2013年3月

    バスク地方の旅3日目(8/9) その2

    サン・セバスティアンに到着し、ここから旧市街にある今日の宿へと向かいます。最初バスで行こうと思ったのですが、路線がよくわからないので、結局歩いて行くことに。一昨日来たときも思いましたが、サン・セバスティアンはとにかく街並みがおしゃれで、バルコニーを花で飾っている家も多い印象でした。


    ↑ウルメア川沿いの遊歩道。対岸にはスペイン国鉄のサン・セバスティアン駅があります。

    1km少々歩いて、たくさんの人で賑わう旧市街中心部に到着。今日泊まるペンション サンタ クララはこのすぐ近くだったのですが、思っていたより細い路地沿いにあって、ちょっと探してしまいました。チェックインを済ませて部屋に入りましたが、路地沿いの部屋だったので外の喧噪が少し気になります。あとドライヤーとエアコン、冷蔵庫もなかったのですが、この時期のサン・セバスティアンはハイシーズンでどこの宿も高かったので、仕方ありません。Wi-Fiは部屋のドアにパスワードが書いてあり、すぐに使うことができました。



    ↑部屋から外の路地を眺めたところ。すぐ向かいにもバルがあり、夜は人通りが多かったです。

    サン・セバスティアンと言えばスペインバル発祥の地、ということで少し休憩してから部屋を出て、ホテルの女性におすすめのスペインバルを聞いてみました。するとずいぶん長いこと悩んだ末に一軒のお店を教えてくれたのですが、よくよく調べるとそのお店はスペインバルではなく三つ星レストランではないですか!そりゃおいしいに決まってるわ-!!そしてもう一軒教えてもらったお店も、あとで現地に行ってみると見つからず・・・。どうもこの女性は人当たりはとても良いのですが英語があんまり出来ないようで、この後もやりとりに苦労することがありました。ほんとは私がもっとスペイン語を話せれば良いのですが、”Tengo Calor.”(暑いです)とかいうのが精一杯なので、仕方ありません。

    ペンションを出て、しばらくあたりを散策します。海岸沿いはセレブな家が多そうで、警備員が立っていたりしました。


    ↑海岸沿いの風景。このあたりは人通りが少なかったです。


    ↑旧市街にあるコンスティトゥシオン広場。夜になると多くの人で賑わいます。


    ↑同じく旧市街にあるサンタ・マリア教会。開いていなかったので、中には入れませんでした。

    ここから、モンテ・ウルグルという丘を上っていきます。サン・セバスティアンの街はモンテ・イゲルド、モンテ・ウルグルという2つの丘の間に、弓なりにコンチャ海岸が広がる地形になっていて、丘に上ると街が一望できるのです。かなり階段がきつい上に暑いので汗だくになりましたが、まさに絶景でした。


    ↑モンテ・ウルグルのすぐ近くには漁船が多数停泊していました。これは海の幸に期待できそうです。


    ↑だんだんコンチャ海岸が見えてきました。美しい・・・!


    ↑モンテ・イゲルドとモンテ・ウルグルの間に浮かぶサンタ・クララ島。ペンションの名前もここから取ってるのでしょうね。


    ↑モンテ・ウルグルの丘の向こう側は小さな遊園地になっていました。モンテ・イゲルドにも遊園地があります。



    ↑コンチャ海岸のほぼ全景。これが一番サン・セバスティアンらしい写真だと思います。ビーチも海水浴客でいっぱいです。


    ↑モンテ・ウルグルの頂にそびえるキリスト像。


    ↑しかしよく見ると後ろは掃除中でした(笑)。

    キリスト像の下にはモタ城があり、中に入ってみるとそこは近代的な博物館になっていました。しかも入場料無料でエアコンが効いていたので、本当にありがたい・・・!しばらく休憩がてらビデオ上映を見てから、上りとは反対に東側から丘を下りることにしました。


    ↑ウルメア川の東側にあるスリオラ海岸。こちらも多くの海水浴客で賑わっていました。



    ↑サン・セバスティアンで一番由緒ある、マリア・クリスティーナホテルと、その前にあるオケンド広場。

    一旦ホテルに戻り、ネットでこのあと巡るバルのあたりをつけてから、再度出発。まずはピンチョスを最初に始めた店として知られるベルガラ(Bergara)に向かうことにします。その前にメモを取る用のシャーペンが行方不明になっていたので、華僑の方がやっているっぽい雑貨屋でシャーペンと芯のセットを1ユーロで購入。まあ書けないことはないのですが、とても使いにくくて、やっぱり日本の100円ショップってすごいんだなぁと再認識しました。

    ベルガラは旧市街からウルメア川を挟んで、東側にちょっと歩いたところにありました。まだ19時を回ったぐらいなので、客はそこまで多くありません。バルでの注文の仕方がわからないので、とりあえず目に付いたピンチョスを指さし、飲み物を注文してからカウンターで食べることに。


    ↑ピンチョスとはパンに食材をのせたものの総称です。これはゆでたまごをつぶしたものとエビがのせられていました。カウンターにはこのようなピンチョスがずらりと並べられています。

    飲み物はもちろんチャコリ!チャコリとはバスク地方特産の微発砲性白ワインのことで、注文すると店員さんが高い位置からいきおいよくグラスに注ぐ様を楽しむことができます。やや辛口でピンチョスにも良く合うお味です。ピンチョスもおいしくてあっという間に完食し、4.5ユーロを支払うと、店員さんが片言の日本語で「アリガト」と言ってくれました。ここは有名なのできっと日本人観光客も多いんでしょうね。

    スペインバル巡りは基本的に一軒のお店に長居せず、一品食べたら次の店へという風にハシゴするのが楽しいので、さっそく次へと向かいます。


    ↑再びウルメア川を渡って旧市街に戻ります。

    目星を付けていたお店を数軒回ってみたのですが、ピンチョスがなくて直接注文する形式のお店はどうにもハードルが高いので、結局こちらも有名なガンバラ(Ganbara)というお店へ。


    ↑ピンチョスはタラの卵にしました。だいたい見た目通りのお味でうまい。飲み物は再びチャコリ。

    続いてこちらも有名店、ゴイサルギ(Goiz-Argi)へ。

    ↑この店はガンバという、鉄板焼きしたエビをパンの上にのせ、特製ソースをかけたものが有名です。注文すると作りたてを出してくれるので、熱々でうまかったー。飲み物は三たびチャコリ。だいたいどこのお店でも1品頼んで1杯飲むと5ユーロ前後のようです。

    まだ食べられそうだったので、別の適当なお店に入ります。

    ↑このお店もおいしそうなピンチョスがいっぱい!


    ↑ギンディージャフリートスという、シシトウの素揚げを注文したら、一皿まるまる出てきました。これがもううまいのなんの・・・!ただのシシトウの素揚げがなんでこんなにうまいのか、意味がわかりません。チャコリに飽きたので、赤ワインに変更。

    まだ食べられそうだったので、手近にあったソーセージとナスを挟んだパンを取ると、横の老婦人が何やらしゃべってきました。もしかして勝手に取ったらだめだったのかな・・・?とびくびくしていると、店員さんが気付いてくれて、電子レンジで温めてくれます。なるほど、頼むと温めてくれるのかーと初めて知り、老婦人にお礼を言いました。あと飲み物もロゼワインを追加。さすがにここは14ユーロほどしましたが、あのシシトウが食べられただけでも満足です。

    だいぶワインを飲んで酔ってきたので、そろそろ宿に戻ります。時刻は21時を回り、ようやく暗くなり始めたところで、外は賑やかなことこの上ありませんでした。時間があったので試しにustreamで生放送したりして、10時過ぎに就寝。窓を閉めても外が賑やかで、気になって仕方ありませんでした。

    バスク地方の旅3日目(8/9) その1

    5時前に外から聞こえる話し声で目が覚めてしまいましたが、結局寝直して6時半に起床し、シャワーを浴びます。今日はここバイヨンヌからサン・セバスティアンにバスで向かう予定だったのですが、ネットでフランス国鉄のダイヤを見るとこっちのほうが早く着きそうだったので、予定を変更して列車で行くことにしました。

    列車まではまだ時間があったので、それまでの間バイヨンヌの街を巡ることに。一昨日行ったときはイベントのため中に入れなかったサント・マリー大聖堂に行ってみると、今日は開いているようだったので入ることにしました。






    ↑ステンドグラスもオルガンも立派なものです。ステンドグラス越しに差し込む光が幻想的でした。


    ↑大聖堂の後方から撮ったもの。

    大聖堂を見た後、まだ朝ご飯を食べていなかったので悩んだ末にホテル近くのカフェで食べることに。パンと飲み物のセットがいくら、と店頭に明記されているお店は敷居が低くて助かります。

    ↑クロワッサン・ダマンドとカフェラテ、オレンジジュースのセットで4.3ユーロでした。こちらではコーヒーとオレンジジュースが両方付いてくるセットが割と一般的なようです。

    店のおじさんが割と気さくな人だったので、注文もそれほど困ることなくできて助かりました。そして先に店にいたおばさんになぜか話しかけられたので、片言のフランス語と英語でやりとり。この街の人はほんとに良く話しかけてくるなぁー。

    店を出てバスク博物館へ。しかし10時オープンとのことで、30分近くあたりを散策して時間をつぶすことにします。まずはこちらも一昨日来たとき閉まっていたサンタンドレ教会へ。






    ↑サンタンドレ教会は大聖堂に比べれば規模は小さいですが、バラ窓やステンドグラスは圧巻の一言。





    ↑サンタンドレ教会近くのヌフ城跡。お堀にかかる跳ね橋が素敵です。

    10時ちょうどにバスク博物館に戻り、中に入ることにします。展示品の解説文に英語がないのと、このあとの予定の都合であんまり時間がなかったこともあり、飛ばしながら見ていくことに。昔のバスク人の結婚式の映像が興味深かったのと、音楽が独特だなぁと感じました。

    1時間少々見学してホテルに戻り、チェックアウトしようとフロントに行くと先客がいたのですが、どうやら同じホテルに泊まっていた日本人夫婦のようでした。ホテルを出て、向かいのショコラティエをのぞいてみましたが、結構高い上に暑さで溶けてしまいそうだったので、買うのはやめることにします。

    予定より少し早く駅に到着し、11:53発のアンダイエ行きTERの切符を購入してホームへ。それにしても今日も暑い・・・。


    バイヨンヌ駅の駅標。その下は以前も紹介した、列車の停車位置表示板ですが、TERの案内はありませんでした。

    やってきたTERは、6両編成の真新しい車両でした。車内もエアコンが効いていて実に快適。ほんと、同じ運賃払っているのにどうしてここまで差があるんでしょうか・・・。終点のアンダイエには40分ほどで到着。


    ↑途中、サン・ジャン・ド・リュズからアンダイエまでの風景。



    ↑車内の様子。デッキ部分がラウンジのようになっていたり、なかなかおしゃれです。


    ↑こちらは1等車。赤を基調としたデザインのようです。



    ↑外観。駅で何度となく車両は見ていたのですが、やっと乗ることができました。

    乗った車両が駅舎と正反対の所だったので、えんえんと歩いてようやく駅を出ます。今回は寄り道せず、まっすぐにバスク鉄道の駅へ。駅の窓口には切符を買うための行列ができていたのですが、私はそれを横目で見ながら自動券売機で切符を購入。むしろ私にとっては有人窓口の方が敷居が高いのです(笑)。

    次の電車まで20分ほどあったので、ホームで到着を待ちます。とにかく暑いのでできるだけ日陰に入る位置にいましたが、それでも暑い・・・。10分ほど前に電車が到着し、中へ。こちらも快適な車両でした。そして私の横に乗り合わせた中年夫婦は、さっきTERでも隣り合わせた人でした。


    ↑バスク鉄道の車内。こちらも液晶表示器がついていたりと真新しくて快適です。ただ車両が小さいので網棚がなく、荷物の置き場所に少々困りました。

    13:03に発車。2つ先のイルン駅でたくさん人が乗ってきました。車内の液晶表示器を見ていると、どうやらサン・セバスティアンの街に地下鉄が計画されているらしく、バスク鉄道がそのまま乗り入れるようですね。確かにこのバスク鉄道のターミナル、アマラ駅はサン・セバスティアンの中心部からちょっと離れている印象だったので、そうなると利便性は上がりそうな気がしました。

    40分弱でアマラ駅に到着。ここから一旦ホテルにチェックインして、サン・セバスティアンの街を散策することにしますが、それはまた次回。