2013年11月4日

    南ドイツ・オーストリアの旅1日目(8/17) その2

    インスブルック中央駅に到着後、まずは駅を出る前に観光案内所でインスブルックカードを購入することにします。これは市内交通が乗り放題になる他、ロープウェイや博物館等にも利用できるフリーパスです。特にインスブルックではハーフェレカーという山の上の展望台に向かうロープウェイが往復で27ユーロするので、24時間限定ながら31ユーロで買えるインスブルックカードを利用しない手はありません。購入後さっそく使用開始日時を記入するように言われたのですが、ヨーロッパでは年月日の順番が日本と違って日/月/年だったことを思いだし、とまどいながら記入。

    駅を出て、まずは今日泊まるホテルへ。バスかトラムに乗ろうかとも思ったのですが、路線がややこしそうだったので歩いて行くことにします。インスブルックは高い山に囲まれた地形なので寒いと思っていたのですが、意外とそうでもなくむしろ日なたは汗ばむ陽気でした。10分少々歩いてホテルに到着後チェックインを済ませ、まずは荷物を置いて小休止。エアコンはないですが部屋の鍵も電子式で、値段の割には快適なホテルでした。しかし公共エリアで使えると書いてあったWi-Fiが使えず、そこだけがマイナスポイントです。とりあえずWi-Fiはあきらめて、市内観光に出かけることに。


    ↑ホテルの目の前を走る1系統のトラム。まだ新しい真っ赤なボディがかっこいい。

    まずはホテル近くの電停から1系統のトラムに乗り、市内中心部のマリア・テレジア通りへ。車内ではいきなり日本人のおばさまたち(関西弁)と乗り合わせてしまい、なんでここまで来て・・・と思わずにはいられませんでした(笑)。マリア・テレジア通りは歩行者天国になっていって、インスブルック随一の目抜き通りのようです。ここには大道芸をする人たちも集まっていて、とてもにぎやかでした。


    ↑アルペンホルンを吹く人たち。吹くのが難しそうで時々音程が怪しかったですが、迫力のある音色です。


    ↑マリア・テレジア通りから北側。ここからも山がすぐそばに見えます。


    ↑つきあたりに見えるのが旧市街の象徴・黄金の小屋根。観光名所としてはややがっかりな感じかも・・・。


    ↑黄金の小屋根から東へ出たところ。市内ではあちこちで観光用の馬車をみかけました。左側に見える建物は王宮です。

    というわけで、王宮に入ってみることにします。残念ながら内部は撮影禁止だったのですが、天井画がすばらしい大広間には、鑑賞するための鏡が置いてあったりしました。また、部屋の壁紙や調度品がピンク色や水色で統一された部屋も、おしゃれな雰囲気です。しかし部屋毎の解説はドイツ語のみで、オーディオガイドも借りなかったので詳細はわからず、雰囲気だけ楽しんで外へ。

    それからすぐそばにあるチロル民族博物館へ。こちらはチロル地方の庶民の生活に関連する展示物が中心で、これまた数が多いので飛ばして見ていくことにします。農家の一室を移築した部屋もあり、ここが一番おもしろいと感じました。



    ↑移築された部屋。まるで映画か何かに出てきそうな雰囲気です。

    博物館の中を歩いていると途中にドアがあり、そこを開けるといきなり隣にある宮廷教会の上部に出ました。いきなり目の前に広がった光景にびっくりしましたが、上からの眺めもなかなか良いものです。その後あらためて回廊を通って宮廷教会に入ってみることに。


    ↑宮廷教会の回廊。もともと博物館自体が付属の修道院だった建物を利用しているので、隣接しています。



    ↑宮廷教会は規模は小さいですが、さすがに装飾やブロンズ像が見事です。

    宮廷教会を出て、今度は大聖堂へと向かいます。実は王宮に行く前にも一度来てみたのですが、ツアー客がたくさんいたので、後回しにしていたのです。


    ↑大聖堂の正面入口。ここは噴水のある広場になっており、多くの人でにぎわっていました。



    ↑祭壇付近の様子。色とりどりの大理石が柱や床などにふんだんに使われていて、規模はそこまで大きくはないものの、その豪華さに圧倒されます。



    ↑なによりオルガンが本当にすばらしい!こんなかっこいいオルガンを見たのは初めてでとても興奮しました。パイプの配置といい、青を基調とした色合いといい、素敵。

    このオルガンはぜひ音を聴いてみたかったところですが、残念ながらそれは叶いませんでした。大聖堂を出てから、旧市庁舎の塔に上ってみることにします。残念ながらエレベーターは無かったので、覚悟を決めてらせん階段を上ることに。しかし上から眺めると街の構造が手に取るようにわかりました。


    ↑塔から南側を見たところ。遠く山の中腹に見えるのが、冬季オリンピックなどでスキージャンプ競技の舞台となったベルクイーゼル・ジャンプ台です。今でも世界選手権などで使用されています。


    ↑こちらは西側。川沿いにカラフルな住宅が見えています。


    ↑そしてこれが今上ってきた旧市庁舎の塔です。

    塔を降り、イン川にかかるイン橋の方に行ってみることに。そもそもインスブルックという地名は、「イン川にかかる橋」というところから付いていて、この街の源流はこのあたりになります。


    ↑イン川の様子。前日に雨が降ったせいか、思ったより濁流でした。

    再び橋を戻り、マルクトプラッツへ。近くには出店が立ち並ぶエリアがあり、ビールを飲みたい衝動にかられましたが、もう今日は飛行機の乗り継ぎもあって疲れていて一発で寝そうだったので、やめておきました。それから1系統のトラムに乗り、ホテルの前を通り過ぎて終点のベルクイーゼル電停まで行ってみることに。しかしトラムはなぜか1つ前のシュトゥバイタール電停で車庫のループ線に入り、しばらく車内で缶詰状態に。これは何かおかしい・・・と思っているとループ線を一周して再びシュトゥバイタール電停に停車したのですが、どうやらこの駅で折り返すような雰囲気だったのであわてて下車しました。軌道を見ると工事中だったので、これはどうやら部分運休しているらしいとようやく気づき、仕方なく歩いてベルクイーゼル電停に向かいます。ベルクイーゼル電停からは6系統のトラムがイグルスまで運行しているのですが、1時間に1本しかないのでさっきのごたごたで乗り遅れてしまいました。仕方がないので近くのヴィルテン巡礼教会を見学することに。ここは教会付属の墓地も綺麗に手入れされているのが印象的でした。


    ↑ヴィルテン巡礼教会の外観。市中心部からは少し離れていて、時間も遅いせいか観光客は誰もいませんでした。



    ↑しかしこちらも天井のフレスコ画が見事です。


    ↑オルガンも凝った形で出音が気になります。


    ↑先ほど車内に閉じ込められた、シュトゥバイタール電停のループ線。左奥から先がシュトゥバイタール鉄道です。


    ↑ヴィルテン修道院付属教会。時間が遅かったせいか、中には入れませんでした。


    ↑ベルクイーゼル・ジャンプ台。最初Bergiselの綴りとベルクイーゼルが頭の中で結びつかなくて、どう読むのか悩んでいました。

    まだしばらく時間があったのでホテルの周辺を歩いていると、ちょっと良さげなレストランを発見。夕食を食べにまた市中心部まで出るのもめんどくさかったので、後でここに夕食を食べに来ることにします。

    そろそろ6系統のトラムが来る時間だったので、ベルクイーゼル電停へ。しかしなぜか電停にはバスがやってきて、トラムが来る気配はありません。バスの側面には6系統と表示されていて、これってもしかしてトラムの代替バスなんじゃ・・・と思い至り、乗車することに。どうやらそれが正解だったようで、バスは6系統のトラムの途中駅をいくつか経由しながら山を上っていきます。バスはトラムの終点であるイグルスを過ぎ、パッチャーコーフェルバーンというロープウェイの乗り場が終点のようだったので、ここで下車することに。といってもロープウェイはすでに運行時間が終了しているので、そのまま坂を下りてイグルスの中心部に戻ります。


    ↑パッチャーコーフェルバーンの乗り場。ここを上ることも検討していたのですが、どうしても時間が合いませんでした。

    イグルスの中心部からトラムのイグルス駅は少し離れているので、歩いてそちらに向かうことに。途中の道沿いには高級そうな住宅が建ち並んでいて、なかなかおしゃれなところでした。



    ↑イグルス駅の駅舎とホーム。駅の案内板を見るとどうやらトラムは6~10月の間運休とのことで、登山列車のようなトラムの旅を期待していた私はがっかりです・・・。


    ↑イグルス駅に残るループ線跡。かつて運転台が車両の片側にしか付いていなかった時代に、運行方向を変えるために使われていましたが、今では両運転台が普通なので使われていません。

    帰りはイグルスの中心部からJ系統のバスに乗って帰ることにします。バス停そばの教会では鐘がずっと鳴り響いていて、人が集まってきていたので、どうやらこれからミサがあるようです。バス停でバスを待つ人も意外と多く、この時間から下山する人がこれだけいることに少し驚きました。


    ↑イグルスの中心部。レストランやおみやげ屋などが立ち並んでいます。

    J系統のバスはトラムのように蛇行した経路ではないので、あっという間に下山し、ふもとに到着。このまま乗っていると中央駅まで連れて行かれるので、途中Landessportcenterで下車します。するとすぐ目の前にあるスタジアムから何やら大歓声が聞こえてくるではありませんか。インスブルックにはFCヴァッカー・インスブルックというサッカーチームがあるので、おそらくその試合なんだろうと思いますが、スタジアムの外からでもその熱気を感じ取ることができました。

    少し歩いてオリンピアワールドに移動します。ここはかつて冬季オリンピックでスピードスケートなどの競技が行われた場所です。ここからバスを乗り継いでホテル最寄りまで移動することに。


    ↑オリンピアワールドの建物。中には入ってませんが、スポーツ複合施設になっているようです。

    バスを降り、先ほど目を付けていたレストラン、Riese Haymonへ。テラス席はたくさんの人で賑わっていましたが、入口近くの席がたまたま空いたのでそこに案内されました。まずは食べ物を選ぶ間に飲み物を頂こうと、ラドラーを注文。ラドラーとはビールをレモネードで割ったもので、南ドイツやオーストリアではポピュラーな飲み物です。割っている分アルコール度数も低めで、夏場の一杯目には最高だと感じました。もっと日本ではやってもいい味だと思うんだけどなぁ。


    ↑これがラドラー。300mlを頼んだはずなのに500mlが出てきたので多かった・・・。この味を日本でも再現しようと帰国後試したのですが、今のところスプライトで割るとそれっぽい味になる気がします。

    ラドラーを飲みながら食べ物メニューとにらめっこをしたのですがよくわからないので、店員さんにチロル名物の食べ物はどれか聞いたところ、二つおすすめされました。そのうち一つはウィンナーシュニッツェルというウィーン名物の薄いカツで、これはウィーンに行ったときに食べたことがあったので、もう一つの方を注文。Innsbrucker Herrngröstlという名前だったと思うのですが、仔牛の肉とジャガイモとベーコンの上に目玉焼きが乗った、非常にシンプルな料理でした。それとともにパンも注文しようとしたのですが、店員さんがそれはやめといた方が良いと言われ、勧められたキャベツのサラダを注文することにします。


    ↑これがメインディッシュ。肉料理の方は本当に素朴な味で、おいしいのですがとにかく量が多くてつらかった・・・。キャベツのサラダはカリカリのベーコンがアクセントになっていて、ビネガードレッシングも絶妙で箸休めにぴったり。


    ↑2杯目はカイザービールを注文。オーストリアのリンツという街に醸造所のあるビールです。味もしっかりしていてなかなかうまかった。

    そろそろお腹が限界になってきたので、ジャガイモは少し残してしまいました。あのときパンではなくてサラダを勧めてくれた店員さんには本当に感謝です。そしてお会計24.2ユーロと1ユーロのチップを置いて店を後に。もう金曜朝から通算して丸二日近く動き回っている計算になるのでくたくたでしたが、幸いホテルはここから徒歩2分ぐらいだったので、部屋に戻って即就寝。しかしなぜか0時過ぎにふと目が覚め、なんでだろうと考えたら日本時間の朝7時というと平日いつも起きている時間だと気づき、体内時計すごいなと思ったのでした。

    明日はインスブルック観光の続きをして、音楽の街ザルツブルクへ向かうのですが、それはまた次回。