2015年8月

    アルザス・リヨン旅行2日目(9/21) その2

    Musee de l’Auto電停から100mほど歩くと、国立自動車博物館に到着。入口は何だかモダンな印象でした。


    ↑博物館の入口はガラス張りで、左側に何かが宙づりになっているのが見えます。


    ↑近づいてみると、それが自動車のモックアップだとわかります。建物にめりこんでいるように見えるものも。

    入口で入場料11ユーロを払い、博物館の中へ。内部はとにかく自動車がいっぱいで、特にレトロカーが好きな人にはたまらない展示内容だと感じました。私は自動車に関してはほんとに疎いので、どれがすごいのかよくわからないままにひたすら写真を撮りつつ先へ。


    ↑初期の自動車は、馬車に毛の生えたようなものが多いという印象を強く受けました。


    ↑100年以上前のベンツ、メルセデス、そしてロールス・ロイス。


    ↑ハーレー・ダビッドソンも展示されていました。


    ↑1930年代になると、いろいろとオシャレなデザインの車が登場してきます。特に3枚目のArzensはとても近未来的。


    ↑1952年のフェラーリ。やっぱりフェラーリと言えばこの赤ですね。


    ↑シトローエンのクーペ。このあたりになると、映画で見たような車のイメージがあります。


    ↑自動車の誕生とともに、自動車レースの歴史もスタートしています。初期のレーシングカーはほんとにかわいらしいイメージですが、だんだん現代のものに近づいていきます。


    ↑そしてその先にあったのはセガのレースゲーム(笑)。

    これで終わりかと思いきや、展示はまだまだ続きます。なんせ展示台数400台以上というのですから、じっくり見てたら日が暮れてしまいそうです。あまりに広いので、場内をバスで巡るツアーもあるみたいでした。


    ↑こちらは高級車がずらり。1930年代のマイバッハに、ロールス・ロイス。


    ↑自動車のボンネットについているフードマスコット。これって元々はラジエーターキャップだったんですね。知らなかった・・・。


    ↑こういうエンジンに関する展示もありました。

    博物館には他にもいろいろな体験コーナーがありましたが、一人で参加するのもちょっと気が引けたので、展示物だけ見て外に出ることに。しかし外は雨が降り出していて、少々肌寒くなっていました。今日は雨が降ると予想して博物館巡りの日にしたので、まあ予想通りではあったのですが、やはりいざ降られるとテンションが下がります。早いことトラムに乗って中心部に戻りたかったのですが、電停に着くと間の悪いことにちょうどトラムが発車した直後だったようで、次のトラムまで18分待ちぼうけ・・・。

    しばらくしてやってきた1系統の中央駅行きトラムに乗り、途中のPorte Jeune電停で下車。このあたりがミュルーズの中心部っぽい雰囲気の場所でした。ここから少し歩いて、サン・テティエンヌ寺院を目指します。寺院前の広場ではバザーが開かれていたようですが、折からの雨でえらいことになっていました。


    ↑サン・テティエンヌ寺院に入ると、まずは天井からつり下げられたよくわからないモニュメントが目に付きました。なにやら展示会をしているようなのですが、詳細はよくわかりませんでした。奥にはオルガンも見えます。


    ↑ここで何より目を奪われたのはステンドグラス!装飾が細かくて本当に美しい。


    ↑二階席にも上れたのでそこから1枚。ここからだとステンドグラスも間近に見られました。


    ↑あいにくのお天気でしたが、サン・テティエンヌ寺院を正面から。ここがおそらくミュルーズの大聖堂的な場所に当たるのだと思われます。

    列車の時間もあるので、そろそろ駅に戻ることに。ここからなら歩いても大した距離ではないので、雨の中歩いて向かいます。


    ↑駅前すぐの所にある円形の集合住宅。小道に同心円が描かれていて、ちょうど中心に立つと360度ぐるっと住宅を見渡すことができます。おもしろいですが、間取りがどうなっているのか気になりました。


    ↑ミュルーズ駅前まで戻ってきました。行きしなに乗った黄色いトラムの他に、フランス国鉄のロゴの入ったトラム・トランも停車中。トラム・トランとは、路面電車がそのまま鉄道線に乗り入れる形式のことを指します。

    駅に着いて切符を買ったまでは良かったのですが、肝心の列車が思ってたより30分あとの発車だったので、だいぶ時間が余ってしまい、駅の本屋で本を買ったり、自販機でコーヒーを買って飲んだりして暇つぶし。待合所にはピアノが置いてあったのですが、そこでアナと雪の女王の”Let It Go”を弾く若者がいたりして、なんだかおもしろかったです。

    帰りの列車はTERではないのに所要時間があまり変わらない感じだったので、どんな列車がやってくるのかと思っていたら、スイス・バーゼル発ベルギー・ブリュッセル行きのIntercitésがやってきました。車両はベルギー国鉄のもので、車内は6人用のコンパートメント席でしたが、他に乗客もいなかったので、一人で座ることに。しばらくするともう一人乗客がやってきましたが、それでもがらがらのまま、列車は発車しました。


    ↑案内盤とコンパートメント席。日本ではあまり見かけないタイプの座席なので、これに乗るとヨーロッパに来たなあという感じがしますね。

    最初がらがらだった座席も、次のコルマール駅でたくさん人が乗り込んできて一気に満員になり、通路に座る人も出てくる状態に。その次のセレスタ駅でも乗客が増え、大荷物の人もいたのでこのままみんなフランスを超えるのだろうかと思っていたら、結局ほとんどの乗客がストラスブールで降りていきました。人が多いせいか結局途中検札はなく、私もここで下車します。


    ↑乗ってきたベルギー鉄道の車両。そこそこ年季が入っていそうな車体です。

    相変わらず外は雨なので、ホテルまではトラムを使うことに。最初トラム乗り場は外にあるものとばかり思っていたのですが、実際には地下にありました(一部地上発着の系統もあります)。雨の日には濡れずに乗れるので助かりますね。券売機で24時間有効の切符を買って、トラムを待ちます。


    ↑これが地下にある中央駅電停。こちらもなかなかモダンな印象です。

    トラムは次の電停で地上に出て、その次がホテルのあるクレベール広場最寄りのHomme de Fer電停でした。一旦ホテルに戻り、荷物を整理しますが、外の雨はひどくなる一方なので、雨脚が収まるまで自室で休憩。その後やっと小降りになってきたので、ホテルを出たのですが、雨は降っているもののまだ外は明るかったので、トラムD線を再び中央駅方面に乗って時間をつぶすことにします。中央駅を過ぎたトラムはどんどん郊外へと向かっていきますが、乗客は全く減らず、結局終点のPoteries電停まで乗り通す人が多かったです。ここから先さらにバス路線が郊外までつながっているので、それに乗り換える人もいました。再び逆方向のトラムに乗って中心部まで戻りましたが、こちらも割と乗客が多かったです。

    Porte de l’Hôpital電停で下車後イル川を渡って中心部に入り、晩ご飯を食べる予定のLe Gruberへ。ここはアルザス名物のタルト・フランベが名物のお店で、キャパも大きいので観光客がたくさんいました。ここではせっかくなのでタルト・フランベづくしのコースを注文。


    ↑Le Gruberの周辺には、他にも素敵なお店がたくさん並んでいました。


    ↑タルト・フランベとは、要するに薄焼きピザのような食べ物なのですが、まずはマッシュルームとタマネギの乗ったタルト・フランベから。ワインはアルザス地方の発泡性白ワイン、クレマン・ダルザス。

    タルト・フランベははじめて食べましたが、生地が薄くてクリスピーなので、クリームソースと相まってとてもおいしかったです。クレマン・ダルザスもあまり冷えていないのが気になりましたが、この季節にはぴったりですね。


    ↑2皿目はベーコンとタマネギの乗った、トラディショナルなタルト・フランベ。いくら生地が薄いとは言え、さすがにこの大きさの物を丸ごと一枚食べると、結構お腹が膨らむとともに少し飽きてきますね。そしてタルト・フランベは木のまな板のような出すのが一般的なようです。


    ↑途中でピノ・ノワールの赤を追加。グラス3ユーロで、たぶんアルザスワインだと思うのですが、こちらもおいしかった。


    ↑そしてデザートももちろん、タルト・フランベ!こちらは焼きリンゴにカルヴァドスとシナモンで風味付けしたもので、食べる前はどうなんだろうと思ったのですが、案外おいしくてぺろっと食べられました。

    食後はエスプレッソを頂こうとUn café, s’il vous plaît.と注文すると、エスプレッソかどうか念押しされたので、やはり観光客が多いのでしょうね。さすがに肉料理とかがなかったので、今日は25ユーロ程度で済みました。
    帰りは雨も上がっていたので歩いて帰ったのですが、途中大聖堂がライトアップされていたので、ちょっと寄り道。


    ↑ライトアップされた大聖堂。といってもやや暗いのでちょっと怖いかも。

    21時頃にホテルに戻り、ほどなく就寝。雨はまた降り出しているようでした。

    翌日はコルマールの街へと移動するのですが、それはまた次回。

    アルザス・リヨン旅行2日目(9/21) その1

    時差ぼけのまま朝7時頃に起き出し、シャワーを浴びて目を覚まそうとしますが、お湯の出が悪くてどうもすっきりしません。おまけに窓のカーテンをつるしているカーテンレールを引っかける金具のネジが緩んでいて、カーテンを開けたとたんカーテンレールごと降ってきたりでテンションはだだ下がり・・・。このホテルでは朝食が出ないので8時半過ぎに出発しましたが、雨を覚悟していた割には良い天気で助かりました。しかし半袖では思っていたよりも寒かったので、長袖の方が良かったかなとちょっと後悔。

    今日はまず列車で南に100kmほどのところにある、ミュルーズという街へと向かいます。駅で切符を買い、刻印機で刻印を入れてホームへ上がると、もう列車は来ていました。列車がどっち向きに進むか予想がつかなかったので、他の乗客を見て判断しましたが、当たっていたようでほっと一安心。定刻の8:51に出発した列車は1時間足らずでミュルーズに着く予定だったので、距離の割にずいぶん早く着くんだなあと思っていましたが、途中とにかく飛ばす飛ばす。気になってGPSを見てみると、なんと200km/hも出ているではありませんか。在来線の快速列車で200km/h出す列車があるということにまず驚きましたが、あとでこの区間の時刻表をもらったので見てみるとTER200と書いてあり、200km/h運転することが明記されていました(Wikipediaによると、どうやらTER200はアルザス地方にしか走っていないようです)。列車は途中2駅に停車し、それなりに人も乗ってきます。このあたりには線路際までアルザスワイン用のぶどう畑がひろがっていました。

    結局定刻よりも早くミュルーズ駅に到着。早すぎて駅直前ではずいぶんノロノロ運転でした。この先列車はバーゼル=ミュルーズ空港のあるサン・ルイを経由して、スイスのバーゼルまで行くようです。


    ↑ミュルーズ駅に停車中のTER200の客車。フランス国鉄のTERはだいたい車両に地域名が書かれているのですが、ここはとにかく派手に描かれていました。


    ↑発車案内を見ると、パリ行きのTGVなども発着していることがわかります。また駅前から発車するトラム経由の路線も載っているので、初めて見る人は混乱するかも。

    ここから先はトラムに乗るつもりだったのですが、乗る予定だった3系統のトラムは目の前で出てしまい、日曜日なせいか次のトラムは30分後でした。まあどのみちまだ朝ご飯を食べていなかったので、駅構内のカフェに立ち寄ることにします。ここはわかりやすい朝食のセットがあったので、注文が楽で助かりました。先にお会計を済ませ、席で待っているとエスプレッソとパンが運ばれてきます。


    ↑エスプレッソとクロワッサン(またはパン・オ・ショコラ)のセットで2.9ユーロでした。迷わずパン・オ・ショコラを選びましたが、出来れば暖めて欲しかったなあ。

    店員のおばさんがずいぶんお茶目な人で、帰り際に手を振ってくれたりしました。地方だとこういうのんびりした空気が流れているのが良いですね。


    ↑ミュルーズ駅の駅舎。比較的新しい印象です。


    ↑前日飲んだ、クローネンブルグ1664の広告。日本で言うとアサヒやキリンの広告があるようなイメージでしょうか。

    トラムに乗る前に電停の券売機で切符を購入。DUOという2回分使える2.7ユーロの切符にしました。トラムはすでに停車していたので乗って発車を待つことにします。


    ↑トラムの車内。乗客はまばらでした。

    ほどなくしてトラムは発車。3系統のトラムは途中ミュルーズの中心部を経由し、その後フランス国鉄の線路と併走していました。車内では次の電停の案内が流れる前にSEが流れるのですが、キュピーン!みたいないかにもなシンセ音で、このセンスはなんなんだろう・・・と苦笑してしまいました。一応電停ごとに別のSEだったので、わかりやすくするためなのでしょうか。
    そして10分少々で目的地であるMusées電停に到着。まだ新しい感じの電停の周りには、ただ道があるだけで他に何もない寂しい所でした。


    ↑Musées電停の様子。トラムの右側をフランス国鉄が走っています。

    電停を進行方向に向かって左に出て、つきあたりを右に曲がると目的地である鉄道博物館が見えてきます。トラムが出来たおかげで、ここへのアクセスはずいぶん楽になったようです。


    ↑鉄道博物館は正確にはシテ・デュ・トラン(Cité du train)といいます。外観がとにかく派手ですね。


    ↑博物館前に飾られている蒸気機関車。

    入口で入場料5ユーロを払って中へ。オーディオガイドも借りましたが、ほとんど使いませんでした。中は暗くて、車両はかっこよく見えましたが写真を撮るのに一苦労します。


    ↑バカンス列車や貴賓車など、さまざまな車両が展示されています。


    ↑蒸気機関車の数々。なぜか青くライトアップされていました。


    ↑地下鉄の車両。照明が白熱電球なので、何だかムーディーです。


    ↑国際寝台車会社のパリ・ボルドー急行の車両。国際寝台車会社はオリエント急行で有名な会社で、このパリ・ボルドー急行も豪華な内装が印象的でした。


    ↑一方、普通の客車はこのように質素なつくりです。

    次の展示館に行く前に、屋外展示場も見ていくことにします。


    ↑屋外展示場。ここでの展示のために派手に塗り直された電気機関車もありました。


    ↑鉄道博物館とかでよくあるミニ鉄道。しかし日本と違うのは、子供だけでなくお年寄りもこういう乗り物に楽しんで乗っている点でしょうか。


    ↑鉄道博物館の真横を通過していくフランス国鉄。ストラスブールからミュルーズに向かう途中ここを通過します。

    屋外展示場を見終わったので、では次の展示館に行くか、と思ったのですが、どこを探しても入口が見つかりません。ようやく見つけた入口はなぜか封鎖してあり、そこに書かれているフランス語をよくよく読むと、どうやら9月12日から工事のため閉鎖中のようです。うわー、せっかくここまで来たのに!とがっくりしましたが、仕方が無いのでお土産を物色して博物館を後にすることに。入場料が思ったより安かったのも、あとから考えるとそのせいだったようですね。ちなみに入れなかった展示場では、鉄道の技術や設備に関する展示が中心で、特に機関車に関する展示が充実しているようです。

    結局思ったよりも早く博物館を出てしまったので、出口で何気なく手に取ったパンフレットに書いてあった、国立自動車博物館にも足を伸ばしてみることに。一旦トラムで市中心部に戻り、1系統のトラムに乗り換えてMusée de l’Auto電停で下車すると、すぐ近くに博物館がありました。


    ↑Musée de l’Auto電停もまだ新しくてきれいでした。軌道が芝生になっていて、見た目にも美しい。

    このあと国立自動車博物館を鑑賞するのですが、それはまた次回。