バスク地方の旅2日目(8/8) その1

6時に目覚ましをかけていたのですが、結局なんだかんだでホテルを出たときには8時になっていました。この時間、あたりはしんと静まりかえっていて、身支度するのも気を遣います。サマータイムの影響で夜遅い分、朝も遅めの人が多いのかもしれません。

外に出ると半袖では肌寒いぐらいで、とても8月とは思えない気候。ですが日中にかけてどんどん気温は上がっていきます。まだ朝ご飯を食べていなかったので、どこで食べようかと考えつつ、とりあえずサンテスプリ橋を渡って駅に向かうことに。


↑バイヨンヌの市庁舎。中心部にありとても目立つ建物です。


↑サンテスプリ橋から東側の風景。向こう側に見える橋はフランス国鉄です。

駅前にカフェがあったので、ここで朝食を取ろうと中に入ったのですが、なぜか意思疎通がうまくいかず、追い返されてしまいました。仕方がないので駅舎に入り、構内のカフェでエスプレッソとパン・オ・ショコラのセットを2ユーロで買うことに。テイクアウト専用のセットだったので駅のベンチに座って食べましたが、こんな普通のカフェでもやはりパン・オ・ショコラはおいしかったです。

今日はここから列車に乗ってまずはサン・ジャン・ド・リュズという街に向かいます。券売機で8:44発の切符を購入したのですが、TERと運賃は同じなのになぜか座席指定があるINTERCITES(アンテルシテ)という列車でした。ホームに上がり列車位置案内板をみるとどうやら10両編成のようで、私の乗る車両はかなり後ろのようです。


↑到着したイルン行きINTERCITES。

車内はかなり薄暗くて、寝ている人もちらほらいました。始発はフランス南東部のニースと書かれていたので、どうやらこの列車は夜行列車のようです。座席も普通の列車に比べるとかなり背もたれが傾いていて、くつろげる雰囲気でした。例によって私の座席には荷物が置かれていたので、声をかけて席を空けてもらって座ります。乗客は多いですが静かなので、進行方向逆向きの座席だったことをのぞけば、快適でした。途中ビアリッツでそこそこ乗り降りがあり、私が降りたサン・ジャン・ド・リュズでも降りる人はかなり多かったです。

9:11にサン・ジャン・ド・リュズ到着。降りてから気付いたのですが、夜行列車なだけあって寝台車も連結されているようでした。いつかヨーロッパの寝台車にも乗ってみたいものですね。


↑このあたりが寝台車でした。時間があれば内部も見てみたかったところです。


↑列車最後尾はあまりにも無骨すぎる・・・。こちら側には車掌さんは乗務していないのでしょうか。


↑列車が行ってしまうと、ホームは静かなものでした。

ホームの階段を下りて地下道を通ろうと思ったら、なぜかそこには車道が!どうやらそのまま駅の外まで道路が続いているようで、目的の観光案内所もすぐそこでした。今日はフランスとスペインの国境にまたがるラ・リューヌ山を走る登山列車に乗るつもりだったのですが、現地の切符売り場は長蛇の列だという情報を入手していたので、先にここで切符を買っておくことにします。しかし観光案内所も結構な行列ができていて、30分以上待たされた末にようやく購入できました。登山列車乗り場に向かうバスが10時発の予定だったので、早めに到着しておいてほんと良かった・・・。この切符にはどうやらバスのチケットも含まれているようで、別に支払う手間が省けました。

バス停へ移動し、10時発のバスをしばらく待っていたのですが、待てど暮らせどバスはやってきません。日差しがだんだん強くなり、日なたにいるのがつらくなってきたのですが、ここを離れるわけにはいかないのでじっと我慢です。結局バスは約30分遅れで出発。駅を出るといきなり交差点で大渋滞する車が目に入ってきたので、おそらく遅れの原因はこれでしょうね。サン・ジャン・ド・リュズは海水浴場があってこの季節はにぎわうので、きっと車が多いのはそのせいなのでしょう。交差点を過ぎるとバスは次第に山道へと入っていき、上った先に登山列車乗り場がありました。思っていたとおりここの切符売り場は大行列が出来ていましたが、私は切符をすでに入手済なのでスルーして、次にやってきた列車に乗り込むことに成功。



↑ラ・リューヌ登山列車乗り場。見ての通り長蛇の列ができていました。


↑ラ・リューヌ登山列車はラック式(日本ではアプト式が有名)といって、二本の線路の真ん中にラックレールというぎざぎざのレールがあり、これを車両側のピニオンギアとかみ合わせるようにして進んでいきます。こうすることによって急勾配を上ることができるのです。


↑列車がやってきました。窓ガラスのない2両編成のトロッコ列車で、2編成が続行運転しています。電車なので先頭部分にモーターがついているようです。


↑ホームでは乗客が今か今かと待ち構えていました。

列車は当然ながらお客さんで満員でしたが、運良く端の席に座れたので、写真を撮りながら上っていきます。ラック式の列車に乗るのは初めてだったので、ギアをかみ合わせながらゆっくりと上っていく様に感動。


↑途中にあったモニュメント。こんな感じでギアをかみ合わせて上っているようです。1924年に開通したということは、もう90年近い歴史があるのですね。


↑やがてはるか彼方に海が見えてきました!


↑電車は見晴らしの良い場所で一時停車します。この間に検札係の人が列車の外側の足場を渡ってやってきたのでびっくりしました。


↑中間地点で下り電車との行き違いがあります。乗客同士互いに手を振り合っているのがおもしろかった。


↑ひたすら急坂を上っていきます。


↑眼下に広がるサン・ジャン・ド・リュズの街。海もはっきりと見えます。


↑車窓の風景を動画で。結構振動が伝わってきます。


↑もうすぐ山頂です。歩いて上る人も結構多いようです。


↑山頂駅に到着。車窓からの風景が素敵です。


↑車両内部はこんな感じ。木製のイスがレトロな雰囲気。




↑山頂駅停車中の車両と終点。すごいところに駅がありました。

終点までは約35分の道のりでした。山頂付近は思ったよりたくさんの観光客がいて、お土産物屋やレストランも大賑わい。お土産物屋ものぞいてみましたが、特に欲しいものはなかったので、写真だけ撮って下山することにしました。お腹も空いていたのですが、山頂と言うこともあって割高だったので、食べるのはやめておきました。


↑山頂にそびえていたアンテナ。何のアンテナなんでしょうね。


↑山頂駅を上から眺めたところ。ここだけ見るとのどかに見えますが、実際はたくさんの人がいました。


↑展望台からのパノラマ風景。アンダイエの街まで一望できました。



↑しばらくして次の上り電車がやってきました。こうしてみるとほんとすごい所を走っているなあと感じます。

山頂では思ったよりすることがなかったので、やってきたこの電車に乗って下山することにします。
このあと、サン・ジャン・ド・リュズの街を散策してバイヨンヌに戻るのですが、それはまた次回。

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