2018年4月

    バルト三国の旅2日目(9/17) その2

    旧市街を散策しつつ、今晩ご飯を食べるお店もチェックしていると、朝方にそばを通った聖ニコラス教会の近くまで来ました。


    ↑尖塔が特徴的な聖ニコラス教会。やはり日差しがないと写真を撮るテンションが上がりません。

    それからホテル近くのふとっちょマルガレータと呼ばれる砲塔跡へ。ここは現在海洋博物館として使われているため、中に入ることができます。


    ↑ふとっちょの名の通り、厚みのある円柱形をしています。その西側にある見張塔との間にあるのが、昨日も通ったスール・ランナ門です。


    ↑海洋博物館の入口。左側にはオジェウ事件に関する記念碑があり、ちょうど9月半ばの訪問だったからか、花がたくさん供えられていました。


    ↑今回泊まったホテルは海洋博物館の並びにありました。この左側手前には、三人姉妹と呼ばれる細長い色の違う歴史的な建物が三つ並んでいます。

    続いて朝はまだ開いていなかったのでスルーしていた聖オレフ教会へ。ここは併設の塔からの眺めがすばらしいようなので、まずはそちらに上ってみることにします。


    ↑見上げんばかりに高い塔。エレベーターなどはないのでらせん階段で上っていくのですが、狭くて行き違いがつらいのでなかなか大変でした。


    ↑旧市街側と新市街側で街並みががらっと変わるのがおもしろい。


    ↑海側の風景。私が乗ってきた高速船は左側に見える茶色い塔のあたりに接岸しましたが、中央付近に見える港に到着する船舶会社もあるようなので、注意しないといけません。

    塔からの眺めは素敵でたくさん写真を撮りましたが、風が強いのでずっといるのはちょっとつらかったです。塔を下り、今度は教会に入ってみます。


    ↑聖オレフ教会自体は意外なほど質素でした。何度が雷で焼け落ちているそうなので、昔とは違っているのかもしれません。


    ↑路地から塔を見上げたところ。相当下がらないと全体を写真に収めることができませんでした。

    教会を出て、再びトームペアに上ってみることにします。この時間になると学校帰りの学生たちも多かったです。


    ↑ライ通りをトームペアの入口あたりまでやってきました。このあたりもお店が多いエリアです。


    ↑朝も通ったピッケ・ヤルク通りを上っていくと、画家が自作の絵を売っている光景を何度か目にしました。


    ↑トームキリク(大聖堂)はエストニアでは最古の教会だそうです。

    トームキリクにも上ることができる塔があったのですが、さっき聖オレフ教会の塔に上ったところで足がつらかったので、やめておきました。


    ↑こちらも朝に立ち寄ったアレクサンドル・ネフスキー聖堂。ロシア正教会はタマネギ型のドームがあったり、十字架が独特の形(八端十字架)をしているのですぐわかります。


    ↑トームペアにある展望台。このあたりは定番の観光コースなのか、中国人観光客の姿も多かったです。

    それからトームペアの南東にあるネイツィトルンという塔へ。ここはカフェが併設されているのですが、どこまでがカフェでどこからが観光コースなのかがよくわからなくてちょっと迷ってしまいました。


    ↑ネイツィトルンからはそのまま城壁の上を歩くことができます。ほんとはこのまま後述するキーク・イン・デ・キョクという塔に入りたかったのですが、見えているのに入れなくてそのまま引き返すはめに。


    ↑ここから見る聖オレフ教会の塔も素敵です。

    ネイツィトルンを出て、改めて南にあるキーク・イン・デ・キョクに行こうとしたのですが、入口がどこかわからなくて少しさまよってしまいました。


    ↑さまよっている時に見つけた友好の桜。すぐ近くには日本大使館がありました。

    結局入口は城壁の外側にありました。キーク・イン・デ・キョクとは「台所を覗け」という意味らしく、かつてはこの塔の上から家々の台所が覗けたらしいのですが、残念ながら私には見えませんでした。内部は防衛や軍事に関する博物館になっています。


    ↑内部の様子。入った時点ですでに閉館時間まであと20分だったので駆け足で見て回りましたが、女性のガイドさんが丁寧に解説してくださいました。

    慌ただしく展示を見て外に出ると、時刻は17時半になっていました。まだ晩ご飯には早い時間ですが、時差ぼけのなか塔に上ったりして少々疲れたので、そろそろレストランを探すことにします。


    ↑街を歩いていると目に飛び込んできた理系バー。インパクトがすごい。


    ↑ラエコヤ広場もこの時間になるとレストランがディナーの準備を始めていました。

    最初は聖ニコラス教会近くのRataskaevu 16というレストランに入ろうと思ったのですが、まだ早い時間にもかかわらず予約で一杯とのこと。仕方ないので第二候補として考えていた、観光案内所そばのPegasusというお店へ行くことにしましたが、まだ時間が早すぎてお客さんが誰もいないので、しばらく目の前の公園で時間をつぶし、別のお客さんが入っていくのを見届けてから入ることにしました。


    ↑Pegasusは創業50年以上の老舗ですが、そこまでお高い感じではなくて良い雰囲気です。

    案内してくれた女性の店員さんは、私の下手な英語にも嫌な顔一つせず愛想良くにこやかに応対してくれ、それだけで良いお店だなあと感じました。


    ↑まずはエストニアの国民的ビール、sakuをいただきましたが、いわゆるドラフトビール系の味です。

    ビールはともかく、付け合わせに出てきたパンにびっくりしました。ひまわりの種なんかがたくさん入っているライ麦パンで、持つと手が油でべとべとになる感じだったのですが、そこにバターを付けて食べるとめちゃくちゃうまい! バターにも岩塩と細ネギの小口切りのようなものがかかっていて、他では食べたことないものでした。


    ↑ブイヨンスープ エストニア風パイ添え。カボチャの入ったパイと、塩味のきいたブイヨンスープの組み合わせでおいしかったです。

    続いてsakuのスペシャルビールを頼もうとしたのですが、在庫がないとのことで、別の似たビールをおすすめしてもらいました。


    ↑メインディッシュはタラのフライにしました。思ってたほどボリュームはなかったですが、良い味付けでした。


    ↑おすすめされたビールはÕLLENAUT(読み方はウレナウトでいいのかな?)のVANAMEESというライ麦のIPAだったのですが、ライ麦らしい色の濃さとIPAらしい苦みがマッチしてとてもおいしかったです。エストニアのビール、レベルが高い!


    ↑まだパンが残っていたので、ビールを追加。PÕHJALA(プヤラ)のVIRMALISEDというIPAにしましたが、こちらもさわやかな苦みで良い! PÕHJALAのビールは日本に帰ってきてからも何度か飲む機会があったのですが、どれもおいしいです。

    夜8時近くになり、店内にはお客さんが増えてきました。もうほろ酔いだったのでそろそろお店を出ることにします。さすがに昨日のパブに比べたらお値段はしましたが、それでも31.5ユーロとなかなか良心的な値段でした。しかもレシートにはわざわざ”Thank you. Have a great night!”と書かれてあり、ほんとそのホスピタリティに感激することしきりです。といってももうあとはホテルに帰って寝るだけなのですが・・・。


    ↑ラエコヤ広場はライトアップされており、晩ご飯を食べる人たちでにぎわっていました。


    ↑一方、中心部を離れると人通りが減って少し寂しかったです。治安の悪さは特に感じなかったので安全だとは思いますが、女性の一人歩きは気を付けた方がいいかもしれません。

    ホテルの自室に帰り着いたときにはまだ21時頃でしたが、もう疲労困憊だったのでいそいそと寝る支度を始めました。

    明日はタリンを出発してラトビアの首都リーガに向かうのですが、それはまた次回。

    バルト三国の旅2日目(9/17) その1

    6時半に目覚ましをセットしていましたが、時差ボケであまり寝られなかったのでしばらくごろごろ過ごしてシャワーを浴び、8時半頃に朝食を取りに向かいます。しかし朝食会場には私以外誰もいなくて、ものすごく食べづらかったです。


    ↑朝食はごくありふれたメニューでしたが、左下のおかゆのような物はねばりけがすごくてあまりおいしくなかったです。

    朝食を終え、外に出たとたんに雨が降り出しました。俺持ってるな・・・(笑)。ホテルのすぐそばにある聖オレフ教会は10時オープンだったので後回しにして、まずは城や大聖堂のあるトームペアと呼ばれる丘に上ってみることに。


    ↑トームペアの入口。この右側にはTabinoya(旅の家)という日本人が経営しているホテルがあるようです。


    ↑正面の建物右側をよく見ると、なぜかマリオのスーパースターらしきものが描かれています。これはなんなんでしょう・・・?

    丘へと続く通路を上っていくと、まずはアレクサンドル・ネフスキー聖堂が見えてきます。ロシア正教会の聖堂なので、外観も独特です。中にも入ってみましたが、ロシア正教会は撮影禁止のところが多いようで、写真は撮れませんでした。リザと呼ばれる金属製の覆いが施されたイコン(聖画像)や、また熱心な信者の方の姿が多かったのを覚えています。
    それからトームキリク(大聖堂)にも行ってみましたが、こちらも礼拝堂は撮影禁止でしたが大量の紋章が印象的でした。まだ雨が降っていたので外観の写真は後回しにして、いったん丘を下りることに。


    ↑タリンの旧市街には至る所に城壁が残っていて、上部を歩けるところもあります。


    ↑帰りはリュヒケ・ヤルク通りを通って丘を下ります。この先は急坂になっていました。

    丘を下りると右手に聖ニコラス教会が現れますが、ここは美術館のようになっているので見学はせず、近くの観光案内所で地図をもらいます。そこから北に向かうと、旧市街の中心地、ラエコヤ広場です。広場に面して旧市庁舎があり、内部を見学したかったのですが、なにやら美術展が開催されているらしく、入場料が14ユーロと高かったので悩んだのですが、入ってみることに。


    ↑広々としたラエコヤ広場と、旧市庁舎。

    美術展にはルーベンスの絵なんかもありましたが、結局建物内部はあまりじっくり見ることができず、ちょっと残念。ただ旧市庁舎のゲストブックが展示されていて、そこにガンジーやゴルバチョフといった著名人のサインがあったのが印象的でした。

    旧市庁舎を出て、ラエコヤ広場を挟んで反対側にある市議会薬局(Raeapteek)へ。ここは営業中の薬局としてはヨーロッパで最も古いものの一つらしく、記録に残る限りでは少なくとも約600年の歴史があるようです。薬局の奥には展示室があるので、そちらをのぞいてみることにします。


    ↑市議会薬局の外観と入口。それほど目立たないので注意しないと通り過ぎてしまうと思います。右側には薬学のシンボル、ヒュギエイアの杯のロゴがありました。


    ↑展示室には好奇心をくすぐられるような薬瓶や調剤器具、ホルマリン漬けの原料などが並んでいて、ちょっとわくわくします。


    ↑薬局の窓口にも昔の調度品が置いてあります。この左側に薬局カウンターがあり、15世紀のレシピで作られたスパイス入りワイン「クラレット」なども販売されてるようです。

    薬局を出て、そのすぐ北側にある聖霊教会へ。ここは主に庶民が通った教会で、それほど大きくはなく派手さもありませんが、こちらも600年以上の歴史を十分感じさせる重厚さがありました。


    ↑聖霊教会の内部。オルガンや側廊2階の下部、横にずらっと並んだ絵は「貧者の聖書」といって文字の読めない人たちに聖書の物語を説くためのものです。


    ↑聖霊教会の外観。この時計は1684年にタリンで最初に取り付けられた公共の時計だそうです。

    それからすぐ近くのエストニア歴史博物館へも立ち寄りました。ここはかつて大ギルド会館として使われていた建物です。


    ↑エストニア歴史博物館は黄色い外壁でとても目立ちます。


    ↑展示品の中にはなぜか1997年製の東芝製ラップトップPCが! ちゃんとキリル文字のキーボードです。


    ↑地下展示室はかつてワインセラーとして使われていたこともあるようで、お酒や武器などに関する展示が充実していました。


    ↑1階の大ギルドホールも展示室として使われていました。ここには大相撲の把瑠都関に関する展示もあります。

    博物館を出て、今度はお土産を買いに雑貨屋さんを数軒はしごします。北欧に似たセンスの良い雑貨がたくさん売られていましたが、その中からランチョンマットと鍋敷きを購入しました。

    続いてタリン市博物館へ。こちらはソ連占領下の時代や、そこからの独立といった内容の展示が印象に残りました。特に1989年、バルト三国のおよそ200万人の人たちが手をつないで人間の鎖で結んだ「バルトの道」というデモ活動を記録したビデオの上映はとても興味深かったです。他にも地下に食器のコレクションなどがありました。


    ↑タリン市博物館は他にも旧ソ連の通信機器がたくさん置いてあって、そちらも心惹かれました。

    次に南側にあるドミニコ修道院に行ってみましたが、残念ながら中には入れませんでした。修道院を突っ切って東に行くことができないので、南に迂回してヘレマン塔から旧市街をぐるっと囲む城壁に上ってみることにします。


    ↑タリン市旧市街の城壁はこのように街を取り囲んでいて(途切れている部分もありますが)、お店が入っているところもあります。


    ↑城壁に上ったところからの眺め。ようやく日が少しですが差し始めました。


    ↑ヘレマン塔の南側にある、「セーターの壁」と呼ばれるニット類を多く扱うお店が城壁の下に建ち並んだエリア。ニットのデザインに北欧ぽさを感じます。


    ↑セーターの壁すぐそばにあるステーキハウス。座っている豚の像に貫禄があり、観光客が並んで座って写真を撮ったりしていました。

    ここから東、ヴィル門の先には新市街が広がっており、旧市街の街並みとは全く違う近代的な建物が建ち並んでいました。そちらは眺めるだけにしてにぎやかなヴィル通りを反対の西に向かって歩いてみます。


    ↑タリンで有名なレストラン、オルデ・ハンザ(Olde Hansa)。ここは15世紀の商家を改装しており、中世料理を現代に再現したものをいただけるそうです。

    ようやく日差しも出てきたので、このあと旧市街の見所を再度駆け足で巡っていくのですが、それはまた次回。