2004/08/25 北陸旅行 一日目


毎年恒例になってきた夏の列車旅ですが、九州、四国と来てそろそろネタが尽きて来た感がありました。今年はどうしよう、とずっと悩んでいたのですが、とりあえず能登半島の先端まで行って、立山・黒部アルペンルートを通り、喜多方ラーメンを食べるという3つの目的を設定して、ルートを決定。まず一日目は金沢見物をして、和倉温泉へと向かうことにしました。


朝は旅行に行く時いつも乗っている曽根5:52発の梅田行きで大阪駅へ。JRに乗り換えていよいよ青春18切符での旅のスタートです。まずは快速米原行きに乗り京都へ行き、ここで今回は湖西線に乗り換えます。湖西線は最初空いていたのですが、途中で結構人が乗ってきて、立ってる人もいるぐらいでした。京都方面に向かう電車が混むのはわかるのですが、逆方向も結構乗る人がいるんだ、というのは意外でしたね。この電車は近江今津止まりなので、ここで敦賀行きに乗り換えです。私は以前190円で近畿一周をした時に、途中の近江塩津までは来たことがあるのですが、その先の敦賀まで行くのは今回が初めてで結構どきどきしました。この区間は列車の本数が少ないので、今回計画に難儀した所の一つです。ここから敦賀まではそれほど距離がないので、30分ちょいで敦賀駅に到着。敦賀駅はなんというか、旅情を誘うような昔ながらのJRの駅、という感じでしたね。

敦賀行きの電車
近江今津から敦賀まで乗った電車です。この区間には交流と直流の切り替えポイントがあるため、交流でも直流でも動く電車じゃないと走れません。そのため元々寝台列車だった車両が使用されています。

敦賀では福井行きの普通に乗り換えました。ここからは3両編成の交流車になります。九州旅行の時よくこういうタイプの車両に乗ったなあ、という記憶がよみがえってきました。この区間、特急列車はたくさん走っていますが、普通列車は1時間に1本程度しかなく、少々不便です。で、今回私は終点の福井まで行かず、途中の北鯖江で下車しました。それはメガネ好きの殿堂(?)グラスガーデンに行くためです。実は鯖江は眼鏡フレーム生産で国内シェア約90%を誇る、メガネ好きにとってはまさに聖地なのですが(笑)直販店が最近までなかったらしく、3年前にできたのがこのグラスガーデンなのです。北鯖江の駅からはちょっと歩きましたが、建物が特徴的なので場所はすぐにわかりました。中は開放的な作りになっていて、いろんなメガネが並んでいます。製造工程を紹介したパネルもあり、なかなか興味深かったです。ただ肝心のメガネの品揃えは思ったより少なかったのがちょっと残念。結局ほしいメガネはなかったので、鯖江を紹介したパンフレットだけもらって店を後にしました。ここから北鯖江には戻らず、福井鉄道の神明駅まで歩くことにしました。途中ずっと住宅街ぽいところを歩いていたのですが、〜メガネとかいう町工場がそこかしこにあって、メガネの町なんだなあということをすごく実感しました。

グラスガーデン
グラスガーデンの建物です。平日の朝ということもあるのですが、駐車場に車が全然止まっていなくて、とても寂しかった…。

神明駅から福井鉄道に乗ります。神明駅の駅舎はとても味があって良い感じでした。ここから福井駅へは1時間に1本しか電車がなかったのですが、JR福井駅に行くなら市役所前駅で降りてもすぐだと言われ、それだと20分に1本電車があったので、それに乗ることにしました。それにしても福鉄の駅名は変なのが多いと思います。既存の駅の近くに別の駅を作ったときは、「新大阪」みたいに頭に「新」を付けるのが普通だと思うのですが、福鉄の場合は「武生新(たけふしん)」とか「福井新」という風になぜか後ろに新が付くのですよね。あと「ベル前」とかいう謎の駅名もあって、最初何の前やねんと思ってしまいました。どうやらショッピングシティベルという平和堂がメインのショッピングセンターが駅前にあるからみたいですが、あまりにそのまんまな名前です。そのベル前も過ぎ、福井市内に入ってから電車は道路上を走るようになりました。おぉ、ここも路面電車なのかー、とちょっとうれしくなりました。そして市役所前に到着し、JRの駅まで歩きましたが、思ってたよりは距離があってちょっと焦りました。

神明駅
とても味のある神明駅の駅舎。
市役所前
市役所前電停にて。普通の電車サイズなので、路面電車として見るとかなりでかいです。車に乗ってこの横を走るのはなかなか怖いかも。

ちょっと焦っていたのは、次の列車まで10分ちょいしかなかったからです。それでもなんとか間に合ったのでほっとしました。乗客はさっきよりも多くて、活気がありました。途中、「日本一短い手紙」の募集で有名な丸岡や芦原(あわら)温泉、フォークリフトで有名なコマツの発祥の地である小松を過ぎ、列車は金沢へ。さすがに金沢は人が多くて、観光地だなあと実感しました。

金沢と言えば兼六園、ということでまずはバスに乗って兼六園を目指します。バス路線が多くて訳がわからなかったのですが、とりあえず兼六園に行きそうなバスに乗りました。途中金沢のメインストリートっぽいところを通ったかと思うと急に景色は一変し、兼六園下に到着。おなかが空いていたので近くの店に入ったのですが、もう2時前だったせいでランチがないと言われ、結局ざるそばを食べました。うーん、ランチの天ぷらが食べたかったのになぁ…。そして改めて兼六園へ続く坂道を上り、中に入ります。このあたりは観光客だらけで、さすが金沢という感じでした。兼六園の中は落ち着いた庭園だったのですが、周りに人が多いので落ち着きません!(苦笑)。良いところだとは思いますが、真夏にくるところでもないような気がしました。あ、でも日本最古の噴水があったり、小さな滝があったりしたので、そのあたりは涼しげでしたけどね。それよりもその後に入った金沢城跡の方が圧巻でした。もう天守閣は残っていないのですが櫓が再建されていて、とても壮麗でした。中に入れるのですが中もぴかぴかで、木の香りがとても良かったです。歴史的価値という点では疑問符が付きますが、当時に思いを馳せるのには十分です。そんな感じで十分に金沢を堪能して、駅に戻りました。

兼六園
兼六園の桂坂口を入ってすぐの所にある霞ヶ池。まさに日本庭園、という感じでした。
菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓
金沢城公園の中にある菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓。平成13年7月に完成したばかりなので、まだかなり綺麗です。
菱櫓付近
その菱櫓付近から撮った一枚。天気も良かったので白壁が青空によく映えていました。
五十間長屋内部
五十間長屋の内部です。とにかく木の造形美に感服しました。薄型液晶テレビでビデオが流れていたのにはびっくりしましたが(笑)。
菱櫓付近を裏側から
今度は裏側から菱櫓付近から撮ってみました。ちょっと高台にあるので雲が低く見え、さながら雲上の世界っぽい雰囲気です。

ここからいよいよ能登半島に入ります。途中、津幡(つばた)からが七尾線です。1時間ほどで羽咋(はくい)に到着。難読で有名ですが、もともとディスプレイで有名なナナオの前身である羽咋電機があった場所です。その七尾へは羽咋から30分ほどで到着しました。七尾には翌日泊まる予定だったのでここでは降りず、のと鉄道へと乗り換えます。ちょうど地元の高校生の帰宅ラッシュに当たってしまったようで、2両編成の車内は学生だらけ…。まあ目指す和倉温泉はすぐ隣の駅だったので、あっという間でしたけどね。

駅に着いた時、あたりはもうだいぶ暗くなっていたので宿へと急いだのですが、意外と距離があってちょっと難儀しました。15分ほど歩いてようやく宿に到着し、部屋に荷物を置いてすぐに食事を取って温泉に入りに行こうと思ったのですが、なんと公営の温泉は今日定休日とのこと。うわーついてないなぁとちょっと悲しくなりました…。まあでも食事だけは取らないと、と思い近くのお寿司屋さんへ。といっても寿司は高いので焼き魚定食を頼みました。あともちろん地酒も(笑)。魚はさすがに海が目の前ということもあり、新鮮でおいしかったです。生魚も好きですが、あんまり量が食べられないので、やっぱり焼いた方が好きかなあ。最初お寿司屋のご主人がものすごく堅物に見えて、何しゃべったらいいかわからずだまっていたのですが、途中で常連らしいツアー会社の人が入ってきて、その人としゃべっているうちに少しうち解けることができました。で、その人にイカのくちばしというものを1個頂いたのですが、これが絶品でした。イカのうまみがぎゅっと濃縮された感じで、今思い出してもよだれが…(こらこら)。でもどうやら私はフリーターだと思われてたようで、こんな旅行は今しかできないよなあとか言われてしまい、少々複雑な心境でした(笑)。今さら訂正するのもなんか変だったし…。まあでもこうやって地元の人としゃべるのはやっぱり楽しいですね。地酒を飲んでほろ酔い気分のまま宿に戻り、そのままばたんきゅ〜しました。


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