2013年5月24日

    バスク地方の旅5日目(8/11) その1

    今日は列車に乗るために早起きしないといけなかったのですが、目覚ましをかけるまでもなく6時前に自然と目が覚めました。しかし起きてGmailを見ると、今日泊まる予定のホテルでクレジットカードの有効性が確認できなかったというメールが来ているではありませんか。今までそんなことなかったのにおかしいなあと思いながら、別のカードを登録してみたりもしたのですがうまくいかず、あきらめて直接現地で確認することにします。

    結局そんなことに時間を取られてしまい、あわてて30分ほどでシャワーを浴びて荷造りを済ませ、6:50にペンションをチェックアウト。フロントの女性はいなかったので、前日言われた通り鍵を置いて外に出ます。サマータイムのせいで外はまだ薄暗く、日本で言うと朝4時台ぐらいの雰囲気でした。さすがにこの時間だと人や車はまばらで、急いでいる身としては好都合です。おかげでスペイン国鉄のサン・セバスティアン駅には7時頃到着し、売店でパンを買ってホームに向かいます。

    今日乗る列車は事前に確認していた通り、チェックイン手続きがありました。チェックインカウンターにいる女性にプリンタで印刷してきた切符を見せ、ホームに入ります。荷物にも重量制限があるのですが、量られたりはしませんでした。ホームでは思ったよりもたくさんの人が待っていたのですが、バルセロナに向かう列車は1日に2本しかないようなので、まあある意味当然かもしれません。


    ↑早朝のサン・セバスティアン駅。まだ外はほのかに薄暗い。



    ↑イルン発バルセロナ行きのAlvia 533号がやってきました。この列車の数分前にも別の列車がやってきたので、危うく乗りそうに・・・。


    ↑Alviaの乗車口。私が乗った3号車付近の様子です。外観はわりと綺麗。

    列車は定刻の7:28から若干遅れて発車。指定された座席は幸い窓際でした。今日は終点のバルセロナまでは行かず、途中のサラゴサという街まで乗車する予定でしたが、それでも約4時間の列車旅です。まずはさっき売店で買ったパンを食べましたが、甘いクリームの上にさらに甘いジャムが乗っていて、甘いにもほどがある!という味でした。

    このAlviaという列車はいちおう高速列車に分類されるのですが、サン・セバスティアンからサラゴサまでの区間は単線区間が続いていたり、山岳地帯を走っていたりするせいか、それほどスピードは出しておらず、時折止まったりする有様でした。軌間可変電車らしいので、広軌の高速新線区間に入れば爆走するのかもしれません。


    ↑車内の様子。外観ほどモダンな印象はありませんが、十分快適です。


    ↑パンプローナ手前で見えた、見事な台地。Sierra de Andíaというところらしいです。



    ↑車窓からは他にも風情のある橋脚や、風車が見えました。


    ↑タファラ駅出発後の車窓風景。

    私の隣に乗り合わせた中年男性が、説明書を見ながらデジカメをずっと触っていたので気になっていたのですが、どうやら買ったばかりのようで使い方を覚えているようです。その横で私が車窓風景を撮っていたので、いきなり動画の撮り方を聞かれたのですが、試行錯誤しながら使い方を教えてあげると、ずいぶん喜ばれました。

    その後車内にビュッフェでもないかと思い、探検がてら歩いてみたのですが、残念ながらビュッフェはありませんでした。ついでにトイレに入ってみたのですが、日本の列車トイレと同じような方式のようです。

    列車は途中Castejon de Ebro駅で、ビルバオ方面からの列車が連結されたようです。最初そうとは知らなかったので、いきなり何かとぶつかるような衝撃があってびっくりしました。

    定刻の11:10より少し遅れてサラゴサ・デリシアス駅に到着。想像していたのと全く違って、ものすごくモダンな駅でした。おそらく2008年にサラゴサで開かれた万博にあわせて造られたのでしょう。


    ↑とてもモダンな雰囲気のサラゴサ・デリシアス駅。


    ↑ここまで乗ってきたAlvia。サン・セバスティアン出発時には4両編成でしたが、途中で連結されて長くなっていました。




    ↑駅標と列車案内盤、そしてホーム全景です。すべてが新しい印象。


    ↑駅の外観。人影はまばらですがそのでかさに圧倒されます。

    今日泊まるホテルは駅のすぐそばだったので、まだ時間は早いですが荷物だけでも預けようと思い、とりあえず向かうことに。朝のメールの件があったのでちょっと心配だったのですが、フロントでは特に何も言われませんでした。幸いもう部屋にも入れるようだったので、荷物を置くために最上階の部屋に向かうと、これまでのホテルと違いエアコン・冷蔵庫完備の綺麗な部屋で、思わずテンションが上がります。特にエアコンが快適すぎて、危うく部屋を出る気が失せるところでした。洗濯を済ませ、Wi-Fi接続を確認してから再び出発。出がけにホテルの人にお勧めのレストランを教えてもらいました。


    ↑本日の宿、HOTEL Plaza Delicias。一泊47.5ユーロとリーズナブルながら、駅前すぐで非常に快適なホテルでした。

    サラゴサ・デリシアス駅から中心部までは約3kmほど離れているので、ぼちぼち歩いて行くことにします。一旦駅に戻り、東側の出口から出ることにしました。


    ↑駅の中にある、鉄道利用者向け会員制ラウンジ。なんだか高級感が漂っています。



    ↑駅の東側に出てきました。真新しい遊歩道には私以外誰も歩いていなくて寂しい・・・。

    炎天下の中を15分ほど歩くと、まずはアルファフェリア宮殿に到着。ここは11世紀にイスラム王朝によって建てられた宮殿で、改装はされているものの、装飾に当時の面影が残っていました。


    ↑堀に囲まれたアルファフェリア宮殿。石造りの重厚な外観です。



    ↑装飾にイスラムの影響を色濃く感じます。


    ↑松かさ装飾の格天井が見事です。




    ↑美しい中庭にはオレンジの木が植えられています。

    とても美しい建物だったのでゆっくりと見たかったのですが、昼の見学は14時までだったので、30分程度で慌ただしく見て回りました。この宮殿の一部は現在でも州議会として使用されているようで、そこには入れませんでした。

    このあといよいよサラゴサの中心部に向かいますが、それはまた次回。