2016年8月

    アルザス・リヨン旅行8日目(9/27) その1

    とうとう帰国の日がやってきました。荷造りをしないといけないので6時半に起床し、シャワーを浴びてある程度荷物をまとめます。その後おみやげのチョコレートを買いにベルナシオンへ。Hôtel de Ville駅でトロリーバスから地下鉄A線に乗り継ぎ、Foch駅で下車します。

    ベルナシオン(BERNACHON)はチョコレート好きの方はご存知かもしれませんが、フランスでは数少ないカカオ豆の焙煎からチョコレート作りをしているショコラトリーで、人気があるにも関わらずここ以外に支店を出さないため、なかなか手に入れることができません。また、ポール・ボキューズの娘がこのベルナシオンに嫁いでいるという縁もあり、ポール・ボキューズのデセールにも採用されています。実は昨日も下見に来ていたのですが、日中はお客さんでいっぱいなので、朝いちで買いにくることにしました。

    さすがに朝9時前に着いたので、ゆっくりとチョコレートを吟味することができました。ベルナシオンのスペシャリテはパレ ドール(Palets d’Or)という金箔が少しちりばめられた円形のチョコレートなのですが、3個入りのミニボックスが3.5ユーロでした。このミニボックス、日本でバレンタインの時期に開催されているサロン・デュ・ショコラというイベントでも販売されたことがあるのですが、そこではなんと同じものが1500円(!)だったそうです。私はせっかくなので、このパレ ドールの375g入りと、ショーケースに並ぶチョコレートの量り売りでさらに375gを購入。あとミニボックスを3個購入し、しめて90.5ユーロのお会計でした。さすがに1万円分もチョコレート買ったのは初めてで、ちょっとどきどきします。帰国後さっそくパレ ドールをいただきましたが、外はパリッとした触感なのに内側がしっとりとしていて、そのシンプルだけど濃厚な味わいにすっかり魅了されました。そのほかにもオレンジピールの入ったもの、ヌガーの入ったもの、いろんなチョコレートを食べましたが、どれも本当においしかったです。ここには日本人の店員さんもいらっしゃるそうなのですが、まだ朝早いせいか、来ておられないようでした。でも観光客も多いからか、店員さんも嫌な顔一つせず対応してくれて、好感が持てます。

    さて、ここベルナシオンでのお楽しみはこれだけではありません。ショコラトリーの隣にはBERNACHON Passionというカフェが併設されていて、こちらでチョコレートをいただくことができるのです。こちらは9時開店だったのですが、買い物が終わるとちょうど9時になっていたので、すぐ入ることができました。コーヒーを頼むだけでもベルナシオンのチョコレートを付けてくれるのですが、せっかくなのでケーキをいただくことに。カフェ・ノワゼットとケーキを注文したのですが、座席近くのショーケースに、旅行前ネットでベルナシオンのことを調べたときに見かけたケーキがあるのに気づき、これを下さいとアピール。どうやらケーキはその後店員さんがトレーに各種乗った状態で持ってきた中から選ぶ方式だったようで、そんなに焦って注文しなくてもよかったのですが、幸い通じたようで食べることができました。


    ↑カフェ・ノワゼットと、プレジダンというここのスペシャリテ。ケーキを頼んでもちゃんとチョコレートを付けてくれました。


    ↑このプレジダン(Président)というケーキはジスカール・デスタン元大統領をもてなすために考案されたことからプレジダン(英語で言うとプレジデント)という名前が付けられたようです。薄く削られたチョコレートがブーケのようで見た目にも美しいですし、中に入ったサクランボのコンフィがアクセントになっていて、決して奇をてらった味ではなく、しみじみとおいしいケーキでした。


    ↑内装も重厚で高級感漂うものでした。午後にはお客さんでいっぱいになるので、朝いちで来てよかった。

    お会計も10.1ユーロと、これだけ素敵なケーキを食べられた割にはリーズナブルでした。たぶんパリにお店があったらこんな風にはいかないと思いますが・・・。
    その後近くのカルフールに立ち寄り、カシスジャムを購入。それからFoch駅近くのチーズ屋さんでミモレットを200g買いました。それから再び地下鉄とトロリーバスを乗り継いでホテルに戻り、荷物をまとめてチェックアウト。スーツケースはもうしばらくフロントで預かってもらい、最後の市内観光に出発します。


    ↑今日が土曜日なせいか、ソーヌ川沿いにもパリのようなブキニスト(古本屋)が出ていました。


    ↑そしてその先ではマルシェが開かれています。


    ↑マルシェはやはりいつ来ても楽しいですね!魚や肉、そして様々な野菜が所狭しと並べられていました。アーティーチョーク(3枚目の写真の左から2つ目)なんかは日本でほとんど見かけない野菜ですね。


    ↑このようにソーヌ川沿いにずらっとマルシェのテントが並んでいます。ほかにも鳥の丸焼きやチーズ、サンドイッチのお店などがありました。

    いったんソーヌ川を渡り、旧市街へ。昨日見つけたチーズ屋さんでミモレット200gとトム・ド・サヴォワというチーズを100g、そしてコンテ100gを購入。再びマルシェに戻り、ここのチーズ屋さんでさらにミモレット200gとロックフォールを100g、そしてイタリアのチーズですがグラナ・パダーノ(廉価版のパルミジャーノ・レッジャーノ)250gを追加で買いました。いくらなんでも買いすぎたかなと思わなくもありませんが、日本のほぼ半額以下で買えるのでついつい手が伸びてしまいます。

    そろそろお腹が空いてきたので、リヨン美術館近くのCafé des fédérationsへ。しかしまだ12時になったところなのに予約でいっぱいと断られてしまい、仕方がないので昨日行けなかったLa Mère Jeanへ。今日は入れそうだったのですが、まだリヨン名物のクネルを食べていなかったので、お昼の定食でクネルがメニューに載っていた隣のChez Mounierへ。ここはリヨン滞在初日の夜にもお邪魔したお店なのですが、その時印象深かった陽気な男性店員さんが私のことを覚えていて、よく来てくれたとばかりに握手を求められました(笑)。


    ↑前菜は焼いた鶏レバーがたくさん入ったサラダ。こういう取り合わせは今まで食べたことがなくて斬新でしたが、悪くなかったです。ワインは気分を変えてロゼにしました。


    ↑そしてこれがリヨン名物のクネル! カワカマスなどの淡水魚のすり身を楕円形に成形し、オマールエビなどから作ったソースとともにオーブンで焼き上げられた一品です。リヨンではいろんなレストランを食べ歩いてきましたが、その中でもこれが一番おいしかった! すり身自体にそれほど味は付いていないのですが、とにかくソースとの相性が最高で、残ったソースもパンで全てさらってしまうほどでした。

    クネルは作り方からしてはんぺんに似ているので、日本人にはとてもなじみやすい料理じゃないかなあと思います。もっと日本でも気軽に食べられるといいのになあ。


    ↑そんなクネルの付け合わせは、米とナスとカリフラワーでした。これも名脇役ですね。

    それから写真を撮り忘れましたが、チーズは三度目のサン・マルセランでした。シェーブルチーズも選べたのですが、ヤギのチーズは癖があまり好きではないので、消去法で選択。


    ↑デザートはレモンチーズタルト。これは見た目通りさっぱりしておいしかったです。

    定食とワイン1杯で20ユーロと、リーズナブルでありながらほんとにおいしいブションでした。人気店なので帰る頃にはお客さんでいっぱいになっていましたが、ここはリヨンに行かれる方にぜひお勧めしたいお店です。

    その後新市街の南端を散策するのですが、それはまた次回。

    アルザス・リヨン旅行7日目(9/26) その2

    昼食を取った後、歩いてベルクール広場を経由し新市街へと向かうことにします。


    ↑ベルクール広場の北側から。


    ↑旧市街の東側、ローヌ川沿いに建つリヨン市立病院。現在は病院としての機能は他に移っているようです。


    ↑ローヌ川を渡ると新市街に入ります。

    新市街に入り、リヨン・パールデュー駅方面に歩いていきます。このあたりはイスラム系の人が多く、お店もそういう人向けのものがちらほらありました。あとオーダーメードの服屋も結構目立ちました。
    しばらく歩いてようやくパールデュー駅前に到着したので、駅前の大きなショッピングモールに入ります。


    ↑パールデュー駅近くは高層ビルが立ち並んでいました。このあたりは行政機関の建物が多いようです。

    ショッピングモールはカルフールが核テナントとなっていてかなり広く、フードコートも充実していました。売り場をいろいろと冷やかしてみたのですが、文房具売り場ではフリクションボールが大々的に売られていて、ほんとに大ヒット商品になっているんだなあと実感。ただ日本で買うよりは高かったので、お土産にはRHODIAのメモ帳を買いました。
    その後お酒売り場も見て回りましたが、日本のビールはアサヒもキリンもそろっていますし、日本酒もアメリカ産、梅酒もイタリア産なんてものがあったりして、とても面白かったです。ほかにもアジアの食事に合うという触れ込みの白ワインもありました。

    ショッピングモールを出た後は、夕食を食べる予定のレストランの下見に行くことに。


    ↑パールデュー駅ができる前、その北側にかつて存在したブロットー(Brotteaux)駅。その駅舎が現在でも残されています。


    ↑今夜立ち寄る予定のレストラン「l’Est」も、そんな旧駅舎を利用した建物にありました。

    まだ予約の時間はだいぶ先だったので、一旦ホテルに戻ることに。ホテル最寄りにも市場っぽい建物があることに気づきましたが、ここはどうやら営業していないようです。ホテルのフロントで鍵を受け取ると、翌日チェックアウトの予定だったのですが、先に会計するように言われたので、カードで支払いを済ませて部屋へ。まだ頭痛が収まらなかったので、少し休んでから再び夕食を食べに出発します。

    さっきと同じようにバスで行こうとしたのですが、運悪くバスが出たところだったので、地下鉄に乗っていくことに。地下鉄B線もA線と同じく、ゴムタイヤを履いた3両編成でした。お店に入り予約している旨を伝えたのですが、店内は19時なのにまだがらがらで、キッチンを取り囲むカウンター席に通されたのですが、しばらくぼっちの状態が続きました。ここはあのポール・ボキューズがプロデュースするセカンドラインのレストランで、リヨン市内にそれぞれ方角を店名にした4店があります。ここl’Estは「東」という意味で、その名のとおりフランス料理に東洋料理のエッセンスを加えた料理が特徴になっているようです。
    とりあえず前菜、日替わりのメイン、デザートがセットになった26.6ユーロの定食を頼み、ワインを飲みながら到着を待ちます。


    ↑マコン・ヴィラージュの白を飲みながらカウンター内のキッチンを眺めながら料理を待ちます。注文が通るたびにOui!とスタッフ全員が答えているのが、すごくかっこいい!


    ↑前菜のTarte Savoyarde au Beaufort。サヴォワ地方ボーフォールチーズのタルト、でしょうか。素直においしい味。


    ↑Suprême de Pintade Rôti, Nouilles Chinoise aux légumes。ホロホロ鳥のロースト、中華風麺と野菜添え(だと思います)。中華風ってなんだろうと思ってたら、まさかの焼きそば登場でびっくりしました。味は悪くはなかったですが、日本の地鶏のほうがおいしいかな。赤ワインはコート・デュ・ローヌのクローズ・エルミタージュのものです。


    ↑古い駅舎をレストランにしているというコンセプトのため、店内の天井を一定時間おきに鉄道模型が走っていきます。これが見たいのもあってここを選んだのですが、なかなか面白かったです。鉄道に関する記述もあちこちにあり、日本の新幹線のことも書いてありました。


    ↑まだワインが残っていたので、デザートはチーズにしました。これは昨日も食べたサン・マルセランですね。

    このころになるとお客さんが増えてきて、店内があわただしくなってきました。ちょうど目の前にデザート担当のシェフが二人いたので、そのやりとりを眺めているのがとても面白かったです。しかしオーダーを受けたワッフルがなかなか出せずに保温器に入れていたり、私が頼んだカフェ・ノワゼットも冷め倒した状態で出てきたり、サービス的には正直微妙でした。お会計も頼んでいるのに全然やって来ず、まあいいかと思いながらのんびり待つことに。結局30分ほど待ってようやくマネージャーっぽい女性がお会計を持ってきました。やはりここでも私がシェフなのか聞かれ、最初は中国語であいさつされたので、日本人だというと「こんにちは」と片言のあいさつをしてくれました。40.5ユーロのお会計を済ませ、店を出るころには店内は大盛況でした。ちょっと店内が回ってないような気はしなくもなかったですが・・・。


    ↑ブロットー駅旧駅舎は、夜にはライトアップされて綺麗でした。

    帰りも地下鉄で帰ろうとしたのですが、ちょっと待たないといけないようだったので、C3系統のバス乗り場に行ってみると、うまいことバスが来てくれたので、すぐに帰ることができました。ホテルに戻り、フロントマンに今日のレストランも予約してくれたお礼を言おうと思ったのですが、違う人に代わっていたのでお礼を言いそびれてしまいました。

    いよいよ明日が旅行最終日で、いろいろとお土産を買いに行くのですが、それはまた次回。

    アルザス・リヨン旅行7日目(9/26) その1

    7時に目覚ましをセットしていたのですが頭が痛くて起きられず、薬を飲んでもう少し横になります。でもあんまり良くならないので朝食を食べてごろごろしていたら、ホテルを出る頃には10時前になっていました。しんどいのでブレス鶏で有名なブール・カン・ブレスに行く予定は取りやめて、今日も市内を観光することに。


    ↑ホテルを出てすぐ近くにかかる歩行者専用橋。渡った先にサン・ポール教会があります。


    ↑サン・ポール教会のすぐ横にあるフランス国鉄のサン・ポール駅。


    ↑ホームに停車するTER。ここは近郊ローカル線のみの発着となっていて、本数が少ないのでホームは閑散としていました。それにしても、ローカル線の割に止まっている車両が真新しいものばかりですごい。

    サン・ポール駅前からトロリーバスに乗り、昨日も前を通りかかったリヨン中央市場へ。ここは食材のお店以外にビストロやレストランも充実していて、地元の人より観光客向けなのかなという雰囲気でした。


    ↑リヨン中央市場内の様子。鶏肉などは日本と違って一羽丸ごと尾頭付き(?)で売られていて、初めて見るとギョッとします。

    市場を出て再びトロリーバスに乗り、サン・ポール駅前まで戻って旧市街をうろうろすることに。


    ↑リヨンのトロリーバスC3系統。連接タイプの大きな車体が特徴です。


    ↑フルヴィエールの丘に続く急な階段。


    ↑リヨンにはトラブールと呼ばれる、このような路地と路地をつなぐ建物内の通路が、かつてはいたるところにありました。これはリヨン名産の絹織物を雨に濡れずに運ぶために使われていたそうです。


    ↑サン・ジャン大司教教会の大司教がかつて住んでいた宮殿。現在は図書館になっているようです。


    ↑サン・ジャン大司教教会からさらに南にある、サン・ジョルジュ教会。残念ながら中には入れませんでした。

    そして再び北に戻り、昨日乗らなかった別の系統のケーブルカーに乗って、サン・ジュストへ。


    ↑ケーブルカーのサン・ジュスト駅。こちらは特に観光名所もないため、地元の人しか利用していない雰囲気でした。

    実際私もここに来て何もするあてがなかったので、とりあえず昨日も行った大聖堂まで歩いてみることに。このあたりは旧市街の喧噪が嘘のように、高級住宅地が広がっていました。ケーブルカーで結構上ってきてるはずなのに、さらに坂を上ってようやく大聖堂に到着。


    ↑大聖堂の側面から一枚。

    せっかくまたここまできたので、昨日は立ち寄らなかったクリプト(地下聖堂)に行ってみることに。クリプトというと暗くて狭いイメージがあるのですが、ここはとても広くて、これだけで普通の教会ぐらいの規模はあるのではないか、と思いました。


    ↑規模もさることながら、普通は石がむき出しのイメージが強いクリプトなのに、これほどの装飾がほどこされていることに圧倒されました。

    そろそろお昼だったので、ケーブルカーに乗って麓に下り、地下鉄に乗り継いでベルクール広場近くのLa Mère Jeanというお店へ。しかし満席で断られてしまい、仕方なくリヨン旧市街に戻り、Les Lyonnaisというお店に入りました。ここもいわゆるブションで、料理は期待できそうです。とりあえず定食を注文し、ビールを飲みながら待ちます。


    ↑前菜は生ハムの乗ったチーズトーストとサラダ。ビールはストラスブールでも飲んだクローネンブルグ1664でした。サラダにかかっていた唐辛子マヨネーズっぽいドレッシングが良く合います。


    ↑メインは白ソーセージのロースト。付け合わせはジャガイモと、ニンジンをすり下ろしたっぽい何かです。おいしかったですが、ジャガイモ2個は多くて全部は食べきれませんでした。

    定食とビールで16.6ユーロと、まあまあリーズナブルなお値段でした。
    この後も引き続き市内観光をしますが、それはまた次回。