2007年8月30日

    ドイツ・バッハの旅2日目(7/20) その1

    朝5時に目覚ましが鳴ったものの、さすがにすぐには起きられず少し布団の中でまどろんでから起床。シャワーを浴びて身支度を済ませるともう6:15を回っていました。6:45発の空港行きバスに乗る予定だったのにこれはまずい!ということであわてて食堂に行き、大急ぎで朝食を取るはめに。朝食はバイキング形式だったのでいろいろと食べてみたかったのですが、そうも言っていられません。6:40頃にチェックアウトし、ぎりぎりでバスに間に合いました。まだ朝早いというのにバスは満員で、寝不足な上に時差ぼけ気味の私は、立って乗るのが非常につらかったです。

    バスは10分ほどでフランクフルト空港に到着。今日はここから電車で移動します。フランクフルト空港にはRegionalbahnhof(ローカル駅)とFernbahnhof(長距離列車駅)の2つがあるのですが、私が乗る電車はFernbahnhof発でした。バスを降りてから案内板の通りに歩いて行ったのですが、とにかく遠い!結局15分ほど歩いてようやく駅に到着しました。これは1本遅いバスに乗ってたら危なかったかも…。

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    ↑Fernbahnhofの出発案内板。昔ながらのパタパタ式でしたが、行き先がケルンやミュンヘンといった有名な都市ばかりだったので、ドイツに来たなぁという感じがすごくしました。

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    ↑駅の天井はガラス張りで、開放感がありました。ここからエスカレータで降りたところにプラットホームがあります。

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    ↑プラットホームもかなり広くてきれいでした。駅標に「Flughafen(空港)」の文字が見えます。

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    ↑ドイツの列車は一部を除いて自転車の持ち込みができます。このようにホームで自転車とともに待っている姿はあちこちで見かけました。自転車乗りには夢のような環境ですねぇ。

    ドイツ鉄道(DB, Deutsche Bahn)の優等列車の中でも特に、日本の新幹線に相当するICEと、特急に相当するICが有名です。ただしどちらも走る線路は同じで、日本のように専用線があるわけではありません。ICの方が料金は若干安く、自転車も載せられますが、設備やスピードといった点ではICEの方が優れています。実際このICEには何度も乗りましたが、非常に快適でした。
    またDBの切符はクレジットカードを持っていれば、インターネットを通じて日本からも購入することができます。私も今回の旅行で乗る主な区間の切符はあらかじめ買っていきました。切符は自分のプリンタで印刷でき、改札の時はその切符のQRコードと、購入時に使用したクレジットカードを読み取るようになっていました。これは日本よりも進んだシステムだなぁと感心したものです。

    そして私が乗る予定のICE525は7:36発だったのですが、ほぼ定刻通りに到着しました。一応座席指定も受けていたのですが、10分少々で別のICEに乗り換える予定だったこともあり、立ったまま行くことにしました。しかし発車後すぐに電車はスピードを落とし、とうとう停車してしまいました。信号待ちかなぁと思ったのですが、なんせアナウンスがドイツ語のみなので、何を言ってるのかさっぱりわかりません。乗り換え先のICEに乗り遅れたら困るなぁと冷や冷やしながら待っていたのですが、その後も電車は動いたり止まったりを繰り返し、結局10分遅れの7:58にフランクフルト中央駅到着。次に乗るICE1545は8:08発だったので、あわてて電車を降りました。

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    ↑フランクフルト中央駅。アーチ状の天井と、行き止まり式のホームを持つあたりがヨーロッパのターミナル駅らしいですね。

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    ↑これがICEの車両です。新幹線に比べると幅は狭いですが、美しいフォルムを持っています。

    乗り換えの時間が10分しかなかったのでちょっと焦っていたのですが、駅の出発案内板を見ると1番線発車のはずのICEが見あたりません。おかしいなあとよく見てみると、どうやら10番線に変更になった様子。勝手に変えるな~と言いたくなりましたが、ヨーロッパではこういうことがよくあるので、注意しないといけません。なんとか10番線にたどり着き、自分の席を見つけてほっと一安心しました。
    ちなみにDBの列車は日本のように指定席・自由席で車両が分かれていません。それぞれの席の上にLED表示器があり、指定席ならば指定区間が表示されています。何も表示されていなければそこは自由席です。これはコストはかかるでしょうが、なかなかうまくできたシステムだと思いました。

    そしてICE1545は定刻通り静かに発車しました。DBでは発車ベルがないようなので、気づいたら動き出している、みたいな感覚です。ここから目的地のアイゼナハまでは約2時間の行程です。途中景色を見たり、うとうとしたりしながら過ごしました。途中検札があり、ほんとにこの切符で大丈夫なのかとどきどきしたりしましたが、ちゃんと使えたのでちょっと感動しました。いやまあ、当然といえば当然なのですが…。

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    ↑ICEの車内。座席は2+2列でゆったりしていて、内装もきれいでした。座席の右上に見える黒い長方形の部分がLED表示器です。

    そして10:05、アイゼナハに到着。アイゼナハはJ.S.バッハが生まれた街として有名ですが、ICEが止まるとは言っても小さな街でした。まずは重いスーツケースをコインロッカーに預けようとしたのですが、細かいお金がなかったので、駅の売店でお菓子を買い、おつりを小銭でもらって無事に預けることができました。

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    ↑アイゼナハ駅の構内です。天井が高くステンドグラスがあるあたりがすてきですね。

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    ↑駅の外観も歴史を感じさせる作りになっていました。

    さて、ここからがバッハの旅の始まりです。まずはアイゼナハの中心部であるMarktplatz(マルクト広場)をめざします。途中の道路には線路がそのまま残されていて、昔はここでも路面電車が走っていたのだろうなぁと思いました。

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    ↑アイゼナハのメインストリート、Karlstraseです。歩行者天国になっていて、買い物を楽しむ人でにぎわっていました。そろそろおなかが空いてきたかな、と思ったので…。

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    ↑ドイツと言えばやはりこれでしょう!Thuringer Bratwurst(テューリンゲンの焼きソーセージ)と書いてあり、1.5ユーロ(約250円)でした。ソーセージを頼むとパンは自動的に付いてきます。ドイツ初のソーセージはとにかくうまかった~。少しハーブの香りのするあたりが絶品です。

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    ↑Karlstraseの終点がMarktplatzです。正面の大きな時計台はバッハが洗礼を受けたゲオルク教会。そして広場では野菜や花が売られていました。

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    ↑ゲオルク教会の正面から撮ったものです。こういう写真は広角レンズがないと撮れないでしょうね。カメラを変えて良かったと思えた瞬間でした。

    せっかくなのでゲオルク教会に入ってみることにしました。中は割とたくさんの人がいたので、なんでだろうと思っていたら、急にオルガンの演奏が始まってびっくり。とりあえず手近な席に腰掛けて聴くことにしたのですが、途中で退席するつもりだったのがあまりにすばらしいので、結局最後まで聴き入ってしまいました。よく知っているJ.S.バッハの曲も演奏されたので、うれしかったです。あとでわかったことですが、どうやらこの日は11時から30分のオルガンコンサートのある日だったようです。運が良かったですね。

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    ↑ゲオルク教会内部。規模はそれほど大きくありませんが、天井が高く、照明もおもしろい形をしているのが興味深かったです。

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    ↑そしてこれがオルガンです。バッハが洗礼を受けた教会のオルガン、というだけですごいなあと思ってしまいます。あのパッヘルベルやバッハの兄クリストフも、かつてここのオルガニストでした。

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    ↑アイゼナハの守護聖人像とゲオルク教会。

    ゲオルク教会には予定より長く滞在してしまいました。このあとはBachhaus(バッハの家)に向かうのですが、その前に観光案内所に寄ることに。ここでは日本語のパンフレットを入手できたので助かりました。そして徒歩数分でバッハの家に到着しました。

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    ↑案内板にはなぜか日本語が併記されていました。パンフレットもそうでしたが、それだけここを訪れる日本人が多いということなのかもしれません。

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    ↑バッハの家の前にあるバッハ像。ここは有名なのでみんな写真を撮っていました。

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    ↑そしてこれがバッハの家です。ここだけやけにモダンな建物で、これがバッハの家ってどういうことやねん、と思いました。こちらはつい最近できたようですが、もうちょっと外観を考えた方が良かったのでは…。

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    ↑こちらが旧バッハの家。実際にバッハが生まれたのはここではないようですが、こちらは昔の雰囲気が残っていました。

    バッハの家の内部は博物館になっていて、楽譜類の展示や曲の紹介などがありました。一応英語の解説があるとはいえ、読むのには難儀しましたが…。そしてクラヴィコードやオルガンの演奏会もあり、こちらは非常に楽しめました。特にベルトのようなものを交互に引っ張りながら空気を送るオルガンは、実際にお客さんの一人が空気を送る役を任されたのですが、なかなかうまく音が出なくてみんな爆笑。とにかく歴史的な楽器を間近で見たり聴いたりできたので、良かったです。

    さて、このあとは世界遺産のヴァルトブルク城へと向かいますが、それは次回のお楽しみということで。