2004/08/26 北陸旅行 二日目


二日目は朝6時過ぎに起床。前日の疲れもあってかなり眠かったのですが、電車に遅れるわけにはいかないのでやむを得ません。朝ご飯のパンは前日にコンビニで買っておいたので、とにかく8時前にホテルを出て駅に向かいました。そして今日は一日のと鉄道のお世話になります。のと鉄道は典型的な三セク鉄道で、15年ほど前まではJRが運行していた路線を走っているのですが、3年前に穴水-輪島間は廃線になってしまいました。できればその前に来たかったな…と残念でなりません。でも総路線の約2/3を占める能登線(穴水-蛸島間)も来年3月末に廃線になってしまうので、そんなことも言ってられません。ここが廃線になるということは行くまで知らなかったのですが、ほんと今年行っといて良かった…と心から思いました。


駅には余裕を持って着くことができたので一安心。昨日乗った時はもうあたりが真っ暗だったのであんまりよく見ていなかったのと鉄道の車両もじっくりとみることができました。サイドミラーとかもついていて、まさにレールバスという感じですね。今朝も学生の姿はちらほらと見えますが、昨日ほどではなかったので普通に座ることができました。ほんとは私の乗った列車は終点の蛸島まで直通だったはずなのですが、なぜか今日は途中の穴水で車両交換をするとかいうアナウンスが流れ、30分ほど行った所にある穴水駅でいったん降ろされてしまいました。ここまで3両編成だったのがいきなり1両になってしまい、ちょっと寂しかった…。まあ座席はなんとか確保できたので良かったのですが。

この穴水からがのと鉄道の本領発揮という感じで(そんなところが廃線になってしまうのはつらいのですが)、終点の蛸島までは29駅もあります。ちなみに和倉温泉から穴水までは6駅しかないので、その差は歴然。途中海沿いを走っている区間が多いので、駅名に「波」と付くところがとても多いです。鹿波(かなみ)、沖波、前波、矢波、波並(はなみ)、藤波、松波と7駅もあります。あと恋路駅というロマンある駅もあって、結構バリエーション豊かでした。そしてようやく列車は終点の蛸島に到着。やはり穴水から先は乗客も少なくて、ちょっと寂しい感じでしたね。まあ一日8往復しかないので乗りづらいのでしょうが…。

のと鉄道の車両
終点の蛸島駅で撮った写真。のと鉄道はこんな車両を使用しています。それにしても蛸島駅のホームはなにもなくて寂しかった…。
ホームから線路を望む
同じく蛸島駅から穴水方面を撮った写真ですが、のどかな田園風景という感じですね。なんか燃やしているらしく、煙が見えます。

蛸島からはバスに乗る予定だったのですが、そのバスの発車まで2時間近くあったので、近くの海岸へ行ってみることにしました。10分ほど歩いて砂浜に着いたのですが、とにかく海がとても綺麗でびっくり。海の底が見えるほど水が透き通っていて、思わず足だけ海につかってしまいました。ほんとは泳ぎたくてしょうがなかったです。でも水着を持ってなかったですし、近くにシャワーを浴びられるところもなさそうだったので断念。もうちょっと先に行くと鉢ヶ崎海水浴場というちゃんとした海水浴場があるのですが、私の行ったところも砂浜はそれなりに綺麗でした。ちょっと陸に上がると草ぼうぼうでしたが…。結局砂浜で1時間ほど時間をつぶし、お昼を食べるために駅前まで戻りました。

蛸島の砂浜
蛸島の砂浜です。工事をしている人がいる以外は全く人がいなくて寂しいぐらいでしたが、海はほんとに綺麗でした。

駅前に戻り、近くの食堂でお昼を食べることにしたのですが、注文したのはいいものの一向に食事が出てきません。バスまでもうそんなに時間がなかったですし、後から来たお客さんの食事が先に出るような状況だったので、これはおかしいなと思って聞いてみると、やっぱり注文自体忘れられていたようです…。食べたのは魚定食で、海が近いだけあって煮魚がとてもおいしかったのですが、とにかく時間がなかったのでゆっくり味わえなかったのが残念でなりません。で、お店の人には次のバスに乗らないといけないと言ってあったのですが、バスの到着時間近くになると外でバスがくるのを見ていてくださったので、とても助かりました。お店の名前とかゆっくり見る余裕がなかったので忘れてしまいましたが、すごく感謝しています。

バスには無事に乗ることができ、目指すは能登半島の先端にある禄剛崎(ろっこうざき)灯台です。蛸島から禄剛崎のある狼煙(のろし)へは10km少々あるので、さすがに歩くわけにはいかず、このバスを利用することになりました。途中鉢ヶ崎からはバス停でなくても降りられる区間のようで、地元の方が運転手さんに声をかけて、思い思いの場所で降りているのが印象的でした。地元の足なんだなぁと実感。でも途中でみんな降りてしまって、狼煙まで行ったのは私一人だけでした。

狼煙から禄剛崎灯台までは、ちょっと歩かなければなりません。急な階段をはあはあ言いながら5分ほど上ると、そこに目指す禄剛崎灯台がありました。曇りがちであいにくの天気だったのですが、能登半島の先端まで来たんだーと思うと、なんだか感慨深いものがありました。灯台自体はそれほど高いわけでもなく、こぢんまりとした感じ。バスに乗ってきたのは私一人でしたが、車やバイクで訪れる人はそれなりにいるようで、私以外にもそこそこ観光客はいました。ただ、帰りのバスが30分後の発車だったのであまりゆっくりもできず、写真を撮ってから早々にバス停へ。

さいはての地
狼煙の案内図。ここがさいはての地、らしいです。
日本列島ここが中心
日本列島ここが中心、の石碑。禄剛崎を中心に円を描くと、ちょうど日本列島がすっぽり入るということを図で表しています。
主要都市までの距離
各主要都市までの距離が書かれた標識(?)です。ほとんど海外なので、ここがいかに海外に近いかをアピールしているようです。
禄剛崎灯台
そしてこれが禄剛崎灯台。白壁が綺麗ですが、高さはそれほどでもありません。
鉄塔に負けている灯台
灯台の横には無線方位信号所(レーマークビーコン局)という電波の灯台があるのですが、そっちに完全に高さでは負けています。この写真ではだいぶ高さが違うように写っていますが、実際には灯台が高さ12m、信号所が25mなので2倍程度の違いです。

帰りのバスは、予想はしていたのですが行きに乗ったのと同じバスでした。行きのバスが終点まで行って戻ってきたわけです。運転手さんも同じだったのですが、「きっと乗ってくると思った」と言われました。まあこのバスを逃すと次は15時台までありませんでしたから、当然なんですけどね。帰りはほとんどお客さんも乗ってこないまま、珠洲駅前まで行きました。蛸島駅前で降りなかったのは、次に乗る列車が珠洲駅始発だったからです。蛸島よりも珠洲あたりのほうが市の中心地なので、しょうがありません。

このあとは輪島に行きたかったのですが、穴水から行くとどうしてもバスの時間がうまく合わないのでどうしようかと列車の中で悩んだ末、途中の宇出津(うしつ)で降りて、そこからバスに乗るというルートを取ることにしました。これだとうまいことバスに乗り継げるのですよね。というわけで宇出津まで戻り、駅前に止まっていたバスに飛び乗って輪島を目指します。乗客は私のほかに2人ぐらいだったのですが、途中で乗ってくる人もちらほらいました。宇出津は能登半島の東側、輪島は西側ということで、バスは能登半島を横断する形になり、途中ずっと山の中を走っていました。そしてようやく海が見えるとそこが曽々木(そそぎ)海岸で、ここからは海沿いを南西方向に走ります。途中千枚田ポケットパークなるものがあり、このあたりは千枚田で有名なようです。バスには結局1時間ちょっと乗車して、ようやく輪島に到着。

輪島はさすがに観光地なだけあって、観光客の姿も目立ちました。ただ輪島といえばなんといっても朝市が有名なので、朝来ればもっとすごい人だったでしょうね。できれば朝来たかったんだけどなぁ…。輪島は町並みもやはり観光客を意識していて、メインストリート沿いは町屋風の建物が並んでいてなかなか綺麗でした。輪島には1時間ちょっとの滞在時間だったので、おみやげを買ったり、旧・輪島駅舎を改装してできた「ふらっと訪夢」という施設を見たりして過ごしました。輪島の名物といえばやはり輪島塗と朝市、そして柚餅子(ゆべし)なのですが、特におみやげに買った柚餅子はゆずの入った甘いお餅の中に唐辛子もちょっと入っていて、甘いのに甘くないという不思議な味でした。でも好きかと言われるとちょっと…。

vodafoneショップ
輪島ではvodafoneショップも和風な建物です(笑)。
朝市通り
夕方なので人通りも少なく閑散としていますが、朝市はこの通りで開かれています。店を出すところのタイルの色が違うのがわかると思います。
次はシベリア
ふらっと訪夢の中にある輪島駅跡です。輪島の次はシベリアだそうで(笑)。このシベリアというのは確か輪島駅が健在だった頃、誰かが駅標に落書きしたのが始まりだと思うのですが、すっかり定着してしまい、こうして正式に残ることになったようです。

輪島から穴水まではもともとのと鉄道の路線があったため、バスは以前駅があったところを走っています。本数的にも1時間に1本程度ありますし、バス自体も観光バスっぽい大型のものが使われていて、結構利用者はいるようです。実際私が乗ったバスも地元の学生でほぼ満席でした。大型のバスなので揺れも少なく、座席も座り心地が良くて、さっき宇出津から乗ってきたバスとはえらい違いです。乗客の2/3ぐらいが途中で降り、残りの人は終点の穴水駅前まで乗っていました。

ここから再びのと鉄道に乗ります。もうこのとき日はだいぶ落ちていました。ここから今日の宿である七尾まで乗ります。昨日泊まった和倉温泉を通り過ぎ、七尾に着いた頃にはもう外は真っ暗でした。

七尾では「ビジネスホテル はやし」というところに泊まったのですが、前日のホテルとはうってかわって古いホテルで、設備の貧弱さにちょっとめまいがしそうでした。それでいて値段は大して変わらないので、なんだかすごく損した気分です。晩ご飯は近くの料理屋さんに入り、天ぷら定食を食べました。味はまぁまぁ、だったかな。七尾はほんとに泊まるために行ったようなものなので、次行くことがあればちゃんと観光したいですね。


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