2002/08/08 九州旅行 二日目(その2)



    八代11:59 - 人吉13:15(肥薩線・普通人吉行き)
八代に到着後はお昼に食べる駅弁を買おうと思っていたのですが、ちょうど上手い具合にホームに駅弁を売っている人がいました。なんかカッパのお面を付けたものすごく怪しげな駅弁売りだったのですが、駅弁を買うと物腰はものすごく柔らかで、かなり違和感が(笑)。そして八代からは鹿児島本線を離れて支線の肥薩線へ。ここからは非電化区間なのでディーゼルカーになります。人吉まではずっと球磨川に沿ってのぼっていくルートなので、景色がとても綺麗でした。列車は1両でしたが、乗客はそこそこいました。お弁当は中華料理屋さんが作ったシュウマイ弁当のようで、白ご飯ではなくチャーハンが入っていたのが印象的でした。味はとてもおいしかったです。でもチャーハンをお箸で食べるのはちょっと難しかった…。


八代0番線発でした

がらっぱ弁当

車窓から球磨川を眺める


    人吉13:30 - 吉松15:00(肥薩線・観光列車いさぶろう号・普通吉松行き)
人吉に到着後は、次の列車を待つ間に駅前の土産物屋さんで品物を物色。人吉はそこそこ開けた町で、球磨焼酎の名産地だけあって土産物屋さんにも焼酎がたくさんならんでいましたが、あまり時間がなかったので結局何も買わずに駅へと戻りました。次に乗る列車は観光列車と書いてあったのでどんなのだろうと思っていましたが、外見は普通の列車でした。ただ車内のボックスシートの一部が畳敷きになっていて、靴を脱いであがれるようになっていたのが違いでしょうか。でもその席にはすでに他の人が座っていたので、私は1人掛けの普通の席に座ることにしました。列車が発車するとすぐに自動放送が始まり、なんでも途中の見所を放送で案内してくれるとのこと。なかなか上手く考えられてるなぁと感じました。また各駅での停車時間が長めにとられていたり、途中の見所では列車が一時停車してくれたりと、至れり尽くせりでした(最初この列車だけ他の列車に比べて時間がかかるので何でだろうと思っていたのですが、これが原因だったのですね)。ちなみに列車の名前になっている「いさぶろう」は、人吉〜吉松間開業当時の逓信大臣である山縣伊三郎の名前から付けられたとのこと。
さて、列車は発車後しばらくして最初の停車駅である大畑(おこば)駅に到着。ここから次の駅である矢岳駅まではかなり山を登らないと行けないため、列車は一気に登ることができず、スイッチバックとループ線を経由します。この2つが同時に存在するのは日本でもここだけだとか。ちなみにスイッチバックとは途中で列車の進行方向を逆にして、Z字状にジグザグ登っていく方式で、ループ線とはその名の通り、ぐるっと一周して高低差を稼ぐ方法です。鉄道は、線路がつるつるなのを見てわかるように、列車とレールとの摩擦が少ないので、車のように急な坂を上ることができず、このような方法がとられています。


方向転換

スイッチバックする時は進行方向が変わるため、一旦列車を停車させてから運転士さんが逆方向にある運転台に移動しなければなりません。そのときの様子。


ループ線

ループ線をちょうど一周した地点から撮ったものです。いさぶろう号はここでしばらく停車してくれます。下の方に先ほど停車した大畑駅が見えるのがわかるでしょうか。ループを一周する間にこれだけの高低差を登ってきたわけです。

ループ線を過ぎた後もひたすら列車は山登りを続け、ようやく次の矢岳(やたけ)駅に到着。矢岳駅は標高536mで、この列車の始発駅である人吉駅は標高106mですから、ここまでで430mも登ってきたことになります。SL時代は今以上に勾配を登るのがきつかったでしょうから、運行が大変だったことは想像に難くありません。矢岳駅にはSL資料館があり、列車もしばらく停車してくれるので、見に行くことにしました。


SL資料館

SL資料館に展示されているD51。やはり近くで見るとでかかったです。急いで撮ったので上部が切れてしまったのがかなり悔しい(汗)。

矢岳駅の風景

矢岳駅に停車中の風景。すごく味のある駅でした。この写真のちょうど真後ろがSL資料館。

矢岳駅を出発すると一転、山下りになります。途中、通称「日本一の車窓風景」が見られるポイントで列車はしばらく停車してくれます。

日本一の車窓風景

日本一、かどうかはわかりませんが、とても列車の中から見てるとは思えない、すばらしい眺めでした。ここから列車はさらに山を下って真幸(まさき)駅へ。この駅のホームには幸せの鐘があり、みんな鳴らしていました。また駅名が縁起の良い名前ということで、入場券も人気があるそうです。ここからはまたスイッチバックを経由して、終点の吉松駅へと向かいます。それにしても、肥薩線がここまで面白い路線だとは思いもしませんでした。ここは絶対に一度は来てみるべきです。私も機会があればまたここに来てみたいなあと思います。


    吉松15:35 - 隼人16:25(肥薩線・普通隼人行き)
吉松では35分も時間があったので駅前に出たのですが、なんにもないところだったので、仕方なく駅に戻ってきました。ただ駅前にはSLが野ざらしで展示してあるのが気になりましたが。ここからは2両編成になります。乗客はそれほど多くはありませんでした。さっきまでの路線がすごかったので、その反動で疲れて寝てしまい、あんまりこの区間は印象に残っていません…。


    隼人16:26 - 西鹿児島17:09(日豊本線・普通西鹿児島行き)
1分で手早く乗り換え、いよいよ鹿児島の中心地を目指します。日豊本線は電車にはなりますが、単線区間です。このあたりになると住宅も増えてきて、鹿児島のベッドタウンなのかなと思いながら景色を眺めていました。途中で桜島の姿が見えてきて、ちょっと感動。その反面、鹿児島滞在中には降灰がありませんように…と願っていました。で、鹿児島が近づくにつれてもっと住宅地っぽくなるのかと思ったら、どんどん海と山が近づいてきて、海水浴場化していったのにはちょっとびっくりしました。でも鹿児島に入ってしまえば、都会的な雰囲気になります。終点の西鹿児島は、ターミナルだけあって大きな駅でした。


    西鹿児島17:23 - 指宿18:45(指宿枕崎線・普通山川行き)
西鹿児島ではちょっとだけ土産物屋をのぞいたのですが、あまり良い物が無かったのでなにも買いませんでした。ここからは指宿枕崎線に乗って、今日泊まるホテルのある指宿を目指します。指宿枕崎線は正直言って、かなりのローカル線と思っていたのですが、実際乗ってみると乗客が多くて驚きました。3両編成だったのですが、立ち客が途中までいたくらいです。特に学生の姿が目立ちました。この区間、単線非電化なのですが、途中までは住宅地をずっと走っているため、乗り降りする人の数も多いです。1時間少々列車に揺られて、ようやく指宿に到着。指宿は温泉で有名なだけあって、道ばたの排水溝からも湯気が立ち上っていました。

指宿駅前

で、ここから地図をみながらホテルまで歩いていこうとしたのですが、これが大変でした。web上の地図を見る限りでは5分ぐらいで着くかなと思っていたのですがとんでもない。歩けど歩けどホテルは見えてきません。途中で不安になって持っていた別の地図で確認したところ、道は間違っていないものの、恐ろしく遠いことが判明しました。でもここまで来たからには意地でも歩いていこうと思い、結局1時間近く歩いてようやく到着。結局2.5kmぐらい駅から歩いたようです。で、夕食がまだだったので近くに食べるところがないか聞いたところ、予想通り来た道をかなり引き返さないと無いとのこと。仕方がないので近くのホテル(といっても徒歩15分ぐらいかかりましたが)のレストランでカツ丼を食べて焼酎を飲みました。焼酎は確か300円以下でしたがコップにこれでもか、というぐらい出されて、全部飲みきれませんでした…。
そして再びホテルの自室へ戻ると、部屋には市町村職員向けの宿情報誌がありました。それによるとどうもこのホテルは市町村職員だと安く泊まれるようです。それに気付いてあわててフロントにいき、身分証明書を見せて安くしてもらいました。ちょっとラッキーでしたねえ。あ、ちなみに部屋は目の前に海が広がる、すばらしい部屋でした。温泉も海に面していて、夜なので海は見えませんでしたが、くつろぐことができました。で、翌日は朝6時にチェックアウトするつもりだったので、5:20にモーニングコールをセットして、早めに就寝……。



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