2014年9月15日

    南ドイツ・オーストリアの旅7日目(8/23) その1

    目覚ましをセットしていた7時より前に目が覚めていましたが、身支度やら何やらしているうちにいつの間にか9時前に。今日のホテルは朝食が別料金だったのですが、5.9ユーロとそれほど高くなかったので朝食付きのプランにしていました。食堂に行くと日本人夫婦とその娘さんが先に朝食を食べていましたが、娘さんが音楽留学をしているような雰囲気で、そのにじみ出るハイソなオーラにやられそうになります。


    ↑今日の朝食。なかなか充実していておいしかったです。奥に見えるゴマの乗ったパンはカイザーゼンメルという名前で、上下半分に切って中に何かを挟んで食べるのが定番のようです。

    今日は天気があまり良くないので一日博物館巡りをすることにします。日差しがないせいか、外に出るととにかく寒い!あわてて上着を引っ張り出してきて着ることにしました。博物館に行く前に、まずはホテル近くのスーパーでおみやげを少し物色し、有名なハリボーの大袋を購入。それからニュルンベルク交通博物館に行くことにします。


    ↑交通博物館の外観。入口はこの反対側にあります。

    交通博物館についてはWikipediaが詳しいですが、DB博物館と通信博物館からなる施設で、まずはDB博物館の方から見ていくことにします。ドイツの鉄道は1835年にここニュルンベルクと隣町のフュルトを結ぶバイエルン・ルートヴィヒ鉄道から歴史が始まったので、DB博物館もそれを記念してニュルンベルクに置かれているわけです。平日の午前中ということもあり、入館者も少なかったのでゆったりと見ることができました。


    ↑蒸気機関車の模型など。


    ↑ルートヴィヒ2世のお召し列車。まさに走る貴賓室。


    ↑プロイセン邦有鉄道の蒸気機関車G3号。黒と緑のコントラストが美しい。


    ↑ドイツ初の蒸気機関車であるアドラー号のレプリカ。ちょっとかわいらしいデザインに思えます。


    ↑そのすぐ隣に対比するように置かれているのが、最新鋭のICE3のモックアップ。運転台が近未来的でかっこいい。


    ↑ミュンヘンの南にあるオーバーアマガウへの旅行を宣伝するポスター。時刻表が付いています。


    ↑第一次大戦後にドイツがハイパーインフレに陥った頃の紙幣。10億マルク札や5兆マルク札などという超高額紙幣が見えます。


    ↑プロペラ付きの試作車両、シーネンツェッペリン。航空機用エンジンを搭載し、230km/hを記録するなど画期的な車両でしたが、混雑する駅構内にプロペラをぶん回して進入することの危険性等のため、量産には至りませんでした。今見るとほんとにトンデモ車両ですね。走行時の映像がYouTubeにあがっています。


    ↑この時代はまた、世界的に流線型車両がはやった時期でもありました。日本でも関西急電用の52系電車などがありましたが、ドイツのこの車両は今見ても鏡面仕上げの外観が斬新で、少しも古さを感じさせないのがすごい。しかもこれ、電車ではなく蒸気機関車だというのも驚きです。

    第二次大戦後からの展示は2階に続いているので、階段を上がって2階へ。するとここには鉄道模型の展示室があり、ちょうど係員が模型の運転をしていたので、見ていくことにしました。模型といっても操作しているのはどう見ても本物の制御盤で、おそらく実際に使われていたものではないでしょうか。あまりにかっこよかったので、しばらく釘付けになりました。


    ↑鉄道模型運転の様子。ちょうど終了間際だったので、電車が次々と所定位置に停車していく様が見られます。


    ↑細部まで作り込まれたジオラマ。


    ↑運転指令所にありそうな制御盤がかっこいい!

    さて、メインの展示は戦後に入りますが、ドイツが東西に分裂した影響で、鉄道会社も西ドイツのドイツ連邦鉄道(DB)と東ドイツのドイツ国営鉄道(DR)に分裂してしまいます。2つの会社がそれぞれ独自の発展を遂げていく様子が展示内容からも伺えました。


    ↑東西ドイツの各鉄道会社の概況。


    ↑ドイツ連邦鉄道のICE試作車が1988年5月1日に達成した世界記録406km/hの証明書。


    ↑ニュルンベルク-フュルト間で使われていた自動券売機。


    ↑かつて存在した女性子供専用車の様子。

    展示を見ていると、ドイツのハンブルクからデンマークのコペンハーゲンを結ぶ渡り鳥コースというルートがあり、途中列車ごとフェリーに乗せてそのまま対岸まで渡ってしまうようです。これは今でも運行しているようなので、乗ってみたいなあと思いました。

    そして東西ドイツ統一で展示は終わり、続いて3階に上がるとそこは通信博物館でした。通信博物館はその名の通り通信の仕組みを学べる博物館になっていて、まずは音の伝わる仕組みや目の見える仕組みなどの解説から始まって、電話機の展示へと続きます。


    ↑昔の電話ですが、このデザインはなかなかかっこいい。


    ↑電話の体験装置。手前の電話機にはそれぞれ4桁の電話番号が振られていて、ダイヤルすると実際に奥の電話交換機(おそらくステップ・バイ・ステップ交換機)が作動して目的の電話機を呼び出すことができます。


    ↑電話交換機が動作している様子。メカニカルでとてもおもしろいので、つい電話をかけまくってしまいました。


    ↑ロシア語タイプライター。ロシアらしい無骨なデザインです。

    それから郵便関係の展示が続きます。ここではカプセルに入った郵便物が建物内に張り巡らされたチューブの中を通って高速に移動する体験ができたのがおもしろかったです。これはおそらく郵便局内での郵便物移動に使われていたのだと思います。


    ↑切手とはがきの自動販売機。郵便関係の色は日本だと赤ですが、ドイツでは黄色が使われています。

    そのあと子供向けの施設があり、トレインシミュレータなんかもあったのですが、さすがに子供に交ざってやる勇気はなかったので、おとなしく後にします。最後に入口横のおみやげ物屋で何を買おうかさんざん悩んだ末に、マグカップとネックストラップを購入。本当は掛け時計も買いたかったのですが、大きすぎて持ち帰るのに難儀しそうだったので泣く泣くあきらめました。

    しかしDB博物館の展示はこれで終わりではなく、まだ場外にも展示場があります。こちらは入場料なしで誰でも見られるようになっているのですが、なかなかの規模でした。


    ↑先ほどパネルで見た流線型の蒸気機関車、05 001号の本物。一部外装は外されているものの、やはりこうして見てもかっこいいと思います。


    ↑こちらも赤を主体とした流線型の目立つデザインの電気機関車。


    ↑ここから先は屋外展示場です。左側に見える信号所にもいろいろな展示物があります。


    ↑かつて使われていた反転フラップ式案内表示機。今でも使われてるところはあるのでしょうか。


    ↑手動転轍(てつ)器。これは信号所にも実物があったので実際に動かしてみましたが、めちゃくちゃ重いです。


    ↑駅舎と信号機の展示。信号機も実際に操作できるようになっていました。

    これでDB博物館の展示はすべて終了です。しかしあんまりおもしろかったので気付いたら4時間以上経っており、博物館を出たときにはもう14時を回っていました。そのあと朝も立ち寄ったスーパーにもう一度行き、チョコの詰め合わせやビール、そしてたまたま見つけて思わず買い物かごに入れてしまった、TI製の電卓を購入し、一旦ホテルの自室に戻ることにします。

    このあとゲルマン国立博物館を見学に行くのですが、それはまた次回。