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さて、列車は発車後しばらくして最初の停車駅である大畑(おこば)駅に到着。ここから次の駅である矢岳駅まではかなり山を登らないと行けないため、列車は一気に登ることができず、スイッチバックとループ線を経由します。この2つが同時に存在するのは日本でもここだけだとか。ちなみにスイッチバックとは途中で列車の進行方向を逆にして、Z字状にジグザグ登っていく方式で、ループ線とはその名の通り、ぐるっと一周して高低差を稼ぐ方法です。鉄道は、線路がつるつるなのを見てわかるように、列車とレールとの摩擦が少ないので、車のように急な坂を上ることができず、このような方法がとられています。 |
スイッチバックする時は進行方向が変わるため、一旦列車を停車させてから運転士さんが逆方向にある運転台に移動しなければなりません。そのときの様子。
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ループ線をちょうど一周した地点から撮ったものです。いさぶろう号はここでしばらく停車してくれます。下の方に先ほど停車した大畑駅が見えるのがわかるでしょうか。ループを一周する間にこれだけの高低差を登ってきたわけです。
ループ線を過ぎた後もひたすら列車は山登りを続け、ようやく次の矢岳(やたけ)駅に到着。矢岳駅は標高536mで、この列車の始発駅である人吉駅は標高106mですから、ここまでで430mも登ってきたことになります。SL時代は今以上に勾配を登るのがきつかったでしょうから、運行が大変だったことは想像に難くありません。矢岳駅にはSL資料館があり、列車もしばらく停車してくれるので、見に行くことにしました。 |
SL資料館に展示されているD51。やはり近くで見るとでかかったです。急いで撮ったので上部が切れてしまったのがかなり悔しい(汗)。
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矢岳駅に停車中の風景。すごく味のある駅でした。この写真のちょうど真後ろがSL資料館。
矢岳駅を出発すると一転、山下りになります。途中、通称「日本一の車窓風景」が見られるポイントで列車はしばらく停車してくれます。 |
日本一、かどうかはわかりませんが、とても列車の中から見てるとは思えない、すばらしい眺めでした。ここから列車はさらに山を下って真幸(まさき)駅へ。この駅のホームには幸せの鐘があり、みんな鳴らしていました。また駅名が縁起の良い名前ということで、入場券も人気があるそうです。ここからはまたスイッチバックを経由して、終点の吉松駅へと向かいます。それにしても、肥薩線がここまで面白い路線だとは思いもしませんでした。ここは絶対に一度は来てみるべきです。私も機会があればまたここに来てみたいなあと思います。
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で、ここから地図をみながらホテルまで歩いていこうとしたのですが、これが大変でした。web上の地図を見る限りでは5分ぐらいで着くかなと思っていたのですがとんでもない。歩けど歩けどホテルは見えてきません。途中で不安になって持っていた別の地図で確認したところ、道は間違っていないものの、恐ろしく遠いことが判明しました。でもここまで来たからには意地でも歩いていこうと思い、結局1時間近く歩いてようやく到着。結局2.5kmぐらい駅から歩いたようです。で、夕食がまだだったので近くに食べるところがないか聞いたところ、予想通り来た道をかなり引き返さないと無いとのこと。仕方がないので近くのホテル(といっても徒歩15分ぐらいかかりましたが)のレストランでカツ丼を食べて焼酎を飲みました。焼酎は確か300円以下でしたがコップにこれでもか、というぐらい出されて、全部飲みきれませんでした…。 そして再びホテルの自室へ戻ると、部屋には市町村職員向けの宿情報誌がありました。それによるとどうもこのホテルは市町村職員だと安く泊まれるようです。それに気付いてあわててフロントにいき、身分証明書を見せて安くしてもらいました。ちょっとラッキーでしたねえ。あ、ちなみに部屋は目の前に海が広がる、すばらしい部屋でした。温泉も海に面していて、夜なので海は見えませんでしたが、くつろぐことができました。で、翌日は朝6時にチェックアウトするつもりだったので、5:20にモーニングコールをセットして、早めに就寝……。 |