2011年7月

    フランス・ワインの旅6日目(9/27) その2

    お昼を食べ、再びホテルを出発。すぐそばにあるワイン市場(Marché aux Vins)に行こうとしたのですが、ちょうどお昼休み中だったので、15分ほど近くのみやげ物屋で時間をつぶすことに。そして改めてワイン市場に向かいました。

    入り口で10ユーロ払い、ワイン市場の中へ。ここは10数種類のブルゴーニュワインが試飲できる施設で、気に入ったワインを購入することもできます。階段を下りてカーブに入ると、そこには薄暗くひんやりとした空間が広がっていました。



    ↑ワイン市場のコレクション。100年以上前のワインも並んでいました。もちろんここは厳重に施錠されています。



    ↑ワイン市場地下の様子。薄暗くてとても雰囲気があります。ところどころにテーブル代わりの樽が置いてあり、そこで自由に試飲ができるようになっています。

    とにかく試飲できるワインの種類が多いので、最初から飲みまくると後が大変なことになると思います。それに最初は白ワイン、途中から赤ワインが出てきて、後の方になるほどグレードが高くなっていくのでなおさらです。私も最初は一口だけ飲んで、あとはもったいないと思いつつも味だけみて吐き出す感じで試飲をしていきました。正直、最初の方のワインはあんまり大したことがないなと思ったのですが、地下を出てワインのグレードが上がったあたりから、やっとブルゴーニュらしいワインが出てきたように思います。


    ↑シャンボール・ミュジニーも試飲することができました。

    他にもジュヴレ・シャンベルタンやヴォーヌ・ロマネ、ポマールなどがありましたが、今まで飲んであまりピンと来なかったジュヴレ・シャンベルタンは、やっぱりここでもピンと来なかったので、どうも自分には向いていないのかもしれません。

    最後の販売コーナーでは、試飲してみておいしかったアロース・コルトン2005のハーフボトルを9.9ユーロ(約1,100円)で購入。これは今晩いただくことにします。

    ワイン市場を出て、別のワインカーヴに行こうと思ったのですが、すぐ近くのはずなのになぜか入り口が見つかりません。仕方がないので少し足をのばしてマスタード工場の見学でもしようと思ったら、こちらも見学は午前中のみでした。おまけに途中で道に迷いそうになるし、もうさんざん・・・。結局他に行くあてもなかったので、ボーヌの街を城壁に沿ってぐるりと歩き、Bouchard Aîné & Fils(ブシャール・エネ・エ・フィス)というワインカーヴへ。ここはツアー形式での試飲のみで、次回は16時スタートとのことだったので、30分ほど近くをぶらぶらすることにします。



    ↑街外れにある聖ニコラ門と市庁舎。ヨーロッパの市庁舎は風格のある建物が多い印象があります。

    16時が近づいてきたので、再び先ほどのワインカーヴへ。入場料の9.5ユーロを払い、しばらく待っていると他の参加者もやってきました。総勢10人ほどでツアーがスタートし、まずは地下のカーヴへと案内されます。説明はフランス語と英語の両方でしてくれるのですが、最初私もフランス語組の方に入れられそうになり、あわてて英語組の方へ。ここでもまずは白ワインから試飲がスタートし、徐々に濃いワインへと進んでいきます。特にこのツアーは五感で味わうワインというのがコンセプトのようで、音や色、香り、手触りなどでワインを表現するというような事を説明しているようでした。料理とのマリアージュを紹介したパネルも展示されていたのですが、その中に白ワインと串カツの取り合わせもあり、思わずにやりとしてしまいます。

    カーヴを出て、さらに試飲が続きます。するとここで、エシェゾー Grand Cruが登場し、試飲させてもらえると言うことで一気にテンションが上がります!これ、買うと1本1万ぐらいするんだろうなあと思いながらおそるおそる飲みましたが、とてもエレガントでとげとげしさのない、おいしいワインでした。でもさすがに自分で買うには高すぎるかな・・・。

    結局おみやげにはサヴィニ・レ・ボーヌを18ユーロで買い、私と入れ違いでツアー旅行者が大量に中に入っていくのを見届けてからワインカーヴを後に。まだ17時頃でしたが、もう他に回るあてもなかったですし、ちょっと疲れも出てきたので、早々に戻ることにします。

    今夜の夕食はレストランで食べず、食材を買ってホテルの自室で食べようと思っていたので、まず近くのパン屋でパンを買っていくことに。パン1本は多いなあと思っていたら、ちょうど半分に切られたバタールが残っていたのでこれを買うことにしました。その後スーパーマーケットへ行ったのですが、スーパーはとにかく楽しくて、見ていて全然飽きません。これまで見たスーパーの中では小規模とはいえ、ほどほどに広く、食料品以外の本や文房具類も充実している印象でした。いろいろ悩んだ末に、今夜食べる用のチーズとスモークサーモン、生ハム、明日の朝ご飯用のサンドイッチ、あとおみやげ用にチーズとマスタード、ワイン、そして食べるために必要なフォークなどを購入。あと普通のハムも買おうと思ったのですが、ショーケースの向こう側に並んでいるので、最初どうやって買うのかわからなくて困ってしまいました。しかしどうやらショーケースの中にいる店員さんにどれを何グラム買うか伝えれば切り分けてくれるようだったので、意を決して買いたいハムを指さし、”Cent gram, s’il vous plaît!”と言うと、100g分のソーセージを切りかけ、バーコードの付いたシールを貼って渡してくれたので、どうやらこれをそのままレジに持って行けば良いようです。

    そしてレジに行くと結構人が並んでいたので、セルフレジを使うことに。最初に言語を選ぶようになっていたので、迷わず英語を選んだのですが、いつの間にかフランス語に戻っているという、何のために選ばせたんだ・・・というようなシステムに思わず苦笑。そして買い物袋は別料金のようだったので、どうやって手に入れるんだろうと悩んでいると、そばの店員さんがやってきて、こうやってバーコードをスキャンするのよ、と見せてくれました。いや、それは知ってるよ!悩んでるのは別のことなんだー!・・・と内心思いながらもうまく伝える術がなく、仕方がないのでそのままスキャンしていきます。いっぱい買い物したので金額が60ユーロを超えたのですが、幸いクレジットカードが使えるようだったので、ありがたく使わせてもらうことにしました。そして自分のカバンに商品をパンパンに詰め込んで、スーパーを後に。

    ちなみに前回イタリアを旅行したときの経験から今回もおみやげ用にチーズをいっぱい買ったのですが、真空パックされたチーズだったら多少常温に置いても大丈夫だったので、おみやげにはおすすめです。今回はミモレットとゴーダ、エダム、カンタルチーズなんかを買いましたが、ちょっと良いミモレットはともかく、他のチーズは290gで2.37ユーロ(約270円)と、日本で買う値段と比べると半値以下で買えたのでかなりお得感がありました。

    重いカバンをかかえ、ホテルに戻ると19時近くになっていました。というわけで部屋飲み(?)開始!


    ↑左上から時計回りに、バタール1/2本、生ハム、スモークサーモン、ハム、シェーブル(山羊のチーズ)

    改めて見たら自分でも思うのですが、ちょっと量を買いすぎてしまったようで、半分ぐらい食べたところでもうお腹いっぱいになってしまいました。一つ一つはおいしいのですが、脂っこいものばかりなのもちょっときつくて、サラダでも買えば良かった・・・と後悔しました。あとシェーブルチーズを初めて食べたのですが、クセが強くてちょっと私には合いませんでした。とはいうものの、量り売りのハムはとてもおいしく、なによりワインが最高でした。


    ↑昼間ワイン市場で買ったアロース・コルトン 2005のハーフボトル。これはほんとにうまかった・・・。

    パンはなんとか食べきりましたが、その他の食材は残ってしまい、仕方なく冷蔵庫へ。そして日中寒かったせいかのどが痛くて、どうやら風邪をひいてしまったようです。でもお酒飲んでるので今すぐ薬を飲むのも良くないと思い、まだ20時台でしたがベッドへダイブ。

    翌日はボーヌを出てパリに向かいますが、それはまた次回。

    フランス・ワインの旅6日目(9/27) その1

    目覚ましの鳴る7時より少し早く目が覚めたので、ごそごそと起きだしシャワーを浴びます。8時半頃に外に出ると、予想はしていましたが雨がぱらつくあいにくの空模様。そしてとにかく寒い!とりあえずホテルすぐそばのカフェ兼バーのようなお店に入り、クロワッサンとカフェオレを頼みます。ここのクロワッサンは熱々でさくさく、しかも結構食べ応えのあるサイズでとてもおいしく感じましたし、カフェオレもエスプレッソ風の濃いコーヒーで目覚めの一杯としては最高でした。そんな素敵な朝食を取りながら、今日一日の計画を練ります。

    まずはボーヌ中心部で一番の観光名所、オテル・デューへ。朝一で見たときはツアー客でごった返していたのですが、この頃には多少落ち着いていました。

    ここは15世紀に貧しい者のために建てられた病院で、病院自体が所有するぶどう畑からできるワインの販売によって収入を得る代わりに、無料で医療を受けることができるようになっていました。現在では病院としての機能はなくなり、所有するぶどう畑の面積も減ってしまいましたが、今でもオスピス・ド・ボーヌのワインオークションは世界的に有名です。ここには日本語のパンフレットもあり、とても助かりました。


    ↑屋根が美しいオテル・デュー。この屋根はブルゴーニュ地方独特のものです。


    ↑建物に入ってすぐのところにある、貧しき者の広間。両側に病人のためのベッドが並び、一番奥にはチャペルがあります。中央の通路にはテーブルが置かれ、ここで食事をしたようです。


    ↑ベッドはこんな感じ。大部屋ですが、なかなか豪華なベッドです。


    ↑チャペル側から撮ったもの。天井が高く開放感があります。40年前まで実際にここが使われていたのにも驚きです。


    ↑一番奥にあるチャペル。ここが宗教と医療の共存する空間だったことがよくわかる施設です。


    ↑聖ユーグの部屋。ここは身分の高い者たちの病室だったようで、壁と天井の絵が見事です。


    ↑瀕死の病人を看護していた「聖ニコラの部屋」は、現在展示室になっていました。これは有名なオスピス・ド・ボーヌのワインです。毎年11月第3日曜日を含む3日間は「栄光の3日間」と呼ばれ、ブルゴーニュを代表するお祭りとなっているのですが、そのなかでもオスピス・ド・ボーヌのオークションは、注目のイベントとなっています。


    ↑かつてのオテル・デューの写真。左側に写っている井戸は現在もそのまま残っています。


    ↑ここは厨房です。右端についた自動人形がユーモラス。


    ↑白鳥の首の形をした蛇口がおもしろいような不気味なような・・・。


    ↑中庭の井戸。先ほどの古い写真にも写っていたものです。


    ↑中庭をぐるりと取り囲む回廊。2層構造になっていて、雨の日は上を通って移動していたようです。



    ↑配膳室と薬局。かつては薬が流通しておらず、ここで薬の製造をしていたようです。


    ↑改めて中庭。外の通りに面した左側の建物の屋根が質素なのは、ここに金目の物があるとみて狙われるのを避けるためだったそうです。

    一通り見学を終え、特におみやげ等は買わずに外へ。すぐ近くのノートルダム教会へと向かいます。


    ↑なにやら工事中なのが残念でしたが、立派な外観です。


    ↑街の規模からすればかなり豪華な造りだと思います。


    ↑祭壇付近。ステンドグラスが目を引きます。


    ↑これは側面部にあるステンドグラスですが、やはりこの街の規模にしては豪奢な感じがします。


    ↑そしてオルガン。残念ながら音は聞けませんでしたが、これも立派なものです。

    それからすぐ近くのワイン博物館へ。しかし間違えて裏口から入ってしまったようで、まずは屋外に展示してあったぶどうを搾る器具を見ることにします。



    ↑ぶどうを搾る搾汁機。昔使われていたもののようです。

    その後ワイン博物館の中に入り、展示物を見ていきます。ここも各部屋ごとに日本の解説パネルが用意されていたので、助かりました。ぶどう栽培や収穫に用いる器具などの展示が多かったのですが、特に興味深かったのはワイン用の樽作りを紹介したビデオ。結構昔に作られたもののようで、親方と弟子の仕事の様子が少しコメディータッチなドキュメンタリーになっていて、つい見入ってしまいました。他にも昔の瓶やワイングラスも、少しいびつなところが味があって興味深かったです。


    ↑昔のワインラベル。100年ほど前のものもありました。

    ワイン博物館を出るともう13時になっていました。お腹が空いてきたので、近くのパン屋でカレー味のサンドイッチとメレンゲのお菓子を買って一旦ホテルに戻ります。が、途中で道に迷ってしまい、気づいたらさっきまでいたパン屋さんの前へ(笑)。まるでマンガのような道の迷い方をしましたが、なんとかホテルに帰り着き少し遅いお昼にします。


    ↑泊まったホテルの部屋。一番奥まった部屋で入り口から遠いことを除けば、快適でした。


    ↑お昼に食べたサンドイッチ。とにかくでかい!カレー粉っぽい味のソースが塗ってあってなかなかおいしかったです。


    ↑一緒に買ったチョコチップメレンゲ。こちらも1ユーロで買った割にでかい!確か長さ20cm近くあったように思います。こんなのとても一度では食べきれない・・・。

    この後はワインの試飲に回るのですが、それはまた次回。