってやる(せこい野望)

カード使えるのにチップがカードで払えないんですね。
そういう店もあるのか。心にメモっときます。

「チェコ流」…。日本人も韓国人もブームに弱いなあ…。

aPony2006年9月20日 21:41

>Oscarさん
まあ発音以前にチェコ語で会話なんてとても無理なので、「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」「お勘定!」以外はほとんど英語に頼っていました。とにかく何を読んでも意味がわからない、というのは新鮮でしたね。チェコ語の文字は、wikipediaのチェコ語の項目にあるアルファベット一覧からコピペしています。

>へびさん
私も建物を見るのが好きなのですが、そういう点でプラハは良い街でしたよ。
チップはカード会社の海外旅行ガイドを見たら、カードで払えるって書いてあったのでてっきりできると思ってたのですが…意外でした。

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