直った自転車で再び走り出し、サンテステフ中心部から西に少し行ったところにあるシャトー・カロン・セギュール へ。ここはハートマークのラベルが人気で、日本でも良くプレゼントに使われることで有名なシャトーです。しかしワインのタイプとしてはかなり本格派で、良い意味で決して飲みやすいワインではありません。
↑ぶどう畑の間にシャトーへと続く並木道があり、とても美しい景色でした。
↑カロン・セギュールのぶどう畑。よく手入れされている印象です。
↑まだ若いぶどうの木も植えられていました。ぶどうが収穫できるようになるまであとどれぐらいかかるんでしょうね。
カロン・セギュールもざっと見たので、そろそろポイヤックに戻ることにします。しかし自転車漕いでも漕いでも全然見覚えのある場所に着きません。いくらなんでもおかしいなあと思っていたら、どうやら道を思いっきり間違えていたようで、南に行くところを西に進んでいたようです・・・。ただでさえいつチェーンが外れてもおかしくない自転車をだましだまし漕いでいただけに、これは痛いロスでした。途中でD204号線を発見し、ポイヤック方面の標識を見つけて事なきを得たのですが、結局20分ぐらい走り回ったおかげでもうすっかり汗だくです。喉が渇いて無性にコーラが飲みたかったのですが、自販機どころかお店すらないので、我慢我慢。
しばらく走っているとD2号線に入り、やっと見覚えのあるシャトー・コス・デストゥルネルが見えてきました。ここは2級シャトーですが、サンテステフには1級シャトーがないので、ある意味サンテステフで一番のシャトーと言えるでしょう。立地的にも1級のシャトー・ラフィット・ロートシルトのすぐ隣にあります。
↑シャトー・コス・デストゥルネル。D2号線沿いに入り口があるので、とても目立ちます。
↑そしてシャトー・ラフィット・ロートシルトの畑。一度は飲んでみたいですが1本5万円とかするのでとても手が出ません。
↑同じくラフィットの敷地内。綺麗に手入れされたぶどう畑は美しいですね。
そのままD2号線を南下していくと、ワイン関連のおみやげ物屋の前に自販機を発見!1ユーロ入れて缶のコーラを買いましたが、めちゃくちゃうまく感じました。お店も気になったのですが、今荷物を増やすのは嫌だったので立ち寄らずに離脱。しばらく走ると、やっとポイヤック中心部の見覚えある景色が見えてきます。ここでスーパーを発見したので、缶入りの栄養ドリンクを買ったのですが、なぜか途中で店員さんにカバンを開けるよう促されました。まあこんな街のスーパーで東洋人がふらっと入ってきたら警戒するのもわからなくはないですが、気分悪いなぁ・・・。その後ジロンド川沿いに出てみます。
↑ジロンド川沿いに無造作に置かれていたモニュメント。このあたりはツール・ド・フランスのコースになるところなので自転車はわかるのですが、いくらワインが有名だからって明らかに飲酒運転でしょう(笑)。
↑そしてこれがジロンド川。もっときれいな川を想像していたのですが、ドロドロの濁流でした・・・予想と全然違ってびっくり。
↑ジロンド川の船着き場。河口は大西洋につながっています。ボルドーワインはこの港があったおかげで、海外に販路を広げることができたのです。、
まだしばらく時間があったのでどうしようか考えた末、自転車でもう少し南下してみることに。もう自転車のライフは0よ!という状態だったのですが、もっといろんなシャトーを見てみたい気持ちの方が勝ちました。まずは午前中見学したピション・バロンとピション・ラランドへ向かい、さらに南下していきます。
↑D2号線沿いに立つピション・ラランド。道路を挟んで右側がピション・バロンです。
↑ピション・ラランドのシャトー。収穫作業中なので仕方ないとはいえ、トラックさえいなければ・・・!
↑ピション・ラランドのすぐ南側にある1級シャトー、シャトー・ラトゥールの門。最初はここを見学するつもりでしたが、いっぱいで断られてしまいました。
↑門の南側にはラトゥールのぶどう畑が広がっていました。石垣にも1級シャトーの貫禄を感じます。
↑シャトー・ラトゥールの象徴、サン・ランベールの塔。ラベルに描かれていることで有名です。
↑D2号線の南方向を撮った1枚。右側がピション・バロン、左側がシャトー・ラトゥールの畑です。こうしてみると結構起伏のある土地なのがわかります。
↑シャトー・ラトゥールのすぐ南側に位置するシャトー・レオヴィル・ラス・カーズ。ここからサン・ジュリアン村となります。
↑ラス・カーズの門。ここも2級シャトーですが、スーパーセカンドと呼ばれる高品質のワインを作るところです。ここに限らず、1級シャトーと隣接したシャトーにはそういうところが多い印象。
そろそろいい時間になってきたので、ポイヤックに戻り自転車を返すことにします。その後近くにあったカルフールに入りましたが、ワイン売り場にはなんとブルゴーニュもありました。しかしやはりボルドーの扱いは別格でしたね。AOCサンテステフが1本10ユーロぐらいと安かったので思わず買いそうになりましたが、ワインは翌日買うと決めていたのでやめておきます。あと日本では無くなってしまったコカ・コーラ ライトがまだまだ健在だったですが、レモン味なんてものもあったので興味本位で購入。1本60セント(約70円)と安売りされていましたが、味はうまくもなくまずくもなく・・・という感じでした。これならペプシツイストの方がうまいですね。
そしてカルフールを出てバス停へ。ポイヤック中心部のバス停がいまいち良くわからなかったので、Bages(バージュ)まで戻ります。まだ時間が少しあったので、バス停すぐ横に広がるシャトー・ランシュ・バージュの写真を撮りつつ待つことに。
↑ランシュ・バージュのぶどう。
↑ランシュ・バージュの目印、D2号線沿いにそびえる十字架。
↑ランシュ・バージュのぶどう畑。
↑Bagesバス停。
時間になってもなかなかバスが来ないのでやきもきしていたのですが、やっと来たバスに乗り込むと運転手は女性でした。そして運転してる間ずっと乗客の女性としゃべっているので、ちょっとひやひや・・・。このへん日本と違っておおらかですねー。乗客は時間帯もあってか小学生ぐらいの子供が多かったです。途中、バス停から乗ってきた乗客となにやらもめたりしてかなり時間をロスしましたが、30分少々でMargaux Le Chateauバス停に到着。
Margaux Le Chateauのシャトーとは言うまでもなく、シャトー・マルゴーのことです。シャトーまでの道のりがいまいちわからなかったのですが、とりあえず東に向かって歩いてみることに。
↑バス停すぐ近くにあるホテルレストラン、パヴィヨン・ド・マルゴー。時間があれば食事してみたかったですね。
途中墓地の横を通り、ほんとにこの道であってるんだろうかと悩みながら歩くこと約5分、前方に並木道が見えてきます。と同時に観光バスがやってきて大量の観光客が降りてきました。どうやらここが目的のシャトー・マルゴーで間違いないようです。それにしてもなんとタイミングの悪いこと・・・。一通り撮影大会が終わるのをやりすごしながら写真を撮っていきました。
↑並木道の向こうに固く門が閉ざされたシャトー・マルゴーが見えます。何とも絵になる景色でした。
↑シャトー・マルゴーは一般の見学は受け付けていないようで、中に入ることはできません。このシャトーはラベルに描かれてることでも有名です。
↑はるか彼方まで広がる敷地。ゆっくり散歩するのも楽しそうです。
↑シャトー・マルゴーのぶどう畑。奥に見えるのが並木道です。
写真を撮り終え、特にすることも無くなったのでバス停へと戻ります。まだ次のバスまで時間があったので、マルゴー中心部のバス停まで歩くことにしました。このあたりはワイン関連のおみやげ物屋が比較的多かったです。バス停に着き、バスを待つことにしますが、まあ予想通りというか何というか、待てど暮らせどバスが来ません。わかってはいてもやはりバスが来ないと不安になるものです。結局15分ほどたってようやくバスが到着。
バスは最初快調に飛ばしていたのですが、ボルドー市内に入ってすぐ異変が起こります。なにやらロータリーから続く道が封鎖されているらしく、パトカーが止まっているではありませんか。うわ、これどうなるんだろうと思っていたら、バスの運転手はバスを止めてドアを開け、なにやら警官と話し合っています。そして結論が出たのがドアを閉め、ロータリーの別の道を進み始めます。そして何事もなかったかのように封鎖路の終点にたどり着き、元の道に無事復帰。このあたりの臨機応変さはさすがだなーと感じましたね。
そして無事にLes Aubiers電停に到着。ここからトラムに乗ってカンコンス広場まで戻り、一旦ホテルに帰ることにします。そしてフロントで部屋の番号を告げて鍵を受け取ろうとすると、なぜか私の部屋に電話をしています。どうやら部屋にいる連れを呼んでほしいと思われたみたいですね。当然ながら誰も出ないので、誰も出ないよ、という顔をされたのですが、もう一度説明してやっと鍵を受け取ることができました。やれやれ・・・。
部屋に戻り一旦荷物を整理して再びフロントへ。もう20時前になっていたので晩ご飯におすすめのレストランを聞くと、Fernand というお店を紹介されたのでそこに行くことにします。ホテルから歩いて10分少々でお店に到着し、案内されたテラス席につきます。ちょっと店構え的に高そうだなあという感じでしたが、さすがに店員さんはとても愛想が良くて居心地は悪くありませんでした。何を食べるかはいろいろ悩んだのですが、単品で頼むのはめんどくさいので、31.9ユーロのLe menu bistrotというセットメニューを注文します。
↑まずアペリティフにキールを注文。パンとソーセージの皿はサービスです(まあ他の料金に含まれているとは思いますが)。
↑前菜はサーモンのカルパッチョ。脂が乗ってうまかったです。ワインはグラーヴのChateau Lathibaudeのハーフボトルを頼みましたが、樽香が比較的強い印象でした。ワインの右にあるのは炭酸入りのミネラルウォーターですが、これが5.5ユーロと意外に高いのは盲点だった・・・。
そろそろ日が暮れてきてテラス席が寒くなってきたので、ハロゲンヒーターがつけられました。そのせいでこれ以降の写真はちょっと色合いがおかしくなっていますがご容赦を。
↑メインディッシュは鴨のロースト。これもソースの味付けが良くてとてもおいしかった。しかし付け合わせのポテトの多いこと・・・。
↑デザートのフォンダンショコラとアイス。これはもう文句なしにうまかったです。アイスもチョコレートでできた器に入っていてなかなかしゃれてるなあ。
というわけで料理的には大満足でしたが、お値段の方もさすがに54.3ユーロ(約6,300円)とかなりの額になりました。おいしかったから良いけど明日はもうちょっと節約しよう・・・と思いながらお店を後に。
↑Fernand近くのブルス広場。ライトアップされていてきれいでした。
↑ブルス広場にあるトラムC線のPlace de la Bourse電停。酔っていることもあってなんだか幻想的な光景に見えました。
さすがにハーフボトルを開けたこともあって、もうふらふらでした。時刻も22時を回っていたので何とか意識を保ちながら足早にホテルに戻ります。やっとこさホテルに帰り着き、着替えたりしているともう23時前になっていました。初日から自転車で走り回ってもうくたくただったので、あっという間に夢の中へ・・・。
翌日はトラムを乗り回したり、貴腐ワインのシャトー見学をしたりするのですが、それはまた次回。
2010年12月28日 23:18
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いつも海外旅行二日目は時差ぼけのせいで早く目が覚めてしまうのですが、今回もご多分に漏れず4時頃に目が覚めました。しかしさすがに早すぎるのでもう少しだけ横になり、5時過ぎに起床。そして大変な事に気づいてしまいます・・・。なんと部屋の鍵がどこにも見あたらないのです!あわてて部屋中を探し回ったのですがどこにもありません。この部屋の鍵はパンチカードみたいな穴の空いたカードになっていて、鍵穴に差し込んだままドアの取っ手を下げるとドアが開く方式になっていたのですが、そういえば最初この部屋に入ったときに、鍵を抜いた記憶がないなあと夜中起きたときに気づいて嫌な予感がしていたのです。しかしとりあえず気持ちを落ち着かせなければと思い、まずはシャワーを浴びることに。その後フロントに電話し、つたない英語で鍵が見あたらないのだがそちらで保管されていないかと聞くと、どうやら預かってくれているようでほっと一安心。しかし英語力に自信がないので、身支度をしてフロントに行くと、鍵はここにあるよ、と見せてくれました。とにかく最大限の感謝を述べてホテルを出ます。ほんとに鍵無くしてたらどうしようかと思った・・・。
時刻は6:30だったのですが、ゴミ収集している作業員がいる他は人通りもなく、外は真っ暗でした。サマータイムの関係で朝は1時間早いのですが、それにしても真夜中のようで変な気分です。まずはホテル近くのGambetta(ガンベッタ)電停に行き、トラムB線に乗ってQuinconces(カンコンス)電停に向かうことにします。まず券売機で切符を買おうと思ったのですが、最初使い方がよくわからず、そうこうしているうちにトラムが行ってしまいました。券売機には丸い出っ張りが付いていて、これを回して操作するということに最初気づかなかったのが原因だったのですが、なんでタッチパネルとかにしなかったんでしょう・・・。
↑Gambetta電停の様子。見ての通り外はまだ真っ暗です。
次のトラムは10分以上待たないと来ないようだったので、あきらめてカンコンス広場まで歩くことにします。昨日はあんなにたくさんの人が歩いていた大通りが、嘘のように静まりかえっていました。
↑ライトアップされた大劇場。ボルドーのトラムは中心部では景観を守るため架線がありません。線路だけあるのはなんだか不思議な光景ですね。
カンコンス広場までは歩いて10分もかからない距離でした。ここからトラムC線に乗って終点のLes Aubiers電停に向かうのですが、まだトラムが来るにはしばらく時間があります。というわけで電停でトラムを待っていると、新聞配達のお兄さんが新聞を1部くれました。急なことでびっくりしたのですが、どうやらDirect Bordeaux 7という無料日刊紙のようです。といっても24ページのタブロイド判でなかなか立派なもので、こんなのが毎日無料で配られてるなんてすごいなあ・・・。フランス語はさっぱりわからないので写真だけ眺めているとトラムがやってきたので、乗り込むことにします。
まだまだあたりは真っ暗でしたが、乗客はそれなりにいました。約20分でLes Aubiers電停に到着し、まずはどこかで朝ご飯を調達したかったのですが、あたりにお店っぽいものが見あたらず断念。
↑Les Aubiers電停に停車中のトラム。このあたりは架線からパンダグラフで給電しています。
ここからは705番のバスに乗り、ボルドー郊外のポイヤック村を目指します。以前はカンコンス広場からバスが出ていたようなのですが、トラムが延伸したためかLes Aubiers電停の一個手前のPlace Ravezies電停発着になっていました。Place Raveziesから乗っても良かったのですが、バス停の位置がいまいちよくわからなかったのでパス。Les Aubiers電停のすぐ横にはバスターミナルがあったのですが、705番のバス停はそこではなく、すこし線路を戻った道路沿いにありました。7:33発の予定だったのですが、なかなかバスが来ない上に、先に706番のバスが来たりしてちょっとどきどきします。なんせこのバスの次の便は3時間後なので、絶対に乗り遅れるわけにはいかないのです。結局5分以上遅れてやっとバスがやってきたので、まずは運転手に行き先を告げて切符を買います。9.2ユーロって高いなあと思いましたが、目的地までは1時間ちょっとかかるので仕方ありません。
バスに乗るころには空もやっと明るくなってきて、晴れ間も見えてきました。そして郊外に出るといよいよブドウ畑が見えてきます!しばらく道路沿いの景色をかじりつくように見ていました。
↑バス車内から眺めたボルドーのブドウ畑。テンションがだんだん上がってきます!
↑車窓からの景色を動画で。
乗客は最初ほとんどいなかったのですが、途中で小学生たちがちらほら乗ってきて、賑やかになってきました。この路線は通学路線的な使われ方をされているようですね。バスは途中マルゴー、サン・ジュリアンと有名なワイン産地を通過していき、いよいよポイヤックへと入っていきます。私はポイヤックの入り口にある、Pauillac St. Lambertバス停で降りるつもりだったのですが、車内に降車ボタンが見あたらないのできっと運転手さんが止めてくれるんだろうと思っていたら、なんとそのまま通過してしまうではありませんか!あわてて運転手さんのところに行き、アピールするとなんで言ってくれなかったんだ的なそぶりをされましたが、なんとか次のバス停で降ろしてくれました。仕方ないので1つ前のバス停までとぼとぼと歩いて引き返すことに。戻る途中にもブドウ畑が広がっていたので、写真を撮ったりしながら戻ります。しかしバスに乗っている間は晴れていたのに、なんだか曇り空になってきました。
そして9:15頃に今日最初の目的地、シャトー・ピション・ロングヴィル(ピション・バロン)に到着。ここはポイヤックにある2級シャトーで、2級とは言え日本で買えば1本1万円以上は確実にするようなワインを作っているシャトーです。あらかじめ旅行の数週間前に日本から見学希望のメールをいろんなシャトーに送っていたのですが、1級シャトーにはことごとく断られてしまい、最終的にOKしてくれたのがここでした。9:30から案内してもらうことになっていたのでまだ時間には少し早かったのですが、案内所に入ると早速案内してくれるようだったので、案内係の女性について外に出ます。案内してくれた方は結構若かったのですが、すごく説明が一生懸命で、とても好感がもてました。他にも見学希望の方がいると思ったのですが、どうやら私一人だけのようです。
↑ピション・バロンのセカンドワインのラベルにも描かれているシャトー。まさにボルドーのシャトーという風格がありますが、現在は人は住んでおらず、レセプション等で使用されるそうです。
まずはシャトーの概略の説明をうけ、ぶどう畑へ。ここではカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー、プティ・ヴェルドという3種類のぶどうを栽培しているけども、それぞれ好む土壌の性質が違う、ということを説明してくれました(カベルネ・ソーヴィニヨンのほうが乾燥した土壌を好むそうです)。またぶどう畑の畝の端にはバラが植えてあるのですが、これはなにか異変が起こったときに真っ先にバラが枯れることで異常を知らせるという、カナリア的な役割があるそうです。これは知らなかったのでへぇー!と思いました。といっても私も英語がそんなに理解できるわけではないので、わからなかったことも多かったです。とにかく1対1だったので、しきりになにか質問はないですか?と聞いてくれるので、何を聞いていいやら・・・と悩みっぱなしでした。
その後、シャトーの脇にある建物へと案内されます。まずは瓶詰めの設備を見た後、ステンレスタンクの並ぶエリアへと向かいました。
↑収穫されたぶどうを、人の手で選別をするための台。ちょうど収穫時期だったので、午後から作業が始まるようでした。
↑発酵、貯蔵のためのタンク。これ以外にも、ここのエリアの地下にもっと巨大な貯蔵タンクがあるそうです。
その後貯蔵樽の並ぶカーヴへと案内されます。新旧2つのカーヴがありましたが、空調管理されておりとても近代的な雰囲気でした。新しい方のカーヴはシャトー前の池の真下にあったのですが、これはおそらく湿度の維持のためではないかと思われます。また樽はすべてフレンチ・オーク製で、複数のメーカーから購入しているとのことでした。
↑樽のずらっと並ぶカーヴ。こちらは古い方のカーヴだそうです。
新しい方のカーヴでは、スーティラージュ(澱引き)の作業を見せてもらえました。ワインは樽に貯蔵していると底の方に澱(おり)がたまってくるので、定期的に上澄みを取り出して別の樽に移す作業をしています。底に近づいてくると、グラスに入れたワインをろうそくにかざして澱の具合を見て、ワインを止める瞬間を注意深く決定するのです。今でもろうそくを使って作業をしているのがとても印象的でした。
↑スーティラージュの様子。こんな感じで作業していました。
またスーティラージュの終わった樽は洗浄して再び使用するのですが、洗浄は湯気の力を利用して行っているのが面白かったです。その後シャトーのボトルコレクションを見せてもらいましたが、70年以上前のボトルがあったりして興奮しました。なんでも100年以上前のワインもコレクションされているそうです。
↑ワインのコレクション。1934年の文字が手前に見えます。
一通りの見学が終わり、いよいよ待ちに待った試飲です!試飲は3種類で、まずは同じオーナーの別のシャトーのワイン(名前を忘れましたが2006年もの)、そしてセカンドワインのトゥーレル・ド・ロングヴィル2006、そして最後にシャトー・ピション・ロングヴィル2004という順番でした。試飲の仕方がわからなかったのですが、まず最初に案内してくれた人がワインの状態をチェックするため、先に試飲してくれたのでそれを見てやり方を学ぶことに。まず色を見て、それから香りをかいで、そして口に含むのですが、このとき空気に触れさせるためにグラスもテーブルの上で激しく回しますし、口に含んでからも意外と大きな音を立ててすするというか、攪拌させていたのでちょっとびっくりしました。そして最後に容器に吐き出します。別に飲んでも良いとは言われましたが、3種類全部飲んだら味がわからなくなりそうだったので、飲みつつ吐き出すというような感じで進めていきました。しかし口の中で空気を含ませるのが意外と難しくて、何度かむせそうになりました(笑)。
↑試飲室の様子。テーブル端の黒っぽい容器は、ワインを吐き出すためのものです。
最初のワインには特に感想はありませんでしたが、トゥーレル・ド・ロングヴィル2006は、メルローの比率が高いとのことで、少しポムロルやサンテミリオンのワインに近い印象でした。そしてシャトー・ピション・ロングヴィル2004は、とにかく力強い味わいで、もっと熟成させると一体どんな味になるんだ・・・といろいろ想像をかき立てられました。こんなすごいワインを飲んだのは初めてなので、さすがにこれは全部飲ませてもらいました。どれが一番好みかと聞かれたのですが、今の時点で飲むならトゥーレル・ド・ロングヴィル2004でしょうね。ただ10年後はシャトー・ピション・ロングヴィル2006の方がおいしくなっているかもしれません。
見学も終わり、最後に見学料の7ユーロを払います。そのとき日本から持って行った浪の詩(粟おこし)を渡したらすごく喜んでもらえました。笑顔で別れを告げ、しばらくシャトー内の写真を撮って回ることにします。
↑ピション・バロンのぶどう畑。畝の端にバラの花が咲いています。
↑畑のぶどうはこんな感じ。デラウェアに近い感じですが、種があって皮が厚いです。そしてなにより甘い!
↑バラとシャトー。よく手入れされた庭でした。
その後、道路を渡って向かい側のシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド(ピション・ラランド)と、シャトー・ラトゥールを見ていきます。ピション・ラランドは、さっき見学したピション・バロンと元は同じシャトーだったのですが、現在は別のシャトーになっています(どちらも2級シャトー)。シャトー・ラトゥールは5つしかない1級シャトーのうちの一つで、ワイン好きには超有名なシャトーなのでここも外せません。
↑シャトー・ラトゥールの門。インターホンがあり、遠隔操作されているようです。
↑ピション・ラランドのシャトー。ピション・バロンと雰囲気がよく似ています。
↑ピション・ラランドの発酵タンク。ドアが開いていたのでちょっとのぞかせてもらいました。
↑奥では収穫されたばかりのぶどうから実だけを分離する除梗(じょこう)という作業をしていました。ぶどうの房が機械によって揺すられて、実が分離されるようです。
それから少し歩いてポイヤックの中心部へ。まずは観光案内所に向かいます。ここはMaison du tourisme et du vinという名前の通り、ワイン関連のおみやげ物も充実しています。
↑観光案内所の建物。ポイヤック村入口のロータリーを右に曲がり、ジロンド川につきあたるすぐ手前にありました。
↑表に置かれていた、顔を出して写真を撮る用のパネル。こういうのって日本独特のものだと思ってたのですが、フランスにもあるんだと知って胸熱でした(笑)。
ここではワインのジャムを買い、案内所でレンタサイクルの場所を聞いて外に出ます。レンタサイクルは近くのAVIAというガソリンスタンドでやっているとのことだったので、そこに向かうことに。パスポートのコピーを見せ、6時間10ユーロで無事自転車を借りることに成功しました。
↑ジロンド川沿いの風景。このあたりがポイヤック村の中心部のようです。
↑自転車を借りたガソリンスタンド。
↑借りた自転車がこれ。まさかこの先あんなに苦労することになるとは・・・。
自転車に乗るととにかく移動が早い早い。しかし自転車があんまり良くないせいか、ギアチェンジがどうもひっかかる感じです。そろそろ12時だったのでどこかでお昼ご飯を食べようと思ったのですが、適当な店が見つからなかったのでとりあえず自転車で移動することに。たまたま途中でパン屋さんを発見したので、そこでチーズの乗ったパンを購入し、近くの公園で食べることにしました。
↑なんとも形容しがたいのですが、チーズの味が濃厚で、ハーブもきいておいしいパンでした。あんまり日本ではないタイプですね。
簡単に腹ごしらえを済ませ、再び出発。とりあえず北に向かって進んでいくと、シャトー・ムートン・ロートシルト、シャトー・ラフィット・ロートシルトというボルドーだけでなくフランスを代表する1級シャトーが見えてきました。
↑シャトー・ムートン・ロートシルトの畑。こうやって畑を見る限りでは他の畑ととりたてて違うようには見えないんですよね。ここはシャトーの場所がいまいちよくわかりませんでした。
↑シャトー・ラフィット・ロートシルトの畑。見学者が多いだけあってこのように案内板が立っていました。
↑このあたりはやや起伏の多い土地でした。これがぶどうにも影響をあたえているんでしょうね。
↑シャトー・ラフィット・ロートシルトの建物。門が閉まっていて中には入れませんでしたが、立派な建物でした。敷地内には池もあったりして、お金かかってるなあ、という感じ。
2つのシャトーをあとにし、さらに北にあるサンテステフ村へと向かいます。しかしその直前でいきなり自転車のチェーンが外れてしまい、フロント側のチェーンホイールの隙間にがっちりと挟まってしまいました。工具も何もないので素手で格闘すること約10分、ほとんど途方に暮れかけていたのですが、なんとかチェーンを戻すことに成功。しかしテスト走行で再度チェーンが外れてしまい、再び格闘する羽目に・・・。とりあえず戻すことはできましたが、次にいつ外れるかとびくびくしながらリスタート。
↑サンテステフ村入口に立つシャトー案内板。2級シャトーのモンローズや、4級シャトーのラフォン・ロシェなどの名前が見えます。
このあたりでやっと天気も回復してきて、晴れ間が見えてきます。と同時にちょっと暑くなってきました。このあたりはほんとに見渡す限りぶどう畑!という感じで、自転車で走っていてとても楽しかったです。
↑このあたりはとにかく一面にぶどう畑が広がっていました。向こう側にジロンド川が見えます。
↑まさに地平線の彼方までぶどう畑、というイメージ。
サンテステフでは特にあてはなかったのですが、とりあえず村の中心部に向かうことに。しかし到着したのはいいものの、今度はリアホイール側でチェーンが外れてしまいました。こちらもガッチリとギアとフレームの間にチェーンが挟まってしまい、全く外すことができません。再び10分以上格闘し何とか直すことができましたが、チェーンが痛んでしまったようでどうにも調子がよくありません。とにかく極端なギア設定にすると外れそうだったので、細心の注意を払いながら走りだします。
このあと引き続きいろんなシャトーを見ていきますが、続きはまた次回。
2010年12月22日 01:49
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例年なら出発前日に荷造りをほぼ終えているところなのですが、今年は出発直前まで富山に行ったりコンサートに行ったりばたばたしていたため準備が間に合わず、朝6時前に起きて最後の荷造り。焦ると大事な物を忘れたりしてろくなことがないのですが、結局最後まで荷物確認などをしていると電車に乗り遅れそうになり、スーツケースを引っ張って駅までダッシュ!何とか間に合いましたが、もう汗だく・・・おまけにTシャツに小さなほころびを発見してしまい、先が思いやられます(笑)。
途中梅田のコンビニでコーヒーを買っていこうと思ったのですが、よく考えたら普段使っている財布を家に置いてきたので、お札しか持っていません。これを崩すのは嫌だしどうしようと思っているうちに、このコンビニではPiTaPa決済が出来ることを思い出しました。ちょうどPiTaPaはクレジットカードとして使おうと思って持っていたので、それで決済。こういうときほんとに便利ですねー。大阪からは8:28発の関空快速に乗り、twitterで出発報告をしながら関西空港へ。西九条で座れたので、楽々行くことができました。
9:42関西空港着。チェックインは済ませていたので荷物を預け、手荷物検査、出国審査と通過した後、北ウイングに着いたのが10時ちょっと過ぎでした。今年は9月に夏休みを取ったせいか、空港が空いていて予想外に手続きが早く済んでしまい、どうやって時間をつぶそうか・・・という状態に。こんなことならもっとゆっくり来るんだったー。とりあえずいつものようにラウンジに入り、ジュースを飲みつつ30分ほど時間つぶし。10:45頃に搭乗手続きが始まりましたが、後方の席だったので早々と乗り込みます。今回スペースの関係で2列になっている窓際の席を選んだのですが、ここは窓との間に少しスペースがあってゆったりしていましたし、座席を立つときもあまり隣の人に気を遣わないで済みそうだったので、当たりでしたね。隣の席は最初空席だったのですが、なぜか他の席から女性が移ってきました。今回はエールフランスを選んだのですが、KLMに乗ったときより外国人の姿が目立ちました。まあ時期的な問題かもしれませんが。
定刻の11:25頃に機体が動き出し、無事に離陸。ほどなく食事のメニューが配られましたが、フランスの航空会社らしく、シャンパンがあるのが目を引きます。というわけで食事の時にはシャンパンを頂きましたが、文句なしにうまかったです。食事は残念ながら在庫の関係で選択の余地なく和食にされてしまったのですが、これもおいしかった。食事にはちゃんとしたカマンベールチーズが付いてきたのですが、こういうところに手を抜かないあたりに、フランス人のチーズ好きを垣間見ることができますね。
↑1回目の機内食。鶏の釜飯とスモークサーモンのサラダなどですが、おいしかったなー。エールフランスの機内食は全般に味付けがよくてレベルが高かったです。
食事が終わってしばらくはPSPで遊んでいましたが、眠くなってきたので3時間ほど就寝。その後も本読んだり音楽聴いたりしているうちに2回目の機内食の時間になりました。あまりお腹は空いていなかったのですが、ちゃんと量も少なめだったので食べられました。
↑2回目の機内食。鴨ハムが特においしかった。
定刻より早く、出発からちょうど12時間ほどでパリ・シャルル・ド・ゴール空港に到着。まずは入国手続きを済ませ、乗り換えのためターミナルに向かいます。ターミナルは狭くてあまり暇がつぶせそうなところがなかったので、ひたすら本を読んで時間つぶし。1時間ほどして搭乗開始のアナウンスがあったので、手荷物検査を受けてから飛行機に乗り込みます。当然のことながら周りはフランス人ばかりでした。18:25出発予定だったのですが、なにやらトラブルがあったようで、結局19時頃に離陸。
機内では晩ご飯代わりにサンドイッチでも出てこないかなあと期待していたのですが、結局ビスケットだけでした。とりあえずこのビスケットはカバンにしまい、後で食べることにします。そして20時頃、ボルドー・メリニャック空港に到着。結局出発が遅れたせいで到着も20分ほど遅れてしまいました。夜遅くなると不安なので早めに着きたかったんだけどなあ・・・。
飛行機を降り、まずはどきどきの手荷物受け取りターイム!幸い今回はあっさりとコンベアを流れてきたのでほっと一安心しました。
↑手荷物受取所。こんなところにワインボトルのモニュメントがあるあたり、さすがボルドー!
さて、空港からボルドー中心部へはシャトルバスに乗るのが一番手堅いのですが、それじゃおもしろくないですし、料金も7ユーロ(約800円)ほどするので、市バスに乗って行くことに。市バス乗り場は空港の出口を出て右側という情報があったのでそれを信じていったのですが、実際には出口を出て左側にありました。バス停を発見した直後にバスが出てしまったので、次のバスまで15分待つことにします。
↑バス停の標識。1番のバスに乗って市中心部のQuinconces(カンコンス)広場方面へと向かいます。
20:30のバスに乗り、まずは運転手から切符を買います。市内交通は1回乗車なら1.4ユーロ(約160円)なので、シャトルバスと比べるとはるかに安い。乗ったのは連接部付きの比較的大きなバスで、最初乗客はまばらでしたが、途中で乗ってくる人が意外と多かったです。そしてバスはとにかく飛ばす飛ばす。郊外は信号がないので交差点はたいがいロータリーなのですが、通る度に横Gがかかってスーツケースを押さえるのに必死でした。
↑市バスの車内。比較的新しくて快適でした。連結部があるバスはヨーロッパではかなりメジャーです。
そしてこのバス一番の難点は、次の停留所の案内が一切無いことでした。バスによっては電光掲示板が付いている物もあるようなのですが、このバスにはそれがない上に、私は途中のバス停で降りるつもりだったので、どのタイミングで降車ボタンを押せばいいんだ-、とはらはらしっぱなしでした。路線図は印刷して持ってきていたのですが、途中のバス停がわからないのでは意味がありません。必死に流れる景色を眺めていたのですが、幸運にも降りる1個手前のバス停を視認することができ、あわてて降車ボタンを押しました。というわけで無事にGambetta(ガンベッタ)バス停に到着。やれやれ・・・。
そして今日泊まる予定のHotel Clemenceauは、バス停からすぐのところにありました。もうすでに21時を回っていましたが、このあたりは繁華街のようで、まだまだにぎやかです。まずはチェックインを済ませ、部屋へ。
↑今夜泊まるホテルの部屋。なかなかモダンな感じで居心地がよかったです。冷蔵庫があればもっとよかったんだけどなー。
今日はもう疲れていたので、飛行機でもらったビスケットを食べたり、到着をツイートしたりして、もう寝ることにします。まだ22時前でしたが、もう24時間ほど起きている計算になるので、眠くて仕方ありませんでした。翌朝は5時起きなので、なおさらです。
翌朝はとんでもない事件で幕をあけることになるのですが、それはまた次回。
2010年12月2日 22:17
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