フランス・ワインの旅5日目(9/26) その1

7時頃起床し、たまってきた洗濯物を片付けたりしていると、いつの間にか8時半になっていました。今日と明日は一日フリーなので、どちらかの日にブルゴーニュのぶどう畑をサイクリングしたいなあと思い、ネットで天気をチェック。するとどうやら明日は天気が良くなさそうなので、今日サイクリングすることにしました。

まずは自転車を借りられるところを聞くために観光案内所へ。ついでにブルゴーニュのぶどう畑の地図を買い、教えてもらったレンタサイクル屋に向かいます。しかしどうやら10時オープンのようだったので、とりあえず朝食を食べられるところを探しがてら駅前へ。けれどもこのあたりにはカフェが全然無く、駅の目の前にあったホテルのカフェも、入ってはみたものの店員さんの姿が全然見あたらないので、あきらめて外に出ました。仕方がないので、すぐ近くのパン屋さんでパン・オ・ショコラを0.85ユーロで買い、駅構内で食べることに。パン屋の店員さんは割と愛想が良くて、助かりました。ほんとは駅構内にある自販機でカフェラテを買いたかったのですが、どうやら故障中のようで、仕方なくパンだけもぐもぐ。本場のパン・オ・ショコラはさくさくで間違いなくおいしかったです。


↑ボーヌ駅構内にあった証明写真機。フランスでもこんなのあるんだ!とちょっと感動しました。


↑コーヒーの自動販売機。故障中でしたが、動いていればちゃんとしたエスプレッソを楽しめます。砂糖もガムシロップでなくグラニュー糖が入って出てくるので、かなり本格的な味。日本にもこんな自販機が欲しいな。


↑パン屋で買ったパン・オ・ショコラ。クロワッサン生地の中にチョコが入ったパンです。この時食べておいしかったので、帰国後も良くパン屋さんで買うようになりました。

そうこうしているうちに10時になったので、再びレンタサイクル屋さんへ。お店に着くと先客がいたので、10分少々待つことに。それから店主に自転車を借りたいとを伝えると、まずはどこへ行くのかと聞かれます。そこで列車でディジョンまで行き、そこから戻ってくるつもりだと伝えると、ディジョンは自転車で走るのには向いてないから、途中のニュイ・サン・ジョルジュまで列車で行って、そこから戻ってくるのがおすすめだとのこと。そしてサイクリングルートを記した地図のコピーを受け取り、自転車を借りてお店を後にします。ここの自転車はフランスGITANE社製の結構新しい自転車で、携帯用の空気入れとタイヤチューブもちゃんとついていました。

ボルドーで借りたボロ自転車に比べればはるかに軽快な走りの自転車にうきうきしつつ、まずは一旦ホテルに戻ります。そこでタオルと水をカバンに入れ、再び外へ。上着を着るかどうしようかさんざん悩んだのですが、途中で暑くなって脱いだら荷物になるので、着ないことにしました。でも外に出ると少し寒くて、やっぱり着たほうが良かったかなとちょっと後悔。

そして再び自転車に乗り、ボーヌ駅へ。切符を買うために一旦駅の入り口に自転車を止めると、地元に人に、ここに止めると盗られたりして危険だからあっちの駐輪場に止めた方が言いよと言われたのですが、切符を買うだけです、と説明したら、わかってもらえたようで一安心。券売機でニュイ・サン・ジョルジュまでの切符を3.3ユーロで買い、自転車のままホームに入ります。しかし列車が来る直前に、そういえば切符は駅の検札機に通さないといけなかったんだと思い出し、あわてて検札機の所へ。しかし切符を差し込んでもなかなか刻印してくれないのでちょっと焦りました。どうやら切符の入れ方にちょっとコツがいるようですね。幸い列車が到着すると同時に刻印ができ、あわててホームに向かいます。しかし今度は自転車が乗せられる車両がわからず、ちょっとわたわた。しかし私と同じく自転車を連れている人がいて、なんとかそこから列車に乗ることができました。


↑これが借りたGITANE社製の自転車。とても乗りやすかったです。その分料金も半日借りて18ユーロほどしましたが。


↑フランス国鉄のTER(地域圏急行列車)。結構新しい車両が使われていました。


↑列車内の自転車置き場。壁に車輪を立てかけて置くようになっています。こういう設備があるのが、日本の自転車乗りからするとうらやましいですね。


↑このデッキでは携帯電話が使えるということを表したマークだと思います。日本でありがちなゆるキャラっぽいデザインで、なんだか親近感がわきました。

無事列車にも乗れ、ほっと一安心。しばらくして車掌さんが検札にやってきたので、先ほど悪戦苦闘して刻印を入れた切符を見せます。すると「この列車はニュイ・サン・ジョルジュには止まらないよ」と言うではありませんか。ええーっ!この列車、急行だったの!?と思わず天を仰いでしまいました。しかし不正乗車だと思われて罰金を取られるのはもっと嫌ですし、とにかく間違えて乗ったんだということをアピールすると(まあReally?とか言ってただけですが…)、次の停車駅であるディジョンで一旦降りて、そこから折り返してくるかと聞かれました。しかし折り返しの列車がいつなのかもわからないですし、もうこの際ディジョンで降りて行動した方が良さそうだったので、ディジョンまで行って降りますと伝えると、その場でニュイ・サン・ジョルジュからディジョンまでの切符を売ってくれました。乗り越し精算ではなかったので、最初から通しで買うよりは少し高かったですが、文句も言ってられないですし、とにかく車掌さんにはありがとうとお礼を言いました。

そんなわけでニュイ・サン・ジョルジュを通り越し、ディジョン駅に到着。ホームにはエレベータが見あたらず、自転車を持って階段を上り下りするのにちょっと苦労しました。まあ当初はディジョンで降りて行動する予定でしたし、せっかくなのでまずはディジョン市内を観光することにします。


↑ここまで乗ってきたTER。なかなか無骨なデザインです。

駅を出て、まずは1kmほど離れた街の中心部を目指します。自転車とはいえ、車も歩行者もそれなりに多いので、少し気を遣いながら走行。ここディジョンはかつてフランスをしのぐほどの大国であったブルゴーニュ公国の首都として栄えた街で、そのシンボルとも言えるのが、ブルゴーニュ大公宮殿です。



↑ブルゴーニュ大公宮殿は多くの観光客でにぎわっていました。ここには現在市庁舎が置かれています。




↑宮殿すぐそばにあるノートルダム教会。13世紀後半のゴシック様式の教会で、重厚な雰囲気でした。


↑ノートルダム教会の外観。雨どい部分に何体ものガーゴイルの彫刻が突き出るように付いていて、趣味が良いのか悪いのかよくわからない感じ。

それから少し駅の方に戻り、サン・ベニーニュ大聖堂にも行ってみましたが、ちょうど日曜ミサの真っ最中でした。ミサが終わるまでお昼でも食べて時間をつぶそうと思い、悩んだ末にケバブ屋に入ることに。ケバブ屋は大体どこの街にも1軒はあるものですが、安いし味のハズレがないので重宝します。ここのケバブサンドも4ユーロですごいボリュームでした。

そのあと大聖堂に戻ると、ちょうどミサが終わったところだったので、中に入り写真を撮ります。ここはオルガンも有名なようで、オルガン修復の事が書かれたパネルが展示されていました。



↑大聖堂の外観と正面。ノートルダム教会よりすっきりとした印象を受けます。


↑大聖堂のオルガン。ミサの時にすこしだけ演奏を聴きましたが、すばらしい音色でした。


↑祭壇付近の様子。天井がとにかく高い。

大聖堂を出ると時刻は13時になろうとしていたので、そろそろボーヌに向けて出発することにします。中心部の道がちょっとややこしかったのですが、印刷していったGoogleマップを頼りに道を進んでいくと、それっぽいバス通りにたどり着きました。バス停の経路を見ると、多分これで合ってそうな感じだったので、そのまま進んでいきます。


↑これから走るコート・ド・ニュイ地区の地図。以降の文章はこの地図を見ながら読むと位置関係がわかりやすいと思います。


↑郊外へ向かうバス通り。だんだん家が少なくなってきます。

途中逆向きに走るロードバイク集団と何度もすれ違ったのですが、なにかイベントでもあったのでしょうか。私だけ逆方向に走ってるような感じだったので、若干不安になりながらも自転車をこいでいきます。すると徐々に家が少なくなり、ぶどう畑が見えてくるではありませんか!そしてブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区最北の地、マルサネ・ラ・コートに入ります。ここはAOCマルサネとして赤・白両方のワインを生産する地区です。


↑マルサネ・ラ・コートの入り口。このコート・ドール地区のぶどう畑を縦断する道は「グラン・クリュ道路」と名付けられているようです。



↑マルサネでは赤・白ワイン両方の品種が栽培されていました。


↑シャトー・ド・マルサネ。マルサネの中では一番目立っている感じでした。

マルサネ・ラ・コートからさらに南下し、クシェに入ります。ここのワインもAOCマルサネとして生産されているようです。


↑このあたりは起伏の多い土地で、自転車で走ると結構きついところもありました。


↑クシェのぶどう畑。やっと少し晴れてきました。

クシェを通り過ぎ、いよいよフィクサンに入ります。私はこのフィクサンのワインが結構好きなので、ついに来たかーとうれしくなりました。


↑フィクサンの入り口。ここはブルゴーニュワインの中でも比較的リーズナブルでおいしいワインが多いので、個人的に好きな産地。ちなみにフランス語読みだとフィサンになるようです。


↑フィクサンではヴァンダンジュ(ぶどうの収穫)が始まっていました。まさか収穫をこの目で見られるとは思ってなかったのでちょっと興奮。

フィクサンを過ぎ、ブロションへ。ここはあの有名なジュヴレ・シャンベルタンの北隣にあり、一部のワインはAOCジュヴレ・シャンベルタンとして出荷されているようです。


↑標識の下に「Vendanges(ヴァンダンジュ)」という看板が臨時で取り付けられています。ぶどう収穫中につき注意、という感じでしょうか。


↑そしてここでもぶどう収穫中でした。すべて手作業でぶどうが摘まれていきます。


↑摘んだぶどうを運ぶトレーラー。


↑背中に大きなかごを持ったこの人が、ぶどうを摘んでいる人たちのところを周り、各人の収穫したぶどうを集めていきます。そして最後にトレーラーに上り、背中のかごをこのように傾けてぶどうを入れていくのです。すべてが手作業で丁寧な仕事でした。

ヴァンダンジュは一斉に行われるため、とにかく人手がたくさんいります。というわけで遠方から親戚や体験ツアーの参加者などが多数やってきている感じでした。そのため村の入り口付近には多数の車が路駐していて、非日常な雰囲気です。

そしていよいよこれからジュヴレ・シャンベルタンに入っていくわけですが、それはまた次回。

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