2013年5月29日

    バスク地方の旅5日目(8/11) その2

    アルファフェリア宮殿を出て、すぐ近くにある闘牛場へ。少し道を間違えたりしましたが、特徴的な円形の建物なのですぐにわかりました。




    ↑サラゴサの闘牛場。闘牛は年中開催されているわけではなく、サラゴサでは10月のお祭り期間中だけ開催されているようです。

    闘牛場からさらに中心部に向かう途中にあるサン・パブロ教会にも立ち寄ってみましたが、この時間は開いていなかったので、後ほどまた来ることにします。


    ↑サン・パブロ教会。先のアルファフェリア宮殿、このあと行くラ・セオと合わせて、世界遺産「アラゴンのムデハル様式の建築物」に登録されています。

    路地を先に進むといきなり大きな建物が現れたのですが、どうやらここは市場のようです。喉が渇いていたので、中に入る前に横の売店でKASというブランドのオレンジジュースを購入。オレンジ果汁8%の炭酸飲料で、スペイン版オランジーナという雰囲気でした。


    ↑市場の入口。なかなか立派な門構えです。

    もう午後だったので、市場は店じまいの準備を始めているところが多かったです。しかし内陸部の街とはいえ、魚屋もちゃんとありました。

    市場を越えると、サラゴサの中心部であるピラール広場はすぐそこです。ここから眺めるピラール聖母教会がすばらしくて、つい写真を撮りまくってしまいました。




    ↑ピラール広場から眺めたピラール聖母教会。13時半から16時までお昼休みなので、後ほど中に入ることにします。


    ↑ピラール聖母教会の隣にある市庁舎。こちらも立派な建物です。

    もう時刻は15時近かったのですが、まだお昼ご飯を食べていなかったので、いい加減お腹が空いてきました。どこで食べようか迷ったのですが、結局市庁舎向かいのカフェでハンバーガーとコーラというジャンキーな組み合わせを頂くことに。先にコーラが出てきたのですが、とにかく暑いのでついごくごくと飲んでしまい、ハンバーガーが出てきたときには半分以下になってしまっていました。


    ↑ハンバーガーとコーラのセットで6.6ユーロとそんなに安くはなかったのですが、手作り感があってなかなかおいしかったです。

    カフェでしばらく涼んだ後、まずはラ・セオへ。ラ・セオとは大聖堂のことですが、ここは入場料がいるので普通の教会とはちょっと違う雰囲気です。様々な建築様式が混在したおもしろい建築物でしたが、撮影禁止だったので残念ながら写真はありません。2階はタペストリーを集めた博物館になっていました。


    ↑ラ・セオの外観。中央の塔とファサードのデザインが明らかに違うのが印象的です。

    ラ・セオを出てピラール聖母教会へ。こちらも内部は撮影禁止でしたが、すばらしい建築物でした。その横の塔は有料ですが上ることができるので、上ってみることに。途中まではエレベーターがあるのですが、そこからさらに階段を上らなくてはなりません。しかしさすがにここからの眺めは最高でした。


    ↑塔から東側。サラゴサがエブロ川流域に栄えた街だというのがよくわかります。


    ↑ピエドラ橋を渡った対岸は新市街で、集合住宅が多い印象。


    ↑反対に西側を撮ったもの。万博が開催されたせいか、モダンな高層建築が目立ちます。

    塔から降り、ピエドラ橋を渡って対岸に渡ってみることに。渡った先にスーパーがあったので、適当に冷えた飲み物を買ってみましたが、ビタミン入りの甘いジュースのような、よくわからない味でした。ヨーロッパはだいたいどこもそうなのですが、スーパーでは冷えたジュースがほとんど売られていないので、そういうのが欲しいときは少々高くても小さな売店で買わないといけません。その辺日本と違って棲み分けができている印象です。


    ↑ピエドラ橋は石造りでとても風情がありました。


    ↑対岸から撮ったピラール聖母教会。

    再び橋を渡り、今度はカエサラウグスタ劇場へ。カエサラウグスタとはカエサルアウグストゥス、つまり初代ローマ皇帝アウグストゥスのことですが、かつてサラゴサがローマ帝国の植民都市として築かれた頃、この街はカエサラウグスタと呼ばれていたようです。カエサラウグスタ劇場はその時代、紀元1世紀頃に造られた劇場の遺跡で、発掘された舞台に立っていると当時にタイムスリップしたような気分になりました。


    ↑左側が舞台、そこから放射状に広がる階段が座席です。当時は身分によって座る場所が完全に区別されていたようです。


    ↑この部分はアーチ状の劇場入口がそのまま残っています。

    遺跡横の建物では出土品の展示やビデオ上映などがあり、特にビデオ上映はやけにドラマチックな演出が印象的でした。この劇場ではさまざまな演目が上映されたようですが、喜劇が見る人を比較的選ばないのに対し、悲劇なんかは物語の背景など見る人の知識が問われたというようなことが書いてあって、なるほどなーと納得。

    カエサラウグスタ劇場を出て、帰りのバス路線を確認しつつ歩いていると、石畳の照り返しで熱風が吹き付けてきてとにかく暑い!たまたま道端にあった温度計を見てみると41℃と表示されていたので、これ壊れてるのかなーと思っていたのですが、後で調べるとどうやらその日は本当に41℃あったようで、そりゃあ暑かったわけだ・・・。


    ↑市中心部にはもうすぐトラムが開通するらしく、あちこちで工事中でした。

    そして先ほどは入れなかったサン・パブロ教会へ。こちらは比較的質素な雰囲気でした。


    ↑とはいうものの、祭壇は立派なものです。

    サン・パブロ教会を出て特にあてもなく歩いていると、別の教会からぞろぞろと人が出てくるところに遭遇。どうやら結婚式があったようで、でかいクラッカー鳴らしたりとなかなかにぎやかです。ライスシャワーも手荒で、思わず新郎が制止していました。


    ↑普段は静かな路地だと思うのですが、大勢の人でにぎわっていました。

    その後近くのスーパーに入り、カスエラ(アヒージョなどに使う直火対応の鍋)とレッドブル・ザ・ブルー・エディションを購入。レッドブルは日本では見かけないバージョンだったので買ってみましたが(他にもレッドとシルバーのエディションあり)、中身は青と言うより紫色で、味はブルーベリー風味でした。とにかく暑さでくたくただったので、飲むと若干元気が出た気がします。

    そこから大通りに出たところに大きな本屋があったので、ちょっと入ってみることに。例によって日本の漫画が売られているかどうかを確認したかったのですが、ちゃんとMangaというコーナーがあり、なかなか多彩なラインナップでした。しかしリボンの騎士の横によつばと!が置かれているのはなかなかシュールです。他にもベルセルクや鋼の錬金術師、満月をさがして、などがありました。

    そろそろ20時近かったので、ホテルの人に教えてもらったレストラン、El fuelleへ。なかなか歴史のありそうなお店で、アラゴンの郷土料理が食べられるのが売りのようです。定食があるようだったのでそれを頼む気満々だったのですが、なんと定食は2人前からとのこと。英語のメニューはあったものの、あわてて辞書片手にメニューと格闘するはめになりました。とりあえず生ハムと白ワイン、炭酸水を頼んで間をつなぎ、何を頼むか必死で考えていたのですが、ウェイターがしょっちゅう様子を見に来るので、もうちょっと待ってくれというのに必死でした(笑)。


    ↑生ハムと白ワイン、炭酸水、そしてガスパチョ。暑かったので炭酸の効いた水がとてもおいしかったです。


    ↑赤ピーマンとツナ、タマネギのマリネ。この下に敷き詰められている赤いものがピーマンなのですが、肉厚で苦みが全然無くてとても美味い。日本では食べたことのない味でした。


    ↑メインディッシュは悩んだ末にウサギのグリルに。ササミっぽいあっさりとした味でしたが、小骨が多くてちょっと食べづらい。上に見えるアリオリソースが良く合います。

    ワインは最初の白の後、赤ワインを2杯頂いたのですが、どちらもハウスワインながらレゼルバクラスでとてもおいしかったです。これで1杯2ユーロは安いなぁ。


    ↑デザートはプリン。見た目を気にせず生クリームがこれでもかと添えられているのが、らしいっちゃらしいです。

    このあとエスプレッソを頂いて〆。お会計は31.6ユーロ(約3,200円)とまずまずのお値段でした。お会計を済ませると途中から給仕してくれたおじさんが、店の奥の方も見ていきなさいと言ってくれました。どうもこの建物自体かなり歴史があるようで、とても素敵な内装です。おじさんにお礼を言い、店を後にしました。

    時刻はもう21時半近くだったので、そろそろあたりも暗くなり始めていました。帰りはバスで帰ろうと思い、バス停を目指して歩いているうちに再びピラール広場まで戻ってきたのですが、ちょうどライトアップされていてその景色に思わず釘付けに。






    ↑ライトアップされたピラール広場は、本当に美しい光景でした。

    しかし風がずいぶん強かったので、写真を撮るのがもう大変。昼間はあんなに暑かったのに、もうすっかり涼しくなっていて、改めて内陸の地にいるのだということを実感します。

    さて、バス停を探してさらに歩いていたのですが、乗りたいと思っていた34系統のバス通りをちょっと勘違いしていたことに途中で気付き、あわてて別の通りへ。こんな時間でも子供連れで歩いている人が結構多いのですが、感覚的にはまだ日が暮れたところという感じなのでしょうか。通りに出て、なんとかバス停を発見したのですが、バス停には時刻表というものがなく、果たして目当てのバスが来るのかどうか、全くわかりません。ケータイがあればネットで調べられるのでしょうが、無線LANがないと使えないのでここでは役に立ちません。まあ他にもバスを待ってる人がいたので、もう最終が行ってしまったってことはないだろうと思って待っていると、幸い数分後に目当ての34系統のバスがやってきました。ほんとにラッキーだ・・・。

    運賃がわからず、乗車後運転手に5ユーロ札を出すと3.75ユーロおつりをくれたので、たぶん1乗車につき1.25ユーロなのでしょう。このバスはサラゴサ・デリシアス駅行きなのですが、終点まで行く人はほとんどおらず大半の人が途中で降りていきました。残念ながらバス停は駅の東側だったので、ホテルのある駅西側まで少し歩かなければなりません。もう涼しくなっていたので、今度は駅前広場を通っていくことにしました。


    ↑夜のサラゴサ・デリシアス駅。こちらもライトアップされていて幻想的。閑散としているように見えますが、日中よりは人がいました。

    そしてようやくホテルに帰還。部屋を出る前に干していった洗濯物は、この暑さのおかげで綺麗に乾いていました。とにかく汗を流したかったのでシャワーを浴び、エアコンを付けて就寝したのですが、寒さと空気が乾燥しているのとで目が覚めてしまいました。しかしエアコンを消すと今度は暑くなるので、窓を開けて寝ることにします。こういうホテルの窓は確か左右だけじゃなくて上を開けることもできたよな・・・と思い出して試してみるとうまくいきました。そして改めて就寝。

    明日はいよいよ旅の終着点であるバルセロナに向かいますが、それはまた次回。