2015年11月

    アルザス・リヨン旅行4日目(9/23) その2

    カッツェンタールを出て、さらに北を目指し自転車をこぎ続けます。
    (前回に引き続き、こちらの地図を参考にどうぞ)。


    ↑このあたりは比較的勾配がゆるやかでした。

    やがてキーンツハイム(Kientzheim)という村に到着。ここは村を囲っている城壁がほぼ現存する数少ない村のようです。観光客の姿もそこそこ見かけました。


    ↑この村にもドメーヌがあり、試飲も出来るようでした。


    ↑この村も小さいながら、素敵な街並みが続いています。


    ↑しかし村の西側に出てびっくり。なんと戦車が展示されているではありませんか。ここアルザス地方は第二次大戦の頃フランスとドイツの間で激しい領土争いが起こった場所なので、そのモニュメントなのだと思われます。


    ↑アルザスワインの産地らしく、ここはミュスカ通りと名付けられていました。近くにはリースリング通りもあるようです。

    ミュスカ通りを北上し、次の村まで最短距離で向かうことにしたのですが、この区間はとにかく勾配がきつい!途中からしんどくなって、自転車を押して上っていきます。


    ↑ぶどう畑を見るとその勾配の急さがよくわかるとおもいます。道が舗装されているのが唯一の救い。


    ↑ようやく頂上が見えてきました。道路をみると誰かがチョークでスマイルマークと”FINI”と落書きしていて、ちょっと心が和みます。


    ↑上りきったらあとは下り坂です。このカタルシスがたまらない!!このあたりも収穫作業の真っ最中でした。

    下り坂の先にはリクヴィル(Riquewihr)の村が見えてきました。まずは村の南の外れにある、サント・マルグリット教会を見ることにします。


    ↑教会の外観と内部。完全に地元の人向けの教会という雰囲気でした。

    このあたりは人通りが少なかったのですが、道を先に進むと急に観光客でにぎやかなエリアに突入。ちょうどその道の角にドメーヌがあり、日本人歓迎という文字を見つけてふらっと中に入ってみることに。ヒューゲル・エ・フィス(HUGEL & FILS)というドメーヌだったのですが、応対してくれた若い男の人は日本に住んでいたことがあるそうで、大阪も大好きとのこと。片言の日本語と英語を交えつついろいろ試飲させてもらいましたが、ミュスカは安定のおいしさで、リースリングは悪くはないものの、自分の好みではないなと感じました。また唯一の赤であるピノ・ノワールは、ちょっと酸っぱさが前面に出ていたので、結局一番おいしいと感じたゲヴュルツトラミナーを購入。年数経った方が良さげだったので2009年ものにしました。おまけでソムリエナイフも付けてくれたので、お礼を言って後にします。


    ↑試飲させてもらったヒューゲル・エ・フィスの建物。直売所はこの右側の建物です。


    ↑目抜き通りであるド・ゴール将軍通りに出ると、たくさんの観光客で賑わっていました。ここも結構な坂道になっています。


    ↑ド・ゴール将軍通りを西に向かったところ。奥にドルダーの塔が見えています。この村もかつては城壁に囲われており、この塔が門の役割を果たしていたようです。


    ↑ドルダーの塔を通り抜け、左に曲がると城壁に沿って伸びる細い路地がありました。ここにはいろいろなお店が建ち並んでいます。


    ↑クロンヌ通りから再びド・ゴール将軍通りに出て、今度は東に向かいます。


    ↑ちょうど前を通りかかった屋台でアルザスワインの新酒(Vin nouveau d’Alsace)が2ユーロで売られていたので、思わず購入。

    初めて飲むアルザス・ヌーヴォーは、まだ発酵途中なので濁って少しシュワシュワしており、甘くてとてもおいしかったです。こればっかりは日本で飲めない味なので、記憶に刻みつけるようにちょっとずつ飲みました。付け合わせはソーセージと玉ねぎ、ベーコン、ジャガイモを炒めた物。


    ↑ド・ゴール将軍通りの東の端には村役場がありました。村の中心部はここまでです。


    ↑村役場をくぐった先ではもうぶどう畑が見えていました。日の光を浴びた噴水がとてもきれい。


    ↑目抜き通り以外の細い路地もいろいろ探索してみましたが、ほんと楽しい!このリクヴィルも「フランスの最も美しい村」に選ばれていることに納得です。

    お腹もふくれたので、そろそろ次の目的地に向かうことに。村の西側から出て、12月5日通りを北上したのですが、ここは森の中を通るハイキングルートのような道で、とても急な上り坂だったので自転車を押して上ります。途中から舗装された道に変わり、10分ほど走るとユナヴィル(Hunawihr)という村に到着。ここは特に見るところもなさそうだったので、村はずれをかすめただけでそのまま素通りします。


    ↑眼下に広がるユナヴィルの街並み。


    ↑ぶどう畑には、所々にここで栽培しているぶどう品種の案内板がありました。ここではリースリングを栽培しているようです。


    ↑目的地まではあと少し!

    そしてリボーヴィレ(Ribeauvillé)に到着。ここも観光客が多く、にぎやかな村でした。東西に細長い街並みになっているので、とりあえず端まで行って帰ってくることにします。


    ↑リボーヴィレも本当に美しい街並みでした。人口5000人弱と他の村に比べて人口が多いので、中心部の規模もやや大きかったです。

    ストラスブールやコルマールでは日本人観光客の姿をよく見かけたのですが、さすがに今回回った村々はアクセスが良くないこともあり、日本人に全く遭遇しませんでした。でもアルザスに来たからにはここはほんと見逃して欲しくないなあと思います。本数は少ないですがバスもあるようですしね。

    というわけでそろそろ16時を回ったので、コルマールへと帰ることにします。途中までD416号線を走ってコルマール道路に入り、そのまま側道を南下して帰ろうと思ったのですが、途中で側道が無くなってしまい、どこを走ったらいいのかわからなくなって一瞬途方に暮れました。幸い併走している道があったのでそっちを走ることができたのですが、他にも道はあるのに鍵がかかっていて通れないところがあったり、GPSがなかったらどうなっていたことか・・・。それでもなんとか1時間ほどかけてコルマールまで戻ってくることができました。


    ↑コルマールの入口。アルザスワインの都、というのがしっくりきます。

    市街地に入っても一方通行の道があったりして、翻弄されながらも無事にコルマール駅に到着。レンタサイクル事務所に自転車を返し、楽しかったと伝えると自転車の調子を聞かれました。途中から慣れてはきたものの、やはりギアチェンジはシビアだったなぁ・・・。
    歩いてホテルに帰る途中、リクヴィルで買わなかったピノ・ノワールのワインと、アルザス地方が産地として有名なフォアグラの瓶詰めを購入。フォアグラにはガチョウと鴨の違いがあることをここで初めて知ったのですが、ガチョウの方が高級だとのことで、そちらにしました。

    ホテルに荷物を置き、夕食を食べに出発。目を付けていたレストランは平日にもかかわらず予約で一杯とのことで、もう一軒人気のありそうなMaison Rougeというレストランにダメ元で行ってみると、運良くすんなりと入ることができました。


    ↑なんとこのレストランでもアルザス・ヌーヴォーを発見!アペリティフに頂きましたがやっぱり甘くてうまいなぁ。しかもここで飲む方が1.95ユーロと安いのも意外でした。


    ↑アントレはエスカルゴにしました。塩味は控えめで、パンが良く進む味です。そしてあんまりうまいのでアルザス・ヌーヴォーをもう一杯!


    ↑メインはシュークルート。ここのお店は鉄鍋で出てきて、その場で取り分けてくれます。しかも量が多いので、残りは右奥に置かれたコンロで保温してくれるというサービスがありがたい。ワインはピノ・ブランにしましたが、白ワインらしいしっかりした味でした。


    ↑残りのシュークルートはピノ・ノワールと共に頂きます。このピノ・ノワールはすごくおいしかったので、どのドメーヌの物なのかが気になりました。そしてシュークルートもここはすね肉のようなものも入っていて、ストラスブールで食べたものより格段においしかった。

    食後にエスプレッソを注文し、お会計。37.2ユーロしましたが、そのクオリティには大満足でした。ほろ酔いでホテルに戻り、フロントで翌日使うドライヤーを借りて部屋に戻り、就寝。さすがに一日中自転車に乗っていたので、ぐっすり寝られました。

    翌日はコルマールを出て次の目的地、リヨンに向かうのですが、それはまた次回。

    アルザス・リヨン旅行4日目(9/23) その1

    6時に起床し、まずはたまった衣類の洗濯を済ませます。途中外から雄叫びのような声が聞こえてきてびっくりしましたが、向かいの公園で朝早くからスポーツのイベントが開かれているようでした。このホテルは部屋にドライヤーが常備されていないのでフロントに借りにいったのですが、連泊でもその都度いちいち返さないといけなくて、めんどくさいなあと思いつつ外出。外はちょっと寒かったのですが、今日は自転車に乗る予定だったので荷物を増やさないよう、あえて上着は着ないことにしました。まずは自転車を借りるため、歩いてコルマール駅へ。


    ↑朝のコルマール旧市街。今日はめっちゃ良い天気!

    途中のパン屋でアップルパイを買い、駅の自販機でカフェオレを買って朝ご飯にします。


    ↑冷えた体に暖かいカフェオレが染みわたります。アップルパイも甘めですがおいしかった。

    再び駅を出て、昨日チェックしておいたレンタサイクル事務所へ。トレッキングバイクを一日借りることにしたのですが、料金12ユーロのほかに保証金150ユーロがいるとのことで、そんな大金は持ち合わせていないのでカードを使うことにします。もちろんちゃんと自転車を返せばあとで戻ってくるのですが、結構な金額ですね・・・。

    無事に自転車も借りられたので、いよいよサイクリングスタート。まずはコルマールの南西に位置する、エギスアイム(Eguisheim)という村に向かいます(今回巡った場所については、こちらの地図を見ながら読むとわかりやすいと思います)。
    借りた自転車はベルが壊れている上にギアの調子も悪く、アスファルトの道ではスピードも出ないので普通のシティバイクを借りた方が良かったかな、と思ったのですが、このあと砂利道を走ったりしたので、トレッキングバイクを借りて正解でした。まずはD30号線をひたすら南下したのですが、ここは車も多いので走るのに気を遣います。エギスアイムまでは約6kmの道のりなので、20分少々で到着。


    ↑村の外には牧場があり、のんびりした雰囲気が漂っています。


    ↑借りたトレッキングバイク。ギアの調子の悪さは、乗ってるうちに慣れてきました。


    ↑ここエギスアイムは、2006年に「ヨーロッパ花の町コンクール」で金賞に輝き、「フランスの最も美しい村」にも選ばれている素敵な村です。入口にはそのことを示す看板が立っていました。

    村の中心部は、住民以外は車の進入禁止となっており、ゆっくり歩いて見て回ることができます。地図を見ればわかるようにこの村は円形になっていて、中心部を取り囲むように住宅が建ち並んでいました。その家々にも色とりどりの花が飾られていて、とっても素敵な村です。


    ↑特に外周の細い路地沿いに建ち並ぶ家々が美しい・・・!まるで夢の世界にいるようです。コルマールも美しい街でしたが、ここを見てしまうとちょっと霞んでしまうぐらいのインパクトがありました。


    ↑自転車押しながらなので少々手ぶれしていますが、動画だとより雰囲気が伝わると思います。


    ↑このあたりはコウノトリで有名らしく、コウノトリの巣の飾り物もいろんな所にありました。


    ↑外周を一周したので、村の中心部へ。ここには聖レオン9世の礼拝堂があります。


    ↑礼拝堂内部。ここエギスアイムは11世紀のローマ教皇・レオ9世の生誕地だそうで、それをモチーフに作られているようです。内部は薄暗かったのですが、後から知った情報によると、どうやらお金を入れるとライトアップされるようです。


    ↑この村の人が日常的に礼拝する教会がこちらのサン・ピエール・エ・ポール教会。装飾はシンプルですが、ステンドグラスはなかなか立派でした。


    ↑アルザス地方は木組みの家ももちろんですが、お店の看板も素敵なものがたくさんありました。


    ↑村の中心部を別の角度から。この写真が個人的ベストショット。


    ↑広場の中央に建つのはおそらくレオ9世の像でしょう。

    まだ先は長いので、そろそろ村を後にして、再び自転車に乗って北上します。村の北側にはアルザスワインのぶどう畑が一面に広がっていました。


    ↑丘を上がるとそこは一面のぶどう畑!


    ↑アルザスワインは白ワインがほとんどですが、ブドウの品種はいろいろあってこのように果皮が赤っぽいぶどうもあります。ただしどちらも白ワイン用の品種です。一粒頂きましたがとにかく甘く、これは良いワインになるだろうなーと思いました。


    ↑ちょうどヴァンダンジュ(ぶどうの収穫)の時期だったようで、至る所で収穫作業を見ることができました。


    ↑トラクターのかごの中には収穫されたばかりのぶどうがいっぱい!


    ↑さらに丘を上っていくと、だんだん砂利道になってきました。トレッキングバイクにして本当に良かった。


    ↑360度見渡す限りぶどう畑が広がっています。


    ↑さらに北上すると道は下り坂にさしかかり、そこを一気に駆け下りるとテュルクアイム(Turckheim)という村の入口に到着です。


    ↑テュルクアイムにはコルマールから伸びるフランス国鉄の支線の駅があります。架線がないので気動車が走っているようです。


    ↑村の南側の入口、フランス門前にあるホテル付きレストラン、Auberge de La Comtesse。ツタの絡まる外観がとてもおしゃれ。


    ↑そしてこれがフランス門。かつてテュルクアイムは城壁に囲まれており、フランス門はその頃の名残です。


    ↑テュルクアイムの旧村役場。16世紀頃の建物のようです。


    ↑サン・タンヌ教会の内部。エギスアイムの教会よりは規模が大きい印象です。


    ↑François Baurというドメーヌ(ワイナリー)の販売所。ワインの試飲もできるようです。


    ↑この村にも素敵な看板のお店がたくさん建ち並んでいます。


    ↑テュルクアイムの三つ星ホテル。最高が五つ星なので中級ホテルですが、外観が素敵。

    ちょうど正午になり、教会の鐘が鳴り響きます。そろそろ次の村へと向かうため、テュルクアイムを後に。北の方角には小高い丘がそびえているので、それを避けるべく村の東側から北上することにしました。


    ↑ちょうど東西の丘の間をすり抜けるように道はのびています。ここも一面のぶどう畑!


    ↑上り坂はきついですが、とにかく走ってて気持ちいい!!


    ↑カッツェンタール(Katzenthal)という村に到着。この村でもぶどうを収穫しているようで、ぶどうを搾った後の枝がトラクターに積まれているのを見かけました。

    アルザスのぶどう畑巡りはまだまだ続きますが、それはまた次回。