2012年7月

    長崎・佐賀旅行8日目(8/26)

    さすがに前日がハードだったので、眠さMAXの中7時過ぎに起床しシャワーを浴びます。8時過ぎに部屋を出て今日も無料の朝食を食べ、チェックアウト。外に出ると今日も日差しが強くて、昨日焼けた腕がじりじりと痛い・・・。佐賀を出るまでの間、少し駅周辺を散策していくことにします。まずは市役所に入ってみましたが、ここは支所と比べてさすがに広々としていました。時間があれば佐賀城跡も見ていきたかったのですが、ちょっと距離があるので断念し、駅前の西友で飲み物を買って駅へ。


    ↑佐賀駅北口の様子。こちらが玄関口っぽい。

    佐賀9:05 – 基山9:56(長崎本線→鹿児島本線・普通福間行き)
    ホームに入ってきたのは鹿児島本線直通だからか、赤い電車でした。乗って3駅先が吉野ヶ里駅で、昨日1時間かけていった吉野ヶ里までたった11分かーと思いながら見ていたのですが、駅から吉野ヶ里歴史公園の入口まではちょっと離れているようでした。途中鹿児島本線との合流地点である鳥栖駅で7分ほど停車し、久留米から来た電車と連結されて6両で出発。私はその少し先の基山駅で下車しました。基山駅からは甘木鉄道が甘木駅までを結んでいるので、これに乗っていくことにします。




    ↑基山駅の駅標と、甘木鉄道の車両です。甘木鉄道は非電化なので、いわゆるレールバスですね。

    基山10:16 – 甘木10:43(甘木鉄道甘木線・普通甘木行き)
    基山で乗ってきた乗客はほとんどいなかったのですが、2駅先の小郡駅では西鉄電車との乗換駅になっているせいか、乗客がたくさん乗ってきました。レールバスにしては人が多いなあという印象だったのですが、実際甘木鉄道は国鉄からの転換三セクにしては比較的良好な経営を続けているようです。小郡の次が大板井(おおいたい)駅で、ひらがなで書くとなかなかおもしろい駅名だなあと思いながら眺めていました。30分弱で終点の甘木に到着。

    甘木では逆方向に出発する列車に乗り遅れそうな学生がいたのですが、出発を待ってあげているあたり、ローカル鉄道ぽくていいなあと感じました。


    ↑甘木駅停車中のレールバス。



    ↑甘木駅の待合所はなんだか風情がありました。ちょうど国鉄から転換されて25周年だったようですが、駅舎自体は1939年建築のようです。

    ここから西鉄甘木線に乗り換えるのですが、西鉄の甘木駅は250mほど離れたところにあるので、真夏の日差しを浴びながら歩いていきます。


    ↑西鉄甘木駅の駅舎。こちらの方がこぢんまりした感じですが、西鉄に現存する駅舎の中では最古だそうです(1948年建築)。


    ↑こちらは2両の電車でした。しかも大牟田まで直通しているようです。


    ↑西鉄甘木駅の駅標。隣の馬田(まだ)駅も気になる駅名ですね・・・。

    甘木11:03 – 試験場前11:52(西鉄甘木線→天神大牟田線・普通大牟田行き)
    最初こそ車内は静かでしたが、途中で結構たくさん乗客が乗ってきて、気付くと座席がいっぱいで立ち客も出てきました。沿線の幼稚園の遠足なのか、幼稚園児がにぎやかで思わず苦笑。全線単線なので駅で行き違い待ちをするのですが、その様子を見てみんなで拍手しているのでほほえましくてしかたなかったです。30分少々で久留米駅に到着し、次の花畑駅ではなかなか出発しないなーと思っていたら当駅折り返しの急行電車を待ち合わせていたようです。結局10分ほど停車してから出発し、次の試験場前駅で下車します。

    試験場前駅で下車したのは、モヒカンらーめん 味壱屋という有名な久留米ラーメンのお店に行ってみたかったからです。ほんとは9年前に久留米に来たときに食べて感動した大龍ラーメンに行きたかったのですが、そのとき行った花畑駅前のお店がもう閉店したとのことなのでこちらにしました。平日の12時前という時間帯にもかかわらず店の前には何人か待っている人がいて、その人気のほどがうかがえます。とりあえず看板メニューのモヒカンラーメンを注文し、替玉も注文しましたが、期待を裏切らないおいしさでした。ここは店員さんがおもしろくて、替玉で粉落としを頼むと、「粉落とし入りました-」「入ったと思ったらもう上がりましたー」みたいな話芸を楽しめます。他にも焼き替玉なんてメニューもあり、ちょっと気になりました。

    店を出てここからはバスで移動するつもりだったのですが、そのバス停がなかなか見つかりません。最初近くを走る広い国道沿いにあると思っていたのですが、結局バス停はラーメン屋のある細い通り沿いにありました。幸いほど良くバスが来たのでそれに乗り、JR久留米駅に向かいます。

    久留米13:00 – 大牟田13:27(鹿児島本線・快速荒尾行き)
    12:34発の熊本行きに間に合わなかったので、13時ちょうど発の快速に乗り、一旦大牟田で下車します。


    ↑大牟田駅構内に置かれていたモニュメント。大牟田は三池炭鉱の街として発展してきた歴史があります。

    大牟田13:50 – 熊本14:34(鹿児島本線・快速くまもとライナー八代行き)
    ここからは2両編成のロングシート車になりますが、車内はなぜかスーツケースを持った若い集団でいっぱいでした。ここまでずっと良い天気だったのですが、途中で急に土砂降りの大雨になり、すごい雷!しかし熊本に着く頃には何とか雨も上がっていました。

    熊本14:42 – 三角15:41(三角線・普通三角行き)
    雨は上がったものの、まだ天気が不安定そうなので何をしようかと考えた末、まだ乗ったことのなかった三角(みすみ)線に乗ってみることにします。



    ↑三角行きはディーゼルカー1両でしたが、2両編成もあるようです。下はサボ(行先標)。

    私が列車に乗ると、後からもう一人乗ってきたのですが、それがなんと同じ職場の同期でした。コンサートを見るために熊本に来ているのはtwitter経由で知っていたのですが、まさかこんなところで会うとはなんという偶然・・・!せっかくなので終点の三角まで一緒に行くことにしましたが、車内はすでに乗客でいっぱいで、仕方なく立っていくことに。三角線は途中宇土駅までは鹿児島本線と併走しており、そこから西に進路を変えて有明海へと出ます。晴れていれば綺麗なんでしょうが、雨がひどくて景色は全然でした。このまま有明海沿いに走るのかと思っていたら急に山の中に入っていき、宇土半島の反対側に出たところが終点の三角です。結局途中駅で降りる人はほとんどおらず、大半が三角駅まで乗り通す乗客だったので、ずっと座れずじまいでした。三角では特に予定もなかったので、折り返しの時間まであたりを散策してみることにします。


    ↑三角港フェリーターミナル。通称「海のピラミッド」だそうです。残念ながら中には入れませんでした。


    ↑三角港からの眺め。対岸の戸馳島が見えています。


    ↑三角駅は残念ながら改装工事中でした。

    三角15:59 – 熊本16:50(三角線・普通熊本行き)
    さすがに行きと違って座れましたが、帰りも乗客は結構多かったです。三角では止んでいた雨も途中で降り出してきて、熊本に着く頃にはまたどしゃ降りに。

    熊本駅で同期と別れ、私は路面電車乗り場へ。以前来たときと違って駅前広場が綺麗に整備されており、乗り場自体が屋根に覆われているので、濡れずに路面電車に乗ることができました。私が乗った車両は真新しい低床型の2両連結型で、乗客が多い時間帯だからか、後ろの車両には車掌さんが乗務していました。雨がまだひどく、できるだけ外を歩きたくなかったので、辛島町でB系統に乗り換えて隣の西辛島町まで行くことにしたのですが、乗り換えるためには下車時に申し出ないといけなかったので、降車時に車掌さんにその旨伝えると、もっと早く言え的なことを言われて気分が悪かったです。地元の人ならともかく、旅行者にそこまで求めるのはちょっと酷じゃないかなぁ。

    それでもなんとか乗り換えを済ませて西辛島町で下車し、大雨の中びしょ濡れになりながらホテルにチェックイン。今夜は熊本在住のボカロPであるスターライトPとご一緒する予定だったのですが、雨がひどくて待ち合わせまでの時間つぶしがあまりできそうになかったので、とりあえず近くの交通センターへ。ここは長距離バスのターミナルになっており、県民百貨店というなかなかストレートな名前の百貨店もあります。ここで少し時間をつぶし、その後スターライトPと合流。魚のおいしいお店を案内していただき、〆は熊本ラーメンのお店へ!ご飯もお酒もおいしかったですし、いろいろとおもしろいお話を聞くことができて、ほんとに楽しいひとときでした。折しもこの日はヱヴァ破の地上波初放送とかち合ってしまったのですが、にも関わらず一緒に飲んでくれたスターライトPにはほんとに感謝しています(笑)。

    明日は熊本観光してから博多まで出るのですが、それはまた次回。

    長崎・佐賀旅行7日目(8/25) その2

    白玉饅頭を堪能して川上峡を後にし、長崎自動車道のインターチェンジ近くにある肥前国庁跡資料館へ。国庁とはいわゆる役所のことで、奈良時代から平安時代にかけて、ここには肥前国の役所が置かれていました。


    ↑資料館は入場無料です。中では学生が夏休みの宿題をやっていたりしました。




    ↑資料館の展示パネルには、まほろちゃんや大和くんのイラストがたくさん使われていました。

    展示を一通り見てからパンフレットをもらって資料館を後にし、すぐ横に復元されている南門を見にいきました。



    ↑復元された南門。なかなか立派なものです。色遣いが奈良時代っぽい。

    肥前国庁跡を出て、朝横を通ったイオンへと向かいます。13時を回ってだいぶ暑くなってきたので、たまらずにアイスを購入。店内の休憩スペースで食べていると、汗が引いていくのを感じました。

    少し元気になったところで移動再開し、今度はあの有名な吉野ヶ里遺跡へと向かいます。ほぼ東へ一直線のルートでしたが、進むにつれて徐々に田園風景へと変わっていき、信号が少なくなってきます。信号が少ないということは休憩する間もなく自転車をこぎ続けることになるため、すでに山登りもしてきた身には相当きつかったです。そういえばお昼ご飯をまだ食べていなかったので、途中見つけた佐賀ラーメンのお店で食べることに。九州らしく豚骨ラーメンで、ご飯と替え玉がついて500円と非常に安くてうまかったです。

    おなかいっぱいになってしばらく走っていると、吉野ヶ里遺跡の案内板を発見。


    ↑あと1.8km!

    ほどなくして吉野ヶ里遺跡が目の前に見えてきたのですが、どうやら正門は反対側にあるらしく、トンネルをくぐり右折してようやく到着。自転車置き場はありましたが自転車を止めているのは私だけでした。

    ここまで10km強の道のりを1時間ほどかけて走ってきたので、さすがにすぐ中に入る元気はでず、まずは休憩所でコーラを飲んで休憩。こういうときに飲むコーラのうまさはほんとなんなんでしょうね。学校主催のバスツアーでもあったのか、入場ゲート付近では親子連れの姿をたくさん見かけました。入場ゲートでは菅笠をすすめられましたが、さすがに一人で菅笠かぶるのは恥ずかしいのでやめることにします。ただ日差しがきつかったので、かぶったほうが楽だったでしょうね。広い場内にはバスも走ってるのですが、せっかくなのでがんばって歩いて行くことに。


    ↑集落を取り囲んでいる外堀と、逆茂木(さかもぎ)と呼ばれる外敵の侵入を防ぐ木の杭。

    道には順路を示すステッカーがいたるところに貼られているので、迷うことはなかったです。集落に入り、まずは支配者層が住んでいたという南内郭へ。ここには展示室があり、ビデオ上映がされていたので、ここでも30分ほど休憩がてら見ていくことに。


    ↑物見やぐら。


    ↑竪穴住居。ここは支配者層が住んでいたところです。


    ↑内部はこのようになっています。入口は狭いですが地面が掘られているので、外から見るよりは広くて涼しい。本当は展示用の人形が置かれているはずなのですが、前日の大雨のせいで撤去されていたようです。



    ↑物見やぐらからの眺めは最高でした。場内が広いので、まさにタイムスリップした感覚を味わえます。

    南内郭を出て、つぎはまつりごとの場所である北内郭へと向かいます。北内郭も外敵の侵入を防ぐため、二重の堀に囲まれていて入り組んだ造りでした。


    ↑北内郭の入口。門上部の柱には木造の鳥が飾られています。


    ↑まつりごとの中心となった主祭殿。


    ↑主祭殿の内部。権力者たちの集まりの様子が再現されています。この上の階では祖先の霊を呼び出す儀式が行われていて、この時代の政治と呪術との結びつきがよくわかります。

    つづいて歴代の王の墓である北墳丘墓へ。ここは内部が公開されているので、中に入ってみることに。亡くなった人は甕棺(かめかん)に納められて埋葬されていたようですが、王の甕棺はこの北墳丘墓の中に納められていました。


    ↑内部では遺体が納められた甕棺の発掘された様子がよくわかります。



    ↑弥生時代はこんな風景だったのでしょうか・・・。

    それから、商業の中心となっていた倉と市、それから一般の人々が住んでいた南のムラへ。この頃から少し曇ってきたので、駆け足で展示を見て回り、出発地点の入場ゲートまで戻ってきました。途中休憩を挟んだりしましたが、やはり2時間はかかりますね。時間が無ければ北墳丘墓までの見学で切り上げた方が良いかもしれません。


    ↑ちょっと近未来っぽいつくりの東口入場ゲート。

    再び休憩所で水分補給し、自転車にまたがって帰路につきます。帰りは国道34号線をひたすら西に走るルートを取りましたが、途中ぽつぽつと雨が降り出したので、自然と漕ぐ足にも力が入ります。幸いひどい雨にはあわなかったのですが、行きと同じく信号が少ないので休憩するタイミングが取れず、しんどかった・・・。飲み物買うために寄り道したりはしましたが、ちょうど1時間で13kmほどの道のりを帰還。ホテルの部屋に戻り、たまらずシャワーを浴びます。

    晩ご飯はどうしようかと思ったのですが、食べログでも評価の高かった駅北側の申子へ。雑居ビル2階にある隠れ家的なお店でしたが、日本酒の品揃えのすごいのが印象的でした(なんと大阪の呉春 特吟も置いてあります)。とりあえず刺身盛り合わせを頼み、最初こそ暑いのでビールを飲みましたが、二杯目からは日本酒にチェンジ。日本酒に詳しいおかみさんにすすめられるがままに、まずは鍋島 三十六萬石 純米吟醸をただきましたが、これが抜群にうまい!この旅行から帰った直後、鍋島はインターナショナル・ワイン・チャレンジの日本酒部門で最優秀賞を取ったこともあり、一気に有名になってしまいました。続いて同じく佐賀の地酒・天吹 裏大吟醸 愛山をいただき、最後は静岡の磯自慢で〆。メニューに値段が載っていないお店なのでお会計までひやひやしましたが、4300円だったのでえらく高い、というわけではなさそうです。少なくとも鍋島と出会えただけでも来る価値のあるお店でした。残念ながらお客さんでいっぱいで落ち着いた雰囲気だったので、写真は撮れませんでしたが・・・。

    さすがに食べたのが刺身だけで少しおなかがすいていたので、帰りにコンビニでおにぎりを買ってホテルに帰ります。今日は一日自転車乗ったり山登りしたりしてたのでもうくたくたでした。翌日は久留米経由で熊本へと向かいますが、それはまた次回。