Nの電子講座・電気屋養成編
第1回 電気の基本



目次



0.前書き
さて、これから約15回ほどこの電子講座を開講するわけですが、この講座 の主な目的は、少しでも電気に親しんでもらうことです。ですからいわゆる 理論的で細かいことは出来るだけ触れずに行こうと思っています。その大ま かなところだけで実戦では十分役に立つと思います。実際私自身が理論的な ことをあんまり知らないと言う理由ももちろんありますが・・・。とにかく 電気を難しく考えないで、できるだけ肩の力を抜いて行きましょう。少しで も興味を持ってもらえれば言うことありません。



1.中学校理科の復習(オームの法則)
さて、いくら理論に触れずに・・・とは言っても最低限知っておいてほしい 法則があります。それはオームの法則です。改めて説明する必要がないほど 有名な法則だと思いますが、一応復習しておきましょう。式で書くと

ですね。一般に

電圧:E(V・ボルト)
電流:I(A・アンペア)
抵抗:R(Ω・オーム)

と書くことが多いので

または式を変形して

とも書けます。さて、ここで電圧、電流、抵抗という3つの物が出てきまし たが、これはいったいどういう物なのでしょうか?あえて言う必要もないか もしれませんが、電流とは電気の流れの強さ、電圧とはそれを流そうとする 圧力、抵抗とは電流の流れにくさのことです。これは電気を水にたとえると よく理解できるでしょう。底にパイプのついた、水の入った容器を考えてみ て下さい。当然パイプから水が流れ出しますよね。そしてその勢いは容器と 地面との距離が長い方が強くなります。このときの水位差に相当するのが電 圧です。そして水の流れに相当するのが電流です。さらにパイプのつまりが 抵抗です。電圧と電流はもっと厳密に定義しようと思えば出来るのですが、 ここでは難しいので割愛します。

また、電圧と電流の積を電力といい、電気エネルギーが1秒間に行うことが 出来る能力を表します。単位はW(ワット)です。式で書くと ですね。また電力はPと表せるので、 とも書けます。これを変形した というのもよく使われます。

 注意:上で書いたことはすべて電気が直流の場合を想定して書いています。交流の場合はもっと複雑になりますので、ここでは割愛します。



2.接頭語
先ほど電圧の単位はV(ボルト)、電流はA(アンペア)、抵抗はΩ(オーム)、 電力はW(ワット)であるという話をしましたが、実際には1,000,000Ωとか 0.0001Aというようにとても読みづらくなってしまう場合があります。この 不便さを解消するため、接頭語というものが使われます。これは別に難しい ものではなく、生活のなかでもkgとかmmとかと言ったときに使われてい る、k(キロ)やm(ミリ)の事です。以下によく使われる接頭語を並べて みます。

本当は、ヘクトとデシの間にデカ(da:10倍)というのが入るのですが、 ほとんど使われていないので省略しました。また、この上下にもまだ接頭語 があるのですが、今のところ必要ないと思います。別にこの表全部を覚える 必要はありません。出てきたときにこの表を参照する程度でいいと思います。
あと補足ですがM(メガ)を抵抗の単位Ω(オーム)に続ける場合は、メガ オームではなく、メグオームと読むのが慣習になっています。
この表で注意しなければならないのは、記号の大文字・小文字の区別です。 k(キロ)までは小文字、それ以上では大文字が使われます。これははっきり させておいてください。



3.受動部品
それではここから実際に使われる電子部品について見ていきましょう。まず は、受動部品と呼ばれる部品です。受動部品というのは縁の下の力持ちです。 エレクトロニクスというと半導体ばかりが注目されますが、この受動部品と いうものがなければ半導体を動かすことができません。これには主に3種類 の部品があります。抵抗・コンデンサー・コイルです。略してRCLと呼ば れることもあります。それでは順番に見ていきましょう。

3−1.抵抗(R:レジスタンス) 3−2.コンデンサ(C:キャパシタンス)

3−3.コイル(L:インダクタンス)


演習問題 →解答はこちら
  1. 電源10V、抵抗500Ωの時流れる電流は?またそのときの電力は?

  2. 抵抗やコンデンサなどは、一般に売られている抵抗値や容量がとびとびの値 (例えば1kΩの次は1.2k、1.5k、2.2kという具合)を取っています。これは どうしてでしょうか?

  3. 以下の抵抗値を読んでください(ただしカーボン抵抗)
    茶黒赤金
    赤赤茶金
    緑茶橙金
    青灰黄金
    茶黒青金
    茶黒金金

  4. 以下のコンデンサの容量を読んでください(単位はpF)
    104
    223
    331
    47




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