2007年11月19日

    北条鉄道・三木鉄道

    JR加古川線にはかつて高砂線、三木線、北条線、鍛冶屋線という4つの支線がありました。このうち高砂線と鍛冶屋線はすでに廃線となり、北条線と三木線はそれぞれ第三セクター方式の北条鉄道・三木鉄道となって存続しています。しかしそんな三木鉄道も経営難から来年3月末で廃線となることが決定してしまいました。個人的にずっと乗ってみたいと思っていた路線だったのですが、廃線と聞いたからには乗っておかなければ、と思い乗りに行くことにしました。

    現地へはJRで行った方が速いのですが、せっかくなので神戸電鉄も全線制覇してしまいます。まず阪急に乗って新開地駅に行き、そこから神鉄に乗りかえて終点の粟生まで向かうことにします。

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    ↑粟生行き普通列車。日中は粟生まで30分に1本程度ですが、2駅手前の小野までなら15分に1本あるので、割と本数は多いです。

    新開地11:00 – 粟生12:05(神戸電鉄粟生線・普通粟生行き)
    神鉄は正確に言うと新開地の次の湊川が始発駅になります。湊川を出ると電車は急勾配を上り始め、ほどなくして長田に到着。このあたりの光景が神鉄を登山電車と言わしめる所以でしょう。いかに神戸が山と海に挟まれた地域かということがよくわかります。電車は完全に廃止となってしまった旧・菊水山駅を通過し、鈴蘭台に到着。三田方面はここで分岐しているので、この先は初めて乗る路線ということになります。鈴蘭台周辺はニュータウンになっていますが、そこから先はしばらく山間を縫うように走っていき、今度は急勾配を下りていきます。押部谷、志染、三木を過ぎ、やがて小野に到着。このあたりになるとさすがに乗客もまばらでした。そして1時間少々で終点の粟生に到着です。

    粟生12:10 – 北条町12:32(北条鉄道・北条町行き)
    ここからがいよいよ今回の旅のメインイベントです。まずは北条鉄道で終点の北条町(ほうじょうまち)に向かうのですが、乗り換えの時間があんまりなかったので、写真を撮っていて危うく乗り損ねるところでした(汗)。これを逃すと次は1時間後だったので、危ない危ない…。

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    ↑北条鉄道はレールバスなのですが、この車両はバスという感じには見えませんね。

    乗車直後に扉が閉まり、列車が発車します。平日の昼時だったので、乗客はまばらでした。途中の停車駅は6つですが、なかなか味のある駅が多くておもしろかったです。時間があればゆっくり降りてみたかったなあ。また沿線ではあちこちでコスモスが咲いていて、とても綺麗でした。

    そして列車は終点・北条町に到着。…といってもここから特に行きたいところもなかったので、同じ列車でそのまま折り返すことにします。

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    ↑北条町にて。左の車両はまさにバス、という感じがしますね。

    北条町12:42 – 粟生13:04(北条鉄道・粟生行き)
    行きは運転台の後ろの席であんまり景色が見えなかったので、帰りは立って乗ることにしました。乗客は帰りの方が多かったです。まだこの時間は買い物とかに出かける人が多いのでしょうね。

    そして再び粟生に到着。今度はここからJR加古川線に乗り換えて、3駅先の厄神を目指します。

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    ↑加古川線はかつてディーゼルカーが走っていた頃に乗っていますが、電化してから乗るのは初めてです。これは小浜線を走っているのと同じ125系ですね。まだ新車の輝きが…。

    粟生13:07 – 厄神13:20(JR加古川線・普通加古川行き)
    できれば125系に乗ってみたかったのですが、来た電車は103系の改造車でした。ただまあこれはこれでおもしろかったです。加古川線内はワンマン運転のため、運転席後ろには運賃箱や運賃表が設置され、また乗客用のドア開閉ボタンも設置されているなどかなり改造されています。それに103系の2両編成というのもなかなか珍しい光景です。環状線でおなじみの103系も手を入れるとここまで変わるのか…。

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    ↑加古川線用の103系3550番台。中間車に運転台をつけて先頭車に改造しているため、前面が真っ平らでなんだか不思議な感じです。

    厄神からは三木鉄道に乗り換えます。ただここだけは乗り継ぎが悪く、30分ほど時間をつぶすことにしました。ほんとはお昼ご飯を食べたかったのですが、駅前に食事のできそうなところがなかったので断念。お腹空いたなぁー。

    厄神13:55 – 三木14:08(三木鉄道・三木行き)
    三木鉄道が廃線になるということで、週末はきっと私のような乗客が増えるだろうと思い、あえて平日を選んだのですが、この日も夫婦で廃線間際に乗りに来ているとおぼしき乗客がいました。彼らもしきりにカメラを向けていたため、二人が写らないように写真を撮るのが大変…。まあ人のことは言えませんけどね(汗)。また沿線ではサンルーフを開けて列車にカメラを向け、撮影しながら併走する車もいました。あれはなんだったんだろうなぁ。
    三木鉄道には全部で9つの駅があるのですが、駅間距離が数百メートル程度のところがほとんどのため、あっという間に終点の三木に着いてしまいました。しかしここの沿線も田んぼの中を走る感じで、なかなか楽しかったです。ただ地元の人の利用はほとんどないように感じました。三木線はもともとが貨物輸送のための路線だったため利便性に乏しく、廃線はやむを得ないところかもしれません。

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    ↑三木鉄道の時刻表。だいたい1時間に1本ぐらいです。

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    ↑そしてこれが三木鉄道の車両です。

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    ↑車内は北条鉄道と違い、クロスシートが設置されていました。広告枠には沿線の小学生が描いた「ありがとう三木鉄道」の絵が飾られていて、ちょっと寂しい気分になりました。

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    ↑終点の三木駅にて。駅舎にも歴史を感じます。

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    ↑三木駅の待合室。これも趣があって良いですね~。ここだけでも保存してくれないかなぁ。

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    ↑そして三木駅の駅舎を駅の外から写してみました。瓦葺きなのがおもしろいですね。

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    ↑入り口横には廃止のお知らせが書かれていました。よく見ると「廃」の字がやまいだれになっていますね。廃止に心病んでいるのだと思うことにします。

    終点の三木まで来てしまいましたが、まだ時間があったので、沿線の風景も含めて列車の写真を撮ることにしました。1時間に1本しかないので、シャッターチャンスはそれほどありません。とりあえずこの列車が戻るところを撮りたいと思い、歩いて数駅戻ることにしました。途中道がわからなくなって一瞬不安になったのですが、なんとか線路が見えるところまでたどり着き、写真を撮りました。ついでにこの列車がもう一度戻ってくるタイミングでまた写真を撮り、これで帰ることにしました。でも個人的にはこの写真の写り具合には不満が残ります。もうちょっとうまく撮りたかったな。

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    ↑帰る途中、別所駅があったので立ち寄ってみました。この寂れ具合が何とも言えず良いなぁ。

    三木駅に戻る途中、別所とれとれ市場という即売所があったので、野菜を買って帰ることにしました。やっぱりこういうところで買うと安いですねえ。その後三木駅まで戻り、そこからさらに歩いて神鉄の三木駅へ。ここから再び神鉄に乗って帰宅しました。