2013年12月

    南ドイツ・オーストリアの旅2日目(8/18) その1

    時差ボケのせいで熟睡はできず、5時前には目が覚めていました。今日は早朝から行きたい場所があったのでシャワーを浴びて身支度を済ませ、昨日も立ち寄ったシュトゥバイタール駅へ。6:31発のSTB系統のトラムに乗って、終点のフルプメスに向かうつもりだったのですが、電停で待っていると向かいのホームに行き先表示のないトラムがやってきて、そのまま出発していきました。最初は回送電車かと思っていたのですが、よくよく考えるとあれが乗りたかったトラムだったんじゃないかと発車後に気付き、やってしまった・・・と頭を抱える羽目に。次のトラムは30分後でしたが、それに乗ると後の予定が崩れてしまうので、仕方なくほぼ同じ経路を走るST系統のバスに乗ることにします。あらかじめバスの時刻も調べておいて助かりました。


    ↑シュトゥバイタール駅の駅舎。といってもトラムなのでこの中に入るわけではなく、すぐ前の電停から乗車することになります。


    ↑前日も立ち寄ったヴィルテン巡礼教会の墓地。遠くにベルクイーゼルジャンプ台も見えます。

    ヴィルテン巡礼教会前のバス停から6:52発のバスに乗車し、運転手にインスブルックカードを見せましたが、どうやら目的地はインスブルックカードの適用範囲外だったようで、運賃5.1ユーロを支払いました。車両は観光バスのような大型の車体で、発車後アウトバーンのような道に入るととにかく飛ばす飛ばす。しかも走行中すぐ近くに座っていた顔なじみらしい乗客のおばちゃんとずっとしゃべっているので、なんだか不安になります。しかしアウトバーンから見下ろすインスブルックの街は、朝焼けを受けてきらきらしていて、とても綺麗でした。そろそろ降りるバス停が近づいてきているようだったので、念のため運転手さんに降りるバス停を伝えて、バス停に着いたら教えてもらうことにします。そして無事にバス停に到着し、運転手さんにお礼を言って下車。


    ↑下車したFulpmes/Jagerhäuslバス停。周りに何もない、寂しい場所にありました。

    ここから西の方角にトラムの終点、フルプメス電停があるはずなので、歩いて向かうことにします。


    ↑バス停のすぐそばを流れていた小川。


    ↑川を渡るとほどなくしてフルプメスの街並みが見えてきました。


    ↑花を飾ったりして、おしゃれな住宅が多かったです。

    あまり時間に余裕がなかったので、スマホのGPS機能を駆使しつつ、フルプメス駅へと足早に向かいます。若干道に悩みつつもなんとか発車5分前に電停に到着し、券売機で慌ただしく切符を購入してトラムに乗車。



    ↑フルプメス電停の駅舎と、停車中のトラム。昔はシュトゥバイタールからフルプメスまではシュトゥバイタール鉄道という登山列車が運行されていたようですが、今はインスブルック中央駅からトラムが直通しています。


    ↑フルプメス駅発車後の風景。1:20過ぎから車体をきしませながら急カーブを上っていくのが印象的です。(HD画質でお楽しみ下さい)


    ↑走行中の車内の様子。真新しいトラムが山中を走るのがとてもおもしろい。



    ↑トラムの車内。新しくてとても快適です。

    乗客はしばらく私一人きりだったのですが、30分ほど過ぎたところでようやくおじいさんが乗ってきて、あいさつをされました。知らない人同士でもあいさつを交わすこの雰囲気が良いなぁと思いながらさらに20分近く乗車し、今朝トラムに乗り損ねたシュトゥバイタール電停に到着。ホテルへはこの次の電停の方が近いので、そこで下車して一旦ホテルに戻り朝食を頂くことにします。


    ↑ホテルの朝食。オーソドックスなバイキングメニューでしたが、やはりハムや乳製品がうますぎる・・・。

    ハムは結局全種類制覇し、お腹いっぱいになったところで荷物を取りに一旦部屋に戻り、チェックアウト。スーツケースは昼前まで預かってもらうことにして、再び1系統のトラムで市内中心部に向かいます。昨日と同じくマリア・テレジア通りで下車し、ここから街の北側にそびえ立つノルトケッテ連峰に上るのですが、もちろん歩いて上るわけではありません。まずはフンガーブルクバーンという乗り物に乗ってフンガーブルクへ。切符売り場には人が並んでいましたが、インスブルックカードを持っているとカード自体が切符代わりになっているので、改札に直接通して乗ることができました。


    ↑フンガーブルクバーン乗り場。なんだか近未来的な雰囲気です。

    フンガーブルクバーンはケーブルカーなのですが、通常のケーブルカーと違って上りや下り、カーブがあるなど変化に富んだ路線で、それに対応するために車体はケーブルカーに良くある平行四辺形型ではなく、枠組みに客車が観覧車のように吊された独特の形状をしていました。


    ↑始発駅は地下だったので気付かなかったのですが、天井はガラス張りで空が見えました。


    ↑ケーブルカーなので、線路の間にケーブルが通っています。でもカーブとか高低差あるのにこれでちゃんと運行できるのがすごい。


    ↑ふもとからここまで、すでに300mほど上ってきています。



    ↑フンガーブルクバーンの車体。枠組みに吊される構造のおかげで、どんな勾配でも客車は水平を保てるようになっています。


    ↑フンガーブルク駅も近未来的な駅舎でした。


    ↑フンガーブルク展望台近くのレストラン。ここからまだまだ山を上っていきます。


    ↑これから乗るゼーグルーベバーンという名のケーブルカー乗り場。

    10分ほど待って、ようやくケーブルカーがやってきたので乗車。人がいっぱいでとても写真を撮るどころではなかったのですが、ここは結構運行区間が長く、6分以上かけて一気に標高1905mまで上ります。途中眼下に登山客や、自転車で上る人の姿が見えたのですが、徒歩はともかく自転車で上るのはすごいなぁと思いました。終点近くには座席を外されたリフトがあったので、冬はスキー場として営業しているようです。

    ここで最後のケーブルカーであるハーフェレカーバーンに乗り換えです。先ほどと違って同じ建物内で乗り換えられるようになっていました。標高が一気に高くなったせいで外気温が下がり、肌寒さを感じます。


    ↑ここまで乗り継いできたフンガーブルクバーン、ゼーグルーベバーン、そしてこのハーフェレカーバーンを総称してノルトケッテバーンという名前が付いています。車内には案内図が貼ってありました。


    ↑出発前のハーフェレカーバーンから山頂方面を見たところ。標高が高いので木が生えておらず、荒涼としています。ところどころ雪も残っていました。


    ↑ハーフェレカーバーンの車窓からの景色。ずいぶんと高いところまで上ってきました。ふもとにはかすかにインスブルック空港が見えています。

    ハーフェレカーバーンは距離が短く、あっというまにハーフェレカー展望台に到着。標高は2256mと高く、日差しはあるものの風が強くて寒いので、持ってきたジャケットを羽織りました。


    ↑頂上の景色。左下に雪が残っているのが見えます。植物が少なくて真っ白な石だらけの光景が印象的でした。


    ↑おそらくこの上が頂上なのだと思いますが、時間がなかったのでそこまでは行けませんでした。ふもとから歩いてきたとおぼしき登山客もいて、すごいなあと感嘆。


    ↑さらにこの先も岩山をたどるルートがあるようです。


    ↑下から上ってくるハーフェレカーバーンが見えます。


    ↑ふもとに広がるインスブルックの街が一望できて、感動!

    私は立山黒部アルペンルートにも行ったことがあるのですが、標高的には大体ここと同じぐらいな感じなので、見える景色も何となく近いものを感じました。しかしこちらはバスに長時間乗らずとも、ケーブルカーだけで上れてしまうのがすごいところです。人もそこまで多くないので、ゆっくりと大自然を満喫することができました。

    あまり時間が無かったので、今やってきたケーブルカーで下山することにします。


    ↑ハーフェレカーバーンの車体。結構中は広いです。

    そしてまたゼーグルーベバーンに乗り換えです。


    ↑ゼーグルーベバーンからふもとを眺めたところ。右側の曲がりくねった道を歩いている人が多かったです。


    ↑ゼーグルーベバーン下りの様子。6分ほどかけてゆっくりと降りていきます。

    ここでまたフンガーブルクバーンに乗り換えます。持っていったスマホのGPSアプリを見ると、標高が普段見慣れない数値になっていて、高いところに来てるんだなあとあらためて実感。


    ↑フンガーブルクバーンの乗車風景。ケーブルカーとは思えないカーブやアップダウンの連続がおもしろい。でもケーブルカーらしくちゃんと途中で行き違い施設があります。

    あっという間に山登りは終了し、ふもとまで帰ってきました。ここからトラムに乗ってホテルに戻ろうと思ったのですが、目的のトラムが来るまで時間があったので、別のトラムを途中で乗り継いで帰ろうと思い、一旦別の電停へ。しかしここであろうことか道に迷ってしまい、必死で電停を探すはめに。時間ないのにー!!こんなときに限ってGPSは衛星を捕まえられずに現在地不明なままで、とにかく地図と現在地を照らし合わせてなんとか電停がある方向を把握し、ダッシュで向かいます。電停に着くとちょうどトラムがやってきたところだったので、ギリギリセーフでした。あぶねえ・・・。

    ホテルに戻り、預けていたスーツケースを受け取って、インスブルック中央駅に向かいます。トラムやバスを乗り継ぐより歩いて行った方が速いと思い、行きと同じように歩いていくことにしました。


    ↑中央駅駅前の風景。何度見てもこのビルの背後に高い山がそびえる風景は絵になるなぁと思ってしまいます。

    中央駅では地下の売店でコーラを買い、ホームへと向かいました。
    このあと列車でモーツァルトが生まれた音楽の街・ザルツブルクへ向かいますが、それはまた次回。