2002/08/09 九州旅行 三日目(その2)



やや気分的にも疲れた体を引きずりながらなんとかバス通りまで戻り、そこからはバスに乗ることにしました。もう歩き疲れてましたから…。で、バスに乗って少し先の谷山電停前で下車。鹿児島にも熊本と同じように市電の路面電車が走っていて、その始発駅がこの谷山なのです。別に急いでなかったので後発の方の車両に乗り出発を待っていると、結構たくさんの乗客が乗ってきました。とりあえず私はどこかでお昼を食べて、それからおみやげを買って鹿児島を離れようと思っていたので、終点の鹿児島駅前まで乗ることにしました。途中はほとんど市街地で、乗客がどんどん増えていくのであまり景色は見られませんでしたが、でもやはり路面電車はそういう生活感の漂っているところが良いですね。発車から30分ほどするとやがて電車は大通りに入り、天文館前電停ではほとんどの人が降りました。ここがどうやら鹿児島一の繁華街みたいです。結構外を歩いている人も多かったです。そこから数分で終点の鹿児島駅前着。ここでおみやげを探そうと思ったのですが、駅前にはほとんどおみやげ屋がなく、食べ物屋も少なかったので少し線路に沿って歩いて戻ることにしました。
ところでJRには鹿児島駅と西鹿児島駅という2つの駅があるのですが、鹿児島の中心駅は西鹿児島駅の方です。鹿児島駅の方はちょっと繁華街のはずれになってしまいます。ちなみに西鹿児島駅は地元では「西駅」と呼ばれているようでした。
結局少し先の電停前にあった鹿児島ラーメンの店でお昼をとることにしました。少しこってりとしたスープで、かなりおいしかったです。店を出てから今度はさっきとは別系統を走る市電に乗り(途中までは一緒ですが)、今度は西鹿児島駅前まで乗ります。西鹿児島駅はさすがに近代的な駅でした。駅に入る前にまずは近くの商店街に入り、みやげ物屋でおみやげを物色。ここで桜島大根の漬け物と紫芋ようかんを購入してから駅に戻り、次の電車を待つことにしました。


谷山電停・右の電車に乗りました

鹿児島駅前電停


    西鹿児島13:35 - 都城15:08(日豊本線・普通都城行き)
ここからは再び電車になります。桜島に別れを告げながら電車は一路東へ。昨日乗り換えた隼人駅も過ぎ、霧島山の南側を電車は走っていきます。このあたりから急に雲行きが怪しくなってきて、とうとう雨が降り出してしまいました。霧も出てきて、まさに「霧島」だなぁとか変な感慨に浸っていましたが、実際このあたりは霧の多い地域のようです。もともとこの旅行に出る前の天気予報では、どうも雨になりそうだとわかっていたので覚悟はしていたのですが、いざ降られるとやはり悲しいものがあります。でもまあ、終点の都城に着く頃にはなんとか止んでいてくれたので、ほっとしました。


駅に着き、まずはその足でホテルへ。今日泊まるホテルは前日みたいに遠くはなく、駅から徒歩3分ぐらいで安心しました(笑)。ちょっと早く着きすぎたみたいで、フロントで多少待たされましたが、とりあえず部屋に入って一休み。でもすぐにかさばる荷物を部屋に置いてふたたびホテルの外へ。今度は霧島酒造という焼酎メーカーの工場を見学に行きます。一応4時頃に行くとあらかじめ予約をしておいたのですが、思ったより距離があったので、工場の敷地内に入ったときにはもう4時を5分ぐらい過ぎていました。しかし今度は受付がどこかわからず工場内をうろうろしていたところに、止んだと思っていた雨が降ってきて、ちょっとさんざんな目に遭ってしまいました。結局草むしりをしていた人に聞いたりして、10分近くうろうろした末にようやく受付を発見、なんとか案内してもらうことができました。工場は受付とはちょっと離れたところにあったので、再び傘を差して工場内へ。この会社もまだ工場が稼働していなかったので、設備の説明だけで寂しかったのですが、ここの案内の人は結構詳しく説明してくれたので、おもしろかったです。ですが、工場が稼働していないということで外壁の補修工事があちこちでされていて、案内の人が順路に沿って隣の工場への渡り廊下に出ようとすると、ドアが「ごんっ」と音を立てて前をふさいでいる工事用の足組に当たり、外に出られないという事が何度もありました。案内の人も私も思わず苦笑。結局普段工場見学では通れない所を通らせてもらったりしたので、それはそれで楽しかったですけどね。
最後に受付の横にあるおみやげコーナーで試飲をさせてもらいました。主力の「霧島」「黒霧島」はおいしかったのですが、もう芋焼酎は買ってしまっていたのと、工場見学のおみやげでカップタイプの黒霧島を頂いていたので買うのをやめ、花のような香りが珍しく感じた米焼酎の「花懐石」を買うことにしました。他に麦焼酎とそば焼酎、樽熟成タイプの麦焼酎を試飲したのですが、そば焼酎はちょっと独特の癖があり、樽熟成タイプの麦焼酎はやはりウィスキーに近い風味が特徴的でした。お酒の他に職場に持っていくおみやげも買って、工場を後にしました。
で、また歩いて帰るか……と工場の横を歩いていたところ、後ろから車が近づいてきて見ず知らずの50代とおぼしき男の人が「先ほど工場見学された方ですよね、乗っていかれませんか?」と声をかけてきました。ぱっと見でこの会社で要職に就かれてる方だろうなと思ったのですが、聞いてみるとやはり常務とのこと。いやはや、まさか車で送ってもらえるとは思わなかったので、めちゃくちゃびっくりしました。話を聞いてみると、どうやらこの会社では数日後に新入社員採用面接があるらしく、私もその採用候補者の一人だと思ったみたいです。でまあ、旅行で来てるんですよ、みたいな事をいろいろ話したりしたのですが、内心はおっかなびっくりでした、ほんとに…。で、夕食を外で食べたいのだけどもおすすめの店があるかどうか尋ねると、地鶏を食べさせてくれる店があるとのこと。店の場所はわかりませんでしたが、名前だけは聞いておきました。


で、ホテルに戻り、フロントで近くにあるおすすめの食べ物屋さんを聞くと、地図を渡してくれました。そこにはうまい具合に先ほど聞いた地鶏の店も載っていたので、とにかくその店へ。メニューを見るとそれなりに高い店でしたが、やはりおいしいもの食べたいし、と思い、鳥刺しと焼き鳥を注文。あともちろん焼酎もお湯割りで注文しました。鳥刺しは多分生まれて初めて食べたんじゃないかと思いますが、マグロを思わせるさっぱりとした味で、おいしかったです。焼き鳥もさすが地鶏だけあって、鳥の味が濃いと感じました。そしてそれとあわせて飲んだ焼酎のおいしかったこと!やっぱり焼酎はうまい和食と合わせて飲むと最高だなぁ、と実感しました。多分このとき飲んだのはさっきまで見学していた霧島酒造の黒霧島だと思います。結局1500円ぐらいかかりましたが、この日の夕食が九州旅行の中でも一番印象に残りました。


そんなわけで幸せなほろ酔い気分でホテルに戻り、朝早かったせいもあって眠かったので早めに就寝…。




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